「いかのおすし」の意味は?子どもの防犯標語を徹底解説!

子ども 2020.08.04(2023.11.30更新)
「いかのおすし」の意味は?子どもの防犯標語を徹底解説!

子どもの通学時の安全の確保は、親にとって重要課題のひとつです。防犯ブザーや子ども用GPSなどの防犯グッズを携行させることが一般的ですが、危険を察知できるように子ども自身の防犯意識を育てておくことも防犯対策として効果があります。

この記事では、どのようなときに危険が迫っているかについて、語呂合わせの防犯標語「いかのおすし」で覚える方法とその意味について解説していきます。

目次

「いかのおすし」とは?防犯意識を高める5つの行動指針

防犯標語「いかのおすし」は防犯上有効な5つの行動指針について、子どもが簡単に思い出せるような形で構成されています。
子どもたちに「いかのおすし」を教えるときに大切なのは、一つひとつの言葉が示す状況を具体的にイメージしておくことです。具体的なシーンなどを交えて伝えると子ども自身もイメージしやすくなります。

いかのおすし

「いか」・・・しらないひとにはついて「いか」ない

まず、「いか」は、知らない人にはついて「いか」ないことを意味しています。
たとえば、誘拐犯はお菓子などを使って子どもの興味を引きつけようとします。多くの子どもはお菓子に興味があるため、その心は簡単に動いてしまいがちです。そのため知らない人についていったり、つれていかれたりする可能性もあるでしょう。
そこで、このような状況に遭遇したときに「いかのおすし」の「いか」について思い出してもらいましょう。具体的なシーンを交えて伝え「知らない人にはついていかない」と子ども自身が覚えておくことで、自分の行動が正しいかどうか確認できるようになります。

【想定される声かけの例】
「○○ちゃん、○○くん」と名前で呼びかけ「自分はパパ/ママの知り合いで、パパ/ママに頼まれて迎えに来たよ」と話しかけてくる
「○○への行き方がわからなくて…」「ケガをしてしまって…」と困っている人から「一緒に来て」と頼まれる
「みんなでゲームをしよう」「お菓子がたくさんあるから食べに来ない?」と楽しいことに誘われる

子どもには「こんなふうに話しかけられても絶対について『いかない』で」と教え、対応策についても「とくに返事はしなくてもよい。すぐにその場を離れる」と具体的に伝えましょう。子ども自身が防犯標語とともに対応策をイメージできるとよいでしょう。

「の」・・・こえをかけられても、くるまには「の」らない

次の「の」は、知らない人の車には「の」らないことを指しています。多くの誘拐犯が現場からの連れ去りに使うのは車です。子どもを車に乗せてしまえば、周りに知られることなく、すばやく現場を離れることができます。そのため、ここでは車に乗らないことが強調されています。

子どもに「のらない」ことを教える際に注意したいのは、子どもを動揺させるような声かけと、親切な人を装った声かけです。

【想定される声かけ例】
「パパ(ママ)が事故にあった・病気で入院したから一緒に病院に行こう」
「雨がひどくなるから車で送ってあげるよ」
「暗くなってきたから、荷物が重そうだから家まで送ってあげる」

子どもには、親切な誘いであっても話しかけられたときはすぐに車から離れること、絶対に車に「のらない」こと、また車の中から何か聞かれても絶対に車のほうに近づいていかないよう伝えましょう。

「お」・・・しらないひとにつれていかれそうになったら「お」おきなこえをだす

「いきなり腕や服を引っ張られる」といったケースやしつこく話しかけてきたり頭や肩を触ってきたりするケースなど、ほんの少しでも自分が「いやだな」「怖いな」と感じたら、迷わず、恥ずかしがらずに大きな声で「助けて!」と叫ぶよう子どもに伝えましょう。「おおごえをだす」ことには周囲に不審者がいることを伝えて助けを求めるだけでなく、不審者自身をひるませる意味もあります。
怖くて声が出ないときには防犯ブザーや笛を使って大きな音を出すことも1つの手段です。防犯ブザーを子どもに持たせる場合は、いつでも使えるようブザーを鳴らす練習を行い、電池のチェックを欠かさないようにしましょう。

「す」・・・こえをかけられたり、おいかけられたりしたら「す」ぐににげる

「す」は、あぶないと思ったらその場から「す」ぐに逃げることです。誘拐犯などの犯罪者から手の届かない距離に離れることは身を守るための基本。この時に大切なのは、どこに逃げれば安全なのかを具体的にイメージさせることです。

まずは「一番近くの、大人の人がいるところに逃げて」と教えましょう。
次に交番や警察署、理美容室や飲食店、小売店やコンビニエンスストア、「子ども110番の家」というステッカーが貼ってある民家や店舗など、地域の環境に即した「実際に助けを求めることができる場所」を伝えます。
「子ども110番の家」とは、危険を感じて駆け込んできた子どもたちの一時保護や通報などを行う、地域防犯活動の協力者です。
家の近所を散歩しているときや買い物に行くとき、よく友達と遊ぶ公園や広場への行き帰りなどに、「子ども110番の家」をはじめとした安全な避難先を親子で確認しておきましょう。

【ステッカー例】

「子供110番の家」の画像イメージ

(左:東京都千代田区、右:東京都中央区)
出典:都民安全推進部「防犯ボランティア応援サイト 大東京防犯ネットワーク」
https://www.bouhan.metro.tokyo.lg.jp/00_icon/02_kodomo/kodomo110home/list_1.html
一般社団法人 東京ハイヤー・タクシー協会「タクシーこども110番」
https://www.taxi-tokyo.or.jp/mecenat/kids110.html

デザインは区市町村提供のサンプル画像のため、実際に掲示してあるステッカーと異なる場合があります。公式ホームページ等で紹介していく区市町村もあるので、お住まいの地域の子ども110番の家のステッカーデザインを親子で確認しておくと良いでしょう。

「し」・・・こわいことにあったりみたりしたら、すぐにおとなに「し」らせる

最後の「し」は、何かあったときには大人に「し」らせることを意味しています。
「どんな些細なことでも教えてね」と子どもに伝えておきましょう。

具体的には以下のようなことがあった場合です。

  • 自分が「いやだな」「怖いな」「困ったな」と思ったこと
  • 「知らない人に写真を撮られた」「友達が知らない人に話しかけられていた」といった普段とは違うできごと
    など

子ども自身からは言い出せないこともあるため、いつもと違う様子があれば声をかけてあげるとよいでしょう。また、子どもから不審な声かけやつきまといなどについての話を聞いた場合は、周囲への注意喚起が早めにできるよう、迷わず学校や警察に連絡しましょう。

防犯標語「いかのおすし」が誕生した背景は?

子どもは誘拐などの危険が迫っている状況が分からないこともあります。人の言うことを素直に聞いてしまう傾向にある子どもたちに、やさしく言い寄ってくる「悪い大人」に警戒心を持たせるのは簡単ではありません。そこで考えられたのが「いかのおすし」という語呂合わせによる防犯標語です。

防犯標語作成の発端は、当時の日本の状況にあります。この言葉が生まれた当時の日本では「子どもが被害に遭う事件」が社会問題化しており、誘拐や小学校への不審者侵入による傷害事件などが起こっていました。

【当時の事件】
2001年(平成13年):愛知県一宮市小4女児失踪事件
2001年(平成13年):大阪教育大付属池田小学校で起きた無差別殺傷事件
2002年(平成14年):茨城県取手市小3女児行方不明事件
2003年(平成15年):大阪府泉南郡熊取町小4女児誘拐事件

学校などの教育施設に限らず、いかなる場所でも子どもたちは守られるべき存在です。しかしながら、すべての子どもたちに保護の目をまんべんなく届かせることは実際には困難といえます。
そこで、自分の身は自分で守ることを成長の早い段階から理解してもらおうと2004年(平成16年)に警視庁少年育成課と東京都教育庁指導企画課により「いかのおすし」という防犯標語が考案されました。

いかのおすしのコンセプトは、大人と子どもが一体となって防犯意識を高めて安全な社会を作るというものです。子どもたちの心に残るようなインパクトを重視して言葉を選ぼうと、食にまつわる「いか」と「おすし」に、防犯上の重要概念が結び付けられました。

防犯標語「いかのおすし」は大きな話題となり、いまではセーフティ教室だけではなく、防犯関連の各種メディアや学校のポスターなどにも活用されています。

子どもの防犯意識を高める日々の環境づくりのポイント

今回紹介した「いかのおすし」などの防犯標語は、安全について子どもと一緒に考えるためのよいきっかけになります。自分の身は自分で守るという防犯意識を幼少期から身につけることで、将来の安全につながるでしょう。

ただし、防犯標語を覚えるだけではあまり効果は期待できません。危険な状況を具体的に想定してロールプレイなどを繰り返し行い、普段から意識しておくことが重要です。

防犯グッズを常備させる

小学生になると、通学はもちろん、お友達と遊んだり、習い事をしたりといったように子ども一人で行動する機会が増えるため、防犯ブザーや子ども用GPSといった万一の時に子どもの居場所がすぐに確認できるようにしておくことも大切です。
通学時以外にも積極的に防犯ブザーや子ども用GPSなどの防犯グッズを常備させることをおすすめします。

ALSOKの「まもるっく」はGPS機能付きの小型携帯端末で、お子さんの居場所をいつでも確認することができます。また、異常があればストラップを引くことで助けを呼ぶことができ、GPSの位置情報を頼りにガードマンがすぐに駆けつけます。
塾通いや友だちと遊ぶ際にひとりで行動する小学生も増えています。お子さまの安全を守るためにぜひご利用をご検討ください。

不審者訓練で練習を

不審者対応訓練は家庭でも行うことができます。
親子で不審者対応について話し合うきっかけを作り、不審者が現れた際の対応方法・ルールを決めておくとよいでしょう。その際に「いかのおすし」に合わせて具体的な対応方法を子どもに伝えましょう。実際の場面での対応を繰り返し再現したりすることで、子どもの防犯意識を高めることにつながります。

まとめ

いかのおすしは、防犯上有効な5つの行動指針について、子どもに覚えやすいように語呂を合わせた防犯標語です。いかのおすしを覚えるだけでなく日頃からお子さんといっしょにどんな場面でどういった行動が必要か話し合い、繰り返し教えていくことが大切です。

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