マンションの空き家放置による問題点と解決策
「空き家」と聞いて、どのような住宅を想像しますか?多くの方は、「田舎の一軒家が、人の住まないままになっている状態」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、近年は「マンションの空き家」も大きな問題となりつつあることをご存じでしょうか。分譲マンションを住人が所有したまま転居したり、相続したにもかかわらず誰も居住者がいなかったりする状況は珍しくありません。
今回は、マンションの空き家を放置することで想定される問題や、有効な解決策についてご紹介します。
空き家の定義
国は「空き家」を法令上どのように定義しているのでしょうか。国土交通省によると、「空き家等」とは「建築物又はこれに附属する工作物であって、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう」とされています。ただし、このような建物や敷地のうち、国や地方公共団体が所有もしくは管理するものは「空き家等」に含まれません。
上記の定義のうち「居住その他の使用」の判断基準ですが、基本的には「1年以上、居住その他の使用がされていない状態」を指すとされています。もし「月に1度訪ねて水道やガスの動作を確かめたり、掃除を行ったりしている」という場合は、何らかの目的で常時その家を使っているわけではないとされます。その状態が1年以上続いているようであれば、空き家に該当します。
ただし「家として住んではいないが、物置き用に常時使用している」という場合は、長期的に継続使用・管理していることが確認できるため空き家には該当しません。
空き家のうちマンションなどの共同住宅が占める割合
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」によると、国内の空き家の総数は「8,791,100戸」です。そのうち、アパートやマンションなどの「共同住宅」は「4,926,400戸」で、すべての空き家の約56%となっています。つまり、空き家とされる住宅のうち実に半数以上がマンションなどの共同住宅にあたります。「そんなに多いのか」と、この数字を見て認識を新たにした方も多いのではないでしょうか。
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」によると、国内の空き家の総数は「8,791,100戸」です。そのうち、アパートやマンションなどの「共同住宅」は「4,926,400戸」で、すべての空き家の約56%となっています。つまり、空き家とされる住宅のうち実に半数以上がマンションなどの共同住宅にあたります。「そんなに多いのか」と、この数字を見て認識を新たにした方も多いのではないでしょうか。
空き家が発生する理由
近年、国内で空き家が増加していることがさまざまな媒体でも報じられていますが、空き家はなぜ生まれてしまうのでしょうか。ここでは、現代において空き家が発生してしまう理由についてご紹介します。
実家の相続など
持ち家に居住中の家族がその親から実家を相続したものの、居住する目処が立たず相続した実家が空き家になってしまうパターンです。もし、この家族の夫婦がそれぞれの親から実家を相続してしまうと、それだけで空き家が2軒増えるという計算になります。
転居や移住による住所の変更
転勤や転職で住所が変わり、せっかく所有しているマンションを空き家にしてしまうパターンです。賃貸に出すなど有効な活用法でうまく運用できれば良いのですが、そこまで手間をかけている余裕がなく、放置してしまうケースも少なくありません。
出張や旅行などによる長期間の不在
出張や旅行で、マンションを長期間不在にしてしまうパターンです。こちらの問題も、高額な費用を負担しながら使わない家を持ち続けることです。
また、投資用にマンションを所有している方が人を住まわせることなくそのままにしているというパターンも挙げられます。マンションが空き家となる経緯には実にさまざまなケースがあり、数が増えてしまうことも無理はないと感じるかもしれません。
空き家を放置することの問題点
「マンションの空き家をそのままにすると、何が問題なの?」「維持費を払えるのなら、支障はないのでは?」と、素朴に疑問を感じる方もいるでしょう。ここでは、空き家となったマンションをそのままにすることで生じるさまざまな問題をご紹介します。
資産価値の下落
マンションも年数が経てば、その価値は低くなっていきます。また、「人が住まない家は早く劣化する」とよく言われるとおり、適切なメンテナンスをせずに放置すれば老朽化も進みやすくなります。マンションの資産価値には管理状態も大きく影響しますので、空き家のままマンションを放置すると一般の物件より価値が下がりやすいと考えられます。
犯罪などに巻き込まれるリスク
所有している住宅が犯罪の現場となり、所有者も知らないうちに事件の関係者になってしまうという可能性もあります。
また、空き家だと知られることで内部に侵入されたり物品の盗難に遭ったりするなど、実際に所有者が犯罪被害者となってしまうことも考えられます。
放置することによる問題を解決するために
先にご紹介したとおり、空き家を放置することで生じる問題は意外に多くあります。これらの問題に、どのような対処が必要なのでしょうか。ここでは、空き家放置による問題の解決方法についてご紹介します。
資産価値の低下を抑えるために
資産価値をできるだけ落とさないためには、なんといっても定期的な管理やメンテナンスに尽きます。まめに空き家を訪ねて換気を行うことでカビを抑制したり、劣化が疑われる箇所をチェックしましょう。定期的な確認と適切な処置で管理状態の悪化を防ぎ、資産価値の維持につなげられます。
犯罪の発生や被害を防ぐために
所有者がまめに訪ねて確認をすることが望ましいですが、遠隔地などでは限界があり、数週間も不在にしていれば空き家であると知られる可能性が高くなります。そのような場合は、定期的に見回りを行ってもらえるサービスの利用を検討しましょう。見回りによって異常がないことを確かめてもらえるので、便利なサービスです。
また、空き家であると簡単に知られてしまう原因の1つに「郵便物や投げ込みチラシが郵便受けに溜まること」があります。これを回避するために、定期的なポストの整理などを依頼する方法も有用でしょう。
ALSOKの「るすたくサービス」で空き家問題を解決
ALSOKでは、空き家が抱える課題を解決する「るすたくサービス」を提供しています。ご自身では、まめに訪ねることが遠隔地の空き家も、見回りやポストの管理を代行依頼することで適切な管理を行えます。
ALSOK「るすたくサービス」のサービス内容
ALSOKの「るすたくサービス」では、空き家や長期不在にしているご自宅などを月に1度のサイクルで巡回し、住宅に発生した異常の有無についてメールでの連絡を行います。なお、異常とは破損や盗難、廃棄物の不法投棄などです。
巡回の際には、ポストに届けられた郵便物の回収や整頓も行います。異常が発生していないか確認するとともに、ポストの整理で防犯対策になります。
オプション「るすたくセキュリティ」でさらに安心をプラス
さらに空き家の防犯対策を強化したい場合には、オプションで「るすたくセキュリティ」を付けることもできます。ALSOKで空き家の鍵を預かり、不審者の侵入などの異常を感知すると、監視センターへ通報されるとともに近くのガードマンが現場へ急行します。
「換気サービス」で管理状態をより良好に
オプション「るすたくセキュリティ」をご利用の場合、追加オプションで換気サービスの利用も可能になります。定期的に窓を開放して換気し、蛇口の通水を行うとともに室内外の目視確認を実施。対象となる窓・蛇口・確認箇所は、それぞれ最大10か所までとなります。
まとめ
今回は、増えているマンションの空き家の実態についてご説明するとともに、空き家を放置することの問題点やその解決策についてご紹介しました。
マンションの空き家を適正に管理することで、リスクを減らすとともに資産価値の下落も防ぐことができます。ご自身で管理に出向く余裕がない場合には、見回りやポストの整理を代行してもらうことをおすすめします。