「小学生の防犯に関する意識調査」先生に聞いたアンケートから防犯対策を考える
小学生のお子さんをお持ちのご家庭では、お子さんが登下校中や外出時に事故や犯罪に巻き込まれることが一番の心配事ではないでしょうか。子どもを狙った犯罪は、公園や道路上だけでなく、住宅の中でも起こります。この記事では、ALSOKが小学校の担任をもつ先生に行ったアンケート結果から、小学生の子どもたちがどれくらい被害にあっているかの実態を探るとともに、その防犯対策についても考えてみることにしましょう。
小学校の先生は学区内の治安をどう見ている?
ALSOKでは、社会貢献活動の一環として、小学生の防犯意識を高め安全な学校生活を送れるように、全国の小学校を対象に「あんしん教室」として出張の防犯授業を無償で行っています。その際に、担任の先生を対象に「小学生の防犯に関する意識調査」としてアンケート調査を実施しました。
2018年6月から2019年3月までに行ったアンケート調査では、小学校のクラス担任を持つ815人もの先生から回答がありました。
アンケートの設問「学校周辺の区域の治安をどのように感じるか」については、約60%の先生が「以前と変わりない」と回答しました。「以前より良くなった」と感じる先生はわずか4%、「以前より悪くなった」と感じる先生は10%であり、「悪くなった」と感じる先生のほうが多いことがわかります。
「以前と比べて、保護者から児童の防犯意識を高める授業を行ってほしいという要望が高まっているか」との設問に対しては、約30%の先生が「要望が高まっている」と感じています。ちなみに、「要望は低くなった」と感じている先生は1人もいません。地域の環境や過去の犯罪発生状況などにより回答結果は異なるでしょう。しかし、今のところ学区内で治安悪化の具体的な事案はなくても、小学生のわが子に自分の身を守るための防犯知識は身につけておいて欲しいと考える保護者は多いものと推察されます。
出典:内閣府『「治安に関する世論調査」の概要』
また、内閣府の「治安に関する世論調査」によると、不安に感じる犯罪等の年代別の割合では「誘拐、子どもの連れ去りやいたずら」「児童ポルノ、児童買春などの子どもに対する犯罪」の割合が30~40代で高くなっていることがわかります。この世代は、まさに子育て世代であり、子を持つ親の犯罪に対する不安が見受けられます。
怖い思いをした小学生は少なくない!いつ・どこで・どのような目に遭っているのか?
アンケートの「自分のクラスに過去に危険な目に遭った児童が何名いるのか」に対して、担任の先生が把握している事例では「70人に1人」という結果が出ました。軽微なトラブルや親や担任に報告していないケースも考えられ、小学生自身が危険と認識していないケースも潜在していることを思えば、さらに増えるかもしれません。実際に子どもたちはどのような目に遭っているのでしょうか。
被害にあった生徒の回答内訳
被害にあった生徒の回答内訳
上記左図は被害にあった生徒の回答内訳です。1番多いケースが「しつこく話しかけられた、つきまとわれた」という回答で45%を占めています。2番目に多いのが「声を掛けられて連れ去られそうになった」というもので、24%です。3番目が、実際に「手を引かれて無理やり連れ去られそうになった」ケースが23%というアンケート結果が出ていますが、この数字を見てどう思われたでしょうか。怖い目に遭った小学生70人に1人のうち、「連れ去られそうになった」のが47%で約半数であるという事実は、決して看過できるものではありません。実際に、脅迫、暴力、わいせつ行為を受けた小学生は約6%です。これらは未遂ではなく犯罪行為があったことを示しています。
連れ去られそうになった子どもたちは、どのような言葉を掛けられているのでしょうか。
よくある誘い文句のパターンは「興味系」「ハプニング系」「親切系」「困惑系」の4種類です。
もっとも多いのが「興味系」で、小学生の興味や好奇心をそそる手口です。「かわいいペットを見せてあげる」「タレントにならない?」というもの。一般的にどのような常套句が多いのか、 お子さんに具体例を示すことにより、自分ならどう対処するかを考えさせることが効果的です。
「ハプニング系」は、「お母さんが救急車で運ばれたから、病院に一緒に行こう」などと言って動揺させる手口です。
「親切系」は、「犬が居なくなったから一緒に探して」「駅まで道案内してほしい」と親切心につけ込みます。
「困惑系」は、「雨が降ってきたから家まで送ってあげる」などと傘がなく困っている子どもをだます手口です。
これらの事案が多いのは、進学進級したばかりの1学期中が最も多く、年間の約40%がこの時期に集中しています。時間帯は、下校中が48%、日没前の外出中が24%という結果になっています。つまり、1番気をつけなければならないのが、1学期の下校中ということになるのです。下校中ということは通学路で危険な目に遭っているわけですから、なるべく1人になる時間を短くする工夫が必要です。
高学年にもなれば自分の身を守る知識や知恵が増えますが、小さいうちはそうもいきません。統計では、被害者の約半数は自分の意思でついていってしまう実態があるのです。防犯対策として以下の点を守りましょう。
- 外から見える場所に自分の名前を書かない
- 防犯ブザーはその都度着脱が難しいため、通学用と外出用に使い分ける
- 防犯ブザーはすぐに鳴らせるような場所に、鳴らしたらすぐに逃げる、遊びで鳴らさない
- 小学生の目線で危険な場所を確認し話し合う
- いかない、のらない、おおごえをだす、すぐ逃げる、しらせるの「いかのおすし」を教える
子どもの留守番中に訪問者が来るケースは意外に多い!
小学生の子どもが1人で留守番しているときに、玄関チャイムが鳴ったときはどうしていますか。子どもの留守番中に、見知らぬ訪問者が訪ねてきた経験のある児童は20人にひとりと意外に多いのです。防犯対策を親子で話し合っておく必要があるでしょう。ポイントは不審者に「家に親か祖父母などの保護者がいると思わせる」ことです。その際の、約束事として「いいゆだな」は防犯対策として効果的です。
「い」いえのカギを見せない
「い」いえの近くに人が隠れていないか見る
「ゆ」ゆうびん受けの手紙をためない
「だ」だれもいなくても「ただいま!」を言う
「な」なかにすぐ入り鍵をかける
自宅のカギを持っていることを見せびらかさないように、また、カギをスムーズに使えるように練習しておくのがおすすめです。カギの扱いに手間取っていると、背後に不審者が迫っていても気づけないことがあるからです。
防犯教育を受けていたため危険が回避できたケース
小学生の子どもたちが危険な目に遭ったときに、防犯教育がどう役立ったのかという主な事例を紹介します。防犯ブザーを鳴らして逃げた、知らない人に声を掛けられてもついていかなかった、車に乗らないかと誘われたが避難できた、家の様子を探る不審者に気がつけた、自宅に知らない人が来ても対応しなかった、など、自分の身を守ることができたのは防犯教育の効果が大きいようです。しかし、犯罪被害の実害には至らずとも、依然として不審者や声掛け事案がなくなることはありません。子どもたちの意識が薄れないよう、学校も保護者も、引き続き折りに触れ防犯対策を継続することが大切です。
家庭での防犯対策を見直そう!
ALSOKではお子さんを犯罪被害から守るための商品を提供しています。
ひとつは、GPS搭載で通話機能のある端末「まもるっく」です。防犯ブザーとしての機能も併せ持ち、緊急時にストラップを引っ張ればガードマンが位置情報を頼りに駆けつけます。お子さんでも簡単に操作できるよう設計しており通話機能もございます。
また「アルボeye」は、遠隔地からでも自宅のカメラ映像をスマホで確認でき、いざというときはガードマンの駆けつけ要請ができます。小学生のお子さんがひとりで留守番しなければならないようなときでも、職場などから様子を確認することができ、何かあったときにも対応できるので安心です
ALSOKのホームセキュリティは、24時間365日警備システムによりご自宅を見守ります。火災や不審者の侵入を検知すると自動でALSOKへ通報し、専門のトレーニングを積んだプロのガードマンが駆けつけます。
とくに小学生のお子さんをお持ちのご家庭は、これを機会にぜひご利用・導入をご検討ください。