新築・リフォーム時にできる一戸建ての防犯対策
一戸建ての新築やリフォームを検討しているけど、その後の防犯面が心配だ、という方は多いと思います。空き巣をはじめとする侵入窃盗などの犯罪被害に遭うリスクを低減させるため、一戸建てで講じるべき防犯対策にはどのようなものがあるでしょうか。
ここでは一戸建ての防犯対策について考えてみます。
目次
一戸建ては侵入窃盗のターゲットにされやすい
侵入窃盗の認知件数は2003年以降一貫して減少傾向にあり20年連続で減少しています。このうち一般住宅を狙う住宅対象侵入窃盗も同様に減少傾向にありますが、2022年全体の住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は12,071件で、これは日本全国で1日あたり33件以上の事件が起きているという計算になります。
侵入窃盗で一番多いのは家人が不在の時に侵入して金品を盗む「空き巣」で全体の約3割を占めています。また、認知された侵入窃盗の対象となった住戸を見ると、一戸建て住宅が全体の33.0%を占めていることが分かります。一戸建てに住む方は、空き巣のターゲットにされないように慎重な対策を検討する必要があると言うことができるでしょう。
では一戸建ての場合、空き巣はどこからどうやって侵入してくるのでしょうか。
侵入窃盗の侵入口として最も多かったのが「窓」で53.5%と、半数を上回っています。侵入手段に関しては「無締まり」が最も多く51.3%。その次が「ガラス破り」で30.7%となっています。一戸建ての侵入窃盗においては、鍵を閉め忘れた出入口や窓から侵入されるケースやガラス破りで侵入されるケースが多くなっており、注意が必要です。
空き巣は念入りに下見を行う
ではどのような家が狙われやすく、どのような家が狙われにくいでのしょうか。
空き巣はまず仕事をしやすい(すなわち人目に付かず侵入し、その後逃げやすい)環境かどうかをチェックします。その際に気にするのはまず「人通りや人目が少ないか」、次に「ターゲットとした住戸に入りやすく、またそこから逃げやすいか」、そして「その時間帯において周辺に留守の家が多いか」というポイントです。
「人通りや人目が少ないか」については、立ち話をしている人がいないか、通行人が少ないか、などがポイントとなります。また、これに似たポイントとしては空き巣などの犯行を行うものは連帯感(近所づきあいがある)のある街を嫌うということがあります。近所づきあいなどが良好に行われている街ではよそ者はすぐに気づかれ、不審だと思うと声をかけられたりするからです。空き巣は下見の際にその地域の連帯感の度合いをみるのによくゴミ捨てのルールが守られているかどうかをチェックすると言われています。ゴミの日が守られていなかったり、ゴミが放置されているような地域は、セキュリティの確保に関心が薄い地域と見られてしまうため、侵入窃盗犯のターゲットになりやすくなります。
2番目の「ターゲットとした住戸に入りやすく、またそこから逃げやすいか」ということに関しては、住戸から出てすぐに人混みに紛れて逃走できるような場所かどうか、などがポイントとなります。乗降客の多い駅に近い地域や栄えている繁華街に近い地域などは、万一見つかってもすぐに人混みに紛れて逃走しやすいため、侵入窃盗犯のターゲットとなりやすくなります。
3番目の「その時間帯において周辺に留守の家が多いか」に関しては、侵入窃盗犯は住戸のインターフォンを押して留守かどうかを確認することがあります。録画機能付きのインターフォンを導入することで、侵入窃盗の被害に遭うリスクを低減させることができます。また、郵便受けに新聞や手紙、チラシなどが溜まっている住戸については、しばらく留守が続いていると思われてしまい犯罪被害に遭うリスクが高まります。
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新築・リフォーム時にできる防犯対策~狙われない家にする
上記以外にも空き巣が家の防犯状況を確認して、侵入しやすい家かどうかを判断していることがあります。空き巣はどんな家を好むのでしょうか。
チェックポイントは大きく次の3つです。
- 背の高い庭木や塀、ベランダの腰壁など、周囲の目を遮るものがある
(周辺に通行人から見えない死角が多いと侵入のための作業がやりやすくなります) - 庭木、屋根付きガレージ、物置、エアコンの室外機など、侵入する際の足場になるものがある
(足場があると、高い窓や2階からの侵入が容易になります) - 玄関ドアや窓が「ワンドア・ツーロック」になっていない
(錠が1つだけのドアや窓は、侵入窃盗犯のターゲットになりやすくなります)
新築・リフォーム時に、この3つのポイントをチェックしてみて、狙われやすそうなところがある場合は改善しましょう。
新築・リフォーム時にできる防犯対策~侵入を諦めさせる
また防犯性能の高い建物部品を導入することで、侵入時に時間をかけさせ、侵入窃盗を行おうとしている犯人に犯行をあきらめさせることができる場合があります。警察庁のWebページ「住まいる防犯110番」によれば、侵入に手間取り、5分かかると犯人の68.5%はあきらめ、10分以上かかると犯人のほとんどが諦めるといわれています。
防犯性能を考慮すべき建物部品には以下のようなものがあげられます。
- 防犯サッシ・ガラス → CPマークがついているものは、高い防犯性能が認められた製品です。窓の場合は、内側から防犯フィルムを貼るというのも効果的です。
- 補助錠 → 玄関・窓は、補助錠を付けるなどして「ワンドア・ツーロック」を実践するようにしましょう。
- 丈夫な面格子・雨戸、シャッターなど → 窓をこれらの建物部品でガードしておくことで、侵入窃盗の被害に遭うリスクを低減させることができます。
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