子どもが生まれたらやることは?出産後に必要な手続きや書類をチェック

子育て世代 2024.05.30更新(2021.08.30公開)
子どもが生まれたらやることは?出産後に必要な手続きや書類をチェック

出産はパパ・ママ、ご家族の人生において最大のイベントの1つです。大きな喜びを感じる出来事ですが、さまざまな手続きを行わなければなりません。忙しくなる産後に備え、子どもが生まれる前から出産後の手続きの確認と準備を行っておきましょう。
この記事では、子どもが生まれたら必要になる手続きや、各申請事項の流れについてご紹介します。

目次

子どもが生まれたら各種手続きが必要

子どもが無事に生まれて一安心…と思っていても、出産後は子どもの世話に加え、出産・子どもに関する事務手続きが必要です。子育てには慣れないことが多く、手いっぱいになってしまうこともあるでしょう。そのため、出産後に必要な手続きについては子どもが生まれる前にしっかりチェックしておくことがおすすめです。
手続きの多くはママだけではなくパパやご家族にお願いすることもできるため、誰がどの手続きを行うか夫婦・家族でじっくり話し合って、諸々の取り決めをしておくと良いでしょう。

出産後に必要な手続き

まず、出産後に必要な手続きをリストにまとめたものを以下にご紹介します。これをチェックリストにするなど、出産直後の忙しいタイミングにご活用ください。
※各手続き内容をクリックすると該当の項目にジャンプします

手続き内容 提出・申請の期限 提出窓口
出生届 出産日を含んで14日以内 市区町村の役所
出生連絡票 できれば出生後7~14日以内 住所のある市区町村の役所
保健福祉センター
児童手当 出産翌日から15日以内が望ましい 住所のある市区町村の役所
乳幼児医療費助成 出産したらできるだけ速やかに 住所のある市区町村の役所
出産育児一時金の申請 入院までに または
出産翌日から2年以内
病院または健康保険の担当窓口
健康保険加入の申請 出産したらできるだけ速やかに
国民健康保健は出産日から14日以内
社会保険:保護者の勤務先
国民健康保険:市区町村の役所
出産手当金の申請 出産翌日から2年以内 保護者の勤務先
育児休業給付金の申請 該当日から換算して2カ月 保護者の勤務先

自治体への手続き

出生届のイメージ

●出生届の提出(出産日を含む14日以内)

出生届は、子どもに戸籍を与える大事な手続きです。
産院が記入する出生証明書と一体になっているため、産院で出生届を用意してくれるケースが多いです。用意がない場合は出産前に役所で受け取っておくと、退院までに産院に記入してもらえるためスムーズです。

提出期限は、出産日を含んで14日以内です。提出期限を過ぎてしまうと、遅れた理由を簡易裁判所に通知しなければならず、場合によっては過料の対象になってしまうことがあるため、期日は厳守しなければなりません。
また、届け出には子どもの名前を記入します。届け出までにお子さまの名前を決めておきましょう。なお、里帰り出産をした場合は、出産した場所の自治体に提出しても問題ありません。

【必要なもの】
  • 届け出る方(パパかママ)の印鑑(朱肉を使って押す認印)
  • 母子手帳
  • 出生届(産院側の記入欄があるため、必ず必要事項を記入してもらいましょう)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
【届け出先】
  • 届け出る方がお住まいの市区町村の役所窓口
  • 子どもが生まれた市区町村の役所窓口
  • パパまたはママの本籍地の市区町村の役所窓口 のいずれか
【届出人】

パパ、ママ、同居している祖父母のいずれか

●出生連絡票の提出(出産日を含む7日以内)

出生連絡票は、お持ちの母子手帳または妊婦健康診査費用補助券などの別冊に、はがきの形で交付されている書類です。オンライン申請が可能な自治体もあります。
出生連絡票を提出すると、出生後28日以降に保健士や助産師などが家庭訪問をして、出生後の子どもやママの体調確認、育児相談や母子保健サービスの紹介などを行います。
お子さんが2,500g未満の低体重で生まれた場合は、届出が義務付けられています。出生連絡票が低体重児届出書を兼ねている場合がありますので、必ず確認してください。
出生連絡票は、子どもの出生からなるべく7日以内に、各市区町村の窓口に送りましょう。提出の際、まだ名前が決まっていない場合は子どもの名前は空欄でも問題ありません。

【必要なもの】

出生連絡票

【届け出先】

住民票のある市区町村の保健福祉センターか役所の保健福祉課

【オンライン申請】

自治体によって可能

●児童手当の申請(出産日を含む15日以内が推奨)

児童手当は、0歳~中学校卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで ※2024年5月現在)までの子どもを育てている保護者向けに生活の安定に寄与することを目的に支給される手当金のことです。
基本的には申請の翌月から手当金の支給対象となりますが、出生と申請が月を跨ぐ場合は出生の翌日から15日以内に申請を行えば、申請当月分から支給を受けられます。
2024年5月時点では所得制限が設けられていますが、2024年10月から児童手当拡充により、所得制限撤廃などの変更点があります。

【必要なもの】
  • 認定請求書
  • 届け出る方の健康保険証
  • 届け出る方の振込口座が確認できるもの
  • 両親のマイナンバーの確認ができるもの
【届け出先】
  • お住まいの市区町村の役所の保育給付課または保健福祉課
  • 公務員の場合は勤務先に届け出ることが可能
【届出人】

パパかママ(所得の高い方)

【オンライン申請】

自治体によって可能

●乳幼児医療費助成の申請(出産後速やかに対応)

0歳から小学校就学前(6歳の誕生日後の最初の3月31日まで)までの子どもにかかる医療費の一部または全額を自治体が助成してくれる制度です。マル乳や子ども医療費助成制度とも呼ばれています。
乳幼児医療費助成の申請は、出生後15日以内など期限を設けている自治体もあるため、なるべく速やかに申請しましょう。保護者の健康保険証のみでも申請が可能な自治体と、子どもの健康保険証が必要な自治体があります。子どもの健康保険証の発行に時間がかかる場合は、先に申請を済ませておき、後から健康保険証のコピーを郵送することも可能な場合があります。また、子どもにかかる医療費の一部について、高等学校卒業(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)まで助成してくれる自治体もあります。詳しくは各市区町村の窓口に確認しましょう。

※2024年5月時点の情報です。

【必要なもの】
  • 医療費助成申請書
  • 保護者または子どもの健康保険証
  • 出生に関する必要事項を記入済みの母子手帳
  • 届け出る方の印鑑(朱肉を使って押す認印)
  • 両親のマイナンバーの確認ができるもの
【届け出先】

住民票のある市区町村の役所窓口

【届出人】

パパかママ(所得の高い方)

【オンライン申請】

自治体によって可能

病院への手続き

●出産育児一時金の申請(入院までにor出産翌日から2年間)

出産育児一時金は、健康保険に加入しているご本人またはその扶養家族が出産した場合に、子ども1人につき50万円(多胎児を出産した場合はその人数分)の一時給付金を受けられる制度です。2023年4月より、出産育児一時金の金額が42万円から50万円に引き上げられました。産科医療補償制度に未加入の産院で出産した場合、または在胎週数22週未満での分娩の場合は、支給額が48万8,000円になります。

給付金の支給を受けるには、主に「直接支払制度」「受取代理制度」のいずれかの方法で健康保険組合に申請します。
産院の多くは、健康保険から産院が直接一時金を受け取る「直接支払制度」を採用しています。この場合、妊婦検診時などに産院から申請書類が渡されるので、入院時または入院前(産院から指定された期日)までに署名して提出しましょう。出産費用が出産育児一時金の50万円を超えた場合は、退院時に超過した金額を支払います。出産費用が出産育児一時金の50万円に満たなかった場合は、支払いは不要です。また、出産後に健康保険組合に申請することで差額を受け取ることができます。
産院が「受取代理制度」を採用している場合は、出産予定日以前の健康保険組合が指定する期日までに申請書類を提出しましょう。出産費用が出産育児一時金の50万円を超えた場合は、退院時に超過した金額を支払います。出産費用が出産育児一時金の50万円に満たなかった場合は、支払いは不要です。ただし、受取代理制度の申請が可能な方は、出産予定日まで2ヵ月以内の方に限られます。

直接支払制度や受取代理制度を利用せずに事後申請することも可能ですが、出産翌日から2年を超えると受給資格が失われるため、注意が必要です。
また、健康保険組合によっては、付加給付金として上乗せがある場合や、自治体によって独自の助成金を受け取れる場合もあるため、手続きの際に確認しましょう。

【必要なもの】
  • 出産育児一時金支給申請書
  • 出産費用の領収書や明細書
  • 直接支払制度を利用せず代理契約を行ったことを証明する書類
  • 子どもの出生を証明する書類

※直接支払制度、受取代理制度によって必要となる書類は異なります。

【届け出先】

産院が直接支払制度を採用している場合
産院

産院が受取代理制度を採用している場合

  • 社会保険(組合健康保険や協会けんぽ)の場合は勤務先の総務など
  • 国民健康保険の場合は住民票のある市区町村の役所
【届出人】

健康保険加入者本人

勤務先の会社への手続き

●健康保険加入(出産後速やかに対応)

健康保険証・マイナンバーカードのイメージ

子どもが医療費助成を受けるためには、健康保険証が必要です。
健康保険証をつくるには、健康保険の加入手続きをしなければなりません。
子どもはパパ・ママいずれかの被扶養者として、健康保険に加入します。
健康保険の申請は、出生後なるべく早めに加入手続きを行いましょう。
お子さまの1カ月検診は保険診療外ですが、もし保険診療が発生した場合は健康保険を使用するため、早めに手元にあると安心です。

国民健康保険の場合は、出産後14日以内の手続きが必要です。

【必要なもの】
  • 出生に関する必要事項を記入済みの母子手帳
  • 届け出る方の印鑑(朱肉を使って押す認印)
  • 届け出る方の健康保険証
  • 免許証やパスポートなどの本人確認書類
  • 届け出る方のマイナンバーの確認ができるもの
【届け出先】
  • 社会保険(組合健康保険や協会けんぽ)の場合は勤務先の総務など
  • 国民健康保険の場合は子どもの住民票のある市区町村の役所
【届出人】

パパかママ(健康保険加入者本人)

●出産手当金の申請(出産後57日目以降)

出産手当金は、出産後に産休を取得するママのために支給されるお金のことです。
出産手当金の支給対象期間は、出産前42日+出産後56日=98日分となります。支給額は、産休前のお給料の約2/3に相当する額です。申請は勤務先が行うため、働いているママさんは必要な書類を準備して勤務先に提出します。支給は、申請から1~2カ月後となります。

【必要なもの】
  • 出産手当金申請書
  • 健康保険証
【届け出先】

勤務先の総務

【届出人】

ママのみ

●育児休業給付金の申請(育休開始から4カ月以内)

雇用保険の被保険者が原則1歳未満の子どもを養育するために育児休業(2回まで分割取得が可能)を取得した場合、一定の要件を満たすことで給付金の支給を受けることができます。
支給額は「休業開始時賃金日額×休業期間の日数(原則30日間)× 67%」で算出された金額となり、育児休業の開始から181日目以降は50%になります。
支給期間は、子どもが1歳となる前日までですが、育児休業の延長取得が認められた場合は、1歳6か月または2歳となった日の前日分まで支給されます。

【必要なもの】
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書
【届け出先】

勤務先

【届出人】

働いているパパ・ママ

なお、パパが産後パパ育休制度(出生時育児休業)を利用した場合、一定の要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給も受けることができます。

参考:厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続き

出産後の手続きをスムーズに行うポイント

出産にまつわる各種手続きはとても数多く、順にこなしたとしても何度も役所などの窓口に出向く場合もあるでしょう。できるだけスムーズに各種手続きを済ませられるよう、流れを工夫しましょう。

役所への訪問は一度で済むようにまとめて提出

出生届の提出や児童手当金の申請は、役所でまとめて行うことができます。そのため、役所の窓口を一度の訪問で手続きが完了できるよう準備しておきましょう。
書類に不備があると、何度も役所を訪ねることになり、申請に手間がかかってしまいます。必要な書類などの持ち物を間違えないよう忘れず準備し、必要事項は正しく記入しておきましょう。出産後は、育児に時間を取られることもあるため、出産前に準備しておくと安心です。

郵送・オンライン申請(電子申請)を積極的に活用する

出産後の手続きの中には、郵送やインターネットから申請できるものもあります。それらをできるだけ有効活用し、出産後すぐにあまり外出しなくても良いように工夫をしましょう。
ただし、郵送申請やオンライン申請は、市区町村によってはできない場合もあります。事前に確認しておくと良いでしょう。

子どもが生まれたら、我が家の安全対策も忘れずに

子どもが生まれることは、守らなければならない家族が増えることでもあります。出産を機に、ご自宅の防犯・火災対策の強化を考えているご家庭もあることでしょう。
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まとめ

子どもが生まれると、産後の回復だけでなく、待ったなしの育児にさまざまな手続きなど、やることはたくさんあります。各種手続きの準備不足があると、体はもちろん気持ちも休まらない日々を招いてしまうかもしれません。準備できるものは出産前に段取りを整えておき、万全の心持ちで子どもの誕生を迎えましょう。

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