ランドセルにつける防犯ブザーの選び方や注意点
小学生になると、通学はもちろん、お友達と遊んだり、習い事をしたりといったように子ども一人で行動する機会が増えるため、万一の事態を想定してさまざまな対策を検討している方も多くいらっしゃると思います。
警察庁による「子供・女性に対する犯罪等を防止するための対策に関する調査研究会」(令和元年9月)での調査では、全国の小学生における「日常的な防犯対策」として、実に3割以上の子供たちが防犯ブザーを持ち歩いているとの結果が出ています。
今回は、ランドセルに付けられる子ども用の代表的な防犯対策用品「防犯ブザー」について、使い方や選ぶときのポイントなど、基本的な知識をまとめました。
登下校の必須アイテム「防犯ブザー」
防犯ブザーについて、「万一のときに音を出して犯罪に巻き込まれることを防ぐもの」であることをご存じの方は多いでしょう。ここでは、それ以外にもさまざまな役割を持っている防犯ブザーの仕組みや効果についてご紹介します。
防犯ブザーの仕組み
防犯ブザーの効果は、おもに「ブザーが大音量の音を鳴らすこと」で発揮されます。ブザーから音を出すためには、「ブザー本体から出ている紐を引っ張る」「ブザーに差してあるピンを引き抜く」「本体のボタンを押す」などの操作方法があります。
防犯ブザーの役割
防犯ブザーの使用・携行で効果が期待できる状況には、主に以下が挙げられます。
不審者に遭遇したとき
犯罪をしようとする者は、人に見つかったり、警察に通報される事を恐れるので、目の前で防犯ブザーを鳴らすことは大変有効だと言えます。実際に、被害に遭いそうになった時に、防犯ブザーを鳴らしたことで不審者が逃げた事例があります。
恐怖で声が出ないとき
事件などに巻き込まれる可能性を感じたときは、怖くなって声を出せない場合もあります。大きな声で助けを求める代わりに、防犯ブザーの大音量で周囲に気づいてもらえます。
口をふさがれたとき
口をふさがれるなど声を出せない状況に陥ったときも、防犯ブザーの音を鳴らすことで周囲に異常事態を知らせることができます。
持っているだけで抑止力としての効果
防犯ブザーをランドセルに付けて通学することで「防犯対策ができている」と認識させ、不審者に狙われにくくなる「抑止効果」も期待できます。
防犯ブザーを選ぶポイント
子どもに持たせる防犯ブザーを選ぶときは、どのような点に気を配ると良いのでしょうか。ここでは、防犯ブザーを選ぶ際のポイントをご紹介します。
ブザー音の種類と音量で選ぶ
防犯ブザーの音は、警察庁のホームページでサンプル音が公開されています。ブザーと言っても「ブー」というような低い音ではなく、遠くからでも気づきやすい高めの音を鳴らす仕組みになっています。
性能基準に適合する防犯ブザーのサンプル音について|警察庁生活安全企画課
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki67/index.html
上記のサイトから、サンプル音源を再生できます。また、実際に製品を選ぶ際にも音量や音質を確かめて適したものを選ぶと良いでしょう。
平成18年に策定された防犯ブザーのおもな性能基準は、以下のようになっています。
- 音量は85dB以上
- 表示された音量の95%を超える音量を20分以上連続で鳴らせること
- 高低の周波数を繰り返す「変動周期」を持つ音を鳴らすこと
- 子供が簡単に操作できること
上記の基準を満たす防犯ブザーを選定すると安心です。
また、音を鳴らす際の操作方法にも、以下のようにさまざまな種類があります。
ピンを引くタイプ
ピンを引き抜くと音を鳴らすタイプは、ピンを1度抜いてしまうと電池切れまで音を鳴らし続けます。万一の事態で防犯ブザーを鳴らすと犯人はブザーの音をどうにかして消そうとしますが、このタイプを使用しブザー本体を遠くへ投げてしまえば犯人の気をそらすことができます。
ボタンを押すタイプ
ボタンを押している間だけ音が鳴るタイプで、音の鳴動を自分で止めることができます。
紐を引くタイプ
本体から出ている紐を強く引っ張ると、音を鳴らすタイプです。こちらもピンを引くタイプと同様に、1度紐を引くと音は電池切れまで止まりません。
その他の機能で選ぶ
防犯ブザーの目的は「音を鳴らすこと」ですが、防犯ブザーにはさまざまな付加機能を備えたものも数多くあります。以下のような付加機能にも注目し、用途に合った製品を選ぶと良いでしょう。
その他の機能で選ぶ
防犯ブザーの目的は「音を鳴らすこと」ですが、防犯ブザーにはさまざまな付加機能を備えたものも数多くあります。以下のような付加機能にも注目し、用途に合った製品を選ぶと良いでしょう。
反射材付き
夜道を歩いているときも、防犯ベルの存在を意識させることで警戒できます。
GPS機能付き
万一連れ去りなどの事態が発生しても、位置情報の通知によって現在位置や発生現場を確かめられます。
自動通報機能
Bluetoothでスマートフォンに接続でき、ブザーを動作させると自動的に設定した電話番号へ異常事態を知らせる機能を備えたものもあります。
LEDライト
LEDライトを点灯させることで暗所での被視認性を高める効果があり、懐中電灯を付けて夜道を歩くときと同様の防犯効果が期待できます。
防犯ブザーはどこに付ければいい?
防犯ブザーは、「見せること」でも犯罪などを抑止する効果があります。せっかく防犯ブザーを持たせるなら、他人から見えやすいところに付けるとより効果的でしょう。
また、子どもがすぐに操作して音を鳴らせる場所に付けておくことも大切です。
ランドセルに防犯ブザーを付けることはよく推奨されますが、ランドセルでも子どもが鳴らしにくい位置は避けましょう。たとえば、ランドセルの側面ではすぐに手が届かない可能性もあります。
ランドセルでおすすめの取付位置ですが、肩ベルトに付けられた防犯ブザー用のフックが良いでしょう。周囲から防犯ブザーが見えやすいとともに、子どもの手も届きやすい場所です。
防犯ブザーを付けることをおすすめしない場所
防犯ブザーを動作させた際、慌てた不審者に防犯ブザーを引っ張られる可能性もあります。防犯ブザーを子どもの首に掛けさせることは、その際に首が絞まってしまう事態を防ぐため避けましょう。
学校だけでなく私生活でも持っておく
通学時、ランドセルに防犯ブザーを付けさせることを考えている保護者は多くいらっしゃるでしょう。また、いつもランドセルに付けっぱなしにしておくのではなく、通学時以外にも積極的に防犯ブザーを持たせることをおすすめします。
学校から帰って遊びに行くときは、帰りが夕方になり暗い道を歩く可能性も増えます。塾や習い事で帰りが遅くなる予定があるときも、忘れずに防犯ブザーを持って行かせましょう。
ご家族でお出かけする際も、一緒だからと安心するのは禁物です。保護者と別行動をとる可能性や、万一はぐれてしまう事態などを想定し、子どもが一人になるタイミングにも備えて防犯ブザーを持たせましょう。
防犯ブザーの注意点
防犯ブザーは持っているだけでも抑止力を発揮しますが、実際に使えなければその効果も半減してしまいます。子どもに基本的な取り扱い方をあらかじめ練習させ、いざというときすぐに音を鳴らせるようにしておきましょう。
また、電池切れや故障で必要なときに音が出ないという事態も避けなければなりません。定期的に音が鳴るか確認し、必要なら電池の入れ替えや防犯ブザー本体の交換などを行いましょう。
ランドセルなど見える場所に防犯ブザーを付けさせる場合、雨水などがかかることで故障を招く可能性があります。防水機能を備えた防犯ブザーを選んでおけば、水濡れによる故障を防止できます。
おすすめの防犯ブザー
さまざまな防犯ブザーの種類や機能をご紹介しましたが、ここでは安心の機能を備えたおすすめの防犯ブザーをご紹介します。
ALSOKの「まもるっく」は、子どもに持たせたい数々の機能を備えた防犯ブザーに、万全のセキュリティサービスもプラスした「見守りに最適な防犯ブザー」です。
本体のストラップを引くと大音量のブザーが鳴ると同時に、ALSOKへの緊急通報も行われる安心仕様。通報が行われると、あらかじめ登録した保護者様の電話番号へ状況と位置情報をすぐに報告します。また依頼により、ALSOKのガードマンを急行させることも可能です。
「まもるっく」は、子どものみならず急病の可能性がある方や、お一人で外出する機会の多い高齢者の方の見守りにも最適です。通話機能も備えているため直接電話をかけて様子をうかがうこともできます。
まとめ
今回は、子どもに持たせたい防犯ブザーの機能や特徴、選び方のポイントなどをご紹介しました。
防犯ブザーを試しに鳴らして子どもに使い方を覚えさせるときは、さまざまな状況を予測してシミュレーションのような練習を取り入れることも良いでしょう。ただ持たせるだけでなく、「どんな場面で鳴らすと良いか」が分かっていればより効果的です。
「知らない人に声をかけられ、無視してもしつこく話しかけてきた」「手をつかまれそうになった」など、この状況なら鳴らして大丈夫ということを覚えさせることも重要でしょう。