家庭用金庫のベストな置き場所はどこ?選び方のポイントも解説
貴重品を守るために、自宅に金庫を設置している方は多いです。すでに家庭用金庫を使用している方にも、今後の使用を検討している方にも共通して多い悩みが、金庫の設置場所でしょう。また、空き巣や災害から大切なものを守るためにはどのような金庫を選べばよいのか悩む方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、家庭用金庫の置き場所を考えるときのポイントや金庫の選び方をご紹介します。
目次
家庭用金庫を使用する目的の多様化
一般的に金庫と聞くと盗難対策のために使用するイメージが強いかもしれません。盗難・防犯対策に用いられる金庫は「防盗金庫」と呼ばれ、破壊行為に耐えられるよう非常に頑丈な作りになっています。また、金庫そのものが持ち去られないよう、かなりの重量があるのも特徴です。軽いものでも100kg程度の重量があり、重いものは1~2tに達するものもあります。
したがって、防盗金庫は企業などの業務用に用いられることがほとんどです。比較的軽いものでも100kgもあるため、防盗金庫を家庭で利用する方はそれほど多くありません。
しかし、自然災害や火災から貴重品を守ることを主目的とした上で、盗難リスクを低減させることも考えて、防盗金庫より重量の軽い家庭用金庫を使用するケースは比較的多く見られます。東日本大震災では、津波で流された数千個もの金庫が警察に届けられ、持ち主に返されたというニュースが話題となりました。
家庭用金庫の置き場所を選ぶときの5つのポイント
家庭用金庫の置き場所にはいくつか抑えるべきポイントがあります。ここでは重要な5つのポイントをご紹介します。
金庫の扉の開閉を妨げない
多くの金庫は右開きにデザインされており、右側がふさがった場所を選ぶと開閉がしにくくなります。収納物にもよりますが、金庫の扉が180度完全に開ける場所に設置したほうが出し入れをスムーズに行えるでしょう。
床の強度が十分な場所
高性能な金庫ほど重量があるため、小さくても不安定な場所に置くのは危険です。床の強度や構造を確認し、必ず重量に耐えられる場所に置くようにしましょう。設置場所の強度が不安な場合や、傷やへこみが心配な場合は、ベースボードやコンクリートパネルなどの床面を保護する板を設置するのがおすすめです。
見つかりにくく家族の目が届く場所
金庫をクローゼットの奥などに隠してしまうと、金庫ごと盗まれてしまっていても無くなっていることに気づかない恐れがあります。頻繁にものを出し入れしているウォークインクローゼットの一画など、普段から家族の目の届くようなところで、かつ外部の者に見つかりにくいところが金庫の設置場所として推奨されます。
また、可能であれば、金庫の下にベースボードを設置し床に固定するのがおすすめです。固定することで、金庫ごと盗まれてしまう持ち去りの防止にも効果を発揮します。ベースボードを床に固定できない場合も、出入口の幅より大きいベースボードを設置すれば、持ち上げ・持ち出しが困難になります。
鍵のかかる部屋
鍵のかかる部屋に金庫を設置するのもセキュリティとして有効です。金庫を持ち出すために鍵を開錠する手間がかかるため、犯行をあきらめさせることに役立ちます。金庫のある部屋にたどりつくまでにいくつか鍵のかかったドアがあると、さらにセキュリティが向上するでしょう。
「見せる金庫」も選択肢に
昨今では、デザイン性に優れた家庭用金庫を、あえて見えるところに設置する「見せる金庫」にも注目が集まっています。メーカーによって、おしゃれなテンキー式や、扉にキーらしいものがまったくないタッチパネル式など、金庫の種類も多種多様になっています。
災害時に持ち出すことを想定しているなら、いざというときにすぐに持ち出せる手提げ金庫も選択肢となるでしょう。ただし、手提げ金庫は持ち運びできることから、盗まれやすいと言えます。そのため、手提げ金庫を使う場合には鍵のかかった部屋に置くなど、設置場所の工夫が必要となります。
家庭用金庫の置き場所に選んではいけない場所の特徴
ここでは、家庭用金庫の置き場所として推奨しない場所の特徴を解説します。
湿気の多い場所
湿気の多い場所は、家庭用金庫の置き場所に適しません。金庫は頻繁に開閉するものではないため、内部に湿気がこもりやすい傾向にあります。そのため、湿気の多い場所に設置していると、保管しているものにカビが生えてしまう可能性があります。また、湿気によって金庫自体が腐食し、扉が開かなくなったり、壊れたりする場合もあるため注意しましょう。
出入口に近い場所
玄関や窓などの出入口に近い場所は、泥棒などが侵入したときにすぐに見つかってしまうため、盗まれるリスクが高くなります。玄関や窓から近いと持ち出すことも容易になるため注意が必要です。金庫は、できるだけ出入口から離れたところに設置しましょう。
人目につきやすい場所
出入口に近い場所だけではなく、人目につきやすいところにも注意が必要です。例えば、ベランダや窓を通して外から見える場所に金庫を置いていると、空き巣などに狙われやすくなります。空き巣は、侵入する前に下見をするケースが多く、金庫が目に入れば犯行が容易と判断される恐れがあります。金庫は必ず人目につきにくい、外から見えない部屋に保管するようにしましょう。
家庭用金庫の選び方のポイント
続いては家庭用金庫を選ぶ際のポイントを確認します。
耐火性が十分であること
家庭用金庫を選ぶ際は、火災発生時に中の貴重品に被害が及ぶリスクを考慮し、まずは耐火性能を確認することが重要です。金庫の耐火性能は耐火時間で表されます。耐火時間が長いほど、火災の熱から保管しているものを長く守ることができます。ただし、耐火時間が長くなるほどサイズが大きくなり、値段も高くなる傾向があります。
令和5年版消防白書によると、建物火災の鎮火までの所要時間は、30分以下が全体の約24%、60分以下が全体の約43%を占めています。それを考慮すると、最低でも耐火時間が1時間以上である金庫を選ぶと良いでしょう。
家庭用金庫の耐火性能は、次の試験に合格しているかどうかも目安とすることができます。
- 一般紙用耐火性能試験(1時間)
- 一般紙用耐火性能試験(2時間)
一般紙用耐火性能試験では、規定にしたがった加熱を行い、庫内の最高温度が177℃以下であり、かつ、庫内の壁に貼った新聞紙について変色・劣化が著しくなく、判読可能でなければなりません。末尾の「●時間」が耐火時間を表しています。
盗難対策がしっかりとしていること
耐火性能以外に、防盗性能についても確認しておきましょう。金庫の扉をこじ開けて中身を盗むケースもあるため、以下の試験に合格しているかどうかを防盗性能の目安とするのがおすすめです。
- 耐破壊性能試験TS-15(15分)
- 耐工具破壊性能試験TL-30(30分)
- 耐溶断・耐工具破壊性能試験TRTL-30(30分)
中には、こじ開けられないように壁や床に埋め込むタイプの金庫もあります。金庫の持ち去り防止に有効です。
他にも、金庫の施錠方法も確認しましょう。金庫の施錠方法には、鍵式やダイヤル式、テンキー式、指紋認証式などがあります。複数の施錠が可能なものや、指紋認証式の施錠は防犯性が高いといえます。
保管するものから選ぶ
金庫を選ぶ際は、何を保管するかに合わせて性能を決めることもおすすめです。保管するものの種類やサイズによって、金庫に求められる機能や大きさも変わってきます。例えば、書類を保管する場合、A4サイズがしっかり入るものがおすすめです。また、HDDなどの重要なデータを保管する場合は、火災で故障してしまわないよう耐火性の高い金庫を選ぶようにしましょう。
ALSOKでは、お客様のご要望に合わせた多彩な金庫をご用意しています。中でも、耐火・防盗性能に優れた「バリアセーフシリーズ」の概要を下表にまとめました。対策したいリスクを考慮して、目的・用途に合った製品を選択してみてください。
バリアセーフⅠ | バリアセーフⅡ | バリアセーフS | バリアセーフZ | |
---|---|---|---|---|
耐火性能 | 一般紙用耐火性能試験(2時間) 合格 |
一般紙用耐火性能試験(1時間) 合格 |
一般紙用耐火性能試験(2時間) 合格 |
一般紙用耐火性能試験(2時間) 合格 |
防盗性能 | 耐破壊性能試験 TS-15(15分) 合格 |
耐破壊性能試験 TS-15(15分) 合格 |
耐工具破壊性能試験TL-30(30分) 合格 |
耐溶断・耐工具破壊性能試験TRTL-30(30分) 合格 |
ホームセキュリティで防犯対策も万全に
家庭用金庫は、貴重品を災害リスクや盗難リスクから防御する対策として有効です。しかし、空き巣などによる住居への侵入を防げるわけではありません。一度侵入されてしまえば、金庫を無理やりこじ開けられたり、金庫ごと持ち去られたりするリスクもあります。
空き巣などによる侵入を防ぎ、防犯対策を万全にするには、ホームセキュリティの導入がおすすめです。ホームセキュリティを導入することで、空き巣の侵入などの有事の際にはガードマンが駆けつけるため、金庫の持ち去り防止にも役立ちます。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。
セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときには、訓練を受けた専門のガードマンの依頼駆けつけが利用可能です。
オンラインセキュリティは、異常発生時には自動でガードマンが駆けつけます。さらにスマートフォンを持っているだけで、帰宅時に簡単に警備解除が可能なスマホゲートもご用意。また、防犯カメラとアプリ連携ができ、外出中でもリアルタイムで映像を確認することができます。
さらに、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。留守中だけではなく、在宅中の安全を守るためにはホームセキュリティの導入がおすすめです。
まとめ
今回は、家庭用金庫の置き場所を考えるときのポイントや金庫の選び方をご紹介しました。
金庫は、盗難対策だけではなく、災害時にも貴重品を守る役割として活躍してくれます。
また、新たに購入する場合は、耐火性が十分なものや盗難対策がしっかりと行われている金庫を選択するのがおすすめです。