ここにあった財布がない!海外旅行に行くなら押さえておきたいスリ対策とは?
日本では考えられないことが、海外旅行に行くと当たり前のように起こります。そのひとつがスリです。治安の良くない国に行くとスリの被害に遭うケースが多いのではと怖いと感じてしまう人も多いことでしょう。ただ、きちんとスリ対策をしておけば、スリの被害に遭う可能性を低くして安心して海外旅行を楽しむことができます。この記事では、海外でよくあるスリの手口と、スリに遭わないための防犯対策についてご紹介します。
こんなときにはご用心!海外でよくあるスリの手口
スリの手口は多様であり、海外旅行中にはさまざまなシーンでスリの被害に遭う可能性があります。まず、多いのがポケットに入れている財布が抜き取られるケースです。レストランのテーブルの上に財布やスマホを置いていても、スリの標的になります。また、しっかりとリュックを背負っていても、背後から中身だけが抜き取られるケースもめずらしくありません。2~3人のグループで取り囲み、無理やり荷物を奪う強盗集団もいます。また警察のような身なりをした偽警官などのパターンにも気をつけなければなりません。所持品検査と偽り、現金を盗むという犯罪も多発しています。
そのほか、スリ被害は電車やバスといった公共の交通機関でも多く発生しています。観光名所でもスリに遭う可能性は高くなっていて、人が多く注意力が散漫になりやすい場所でスリ被害が発生しやすくなっているといえそうです。
外務省が発表している「2021年(令和3年)海外邦人援護統計」の海外邦人援護(※)件数の内訳をみると、「その他案件」を除いた件数で最も多い項目は傷病(1,411件)、その次が遺失・拾得物(488件)、窃盗(343件)となっています。
※海外で犯罪被害などに遭った邦人の救助・支援を行う取り組みのこと。
出典:外務省「2021年(令和3年)海外邦人援護統計」
スリ被害が含まれる窃盗被害そのものは3位となっていますが、2位の遺失・拾得物の一部は「なくした」のではなく、「スリの被害に遭った」ものも含まれている可能性も高く、実際はもう少し割合は多いものと推測されます。
これで安心!海外旅行中にスリに遭わない防犯対策
楽しいはずの海外旅行で悲しい経験をしないためにも、スリ対策は万全にしておくのがよいでしょう。まず、貴重品をズボンや上着のポケットに入れてはいけません。スリを英語でpickpocket(ポケットの中を抜き取る意味)というように、ポケットの中はスリに狙われています。日本ではポケットに財布を入れる人も多くみられますが、海外ではカバンの中にしまっておくようにしましょう。カバンはファスナー付きで斜め掛けや肩から下げられるものを選び、体の前に抱えると安心です。財布やパスポートといった貴重品は開けてすぐの所ではなく、内ポケットに入れることも心がけましょう。
さらに、高価な時計やアクセサリーなどもスリの標的になります。高いものを身に着けている人はお金を持っていると判断されやすいため、高価なものを目に見えるところに身に着けないこともスリ対策の一つです。
また、スリは観光客を狙うことでも知られています。カメラなどを首から下げていると、観光客だと自ら証明しているようなものですから、撮影しないときにはカバンなどに入れておくようにしましょう。そのほか、飲食店でもテーブルの上にスマホなどの貴重品を置かないように気をつけましょう。海外旅行中にスリの被害に遭いやすい場所は人が多く注意力が散漫になりやすい場所などおおよそ決まっていますので、事前に情報収集をしておき、危険な場所には近づかないようにすることもスリ対策として重要です。
海外旅行中でも役に立つ!便利なスリ対策向け防犯グッズ
スリの被害に遭いそうになっても、防犯グッズを持っていれば回避することができる場合もあります。
まずおすすめなのが「ファスナーロック」です。ショルダーバックやリュックサックの開口部のファスナーにつける小型の南京錠で、鍵を使って開けるタイプのものとダイヤル式のものがあります。鍵式のものは鍵自体が小さいので、なくしやすいため気を付けましょう。
またリュックもショルダーバックもカッターなどで切られる可能性もあるので、ファスナーロックをしていても基本的には身体の前に回して持ち、常に目を離さないようにしておく必要があります。
また、海外での被害で多いのが、置いてある荷物を持ち逃げされてしまう「置き引き」です。そんなときに便利なのが自転車のロックなどに使うワイヤーロックです。これでスーツケースと手すりなどとをつないでおけばかなり強力な置き引き対策となります(※)。こちらも鍵式のものとダイヤル式のものがありますが、ファスナーロックと同じ理由でダイヤル式の方が鍵をなくす心配がありません。
※公共物とワイヤーでつないでおくことが禁止されている恐れもあるため、事前に確認しておきましょう。
では万一スリにあいそうになった場合はどうすればいいでしょうか。海外では日本語は通じない場合が多いため、人が多い場所では大きな音を出してスリを威嚇するのが効果的です。もし大きな声をとっさに出すことができない場合、防犯ブザーやホイッスルなどを携帯していると万が一の場合にもすぐに鳴らすことができます。ただし、裏通りや夜道など、人気の少ない場所では防御行為があだになり、命の危険にさらされる場合もありますので、そのような場所には決して近づかないようにしましょう。
ALSOKの防犯・防災グッズ通販ショップでも防犯ブザーを取り扱っています。ハート型やクッキーのようなデザインがあり、一目見るだけでは防犯ブザーと分かりにくいのが魅力です。また、かわいらしいデザインは女性にも人気があります。
長期の海外旅行に出かける時には留守になる自宅の防犯対策も考えておきましょう。郵便物がポストにたまってしまうと、留守であることが簡単に分かり、空き巣などに狙われる元となります。長期の出張や海外旅行で自宅を留守にする場合は、ALSOKのるすたくサービスの利用を検討しましょう。月1回、郵便物の回収や家の周囲の巡回を行い、異常がないかを点検し、結果をメールで報告しますので旅行中も安心です。
現地ではスリ対策、自宅には防犯対策をして安全で快適な海外旅行を楽しみましょう
海外旅行先ではスリの被害が多いため、荷物の管理は十分に行う必要があります。日本とは治安のレベルが違うことを意識し、危ない場所には近づかないようにしましょう。せっかくの海外旅行をよい思い出とするためにも、備えあれば憂いなし。スリ対策と自宅の防犯対策をおこなったうえで、心置きなく旅を楽しみましょう。