子育て世帯を助ける支援とは?児童手当の金額や高校の就学支援金制度などを解説

子育て世帯を助ける支援とは?児童手当の金額や高校の就学支援金制度などを解説

子育て世代 2021.08.25(2023.11.29更新)
子育て世帯を助ける支援とは?児童手当の金額や高校の就学支援金制度などを解説

住宅の購入、老後の生活費、そして子どもの教育費は人生の3大資金と呼ばれるほど、まとまったお金が必要です。特に教育費は、入学金・授業料などまとまったお金が必要になるケースも多く、子どものいる家庭では日頃から貯蓄をしているという方が多いでしょう。
子どもを育てるには多額の費用がかかることもあり、妊娠・出産を悩む方もいるかもしれませんが、少子化が進んでいることもあり、国や自治体では子育てがしやすいように子育て世帯を助ける支援を実施しています。

子育てに必要なお金は?

子育てには、教育費の他にも衣類や食費、医療費なども必要です。
では、教育費やその他必要な費用をすべて合わせて、子育てにどれだけのお金が必要になるのでしょうか?

例えば、中学校まで公立を選ぶとするとかかる費用は約1900万円で、高校3年間で700万円、大学まで進学すると約1000万円かかるといわれています。そのため、子育てに必要なお金をまとめると0~22歳までで約3600万円が必要だと考えられます。

ただし、私立を選ぶのか、公立を選ぶのかなど、子供の進路によって必要な金額は異なります。

全員もらえる児童手当制度

子育て世帯への助成として「児童手当制度」があります。児童を養育するすべての方に支給される手当のことです。支給は国内に住所を有する出生後から中学校卒業までの児童が対象となります。

児童手当をもらうには、まず認定請求(申請)が必要です。子どもが生まれたら現住所の市区町村に「認定請求書」を提出しましょう。また、他の市区町村に転出する際は、転出先の市区町村で新たに「認定請求書」を提出する必要があります。市区町村の認定を受ければ原則として、申請した月の翌月分から支給されます。子育てにおいて大事な手当になりますので申請は早めに済ませておきましょう。

児童手当の対象年齢・支給額は下記の表通りです。

支給対象年齢 支給額(月額)
3歳未満 一律15,000円
3歳以上~小学校修了前 第1子・第2子:10,000円
第3子以降:15,000円
中学生 一律10,000円
児童を養育している方の所得が「所得制限限度額以上、所得上限限度額未満」の場合は、
特例給付として月額一律5,000円の支給になります。
所得制限限度額・所得上限限度額については下表を参照ください。
 

児童手当は、毎年6月・10月・2月に前月までの4カ月分が支給されます。また、毎年6月1日に6月分以降の児童手当等を引き続き受ける要件(児童の監督や保護、生計同一関係など)を満たしているかどうかを確認するための現況届の提出が必要でしたが、2022年6月分以降については提出が不要になりました。ただし、自治体によって対応が異なる場合がありますので、お住いの自治体に確認してください。ただし、以下の場合は引き続き現況届の提出が必要です。

(現況届の提出が必要な方)
〇 住民基本台帳上で住所を把握できない、法人である未成年後見人
〇 離婚協議中で配偶者と別居されている方
〇 配偶者からの暴力等により、住民票の居住地と異なる市区町村で受給している方
〇 支給要件児童の戸籍がない方
〇 施設等受給者
〇 その他、市区町村から提出の案内があった方

支給される金額は、子どもの年齢や人数、所得によって違うため、ご家庭がどれに当てはまるのか確認しておきましょう。

所得制限限度額・所得上限限度額は、下記の表の通りです。

扶養親族等の数①所得制限限度額②所得上限限度額
所得制限限度額
(万円)
収入額の目安
(万円)
所得上限限度額
(万円)
収入額の目安
(万円)
0人 622 833.3 858 1071
1人 660 875.6 896 1124
2人 698 917.8 934 1162
3人 736 960 972 1200
4人 774 1002 1010 1238
5人 812 1040 1048 1276

※収入額は、所得額(共働きの場合は所得の高い方)に給与所得控除額等相当分を加算した額です。

児童手当に関して詳しくはこども家庭庁のサイトをご確認ください。

https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/annai/

自治体による子育て世帯への支援

自治体による子育て世帯への支援

自治体が子育て世帯への支援を行っていることもあります。ただし、支援の内容は、自治体によって異なります。名称が異なる場合もありますので、お住いの自治体のサイトなどをご確認ください。

私立幼稚園の預かり保育料の助成

幼稚園または認定こども園に通っていて、保育の必要があると認められた場合、預かり保育料が助成される制度です。保育の必要性とは、両親が共働きであることやひとり親であること、妊娠をしていて出産を控えていることなどが該当します。
これは各自治体で実施されている助成です。申請方法や助成内容は自治体ごとに異なるため、助成を利用する場合は各自治体の資料やホームページをご確認ください。

子育て支援パスポート

子育て世帯を支援するために、「子育て支援パスポート事業」が実施されています。
子育て支援パスポートとは、協賛する企業や店舗において提示することで、サービスを利用することができるパスポートです。パスポートを提示することで、割引・優待、粉ミルクのお湯やおむつ替えスペースの提供といった乳幼児連れの外出支援・応援サービスなどが受けられます。
パスポートは、お住いの自治体に登録申請することで発行され、協賛店舗にはステッカーなどが掲示されています。

子育て支援パスポートは、お得なサービスが受けられるというメリットだけではありません。小さい子どもを連れてお店に入るのは気が引ける…という方も、子育て支援パスポートに協賛している店舗であれば他の子連れのお客さんもいるため、気兼ねなく利用できるというメリットもあります。
※自治体によって名称が異なる場合があります。

フラット35地域連携型

住宅ローンのフラット35では、子育て世帯を支援する商品「フラット35地域連携型」も取り扱われています。
フラット35地域連携型とは、子育て世帯に対して自治体が「子育て支援」や「地域活性」などを目的とした財政的支援を行うことを条件に、住宅金融支援機構と連携し「フラット35」の借入金利を一定的に下げる制度のことです。
子育て世帯が住宅を取得する際に利用できます。ただし、住宅金融支援機構・自治体の双方に予算枠があり、自治体において予算枠に達する等により利用の受付が締め切られた場合、地域連携型は利用することができません。予算枠や細かな利用条件などは自治体によって異なるため、お住いの地域の自治体にお問い合わせください。

高校・大学の教育費についての支援制度はある?

高校・大学に進学となると教育費も増えることから、金銭面に不安があるという方もいるでしょう。高校や大学の教育費についても支援制度があります。

高校

高等学校等就学支援金制度

高等学校等就学支援金制度は、高等学校の授業料を一部支援してくれる制度です。金銭面の問題から、高等学校への進学が難しいという方もいますが、そんな子どもたちのために用意された制度です。この制度は国公私立に関係なく利用することができます。
受給資格は、日本国内に在住していて高等学校等に在学している方が対象です。また、所得要件は、世帯で年収約910万円未満であることです。
ただし、支給開始は4月以降に学校を通して行われます。入学までにかかる費用は、後日支給されることとなりますので、ご注意ください。

高校生等奨学給付金

高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費(教科書費、教材費、生徒会費、修学旅行費等)負担を軽減するため、高校生等がいる低所得世帯を対象とした支援制度で、返還不要の給付金です。
生活保護受給世帯、非課税世帯、家計が急変して非課税相当となった世帯が対象で、給付を受けるためには学校または居住する都道府県への申し込みが必要です。
自治体によって制度の詳細が異なりますので、お住いの自治体にお問合せください。

大学

日本学生支援機構の奨学金の利用

日本学生支援機構が提供している奨学金で、貸与型と給付型の2つに分かれています。
貸与型は、就職後に毎月決められた額を返済していく奨学金です。有利子と無利子があり、成績や世帯の所得によってどちらを利用できるかが決定されます。
給与型は、返済不要の奨学金制度です。こちらも家計や成績などによって利用条件が決められています。

大学独自の奨学金・特待生制度

私立の大学や専門学校では、独自で奨学金・特待生制度を取り扱っている学校があります。例えば、入学試験の成績優秀者には学費の免除または一部免除を行っていたり、日本学生支援機構のように貸与型・給付型の奨学金制度を設けている学校もあります。
学校単位で制度は異なるため、オープンキャンパスや学校説明会などで確認しておくと良いでしょう。

大切な子どもの安全を守る「ホームセキュリティ」

子育てへの不安は常に付きまとうものです。お子さまの教育資金を考えるとともに、お子さまの生活環境についても見直してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は、子育て世帯が受けられる支援についてご紹介しました。
子育てで不安なことの1つとして、金銭面が挙げられるでしょう。中学生までは児童手当が支給され、条件が満たされれば高校・大学の授業料等の支援も受けられます。子どもたちが進路についてさまざまな選択ができるよう制度や支援も整えられてきているため、ぜひ利用できる制度や支援をご活用ください。

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