グリーン住宅ポイントとは?申請方法や期限、商品交換について
省エネ性能などが伴う住宅の購入やリフォームをする方に発行され、商品や追加工事に交換できるグリーン住宅ポイント。2021年6月より、申請をオンラインで行えるようになりました。この記事では、グリーン住宅ポイントとはどんな制度なのか、ポイント発行の要件や申請方法・期限、交換できる商品についてご紹介します。
グリーン住宅ポイントとは
グリーン住宅ポイントは「グリーン社会(経済と環境のよい循環を保ち、成長戦略の柱とする社会)」の実現をめざすため、国土交通省によって設けられた制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響で低迷している経済の回復につなげ、より多くの方に住宅の購入を促すという目的もあります。申請の要件には、一定の省エネ性能を持つ住宅であることや、災害リスクの回避、環境への配慮などが盛り込まれています。
発行されたポイントは、防災に関連する追加工事やコロナ禍以後の生活に対応した商品、その他生活に役立つ商品と交換できます。住宅の購入やリフォームに合わせて、生活を豊かにすることができる嬉しい制度ですね。
グリーン住宅ポイントの要件と発行されるポイント数
グリーン住宅ポイントは、どのような要件を満たすと発行対象となるのでしょうか。ここでは、それぞれの住宅区分の要件をご紹介します。
新築住宅の建築・購入
新築住宅(注文住宅)を建てる、もしくは分譲住宅を購入する場合、一定の省エネ性能を満たしていれば、グリーン住宅ポイントの発行対象となります。
【おもな要件】
「一定の省エネ性能を満たす住宅」とは、「断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅」を指します。これは、国土交通省の「日本住宅性能表示基準」によって定められたものです。
なお、さらに「高い省エネ性能等を有する住宅」とされるのは、
- 認定長期優良住宅
- 認定低炭素建築物
- 性能向上計画認定住宅
- ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)
のいずれかに当てはまる住宅です。
その他、建築から1年以内で誰も住んだことのない住宅であること、購入者本人が居住することが要件となります。
【発行ポイント】
一定の省エネ性能を満たす住宅:300,000ポイント
高い省エネ性能等を有する住宅:400,000ポイント
さらに、以下の要件のいずれかに当てはまる場合にポイントが加算され、最大で1,000,000ポイントが発行されます。(重複で加算はありません。)
- 東京圏の対象地域からの移住
- 多子世帯である
- 三世代同居仕様の住宅
- 災害リスクが高い区域からの移住
(条件について詳しくはこちらをご確認ください。)
なお、グリーン住宅ポイントの発行は期間中(2020年12月15日~2021年10月31日)1回のみです。
【新築住宅建築の場合(追加工事あり)の申請スケジュール例】
※完了報告を期限内に行わなければポイントの返金義務が発生します。
※追加工事にポイントを利用する場合、ポイント交換申請は施工業者や住宅販売事業者が代理で行います。代金は、事務局から施工業者や住宅販売事業者に振り込まれます。
中古住宅の購入
中古住宅を購入した場合も要件に当てはまる住宅であれば、グリーン住宅ポイントの発行対象となります。住宅の購入金額が税込み100万円以上、購入者本人が住むことを要件に、期間中1回のみ申請が可能です。
【おもな要件と発行ポイント】
- 空き家バンク登録住宅(地方公共団体で登録されている空き家)
- 東京圏の対象地域からの移住
- 災害リスクが高い区域からの移住
上記3要件のいずれかに当てはまる場合:300,000ポイント
(2つ以上の要件が該当した場合でも、300,000ポイントより増加はしません。)
・住宅の除却を伴う場合:150,000ポイント
住宅の除却とは、倒壊危険性が高いなどの理由で住宅を解体することです。申請の際は、住宅の除却が証明できる不動産登記の閉鎖事項証明書の提出が必要です。
3要件のいずれかに該当し、さらに住宅の除却を伴う場合は450,000ポイントの発行となります。
なお、ポイント発行の対象は「2019年(令和元年)12月14日以前に建築された住宅」です。建築年月日は、不動産登記で確認できるものとされます。
中古住宅の場合は、ポイント申請は必ず引き渡し・入居後に行います(完了後申請)。
【中古住宅購入の場合の申請スケジュール例】
住宅の除却を伴う場合は、除却が完了してからポイント発行申請を行う必要があります。
リフォーム工事
期間中に行ったリフォーム工事の内容に応じて、ポイントが発行されます。
【おもな要件】
住宅の居住者自身が申請する「リフォーム戸別申請」の場合と、マンションなどの所有者や管理組合が同じ建物内の複数の住戸にリフォーム工事を施し、一括で申請する場合の「リフォーム一括申請」があります。
リフォーム戸別申請は、工事請負契約における発注者が申請対象となります。
対象となる工事内容は、下記3工事のいずれかです。
- エコ住宅設備の設置
(太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽・高効率給湯器・節湯水栓) - 開口部の断熱改修
(ガラス・内窓・外窓・ドア) - 外壁、屋根・天井または床の断熱改修
また上記いずれかの工事を併せて行った場合に限り、以下の工事・対応もポイント対象となります。
- バリアフリー改修
(手すりの設置・床の段差解消・廊下幅の拡張・ホームエレベーター設置・衝撃緩和畳) - 耐震改修
- リフォーム瑕疵保険等への加入
- 中古住宅購入時のリフォーム
リフォーム工事の場合は、発行ポイントの上限以内で複数回の申請が可能です。例えば、窓の断熱改修を行った後にエコ住宅設備を設置した場合、2回申請をしてポイントを発行できるということです。ただし、1度の申請に対して発行ポイントが最低50,000ポイント以上になる必要があります。複数の工事で得られるポイントを同時に申請することは可能です。
また、賃貸住宅をリフォームした場合も申請の対象となり、工事費税込み1,000万円以上となる場合は工事完了前でも申請できます。
【発行ポイントの例】
- エコ住宅設備の設置/太陽熱利用システム:24,000ポイント
- エコ住宅設備の設置/節水型トイレ:16,000ポイント×設置台数
- 開口部の断熱改修/1.4㎡以上のガラス交換:7,000ポイント×施工箇所数
- バリアフリー改修/手すりの設置:5,000ポイント
【発行ポイントの上限】
40歳以下の世帯(若者世帯)、子育て世帯:450,000ポイント
その他の世帯:300,000ポイント
また、中古住宅を合わせて購入する場合や満たす要件に応じ、最大600,000ポイントが発行されます。中古住宅の購入と同時にリフォーム工事を実施する場合は、どちらかのみ申請可能で、重複申請はできません。
リフォーム一括申請の場合は、1棟(建物)につき300,000ポイント×総戸数が上限となります。
【請負契約額が1,000万円(税込)以上のリフォーム工事(追加工事あり)に伴う申請スケジュール例】
賃貸集合住宅の建築
省エネ法で定められた基準を満たしている場合、賃貸住宅(マンションやアパートなどの集合住宅)の建築もポイント発行対象となります。
【おもな要件】
- 全戸がトップランナー基準(建築物省エネ法で定められた基準)を満たす
- 全戸が床面積40㎡以上
- 1棟単位での申請
- 集合住宅のみが対象
- 店舗、事務所などとの併用住宅は不可
【発行ポイント】
1戸当たり100,000ポイント×戸数が発行されます。ポイントは、追加工事にしか使用できません。
【賃貸住宅の建築に伴う申請スケジュール例】
グリーン住宅ポイントの期限、申請方法
ここでは、グリーン住宅ポイントの期限や申請方法をご紹介します。申請方法は、住宅の工事完了前と完了後で違いがあるため、詳しくご説明します。
グリーン住宅ポイントの対象期間
グリーン住宅ポイントの発行対象となる期間は、【2020年12月15日~2021年10月31日】です。
新築住宅の建築(注文住宅)・集合住宅の建築・リフォーム工事の場合はこの期間に工事請負契約を、分譲住宅の購入・中古住宅購入の場合は不動産売買契約を結ぶ必要があります。
グリーン住宅ポイントの申請期限
ポイント申請の期限は、【2021年10月31日まで(郵送申請の場合は当日必着)】です。
グリーン住宅ポイントを発行するには、遅くとも2021年10月31日までに契約を締結するだけでなく、ポイント申請も同期日までに行う必要があるのです。
また、ポイントの商品交換にも期限があり、2022年1月15日までの受付となっています。
完了前申請
注文住宅やリフォームなど、工事が申請期間中に完了しない場合は、完了前申請が便利です。工事請負契約の締結が済んだ段階で、申請に必要な書類を揃えて完了前申請を行います。完了前申請を行うことで、工事が申請期限、またはポイント交換期限までに終わっていなくても、商品交換および、追加工事に利用できます。ポイントを追加工事に利用したい場合は、工事請負契約を締結させてから、2021年10月31日までに、ポイント発行申請と同時に追加工事へのポイント交換申請も行います。
完了前申請は、入居が済んでから「完了報告」を必ず行う必要があります。完了報告を期限内に行わなければポイントの返金義務が発生するため、期日を守って報告しましょう。なお、追加工事に伴う代金の振り込みは、完了報告後に行われます。
【完了報告の期限】
- 新築住宅の建築/1,000万円以上のリフォームで、ポイントによる追加工事ありの場合、およびすべての賃貸住宅の建築の場合…2022年1月15日まで
- 新築戸建て住宅/耐震改修のない1,000万円以上のリフォームの場合…2022年4月30日まで
- 10階以下の共同住宅の新築/耐震改修をともなう10階以下の共同住宅の、1,000万円以上のリフォームの場合…2022年10月31日まで
- 11階以上の共同住宅の新築/耐震改修をともなう11階以上の共同住宅の、1,000万円以上のリフォームの場合…2023年4月30日まで
完了後申請
中古住宅購入の際は、完了後申請しかできません。住宅の売買契約や工事の請負契約を行い、工事完了、入居を済ませた後に、申請期限内にポイント申請を行いましょう。
また、追加工事にポイントを利用したい場合は、完了後申請のタイミングですでに追加工事も完了していなければなりません。そのため、売買契約を結ぶ際に追加工事も契約をすすめ、2021年10月31日までにポイント発行申請と同時に追加工事へのポイント交換申請をする必要があります。
ポイント申請は代理申請が可能
グリーン住宅ポイントの申請は、基本的には工事の発注者、もしくは住宅の購入者本人が行いますが、施工業者や住宅販売事業者に代理申請を依頼することも可能です。書類の準備などが難しいと感じる方は、工事会社や住宅会社の担当者に相談してみてください。
なお、追加工事にポイントを利用する場合の申請は、施工業者や住宅販売事業者の代理申請しか認められていません。ご自身で申請を行ってもポイントは発行されませんので、ご注意ください。
グリーン住宅ポイントで交換できる商品
グリーン住宅ポイントで交換できる商品は、家電や日用品などの雑貨、食料品やインテリア関連、防災、子育てグッズなどカテゴリが豊富です。また、都道府県ごとの特産品に交換することもできます。コロナ禍以後の生活に配慮した「新たな日常」というカテゴリがあるのも特徴的です。
【商品交換の事例】
- 新たな日常…ノートパソコン、加湿空気清浄機、テレワークに役立つモニタアームなど
- ベビー・キッズ用品…ベビーベッド、ベビーチェア、子ども用学習机など
- スポーツ・健康増進…自転車、マッサージチェア、アウトドア用テントなど
追加工事にポイントを利用することも可能です。追加工事の場合は、「新たな日常」もしくは「防災」に役立てる内容のみ対象となります。
【追加工事の事例】
- 新たな日常…テレワークスペースの設置、抗菌・抗ウイルス建材の設置、家事負担を軽減する収納の設置など
- 防災…家庭用燃料電池の設置、貯水システムの設置など
上記の他にも、さまざまな商品や追加工事との交換が可能です。商品交換の期限は2022年1月15日となっており、過ぎるとポイント自体が失効しますので注意しましょう。
住宅購入やリフォームの際には防犯対策も忘れずに!
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まとめ
グリーン住宅ポイントの申請期限は、申請状況によって前倒しされる可能性があります。書類を揃えることに、それなりの期間と手間を要する場合もありますので、申請の予定がある方は早期終了の可能性を想定して早めに準備しましょう。また、ポイントの発行要件や期限の詳細については、「グリーン住宅ポイント」の公式サイトで随時新しい情報が更新されていますので、ご確認ください。