特殊詐欺対策で被害を未然に防ごう!種類や最新の手口も解説

防犯 2024.12.12更新(2021.03.12公開)
特殊詐欺対策で被害を未然に防ごう!種類や最新の手口も解説

年間を通して、高齢者をターゲットにしたオレオレ詐欺などの特殊詐欺被害が多発しています。
警察庁の調査によると、令和5年の特殊詐欺の認知件数は合計で19,038件、被害額は452億5,643万7,000円と、相当な数の被害がもたらされていることがわかります。[注1]特殊詐欺被害を防ぐためには、詐欺の手口を把握しておき、適切な対策を講じることが重要です。
本記事では、特殊詐欺の主な手口や具体的な対策についてご紹介します。

[注1]警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ|特殊詐欺 発生状況

目次

特殊詐欺とは?種類と手口一覧

これが特殊詐欺

特殊詐欺とは、電話やメールなどを用いて、ターゲットと対面することなく信用させて現金などをだまし取る詐欺のことです。特に高齢者がターゲットとなるケースが多く、被害額も大きくなっています。

特殊詐欺は、主に以下の9種類に分類されます。

今回は、なかでも被害件数や被害総額が大きい「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」「架空料金請求詐欺」「還付金詐欺」の5つについて解説します。

オレオレ詐欺

オレオレ詐欺とは、電話を用いて家族や親戚になりすまし、「事故やトラブルによって多額のお金が必要になった」と嘘をついて金銭をだまし取る特殊詐欺です。詐欺の手口として、犯人は自分が親族であると偽るために「オレ」と自称するのが特徴です。

  • 犯人「母さん久しぶり」
  • 被害者「あなたは誰?」
  • 犯人「オレだよ、オレオレ!」
  • 被害者「○○(息子の名前など)かい?」
  • 犯人「そう!〇〇だよ!」

このような流れで、親族だと信じ込ませて以下のような理由で金銭を要求してきます。

  • 交通事故を起こして示談金が必要になった
  • 不倫で相手を妊娠させてしまった
  • 借金の返済でお金が必要になった
  • 自分のミスで会社のお金を紛失させてしまった

オレオレ詐欺では、子どもと同じ電話番号から電話がかかってくることは基本的にありません。そのため、明らかに自分が知らない電話番号から詐欺の電話がかかってくるのですが、犯人は「電話番号が変わった」と嘘の理由でだましてきます。また、詐欺の電話をする前に、電話番号など連絡先の変更のみを伝えて詐欺の前準備をしてくる場合もあります。

金銭の受け渡しの場面では、銀行での振り込みを指示するケースや「受け子」と呼ばれる犯行グループの1人が受け取りに来るケースなどがあります。しかし、いずれの場合も子ども本人と対面することはありません。

預貯金詐欺

預貯金詐欺とは、警察官や銀行職員など公的機関の人物になりすまし、預貯金通帳やキャッシュカード、クレジットカードなどをだまし取る詐欺です。具体的には、以下のような名目で電話をかけてきます。

  • 特殊詐欺の調査をしていたところあなたの口座が使用されていた
  • キャッシュカードやクレジットカードを調査したところ不正利用の履歴が確認された

このような嘘をつくことで被害者の不安を煽り、預貯金通帳やキャッシュカード、クレジットカードなどを新しいものへ交換するよう要求してきます。同時に暗証番号なども教えるように指示され、これらが犯人のもとへ渡ると悪用されてしまいます。

その他、平成から令和へと元号が変わる際に発生した預貯金詐欺もあります。元号の変更により、従来の預貯金通帳やキャッシュカード、クレジットカードなどが使用できなくなるとだまし、交換を要求したという手口です。改元によって預貯金通帳やキャッシュカード、クレジットカードなどが使えなくなることはありません。

キャッシュカード詐欺盗

近年、オレオレ詐欺と預貯金詐欺を組み合わせたような方法で被害者が続出しているのが、キャッシュカード詐欺盗です。キャッシュカード詐欺盗とは、キャッシュカードの不正利用という嘘の理由で被害者に近づき、カードと暗証番号をまとめて盗み出す詐欺です。

キャッシュカード詐欺盗の手口は、まずオレオレ詐欺や預貯金詐欺と同様の方法で、キャッシュカードが不正利用されていると伝えてきます。その後、キャッシュカードの調査を名目に、警察官や県や市の職員と偽って実際に自宅まで犯人が訪れます。

  • 被害者「どうすればよいですか?」
  • 犯人「(封筒などを手渡し)こちらにキャッシュカードと暗証番号を記載した紙を入れて安全な場所で保管してください。印鑑も必要ですので、持ってきていただけますか?」

このような流れで被害者が印鑑を探すために席を外した隙に、キャッシュカードと暗証番号を記載した紙が入った封筒を偽物と入れ替えます。

  • 犯人「後日、改めてご連絡いたしますので、開封せずにくれぐれも気をつけて保管してください」

上記のような手口で、知らぬ間にキャッシュカードと暗証番号が盗み出されてしまいます。

架空料金請求詐欺

架空料金請求詐欺とは、ショートメッセージ(SMS)やはがきを利用して、実際には使用していない料金を支払わせようとする詐欺のことです。具体的には、インターネット業者や裁判所関係者などを名乗る人物から以下のようなSMSやはがきが届きます。

  • 「有料動画の未払いの料金があります。本日中にご連絡がない場合は法的手続きに移行いたします。」といった内容のSMS
  • 「利用料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」として、訴状が提出されたと記載されたはがき

SMSやはがきに記載されている連絡先に連絡してみると、「現金を送ってください」や「コンビニエンスストアで電子マネーを購入し、カード番号を教えてください」などの方法で現金を要求します。裁判という言葉とちらつかせて、被害者の不安を煽ってきます。

還付金詐欺

還付金詐欺とは、医療費や保険料の過払い金、未払いの年金など、嘘の口実でATMを操作させ、口座間の送金により現金をだまし取る詐欺のことです。自治体や税務署などの職員を装い、電話口で指示を出し、ATMからお金を犯人に振り込ませます。具体的な電話の内容は以下の通りです。

  • 犯人「年金支給が一部未払いとなっていましたので、受け取る手続きをすることでお金を受け取れます」
  • 被害者「どうすればよいですか?」
  • 犯人「お近くのATMでお手続きできますので、今から携帯電話を持ってATMに向かってください。ATMに着いたらお電話いただければ、操作方法を教えます」

実際に操作してみると、犯人に送金する手続きをしてしまい、お金をだまし取られてしまいます。巧妙な手口で、被害者はお金を受け取れると信じてしまい、犯人にいわれるがまま行動してしまうことが多いようです。

特殊詐欺被害に遭ったときの対処法

詐欺の電話に出てしまい、実際に金銭やキャッシュカードなどを渡してしまうと取り返しがつきません。不審な電話がかかってきたら、冷静に対応することが重要です。ここでは、特殊詐欺の電話やSMSなどが届いた場合の対処法をお伝えします。

オレオレ詐欺電話の対処法

オレオレ詐欺の場合、連絡先の変更について問い詰めても犯人にうまく言い逃れられてしまうケースもあります。電話口では声がわかりづらいこともあるでしょう。

オレオレ詐欺が疑われる電話がかかってきたら、以下のように対処しましょう。

  • 自分からは絶対に親族の名前は出さない
  • 相手が一貫して親族の名前を出さずに「オレ」と自称してくるのであれば、実在しない名前を出して問うてみる
  • 実在する親族の名前を相手が出してきたら、本人にしかわからない質問をする
  • 実在する親族の名前を出して連絡先の変更を偽るようなら、一度電話を切り、本人に電話をして確認する

オレオレ詐欺対策ために、家族内でしか通じない合言葉や約束事などをあらかじめ用意しておくと安心です。

預貯金詐欺の対処法

実在する警察署や銀行の名前を出して、自分の預貯金通帳やキャッシュカードなどが危険といわれると、不安になってしまうかもしれません。ですが、まずは冷静になることが大切です。警察や銀行職員が電話やメールで預貯金通帳やキャッシュカード、クレジットカードなどの交換を要求してくることは絶対にありません。

このような電話やメールは詐欺と考え、以下のように対処しましょう。

  • キャッシュカードやクレジットカードを渡さない
  • 暗証番号を求められても教えない

また、不審な電話がかかってきた時点で、すぐ家族などに相談することも大切です。

キャッシュカード詐欺盗の対処法

預貯金詐欺と同様、警察や銀行職員がキャッシュカードの交換を要求してくることは絶対にありません。同様に、キャッシュカードなどを封筒などに入れさせて保管を促すようなこともありません。

警察や銀行などを名乗る電話がかかってきたら、以下のように対処しましょう。

  • キャッシュカードを渡さない
  • 暗証番号を求められても教えない

少しでも違和感があれば家族などに相談し、決して1人で対処しないようにしてください。

架空料金請求詐欺の対処法

事業者や裁判所などが未払いの料金を請求するために、コンビニエンスストアで電子マネーやプリペイドカードを購入させることはありません。身に覚えのないSMSや請求はがきが届いた場合は以下のように対処しましょう。

  • SMS・はがきに記載された連絡先に連絡しない
  • お金を送る、コンビニエンスストアで電子マネーを買うという案内は相手にしない

なお、裁判所からの連絡は、身に覚えがない場合でも連絡先が適切か確認した上で、裁判所や最寄りの消費生活相談窓口に相談するようにしましょう。訴状や支払督促の場合、無視をするとより大きな損害を被る可能性があります。ただし、いずれの場合も電子マネーやプリペイドカードで送金させることはありません。

還付金詐欺の対処法

ATMの操作でお金が返ってくることはありません。「ATMを操作すれば医療費や税金が戻ってくる」といった電話は無視しましょう。払戻期限を示し、焦って対応させようとしてきた場合も、一度電話を切って家族に相談することが大切です。

万が一、詐欺に気づかずお金を振り込んでしまったり、キャッシュカードを渡してしまったりした場合は、すぐに警察に相談しましょう。お金を振り込んでしまった場合は、警察に相談後、すぐに振込先の金融機関に連絡し、口座情報などを伝えます。法律に則って手続きを行うことで、被害額の全部または一部が返ってくる可能性があります。

特殊詐欺被害に遭わないための対策

特殊詐欺!被害を防ぐ方法

では、特殊詐欺の被害に遭わないためにはどのような対策を取るべきなのでしょうか。特殊詐欺全般の対策としては、留守番電話を設定するのが有効です。特殊詐欺の犯人は声を録音されることを嫌うため、留守番電話のメッセージが流れるとあきらめる傾向にあります。

以下ではその他の対策を解説します。

特殊詐欺の手口を理解する

特殊詐欺被害に遭わないためには、詐欺の手口をあらかじめ知っておくことが大切です。かかってきた電話や送られてきたメールが詐欺だと知っていれば、だまされることはありません。

基本的に、自治体や銀行の職員などが電話口でお金に関する話をすることはありません。電話やはがきなどでお金の話が出てきたら、あわてて振り込むことはせず、必ず家族や知人などの第三者に相談するようにしましょう。

防犯機能付き電話機を導入する

改元を利用した詐欺が発生するなど、特殊詐欺の手口は年々巧妙化しています。注意していても、すべての詐欺手口を把握することや、常に特殊詐欺被害に対する意識を高く持つことは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、防犯機能付き電話機の利用です。防犯機能付き電話機は、電話先の相手に警告メッセージや名前を確認するメッセージを送り、相手を確認してから電話に出ることができます。電話内容の録音や着信拒否なども可能です。なかには、警察や自治体などから集めた迷惑電話番号に該当するときに自動で着信拒否する機能や、未登録番号からの着信時に音が鳴らない機能が備わっている機種もあります。電話機やFAXを防犯機能付きのものに買い換えることで、特殊詐欺被害を未然に防いでくれます。

スマートフォンや携帯電話であれば、迷惑電話のブロック機能や警告表示機能が備わっている機種がおすすめです。キャリアごとに指定された手順に沿って設定を行うことで、迷惑電話をブロックできます。不審な電話番号は、拒否リストに登録するなどして対処しましょう。

特殊詐欺対策にはALSOKのサービスがおすすめ

特殊詐欺の手口は巧妙化しており、毎年多くの被害者が出ています。あらかじめ手口を知っておけば十分に対策が可能ですが、すべての特殊詐欺の傾向を完璧に把握するのは困難です。特殊詐欺対策としてお持ちの電話機に迷惑電話フィルター機能を追加したいとご検討の場合は、ALSOKの「トビラフォン」をご検討ください。

「トビラフォン」は、利用者や警察、公共機関などから提供を受けた迷惑電話データベースと照合し、迷惑であると判断した場合は自動で着信を拒否します。また、電話がかかってくるとLEDの光る色で受話器を取る前に安全度を知らせます。もし出た電話が怪しい業者や偽物の公共機関の職員だった場合は、通話中または通話終了後に拒否ボタンを押すだけで、着信拒否が可能です。ボタンが大きく見やすいので、ご高齢の方でも操作しやすくなっています。特殊詐欺は、他人事ではありません。トビラフォンでご自宅や大切な方を特殊詐欺から守りましょう。

その他にも、ご高齢の両親・祖父母が離れて暮らしている場合、特殊詐欺に加えて強盗や空き巣などによる被害に遭わないかなど、心配事が多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが見守りサービスの導入です。ALSOKの「みまもりサポート」は、体調不良や強盗などの緊急時にボタンを押すとガードマンが駆けつけ対応します。また、相談ボタンも備わっており、押すだけでいつでも看護資格を持つスタッフに体調の相談をすることができます。操作が簡単で覚えやすいので、見守りサービスの導入を考えている場合は、ぜひご相談ください。

まとめ

今回は、特殊詐欺の最新手口や対策方法について解説しました。
特殊詐欺はオレオレ詐欺だけではなく、預貯金詐欺やキャッシュカード詐欺盗など手口はさまざまです。現金を要求するまでのプロセスも巧妙化していることから、より一層注意しなければなりません。防犯機能付き電話機の利用などを検討し、被害を未然に防止しましょう。

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