「ネットバンキングの被害」には要注意!対策について解説

サイバーセキュリティ2024.01.31更新(2021.02.28公開)

パソコンやスマホで、いつでもどこでも残高確認や送金ができるネットバンキング。非常に便利な一方で、ネットバンキングを利用して不正送金や個人情報の抜き取られる犯罪被害が増加してきていることをご存じでしょうか。

今回は、安全にネットバンキングを利用するために知っておきたい基本知識について解説していきます。

正しい知識をつけて、犯罪に巻き込まれないように対策をしていきましょう。

ネットバンキングの被害が増加している理由

ネットバンキングの被害
ネットバンキングの被害

警察庁の調査によると、令和4年におけるネットバンキングでの不正送金被害は1,136件で、被害額は約15億円にものぼることがわかっています。その被害の多くはフィッシングによるものとみられています。[注1]

金融庁によると、令和5年11月末におけるネットバンキングの被害件数は5,147件、被害額は約80.1億円となり、いずれも過去最多を更新しています。金融庁によると、ネットバンキングの被害が増加したのは令和4年8月下旬から9月以降だということが判明しています。[注2]

急増した要因としては、二段階認証のパスワードを盗み取る手口が登場したことが挙げられます。

ユーザーがIDとパスワードに加えて二段階認証をすることで、一時期ネットバンキングの被害は減少していました。

しかしサイバー犯罪者は、新しいセキュリティ対策が出てもすぐにそれを破る手口を考えるため、今回も新しい手口でセキュリティが破られてしまったのです。

ただし、金融機関も新たな手口に対して対策を講じているため、被害件数は減少傾向にあります。

しかし完全にインターネットバンキングの被害を防ぐことは不可能です。日ごろから最新の知識をつけたうえで細心の注意を払うことが重要になります。

[注2] 金融庁

ネットバンキングを狙った2つの犯罪手口

それでは、ネットバンキングを狙った犯罪手口としてはどんなものが挙げられるのでしょうか。主な手口を2つ解説していきます。

1SMSやメールを利用したフィッシング手口

1つ目の手口は、銀行を装った偽のSMSやメールを使った手口です。

ネットバンキングのページに似せた巧妙なホームページを作り、そこでIDやパスワード、合言葉などを入力させて情報を抜き取る手法になります。

犯人は不正に手に入れた情報を利用し、ネットバンキング口座から犯人側の口座に送金するなどして預金を盗みます。

2ウイルスを利用した手口

2つ目の手口は、ウイルスを利用した手口です。

メールの不正な添付ファイルやWebページからウイルス感染させ、正規のネットバンキングにアクセスしたときに情報を抜き取ることで、不正送金を行います。

マウスやキーボードの操作情報を記録して外部に送信するため、画面にパスワードなどが表示されなくても個人情報が漏洩してしまう可能性があります。

ネットバンキング犯罪の犯行手口実例

実際のネットバンキング犯罪は、どのような手口で行われるのでしょうか。

例を元に、実際にあった犯行手口をご紹介していきます。

1銀行を騙るメールで個人情報を抜き取る

フィッシングメールのURLをクリックすることによって偽のサイトへアクセスさせ、そのあと偽の入力画面から情報を抜き取る手法です。

  1. 銀行を名乗る差出人からメールが届く
  2. 偽のメールと気づかず、URLをクリックしてしまう
  3. 偽のサイトでネットバンキングのログイン情報を入力
  4. 入力情報が犯人に伝わり、不正送金をされる

2マルウェアによる乗っ取り

ウイルスをパソコンに潜伏させ、本人がネットバンキングの送金手続き完了後にWebブラウザを乗っ取り、送金先の情報を書き換える手法です。

本人は被害に遭ったことに気づきにくいため、非常に悪質な手口になります。

  1. 不正なURLやサイトからウイルスに感染させる
  2. 感染したままの状態でネットバンキングにアクセス
  3. 送金完了後にウイルスが発動し、利用者の送金情報が書き換えられる
  4. 上書きされた送金先へ不正送金される
ALSOK

ネットバンキングの被害に遭わないための5つの対策法

ネットバンキングの被害に遭わないための対策法
ネットバンキングの被害に遭わないための対策法

非常に悪質で被害リスクの高いネットバンキングの被害ですが、正しく対策をすることで被害に遭うリスクを下げることは可能です。

ここからは、ネットバンキングの被害に遭わないための対策法について解説していきます。

1銀行が推奨するセキュリティ対策を実施する

まずは、銀行が推奨するセキュリティ対策の実施を徹底しましょう。

少し面倒ですが、二段階認証やトークン形式のワンタイムパスワードを利用する設定に変更しておくことをおすすめします。

また、ネットバンキングのアプリの中には、起動時にスマホ内のウイルススキャンを自動的に行なってくれるものもあります。

そういった銀行のアプリであれば、ウイルス感染によるネットバンキングの被害に遭うリスクをグッと下げられるでしょう。

2セキュリティ対策ソフトやソフトウェアを最新に保つ

ネットバンキングを利用するスマホやパソコンには、必ずセキュリティ対策ソフトをイントールしておきましょう。

セキュリティ対策ソフトは、ウイルスへの感染や危険なURLへのジャンプを検知して、警告してくれる機能がある製品を選びましょう。

ただし、古いセキュリティ対策ソフトでは正しくウイルスを予防できない場合もあります。

ソフトは定期的に更新し、常に最新の状態に保つようにしてください。

また、OSやブラウザなどを含む各種ソフトウェアを最新のものに更新しておくことも、セキュリティ対策としては必須です。

OSやアプリのアップデートには、脆弱性やセキュリティ上の問題点を解消するものも含まれているためです。

古いバージョンのOSやブラウザを使っていると脆弱性が解消されず、ウイルス感染のリスクが高まってしまうため注意してください。

3パスワードは慎重に管理する

パスワードの管理方法も、十分に注意してほしいポイントです。

ネットバンキングのパスワードはパソコンやスマホなどのデバイス上に保存せず、毎回打ち込むようにすると安心です。

また、銀行からのメールや電話などでパスワードを聞くことは絶対にありません。怪しい連絡が来た場合はすぐに銀行に確認し、注意喚起をしてもらうようにしましょう。

4身に覚えのないメールやSMSは開かない

スマホやパソコンには日々多くのメールが届きますが、身に覚えのないメールやSMSは開かないようにしましょう。

最近は宅配業者などを騙った巧妙な偽のメールが増えてきましたが、心当たりがない場合はフィッシングメールの可能性が高いです。

間違えてURLなどを押してしまわないように、すぐ削除することをおすすめします。

5銀行の残高をこまめにチェックする

ネットバンキングを利用した犯罪はどんどん巧妙になっており、不正送金されても気付けないケースも増えてきています。

知らないうちに被害に遭っていることもあるため、ネットバンキングの口座残高はこまめにチェックすることが非常に大切です。

もしも不審なお金の動きがあった場合は1人で悩まず、すぐに銀行に連絡して取引の詳細について問い合わせるようにしてください。

ネットバンキングの被害を防ぐためにセキュリティ対策を

インターネットの普及が進んだ今、ネットバンキングの被害は決して他人事ではなく、誰でも狙われる可能性がある犯罪です。

自分には関係ないとは思わず、正しい対策法を実践して犯罪から大切な資金を守るように心がけてください。

関連コラム

ALSOKではPCやスマートフォンを使用した最新のサイバー犯罪事例について警視庁にインタビューした記事を公開しています。ぜひご覧いただき、犯罪の脅威からご自身や周りの方々を守ることにお役立てください。

サイバーセキュリティ

この記事に関連する商品

HOME ALSOK Connect
お買い上げプラン
月額費用4,070円(税込)
  • スマホで簡単に警備操作
  • 24時間365日の徹底警備。緊急時にはガードマンが現場に急行
  • お手頃価格で家計も警備も安心
HOME ALSOK アルボeye
カメラ稼働式
月額費用2,750円(税込)
  • 自宅内に設置したカメラの映像をスマホでいつでも確認!
  • もしもの際はメールで異常を通知+ガードマンが駆けつけ
  • ご高齢者様の見守りなどの利用にも