冬の悩み「結露」を防ぐ方法

住宅設備2021.02.26

「冬に暖房をつけていたら、窓に水滴が付着して一面濡れていた」なんて経験はありませんか?温度差によって窓などに生じる水滴を「結露」といい、放っておくと健康に被害を及ぼしてしまうこともあるため注意が必要です。

本記事では、冬に生じてしまう結露の原因やリスク、予防法についてご紹介します。

結露が発生する仕組みや原因

結露とは、温かい空気が冷やされることで生じる水滴のことです。身の回りのわかりやすい現象でたとえると、冷えたグラスに水滴が発生する現象です。

空気は、そのときの温度によって含める水蒸気の量が異なります。これは飽和水蒸気量といい、空気が暖かいほどより多くの水蒸気を含むことができます。ヒーターなどで温まって水蒸気量が多い空気が、窓などで冷やされると飽和水蒸気量が下がってしまい、空気に含みきれなかった水分が水滴になって結露が発生してしまうのです。

結露を放置しておくリスク

結露を放置しておくリスク
結露を放置しておくリスク

結露の正体は水分です。そのため、「放っておいても問題ないだろう」と考えている方もいるかと思います。しかし、結露を放置することには、3つのリスクがあります。

ここからは、結露を放置するリスクについて詳しくみていきましょう。

1カビやダニが発生する

まず挙げられるリスクが、カビの発生要因となってしまうこと。窓に発生した結露は窓枠やサッシに付着し、カビの原因となります。カビによる変色リスクはもちろんの、壁や床にまで水分が入り込み自宅の材質を傷めてしまうリスクもあるでしょう。

また、結露には細かいホコリやゴミが付着しやすく、窓の周辺を汚す原因になります。

2アレルギーや肺炎の原因となる

窓に発生してしまったカビは見た目が悪いだけではなく、健康に被害を及ぼしてしまう可能性があるため注意が必要です。ゴミと水分が混ざりあったものはダニの餌になるため、カビだけではなくダニの発生リスクも上がってしまいます。カビやダニのフン・死骸はアレルゲンとなり、アトピー性肺炎や喘息、鼻炎や目のかゆみなどを引き起こすことがわかっています。

発生したカビやダニは窓辺だけではなく、カーテンなどにも繁殖していくため注意が必要です。

ダニのフンや死骸にはとくに注意が必要です。1gのホコリに含まれるダニの成分が、わずか10マイクロ(100万分の10g)でもアレルギーを発症するリスクがあるといわれています。[注1]

カビやダニを放っておくと、症状が重篤化して肺炎を引き起こしてしまう危険性があります。小さい子どもや高齢者はとくに重篤化しやすいため、結露によるアレルゲンの発生には十分に注意しましょう。

3金属が錆びてしまう

結露が発生して窓の金属部品が濡れてしまうと、錆びてしまう可能性があることもリスクとして挙げられます。アルミサッシや鉄製のカギなどは水分によって腐食しやすく、結露を放っておくと劣化を早める原因となってしまいます。

カギが開かなくなったりサッシがガタついたりして使いにくくなってしまうこともあるため、注意が必要です。

結露を防ぐ対策法

結露を防ぐ対策法
結露を防ぐ対策法

放っておくことでさまざまなリスクを高めてしまう結露。結露が発生することが多いご家庭では、しっかりと結露対策をする必要があります。

ここからは、結露を簡単に予防できる対策法を7つご紹介します。

1結露防止アイテムを活用する

各メーカーが販売している結露防止アイテムを使用すると、結露を簡単に予防できます。結露防止アイテムとしてよく使われるのが、以下のようなアイテムです。

  • 結露防止シート
  • 吸水シート
  • 結露防止スプレー

結露防止シートや吸水シートは窓に貼るだけで、結露を防止したり結露で生じた水分を吸い取ってくれたりする効果があります。いろいろなデザインの商品があるため、インテリアの一環としても取り入れやすいところが特徴です。

ただし、結露防止シート、吸水シートも放っておくとカビの原因となってしまうので、定期的に取り替えましょう。

窓にシートを貼ることに抵抗がある場合は、ふきかけるだけで結露を防いでくれる結露防止スプレーがおすすめです。最大1ヵ月効果が持続するものもあり、手間も少なくて非常に便利です。

2空気を循環させる

窓辺の空気を循環させて窓辺の空気だけが冷えることを防ぐと、結露を防止できます。空気の循環というと難しく感じるかもしれませんが、サーキュレーターを回しておくだけで部屋全体の空気が循環します。

また、湿気を追い出すために換気扇を回すのも有効な結露対策です。冬は常に窓を開けておくことは難しいですが、料理中や入浴後、室内干しをしているときはできるだけ窓を開けて、湿気を逃がすようにしてください。

3窓際に荷物を置かない

窓際にぬいぐるみや写真立てなどの荷物を置いていると風通りが悪くなってしまい、湿気が溜まりやすくなります。窓辺はできるだけスッキリと整理しておき、湿気がこもらないようにカーテンはなるべく開けておきましょう。

また、植物を窓際に置いている方も要注意です。植物は光合成の過程で水蒸気を発するので、窓辺の湿度を上げて結露を発生させてしまう原因となります。冬場は、植物を窓際以外の場所に置くようにしましょう。

4窓用ヒーターを設置する

室内と室外の気温差で生じてしまう結露は、窓を温めることで防げます。そこでおすすめなのが、窓用ヒーターです。窓の下に設置して窓を温めるアイテムで、効率よく窓辺の温度を上げられます。

窓から入ってくる冷気をシャットアウトする効果もあるので、冬場の冷えを防ぐこともできます。

5除湿機を設置する

除湿機を使って部屋の湿気を除去するのも、結露対策として有効な方法です。寒くて窓を開けられないときでも、除湿機があれば効率よく部屋中の湿気を取り除けます。部屋干しの乾きがよくなったり布団がカラッとする効果もあったりするので、1台持っておくと非常に便利でしょう。

ただし、冬場に除湿機を使うと乾燥が気になってしまうこともあります。乾燥で喉や鼻が痛くなりやすい方は、使用頻度に十分注意してください。

6中性洗剤で拭き上げる

中性洗剤を使って結露を防ぐ方法もあります。中性洗剤には「界面活性剤」が含まれており、水を弾く性質を持っています。そのため、窓に薄く塗ることで結露の発生が防げます。

塗るときは原液ではなく、水で20倍に薄めたものを使用します。柔らかい布巾に薄めた洗剤を含ませ、窓全体を拭き上げます。仕上げに乾拭きで泡や拭き筋を拭き取れば、結露対策完了です。ただし、効果は1週間ほどしか継続しないので、こまめに洗剤を塗る必要があります。

7非開放型の暖房器具を使用する

暖房には、燃焼によって機器から蒸気を排気する「開放型暖房機器」と排気を室外に出す「非開放型暖房機器」の2種類があります。開放型暖房機器には石油ストーブや石油ファンヒーターなどが当てはまり、非開放型暖房機にはエアコンや電気ストーブなどが当てはまります。

開放型暖房機器は温まりやすくて非常に便利ですが、結露を発生させやすい特徴があるため注意が必要です。あまりにも結露がひどい場合はエアコンに切り替えるなど、状況に合わせて暖房機器具を使い分けるようにしましょう。

窓ガラスのリスクを正しく理解しよう!

結露は見た目が悪いだけではなく健康被害を及ぼすこともあるため、冬はしっかりと対策することが大切です。ぜひ今回ご紹介した対策法を試して、結露から大切な家や体を守りましょう。

また、冬の窓ガラスにおけるリスクは、結露だけではありません。温度差が起きたときに生じる熱割れやワイヤー入りガラスのサビ割れも、冬に起こりやすい窓ガラスの症状です。こういった窓ガラスは空き巣などの犯罪に狙われやすいため、万が一のことを考えてホームセキュリティを導入しておくと安心でしょう。窓ガラスのリスクについては関連コラムをぜひご覧ください。

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