お盆の海遊びはだめ?子連れ海水浴の注意点
「お盆の時期になったら海に入ってはいけない」と聞いたことがある方も多いと思います。そのとき、「足を引っ張られて溺れる」という言い伝えを引き合いに出されたかもしれません。お盆の海で本当に足を引っ張られるわけではありませんが、実際、お盆以降の海水浴には危険が多いものです。この記事では、お盆に海水浴を避けるべき理由をご説明し、子どもを連れて海や川で遊ぶときの注意点などもご紹介します。
目次
海水浴シーズンはいつからいつまで?
まず、日本の海水浴シーズンについてご説明します。漠然と「夏休みの時期」と思っている方も少なくないと思いますが、実際の海水浴シーズンの目安はいつ頃でしょうか。
シーズン開始の目安は「海開き」から
海水浴に適した時期は、各地で行われる海開きの日以降を目安と考えると良いでしょう。海開きが行われる時期は、西日本で7月上旬ごろ、東日本の場合は7月中旬ごろが中心です。お住まいの地域や最寄りの海水浴場がある地域で、いつごろ海開きが行われるか調べてみると海水浴シーズンの始まりを知ることができますよ。
海水浴シーズン終了は8月下旬
海水浴シーズンが終わるのは、全国的に8月となっています。こちらも地域によって若干時期が異なり、西日本では8月末ごろ、東日本では8月下旬(お盆明けごろ)を目安に考えると良いでしょう。
お盆に海に入ってはいけないと言われる理由
昔から「お盆の海水浴は良くない」といわれています。はたして、どのような理由や根拠でそれらの考え方が一般的になったのでしょうか。
昔からの風習や迷信
「お盆に水に入るのは行儀が悪い」と身内の方から教えられ、お盆に海水浴には行かないほうが良いと認識している方も多いでしょう。
お盆には灯篭流しなど、水辺でご先祖様の霊を供養する行事が数多くあります。それらの風習から、お盆の時期に人が水に入ることは失礼な行為だと考えられている地域も少なくありません。
土用波が発生しやすい
夏の土用の時期(立秋の直前ごろ)を境に、日本近海や南方で台風が多く発生します。この台風周辺で発生した波が、日本の沿岸まで伝わり、非常に大きな波になります。この波は古くから「土用波(どようなみ)」と呼ばれており、場合によっては海水浴客に被害を及ぼすこともあり大変危険です。
離岸流が発生しやすい
離岸流(りがんりゅう)とは、波によって海岸に打ち寄せられた多量の海水が一気に沖へ戻っていく潮の流れのことです。お盆の時期は波が高くなるため、勢いの強い離岸流が発生しやすくなります。一見安全に見える遠浅の海岸でも発生しやすいことが特徴で、知らないうちに沖へ流されてしまうこともあるため注意が必要です。
離岸流が起こりやすい場所は、おもに以下の場所といわれています。
- 防波堤や桟橋、灯台など人工構造物の付近
- 遠浅で海岸線が開けている所
- 外洋から近い海岸
構造物には近づかない、たとえ遠浅でも不用意に沖のほうまで行かないなど、水流の変化には十分に注意を払いましょう。
クラゲの被害が増える
お盆の時期は、クラゲが大きく成長する時期でもあります。土用波の発生も重なり、外洋にいたたくさんのクラゲが波にのって北上し、8月ごろに日本各地の沿岸に現れますので、刺される被害も増えます。
台風が発生しやすい
夏場の太平洋高気圧や偏西風の影響から、台風は夏から秋にかけて多く発生します。お盆の時期に、ちょうど台風が直撃して被害を受けるということも珍しくありません。台風が発生している場合は高波が発生しやすく、大変危険です。
台風の位置から海水浴場まで距離がある場合でも、潮の流れや波に影響がある可能性があるため、注意が必要です。また、台風の影響で海面の水温が低下するため、遊泳中に体力を奪われ、思わぬ事故につながる可能性もあります。
子どもと海水浴に行く際の5つの注意点
上記の理由から、ご家族で海水浴に出かけるなら、お盆を避ける方が良いでしょう。
夏場の海水浴は、お盆の時期に限らず多くの危険が伴います。
海水浴をする際は、以下の5つの注意点を意識する必要があります。
紫外線や暑さ対策
紫外線は肌の大敵といわれます。海岸では強い夏の日差しが砂に反射し、空からも地面からも日焼けを招く条件が揃っているため注意しましょう。日焼け止めやパラソル、帽子などの予防グッズは必需品です。また子どもの肌は敏感なため、急な日焼けで皮膚が炎症を起こし真っ赤になることも。子ども向けの日焼け止めや、首までしっかりフラップ付きの帽子など、お子さんの紫外線対策をしっかり行いましょう。
近年は全国的に夏の平均気温が上昇しており、各地で猛暑日を記録することが増えています。海水浴の際は、パラソルやサンシェードテント、海の家など直射日光に当たらず休憩をとれる場所を確保して、水分補給もこまめに行うようにしてください。
波の高さや風の強さを事前にチェック
海水浴に行くときは、波の高さや風の強さを事前に調べ、危険が迫っていないかを確認するようにしましょう。台風が接近している場合は海水浴を避けるべきですが、遠方で発生している場合も安心せず、台風の進路を確認して進行方向ではない海水浴場を選びましょう。
子どもから目を離さない
好奇心旺盛な子どもたちは予測不可能な行動に出ることがあります。つねに危険がともなう海水浴では、特に注意深く目を配りましょう。波打ち際で遊んでいるときに波にさらわれ沖合に流された事例もあります。また、海水浴場は人がにぎわっていることが多いです。特に、幼い子どもは手をつないで歩いたり、ひとりで待たせたりしないようにしましょう。海に入っているとき以外も、できるだけ子どもから目を離さないようにしてください。
子どもの位置情報が分かるGPS端末などを持たせることで、迷子を防ぐことができるでしょう。
クラゲなどの危険な生き物に注意
前の項目でご紹介したクラゲや、電気クラゲと呼ばれるカツオノエボシなど、海水浴場には危険な有毒生物が現れることもあります。子どもが危険を知らずに触って被害に遭うことも想定できるため、海岸で注意すべき生き物について事前に調べ、見かけても近づかないよう気を付けましょう。
クラゲ対策としては、ラッシュガードやウエットスーツを着用して肌の露出をおさえること、クラゲ除けのクリームを塗るなどの方法があります。
土用波・離岸流など潮の流れに気を付ける
夏の土用はちょうどお盆の時期に当てはまります。土用波は、沖にある時は目立たないものですが、海水浴場など遠浅の海岸に入ってくると波が突然高くなります。晴れて風もない穏やかな天候でも、予想以上の高波にさらわれることがあるため注意が必要です。
気候の変化や自然の力によって突然引き起こされる事象を理解し、土用波や離岸流には十分気をつけ、遊泳時にはライフジャケットや浮き輪を着用しましょう。
また、離岸流に巻き込まれたときは、以下のポイントを思い出して、行動しましょう。
- 慌てず落ち着く(パニックにならない)
- 片手を左右に大きく振って、周囲の人に流されていることを伝える(前提として、ライフジャケット・救命具・浮き輪など十分な浮力を確保していること)
- 海岸と平行に横へ泳ぐ(岸に向かって泳がない)
- 泳ぎに自信のない方は、無理に泳ごうとせず浮くことに専念する
- 沖向きの流れを感じなくなったら、岸に向かって泳ぐ
離岸流は発生する場所や時間が不規則なため、誰にでも巻き込まれる可能性があります。離岸流に巻き込まれた場合に落ち着いて対処できるよう、海水浴に行く前には家族みんなで上記事項を確認するようにしてください。
ライフジャケットや浮き輪は必ず着用して、ライフセーバーの目の届く範囲内で遊泳するようにしましょう。
お盆の時期は川や池での水遊びにも注意しよう
水難事故は海だけで起こるものではなく、川や湖・池・沼などでも多く発生しています。川は見た目以上に水深く、少し離れただけで急に深くなることがあります。また川の流れも場所や増水により、流れの速さが急激に変化し大変危険です。そのため、浮き輪やライフジャケットを着用し、遊ぶ範囲を限定しましょう。
もし流されてしまったときは、頭をぶつけないようにまず下流側に足を向けて、落ち着いて助けを求めるとともに、流れが緩やかになったときに岸に向かいましょう。湖・池・沼は、水底が泥状になっていたり、水草に足をとられる危険性があるため、遊泳禁止場所には絶対に入らないようにしましょう。
お盆の時期に子どもと水遊びをするなら、海水浴や川遊びよりはプールの方が安全です。とはいえ、プールはエリアが限定されていて混み合うことがあるため、周りの人と衝突して浮き輪が外れ、子どもが溺れる危険があります。プールにいる際も子どもから目を離さないよう注意しましょう。
行楽やレジャーの場でも活用できるALSOKの見守りサービス「まもるっく」
海水浴や川遊びなど、行楽やレジャーの場ではしっかりと子どもに目を配ることが大切。ALSOKでは、子どもの安全を守る個人向けの見守りサービス「まもるっく」をご提供しています。
「まもるっく」は、GPSを内蔵した携帯しやすい小型端末です。レジャー先で子どもが迷子になった場合でも、位置情報が確認できます。
また、普段の登下校や習い事の行き帰り、子どもが一人で遊んでいる際にも「まもるっく」を持たせることで安心につながります。保護者との通話もでき、万一のときは付属のストラップを引っ張ることで「緊急通報+防犯ブザーの鳴動」を同時に行えます。緊急通報があると、保護者へすぐに通知。依頼があれば最寄りのALSOKガードセンターから現場へ至急ガードマンが駆けつけて対処します。
お盆の海水浴や水遊びを楽しむために万全な対策を
お盆を迎えると、海での水遊びには危険も増えます。昔からの言い伝えや迷信も、季節や気象条件の変化を踏まえて生まれた昔の方の知恵かもしれません。
基本的には「お盆が来たら海や川はもう秋」と考え、海水浴をはじめとする水遊びは万全な対策をするようにしましょう。
また、お盆の帰省時や海水浴に行く際には、何日かご自宅を留守にする方も多いでしょう。ALSOKのホームセキュリティは、留守中のご自宅を24時間見守り、不審者侵入の際にはガードマンが駆け付けて対処します。
休暇を安心して楽しむためにもホームセキュリティをぜひご検討ください。