鍵っ子とは?留守番はいつから?小学生の身を守るための対策
近年では夫婦共働きを行っているご家庭が多く、必然的に子どもを家に留守番をさせてしまう機会が多くなりました。子どもがいわゆる鍵っ子となる家庭も多く、子どもが犯罪に巻き込まれないために防犯対策を試案している方もいるでしょう。
ここからは、鍵っ子と留守番のタイミングについてご説明します。
目次
鍵っ子とは
鍵っ子とは、小学校から帰ったあとに家で留守番をする子どもたちを指します。
親の仕事の都合により、帰宅時間が遅くなることから常に鍵を持ち歩いているため、「鍵っ子」と呼ばれるようになりました。
1960年代頃、共働き家庭の増加に伴い、親のいない時間に家に帰宅する子どもが増えたことらから一般的に広く使用されています。厚生労働省の調査によると、1980年には614万世帯以上、2021年では1,247万世帯が共働きとなっています。共働き世帯が増加し続ける現代において、鍵っ子は決して珍しい存在ではありません。
鍵っ子には、鍵を忘れる、紛失する、不審者に親が不在であることを知られると犯罪に巻き込まれる可能性があるといったリスクがあります。こうしたリスクを伴うことから防犯対策の必要性が叫ばれています。
小学生の留守番はいつから?
鍵っ子が始まるタイミングとして多いのが小学校1年生から4年生です。小学校にはいると学童保育があるため、入学するタイミングで利用を検討する方も多いでしょう。
ただし、学童保育の開所時間は保育園の預かり時間より短いことも多く、学童保育を利用したとしても結果的に留守番しなければならないケースがあります。
ALSOKが行った「ALSOK小学生のお留守番実態調査」では、初めての留守番は「小学1年生」と答えています。ただし、子どもだけで留守番ができると思う学年は「小学4年生」となっており、理想と現実にギャップが生じています。
また、同様に子どもだけで留守番をさせたくないといった親心を持つご家庭も少なくありません。実態調査では、8割以上の親は子どもだけで留守番をさせることに不安を感じていると答えています。
子どもだけで留守番している家庭は不審者に狙われている
ALSOKは社会貢献活動の一環として防犯に関する出前授業を行っており、その授業を受けた小学校の担任の先生にアンケートを実施しています。
そのアンケート結果をまとめた「第5回担任の先生に聞く、小学生の防犯に関する意識調査」(2020年4月)によれば、留守番中に不審者が訪ねてきた経験がある小学生は13人に1人に及んでいます。前回調査である2019年8月のアンケートにおいては20人に1人だったため、大幅な増加です。
2020年4月に愛知県では留守番をしている子どもと泥棒が鉢合わせするケースが複数起こりました。
1つ目は県内の住宅で11歳の小学生の男の子が1人留守番をしていたところ、2人組の男が1階の窓ガラスを割って侵入し、児童に「前だけを見ていろ」と指示し、その間にクレジットカードやキャッシュカードを盗んで逃げたそうです。幸い児童に怪我はありませんでした。
2つ目は、別の住宅で独り留守番をしていた13歳の男子中学生が、インターホンが鳴ったと、窓ガラスをたたく不審な音がしたため、2階に隠れていると何者かが窓を割って侵入。1階に合ったバッグや財布などを盗まれました。
上記はいずれも、子どもに怪我はありませんでした。しかし、一歩間違えば命の危険性もあったでしょう。愛知県では同様の事件が2020年3月以降、計3件起こりました。
また、留守番中に性的被害に遭ってしまう可能性もあります。
一人で留守番する小学生の女児を狙って性的暴行を繰り返した男が2022年7月、大阪府警に逮捕されました。その後、1月に強制性交致傷などの疑いで再逮捕されています。被害者は令和4年までの6年間で10人となります。
手口としては、集合住宅の階段に座っており、自宅の鍵を取り出してドアを開けた瞬間に押し入られたというもの。鍵っ子の特性をついた犯行といえます。
そのほか電話で子どもだけの留守番中だということを確認したうえで、配達業者などを装いドアを開けさせて侵入する犯罪も発生しています。
子どもだけで留守番をする際は、ドアチェーンがあれば閉めておく、電話には出ない、人が来ても応対しない、家に人がいることがわかるようにテレビや照明をつけるなど、事前に子どもに伝えておくことで犯罪を未然に防止できます。
留守番中はやけどにも注意
また、子どもだけで留守番する機会が増えると不審者だけでなく家庭内での事故にも気をつけなければいけません。昼食時に子どもが一人で簡単に、お湯で調理できるカップ麺、インスタントスープ、味噌汁などを食べる時に「やけど」をする危険があります。
やけどの事故による救急搬送された人の割合を見てみると全体の4割が12歳以下となっています。また、そのうちの8割は住宅など居住場所で発生しています。
出典:東京消防庁
親子でしておきたい鍵っ子の防犯対策
自宅が危険な場所にならないために、鍵っ子の小学生がいる家庭で事前にしておきたい約束事を紹介します。
留守番するときのスローガン「いいゆだな」
ALSOKは、自宅に帰ってきたときの小学生が家に入る際に気を付けたいこととして、それぞれの頭文字を取って「いいゆだな」という標語を掲げています。
最初の「い」・・・いえのカギを見せない
最初の「い」は家の鍵を見せないことです。家の鍵を見せればこれから留守番することが周りに分かってしまいます。家の鍵は周囲に見えないようにランドセルやバッグから取り出すようにしましょう。
2番目の「い」・・・いえのまわりをよく見る
次の「い」は家の周りをよく見ることです。家の周りに不審者が待ち伏せしていて、家に押し入られることがあります。家に入るときに後つけている不審者がいないか、よく確認しましょう。近くに知らない人がいる場合、鍵を開けた瞬間に押し入られる可能性があります。不審人物かわからなくても近くに知らない人がいるときは、むやみに鍵をあけてしまわないようにしましょう。
「ゆ」・・・ゆうびんポストをチェック
「ゆ」は郵便受けをチェックすることです。郵便受けに郵便物がたまっていると留守にしていると思われ、空き巣に狙われることがあります。留守だと思われたり、個人情報の流出を避けるため、こまめに郵便物を確認しましょう。
「だ」・・・だれもいなくても「ただいま」
「だ」は、誰もいなくても「ただいま」ということです。「ただいま」と口に出すことで、家の中に誰かがいるように感じられます。
「な」・・・なかに入ってすぐ戸じまり
「な」は中に入ったらすぐに戸締まりをすることです。侵入窃盗の多くは、鍵の閉め忘れ(無締り)によるものです。家に入ったからと安心するのではなく、まずは鍵をかけるという習慣も身につけましょう。
最近の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、当面はこれに手洗いを奨励する「あ」を追加し「いいゆだなあ」という標語とすることにいたしました。ご家庭でもぜひご活用ください。
「いいゆだな」のまとめ
下記、先述した「いいゆだな」のまとめです。
い | 家の鍵を見せない |
---|---|
い | 家の周りをよく見る |
ゆ | 郵便受けをチェックする |
だ | 誰もいなくても「ただいま」という |
な | 中に入ったらすぐに戸締まりをする |
あ | あらおう、手をしっかり |
これらを行うことで、留守番中でも子どもの防犯性を高めることができます。
お留守番約束シートの活用
小学生だけで留守番をさせざるを得ない家庭では、あらかじめ留守番のときの約束事を家族で話し合いをし、決めておきましょう。具体的には以下の通りになります。
- 家のドアや窓はすべて施錠する
- 訪問者があった場合の対応の仕方はどうするのか
- 電話がかかってきたときの対応はどうするのか
- 身の危険を感じたり困ったことが起こったりしたときにどこに駆け込めばよいのか
- 大災害が起きたときはどうするのか
- 家族や親せきの電話番号など
ALSOKではこれらの事項をまとめて書ける「お留守番約束シート」をホームページからダウンロードできます。あらかじめ決めたことをお留守番約束シートに書き、小学生の子どもが留守番するときに目に付きやすい場所に貼っておきましょう。
鍵っ子の小学生がいる家庭も安心できるホームセキュリティ
小学生だけで親が帰宅するまで過ごさざるを得ない家庭の場合、子どもだけで過ごす時間を見守ってくれるホームセキュリティを導入すると安心です。
ALSOKの「ホームセキュリティ」は、24時間365日住宅と家族を見守り警備。子どもが一人で留守番中に、不審者が窓を割って侵入するなど万一の際にALSOKのガードマンが迅速に駆けつけます。
専用の防犯カメラとスマホアプリも連携しているため、どこからでも家の様子をリアルタイムで映像確認することが可能です。窓や鍵の閉め忘れを音声メッセージでお知らせしてくれるため、お子さまがお一人で留守番している時の心強い味方となるでしょう。
もちろん在宅時も警備したい部屋を細かく設定できます。例えば2階で就寝中に1階の警備だけをかけるといったことができます。
留守の住宅を守る屋外対応カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」
また、当社では下記のような特徴を持つ監視カメラを提供しております。
- 人感センサーが作動して自動録画
- 屋外・屋内設置が可能なコンパクト設計
- 専用アプリでリアルタイムに映像確認
HOME ALSOK Connect Eyeは設置場所を問わないことから、室内・室外どちらも工事不要で設置することができます。外出時も帰宅後も住宅を見守りが可能です。
子どもが留守番中に何をしているのかが気になる方は、アプリをダウンロードして室内の様子を確認できます。
鍵っ子の小学生が安全安心に過ごせるように防犯対策をしよう!
鍵っ子の小学生だけで自宅で過ごさざるを得ない場合、安全に過ごせるかどうかが気になるところです。自宅に不審者が訪ねてきて犯罪に巻き込まれるケースも少なくないため、何らかの対策が必要です。小学生だけで留守番をする際の約束事をあらかじめ家族で話し合っておきましょう。また、親に代わって小学生が安全に過ごせるために見守りをしてくれるホームセキュリティの導入を検討してはいかがでしょうか。