停電の原因は何?災害時の対応と家庭でできる停電対策
突然の停電は慌ててしまうものですが、数秒や数分など早期に復旧できるケースも少なくありません。しかし、停電の原因によっては数日や1週間以上など長期にわたって停電が発生し、暮らしに大きな影響を及ぼすこともあります。
この記事では、停電が発生する原因と災害で停電が発生した場合の対処法、停電の復旧後にも注意したいポイントについてご紹介します。
停電が発生する原因とは
停電はどのようにして起こり、生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。ここでは停電の原因や、停電によって起こることが想定される損害についてご紹介します。
停電とは
停電とは、電力の供給が停止して電気製品を使用できなくなる現象や状況を指しています。停電にはさまざまな原因があり、それによって狭い区域で発生することもあれば、都道府県単位など広範囲にわたって起こることもあります。
停電が発生する原因
停電のおもな原因は、各家庭や事業所が電気を使用しすぎて電力供給に余裕がなくなることや、万一の事態が発生した際に「あえて電力供給を停める」計画停電、発電所の事故によるものや自然災害によるものなどがあります。
停電発生時に引き起こること
停電が発生すると、家庭ではまず生活家電が使用できなくなります。エアコンなども影響を受けるため、長時間の停電では空調管理に支障が出ることもあります。
また、地域や施設によって電力で水を汲み上げる設備を使用している場合、断水が発生してしまうこともあります。ビジネスにおいては、突然電源が落ちてしまうことでコンピュータ内部のデータが破損する恐れもあります。
自然災害による停電リスク
国内での長期にわたる停電の発生には、近年頻発している自然災害が密接に関係しています。ここでは、自然災害にともなう停電のリスクについてご紹介します。
大規模災害による停電の事例
【2019年の台風19号による停電被害】
2019年10月に発生した台風19号は各地に大きな被害をもたらしましたが、その1つに停電被害もありました。
このときは全国で、最大521,540戸の建物での停電が発生しました。おもな発生原因は、強風による倒木や飛来物などが送電・配電設備を破損させたものとみられています。
上記の台風災害が記憶に新しい方も多いと思いますが、2011年の東日本大震災でも大規模な停電が東北地方を中心に長期にわたり続きました。地震や台風による災害が発生すると、停電のリスクも大きくなることを念頭におく必要があります。
以下は、2018年~2019年に発生したおもな台風災害における停電と規模、復旧状況を表にしたものです。
おもな台風被害における停電戸数の推移 | ||
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台風と発生年月 | 停電の総戸数 | 復旧状況 |
2018年9月/台風21号 | 最大約240万戸 | 約5日後に99%解消 |
2018年9月/台風24号 | 最大約万180戸 | 約3日後に99%解消 |
2019年9月/台風15号 | 最大約93万戸 | 約12日後に99%解消 |
2019年10月/台風19号 | 最大約52万戸 | 約4日後に99%解消 |
多くの台風災害において停電の全面復旧まで3日~5日ほどかかっており、もっとも復旧まで期間を要した2019年の台風15号においては、2週間近く停電が続いていた世帯があったことも確認されています。
仮に家屋などに損害がなくても、停電が起きることは重大なライフラインの損失にあたり、人々の生活や、場合によっては生命を脅かすこともあり得ます。災害への備えは、必ず停電対策も含めて行いましょう。
災害による停電で引き起こること
停電が起こると建物内では家電や照明器具が使えなくなりますが、屋外でも街灯や信号が使えなくなってしまいます。このため、外では交通事故や犯罪のリスクも大きくなります。
災害による停電時の正しい対処法と行動
災害で停電が発生した際には、どのような対処を行えば良いのでしょうか。ここでは、災害によって停電が起こった際に落ち着いて行動したい点をいくつかご紹介します。
家電などのコンセントを抜く
熱を発生する家電製品などは、電力復旧時に火災を起こす可能性があります。このため、電化製品の電気プラグはコンセントから抜いておきましょう。
部屋の換気などで温度調節を行う
夏は熱中症、冬は風邪や低体温症を予防するため、部屋を換気したり適宜防寒具を使用したりするなどして温度調節をしましょう。
冷蔵庫の使い方
冷蔵庫も、停電すれば冷蔵・冷凍機能が停まります。停電発生後はなるべく開閉しないようにし、停電が長期にわたる場合は水漏れ対策も行う必要があります。
スリッパの着用
地震や台風などの災害が起こると、揺れや強風でものが落ちてこわれたり、窓ガラスが破損していたりする場合があります。屋内でもスリッパや靴を履いて歩くようにし、足のケガを予防しましょう。
夜間の不要な外出を避ける
夜間は街灯や信号が使えなくなっている可能性もあり、不必要に外を出歩くと交通事故に遭う危険もあります。また地震による地面の割れや変形、台風の場合は土砂崩れや倒木・落下物など、危険がともなうため不要不急の外出は避けましょう。
家庭でできる停電対策
ご家庭で停電に遭っても、当面の対処ができるよう事前に備えておくことも大切です。ここでは、ご自宅で備えておきたい停電対策についてご紹介します。
明かりの確保
夜に停電が起こると、照明を使えません。懐中電灯やランタンなどをあらかじめ準備しておき、ご家庭の電力が使えなくなっても明かりが確保できる状態にしておきましょう。
ラジオ、スマホなど情報・通信機器の確保
コンセントで電源供給されるテレビやラジオは、停電時には使えません。乾電池で使えるラジオや充電して使えるスマートフォンを準備し、最新の情報を受け取れるようにしましょう。モバイルバッテリーをあらかじめ充電しておくなど、停電時にもスマートフォンを充電できる手段を確保しておくと尚良いでしょう。
水や加熱せずに食べられる食品の確保
停電時は電気を使用した食品調理ができなくなり、断水が起こる可能性もあります。災害に備え、3日分ほどを目安に水と非常用の食物を用意しておくことが必要です。乾パン・缶入りパンや固形栄養食のほか、温めずに食べられるレトルト食品やご飯があると良いでしょう。ペットボトルで水を準備するのも良いですが、電気がなくても給水可能なウォーターサーバーを常備しておくと、いざというときにとても役立ちます。
乾電池、蓄電池など
乾電池やポータブル電源、先述したモバイルバッテリーなど、停電時も最小限の電力を使えるよう備えておきましょう。
電気不要の加熱・暖房機器
カセットコンロや石油ストーブなど、コンセント電源のいらない熱源があると停電時にも安心して過ごせます。調理や暖房に活用し、生活の不便を少しでも解消しましょう。もちろん、それらの燃料も常備しておくことが必要です。
このほか、大地震での停電が解消した際の通電火災を予防するために感震ブレーカーを設置しておくなど、災害による停電への備えは多数あります。いずれも万一の際に備えておいて良かったと実感できるものばかりですから、準備しておくにこしたことはありません。
電気復旧後に注意すること
前の項目でも少しご紹介しましたが、停電は復旧後にも被害をもたらすことがあります。近年発生した大地震での停電でも再三指摘されてきた「通電火災」の危険です。停電が復旧してご家庭などに再び電力が供給されると、破損したコンセントや断線した電気配線からの漏電で出火するケースが想定されます。また、ストーブやアイロンなど電熱を発生する家電の電源のスイッチが入ったまま可燃物に触れた状態で放置されていると、再通電の際に出火の可能性があります。地震の場合、揺れで洗濯物が電気ストーブの上に落ちたままになっているケースも想定できますから、電力復旧に備え分電盤のブレーカーは必ずオフにしておきましょう。
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まとめ
災害はおおむね予測がむずかしく、そのなかでも比較的事前に備えやすいと言われる台風でも被害の規模まで想定することは困難です。万一の際は、備えの有る無しによってその安心感も大きく変わるでしょう。
急な災害時にも落ち着いて正しく対応することはもちろん、停電などの被害を受けても不安を少なく過ごすための準備は欠かせません。災害時の備えとして今回ご紹介した対策を、日常の防犯・防災対策としてはホームセキュリティを導入することで、より安全安心な生活が送れるのではないでしょうか。