庭の目隠しフェンスは防犯につながる?目隠しフェンスを設置するメリット
空き巣や不法侵入など、一戸建て住宅にはさまざまなセキュリティリスクがあります。防犯対策の一環として、庭の周囲に目隠し用のフェンスを設けることを考えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、庭に目隠しフェンスを設けるメリットやフェンスの種類、目隠しフェンスの防犯効果などについてご紹介します。ご自宅の防犯対策強化を検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
一戸建ては侵入窃盗が発生しやすい?
一戸建て住宅は、他の建物より空き巣などの侵入窃盗に遭いやすいと言われています。ここでは、実際にどのくらい一戸建て住宅での侵入窃盗が発生しているのかをデータで見ていきましょう。
以下は、警察庁の犯罪統計書「令和4年の犯罪」から令和4年(2022年)の侵入窃盗の発生場所別認知件数の割合をグラフ化したものです。
最も多い「一戸建住宅」はその割合で33.0%と、全件の4割近くを占めています。続いて侵入窃盗が多い「共同住宅(3階建以下)」は7.8%のため、一戸建住宅で発生している侵入窃盗の件数はその4倍を上回っています。
この数字を見て、ご自身の家も他人事ではないと再認識した方は多いと思います。自分の家に限っては大丈夫と思わず、積極的に防犯対策を講じる必要があるでしょう。
庭に目隠しフェンスを設置するメリット
一戸建て住宅の庭に目隠しフェンスを設けることには、以下のようなメリットがあります。
人や動物の侵入を防止
フェンスを設けて庭とその外側を仕切ることで、人や動物が勝手に入って来ることを防止できます。また「庭に入りにくい家」という印象を与えることで不審者の侵入を防ぎ、防犯対策にもなります。
視線を遮りプライベート空間を確保
庭でくつろぐことや、庭で小さな子どもを遊ばせる機会の多い方であれば、外からの視線を遮ることができるフェンスはプライバシーの確保にも役立ちます。
庭の外構や目隠しの種類
目隠しとして庭に設けられる外構の構造物には、さまざまな種類があります。庭の外構や目隠しには以下のようなバリエーションがあるため、ご自宅の雰囲気や目的に合わせて適したものを選定しましょう。
生け垣
樹木などの植物を庭の周囲に並べて植えるもので、目隠しと侵入防止に役立ちます。風通しの良さや、季節を感じられることなどのメリットがありますが、こまめに手入れを行わなければならないため維持や管理にコストと手間がかかります。
フェンス
庭の周囲に木材や樹脂、金属などで作られた塀や柵を設けるもので、横格子の形状で隙間があるタイプと、隙間がなく完全な目隠しになるタイプ、網目状のタイプがあります。庭への侵入を防ぐとともに、万一フェンス以外の出入り口から侵入されても侵入・逃走経路が限定的になるため、侵入者の足取りを掴みやすくなります。ただし、フェンスを乗り越えられる可能性もあるため、乗り越え対策として剣先デザインのフェンスにするとより効果的です。
縦格子ルーバー
フェンスの一種とも言えるもので、縦格子状の柵を庭の周囲に設置します。防犯対策を行いながら家への日当たりや風通しを確保でき、斜め方向からの視線を効果的に遮ることも可能です。ただし、正面からの目隠し効果はそれほどありません。
目隠しフェンスの種類
目隠しフェンスには、おもに使用される素材や形状によってさまざまな種類があります。以下のような目隠しフェンスが選べますので、お好みや用途に合わせて選定しましょう。
天然木フェンス
本物の木材を使用した目隠しフェンスは、高級感や独特の風合いがあり見映えも良いというメリットがあります。腐食しやすく手入れが大変というイメージもありますが、最近の天然木フェンスは腐食に強い木材を使用したものが多く、設置後数年はメンテナンスが要らない製品もあります。
人工木フェンス
木粉と樹脂材(プラスチックなど)を混合した素材で作られ、天然木の雰囲気を感じられつつお手入れが楽で長持ちする目隠しフェンスです。1度設置すると10年ほど持つものが多く、見映えの良さと使い勝手を両立させた目隠しフェンスを選びたい方にはおすすめでしょう。
アルミフェンス
アルミ素材の柱と板で作られた、さびや腐食に強い目隠しフェンスです。掃除や手入れが楽で長持ちしますが、アルミは金属のなかでは柔らかい素材なので曲がりや凹みといった変形が起こりやすいデメリットもあります。
メッシュフェンス
金属のワイヤーを網状にしたフェンスです。風通しが良く、人や動物の侵入を防ぐ効果もありますが、目隠し効果はほとんどなく見映えにもあまり良い影響はありません。このため、家の裏など目隠し効果や見映えの良さが求められない箇所への設置がおすすめです。
庭のフェンスは防犯にもつながる
庭にフェンスを設けることは、効果的な防犯対策になります。ここでは、庭にフェンスを設けることの具体的な防犯効果についても見ていきましょう。
空き巣に対する効果
空き巣犯は大抵、数多くの家を事前に下見し、侵入しやすいと判断した家を選んで空き巣行為に及ぶと言われています。このため、防犯意識が高いと空き巣犯にみなされた家は、下見の時点で候補から外れることも少なくありません。
庭の周囲にフェンスが設けられているだけでも、空き巣犯は「入りにくい家」「防犯意識の高い家」という印象を持つでしょう。先にも少し述べましたが、フェンスのある家は仮に侵入できたとしても侵入や逃走の経路を特定しやすく、犯人の足が付きやすいため敬遠されるとも言われています。
ただし、フェンスの高さには注意する必要があります。空き巣犯にとっては、フェンスが高ければ侵入後に都合よく姿を隠せるためです。塀やフェンスが高すぎる家は、逆に空き巣犯から狙われやすくなると言われています。
車上荒らしや車両盗難に対する効果
庭に目隠しフェンスを設けてあれば、フェンス内側の駐車スペースに置いてある自動車がそもそも外からの目に留まらなくなります。このため、盗難や車上荒らしの被害に遭う可能性を下げられます。(ただし、メッシュフェンスなど目隠し効果が期待できないフェンスの場合、この効果は薄くなってしまうため注意が必要です。)
また、犯行に及んだとしてもフェンスがあれば逃げにくく、侵入・犯行・逃走の過程をできるだけ速く実行したい犯人にとっては不都合になります。
フェンス以外の庭の防犯対策
庭にフェンスを設けることで、さまざまな防犯効果が期待できることが分かりました。フェンス設置にともない、別の手段も加えることでさらに防犯対策を強化できます。ここでは、フェンス設置にプラスするとより効果的な他の防犯対策をご紹介します。
防犯砂利
その上を歩くと大きな音の出る砂利を、防犯目的で庭に敷く方法です。足音が響きやすいため侵入者が発見されやすく、防犯砂利が敷かれた庭を通らなければ侵入できない家は空き巣に狙われにくいと言われています。
センサーライト
暗い場所で動く人や物体に反応するセンサーにより、ライトを点灯させて対象物を照らします。侵入者が下見の時点で存在を認知して侵入候補から外したりする他、侵入を試みた際に突然周囲が明るくなることで驚いて犯行前に逃走するケースがあると言われています。
防犯カメラ
侵入時の映像を記録し、犯人やその足取りの特定に役立つのが防犯カメラです。しかし、実際にもっとも防犯カメラが防犯効果を発揮するのは犯行前の段階と言われています。フェンスやセンサーライトの項目でも犯行前の下見について述べていますが、家に防犯カメラが設置されていると、犯罪を企てている人は下見の時点で候補から外すことが多いといわれています。防犯カメラは住宅用のセキュリティ設備と連動していることも多く、特に防犯意識が高い家とみなされるためです。
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防犯のために目隠しフェンスを設置することをお考えであれば、この機会にさらなる防犯対策を加えてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
庭に目隠しフェンスを設けることは防犯対策にとどまらず、外観のイメージチェンジやプライバシー確保などさまざまなプラスの効果をもたらします。素材や形状によってさまざまな種類が用意されていますので、目的に応じてご自宅に適したフェンスを選定すると良いでしょう。
また、さらなる防犯対策のために防犯カメラやホームセキュリティなどを加えることもぜひご検討ください。