空き巣をはじめとした侵入盗の手口と時間帯について
思わぬ時に被害に遭ってしまう、身近な犯罪の1つに空き巣があります。空き巣はどのような時間帯に、どのような手口で侵入してくるのでしょうか。
今回は、警察庁が発表している侵入犯罪の統計データから空き巣や居空き、忍び込みなどの侵入手口を分析し、効果的に防ぐ方法をご紹介します。
空き巣の侵入手口や狙う時間帯について知っておくことで住宅の防犯対策につなげることが可能です。気になる方はぜひご覧ください。
目次
空き巣の主な侵入手口は「無締り」と「ガラス破り」
「無締り」
警察庁の「令和4年刑法犯に関する統計資料」によると、住宅を対象とする空き巣の侵入手口の39.3%は「無締り」となっています。無締まりとは、玄関ドアや窓の鍵がかかっていないことです。
また、住宅をターゲットにした侵入窃盗は、留守の間を狙う「空き巣」だけではありません。家人が寝静まったのを見計らって侵入する「忍び込み」や、家人が在宅中の隙をついて家財を狙う「居空き」も発生しています。
警察庁の「令和4年刑法犯に関する統計資料」では、令和4年(2022年)に発生した侵入窃盗のうち、居空き・空き巣・忍び込みの被害が占める割合は、空き巣が63.9%で全体の約6割を占めています。居空きは5.3%、忍び込みが25.2%となっています。居空きと忍び込みは合わせて30.5%で、被害全体の約3割です。
居空きや忍び込みは、犯人と鉢合わせすると危害が及ぶ可能性があり危険な犯罪です。空き巣と同様に居空きや忍び込みの侵入手口も「無締り」が最も多くなっています。
特にオートロック付きのマンションなどでは、「オートロックが付いているから短時間なら鍵をかけなくても大丈夫」という油断が侵入窃盗の被害につながることもあります。ゴミ出しのときや近くに短時間の買い物に行くときでも、玄関ドアと窓を必ず施錠するようにしましょう。
「ガラス破り」
無締りの次に多い侵入手口が「ガラス破り」です。ガラス破りのタイプには、引き違い窓の錠前部分をドライバーなどでこじ開ける「こじ破り」やハンマーなどで叩き割る「打ち破り」、ライターなどでガラスを焼き、水をかけてその温度差で窓にヒビを入れる「焼き破り」があります。
窓を防犯性の高い合わせガラスまたは複層合わせガラス(CPマークがあるものを推奨)にすることで、ガラス破りに対抗することができます。防犯フィルムを窓ガラスに貼り付けることも有効です。
「ドアのこじ破り」
バールなどの工具を使ってドアをこじ開ける手法です。
扉と枠の隙間からデッドボルト(かんぬき)が見えている場合には、ガードプレートの取り付けをおすすめします。
ガードプレートとは、扉と扉枠の間の隙間を隠すためのものです。取り付けることで、バールなどの工具が隙間に入らなくすることができます。
「ピッキング」
玄関のカギ穴に特殊な工具を入れて鍵を開錠する手法です。
古くから使用されている錠は、ピッキングに弱く解錠されてしまう可能性があります。そのため防犯性の高いディンプルシリンダー錠などに変更することをおすすめします。ディンプルシリンダー錠の鍵(ディンプルキー)は、鍵の表面に深さや大きさの異なる複数のくぼみがつけられたタイプになっています。また、IC錠(ICカードなどで開錠するタイプ)やロータリーシリンダー錠などもピッキングに強い錠です。
「サムターン回し」
サムターンとはドアの部屋側にある、鍵をかけるための“つまみ”のことで、多くは鍵穴のちょうど裏側についています。サムターン回しとは、外から室内側にあるサムターンを回して侵入する方法です。
たとえば、ドアスコープを外から外し、特殊な工具(長い針金状のもの)を入れてサムターンを回します。ドアの鍵穴の横などにドリルで穴を開け、工具を入れて回す方法もあります。
サムターン回しの対策としては、サムターンに「サムターン回し防止カバー」を取り付けるという方法があります。玄関ドアにドアポスト(郵便受け)がついている場合は、室内側にボックス(受け箱)を設置し、ボックスを施錠することをおすすめします。
「下がり蜘蛛」
下がり蜘蛛は、マンション屋上からロープなどを垂らしてベランダに降り窓から侵入する手口です。マンションの最上階に多い手口ですが、他の階への侵入例もあるため注意が必要です。高層階に住んでいる場合も、しっかりとした防犯対策をしておくことが重要です。また、エレベーターを出て屋上に通じるドアは通常時は施錠しておくことが望ましいです。
空き巣等の侵入窃盗に入られやすい時間は?
空き巣などの侵入窃盗に入られやすい時間は、警察庁発表の令和4年の犯罪資料によると以下のとおりとなっています。
空き巣の多い時間帯
「空き巣」は住人の留守中に侵入して金品を盗む犯罪です。認知されている空き巣の発生時間を見てみると、朝8時から夕方18時の間に多く発生していることが分かります。
忍び込みの多い時間帯
「忍び込み」は住人が夜寝静まってから侵入して金品を盗む犯罪です。認知されている忍び込みの発生時間を見てみると、夜22時から早朝6時の間に多く発生していることが分かります。
居空きの多い時間帯
「居空き」は住人の在宅中に隙を狙って侵入する犯罪(忍び込みを除く)で、認知されている居空きの発生時間を見てみると、朝8時から夕方18時の間に多く発生しているほか、夜20時~22時にも一つのピークが見られます。
このように、空き巣や忍び込み、居空きのいずれにも、被害に遭いやすい時間帯の傾向があることがわかりますが、どのような時間帯においても空き巣等の侵入窃盗は発生しており、どの時間であっても油断は禁物であるということを肝に銘じておきましょう。
空き巣の侵入経路について
一戸建て住宅への侵入経路は、窓が最も多く、侵入手口は「無締り」と「ガラス破り」が多くなっています。3階建て以下の共同住宅への侵入経路や手口も同様な傾向にあります。しかし、4階建て以上の共同住宅への侵入経路は、表出入口が多く、手口は「合かぎ」の割合が「ガラス破り」よりも多くなっています。
また、「死角が多い」「防犯対策が手薄な印象を与える」「留守・留守であることがわかる」などが当てはまる住宅は、空き巣に狙われやすいため対策が必要です。
住宅の種類によって、侵入経路や手口が変わってくるので、それぞれの住宅に合った防犯対策を行うことが重要です。
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