切り花の寿命を長持ちさせる方法は?生け方のポイントや注意点について
記念日などには花束をいただく機会が多いものですし、ご自身で生花の切り花を購入し、インテリアの一環で部屋に飾る方もいるでしょう。せっかく飾ったお花、1日でも長くきれいな状態を保ちたいですよね。そこでこの記事では、切り花の寿命の目安や長持ちさせるための生け方のコツをご紹介します。
切り花の寿命はどのくらい?
切り花は生けたばかりのきれいな状態を、何日ほど保てるのでしょうか。ここでは切り花の寿命の目安と、切り花が弱ってしまう原因についてご紹介します。
切り花の寿命の目安は季節によって異なる
切り花の寿命の目安は、季節ごとに違ってきます。暖かい季節は寿命が早めに訪れ、寒い時期は少し長くもつと考えて良いでしょう。
- 春、秋の間:1週間~10日ほどが目安
- 夏:4~5日が目安
- 冬:10日~2週間前後が目安
上記の目安のとおり、気温や室温が高くなると切り花は長持ちしにくくなる傾向があります。それには、切り花が弱る原因が関連しています。
切り花が弱ってしまう原因とは?
切り花が弱ってしまうおもな原因は、花に必要な水の不足や水中のバクテリアが増えることとされています。
花は生き物ですから、お世話をしないでいると水が蒸発して少なくなったり、水中のバクテリアが増えて水が汚れたりします。切り花を購入したり贈られたりしたら、まずは水揚げと水切りを行い、きれいな水に取り替えながら細菌が繁殖しないよう気をつけることが基本です。次の項目では、切り花をより長持ちさせるためのお手入れのポイントをご紹介します。
切り花を長持ちさせる生け方
切り花をご自宅に持ち帰ったあと、きれいな状態を長く楽しむために行っておきたい手順をご説明します。
ラッピングを外す
花束を包装しているラッピングや、保水用のアルミホイル、ビニールを外しましょう。花束が輪ゴムや紐などで縛られていることも多いと思います。それらは基本的に外してかまいませんが、生けたとき花がバラバラにならない方が良いという方もいるでしょう。その場合は、ゆるめに束ねておくことがおすすめです。縛り方がきつめだと水の吸い上げに影響したり、茎が傷みやすくなったりすることがあります。
そのまま飾れるように、ゆるくきれいに束ねられている花束もあるため、まず花を持ち帰ったら包装を取り除いて束ね方を確認すると良いでしょう。
水揚げのために「水切り」をする
花は水を吸い上げることで、きれいに咲き続けます。切り花は必ず「水揚げ」を行って、花が水を吸い上げやすくするためのお手入れをしましょう。花屋さんでも切り花を束にする前に必ず水揚げを行っていますが、買ったりいただいたりした花束も、ご自宅で再度水揚げを行うのが長持ちのポイントです。
【水切り手順とコツ】
水揚げの方法は複数ありますが、ご家庭で行いやすいのは「水切り」です。
花の茎を水につけたまま、水中で茎の端を少し切りましょう。水中で茎をカットするため、水圧の力で水の吸い上げがよくなる効果が期待できます。また、茎の内部にある水を吸う管(導管)に空気が入ってしまうと水を吸いにくくなるため、水中で茎を切ることで防ぐ目的もあります。
切るときは茎をつぶさないよう、園芸用・切り花用ハサミでカットする方法がベストです。お花専用のハサミがなければ、やわらかい茎の切り花に限ってはキッチンバサミやカッターでも代用できます。ただし、硬い枝などを切ることを想定した場合は専用のハサミがあったほうが良いでしょう。
斜めにカットし、茎の端で水に触れる面積を大きくしておくと、水の吸い上げをさらによくできます。カットした後は、茎の3分の2以上を深めの水に浸けた状態で3~4時間ほど置くとさらに吸水が促進されます。
茎の余分な葉や蕾を剪定する
水切りを終えたらすぐに生けたいところですが、その前に余分な葉や蕾を取り除く作業をすると、より花を長持ちさせられます。
花瓶などに生けた際、水につかる部分に葉や蕾がついていると水が汚れやすくなるため、必ず剪定して取り除きましょう。特に、葉は水につからない状態になるよう剪定しておくことがおすすめです。枝・葉・蕾のなかで花瓶に隠れてしまうものや余分なものは、必ず剪定してから生けることをおすすめします。
清潔な花瓶に生ける
切り花は土や汚れ、ホコリがついていない花器に生けることも長持ちの秘訣です。花瓶は常に洗って清潔にしておき、いつもきれいな状態で花を生けられるようにします。花器が汚れていると、水中にバクテリアが増えやすくなるためです。
特に水垢や苔の付着を防ぐため、花瓶は食器用洗剤で丁寧に洗っておきましょう。口が狭い花瓶は、食器用洗剤を水で薄めたものを細かくした卵の殻と一緒に入れ、よく振って洗うと内側をきれいにできます。卵の殻は研磨効果があり、手やスポンジが入りにくくても花瓶内の汚れを落とせます。
花瓶を使い終わってそのまま収納はせずに、必ず洗って乾かした清潔な状態で片付けましょう。新しい花が手に入ったとき、安心して生けられます。
切り花を長持ちさせるポイントは?
ここでは花を生けたあとも、切り花を長持ちさせるためにしたいお手入れや、気をつけたい点をご紹介します。
花瓶の水の量
水の量は少なめにしておき、茎の切り口が水につかるくらいの水位を保つと良いでしょう。その上で毎日こまめに水を替え、水不足にならないようにします。また、水替えをする都度、水の吸い上げが悪くならないよう水切りも行いましょう。
花を置く場所
日差しの下で花を観賞したい気持ちもありますが、長持ちのためにはなるべく直射日光やエアコンの冷風・温風が当たらない場所に置いて飾りましょう。
切り花の長持ちに役立つアイテム
切り花を長持ちさせるために役に立つ「裏ワザ」的なアイテムをいくつかご紹介します。ご家庭にあるものや、お近くで買いやすいものばかりです。
10円玉
花を生けた水に10円玉を入れておくと、殺菌作用があるとされる銅イオンのはたらきで水の汚れを防ぐといわれています。
砂糖
砂糖に含まれる糖分は植物の栄養になるため、花をきれいな色に保ったり葉や茎を生き生きとさせたりできます。ただし入れすぎると水中のバクテリアが増える原因にもなるため、ごく少量(水200㏄に小さじ1弱が目安)にとどめましょう。水をこまめに替え、その都度上記の分量で砂糖を加え清潔な状態を保つようにしてください。
漂白剤
市販の漂白剤には殺菌作用があるため、水を腐りにくくして花を長持ちさせられます。殺菌作用の強い、キッチン用の塩素系漂白剤がおすすめです。分量はごく少量、水300㏄あたりに1滴垂らすだけで良いでしょう。多いと逆に花の寿命を縮めてしまうため注意してください。上記でご紹介した砂糖との併用もできます。
延命剤
切り花を長持ちさせるためにもっとも手っ取り早い方法は、市販の切り花用延命剤を使うことでしょう。延命剤には花の栄養分と殺菌作用のある成分の両方が含まれるため、頻繁に花を生ける機会があれば用意しておくのがおすすめです。延命剤のなかには水替え不要をうたっているものもありますが、それでも水は汚れてしまうので水替えを適宜行ってその都度延命剤を入れ直すとよいでしょう。
切り花が弱ってきたときの対処法
花の元気がなくなってきたと感じたら、以下の2つの方法でもう少し長持ちさせられるかもしれません。ご説明する手順を、ぜひ試してみてください。
湯あげ
水切り後、花や葉を新聞紙に包んで保護し、切り口の部分2㎝ほどを80度以上の湯に浸して茎の中の空気を抜きます。泡が出て空気が抜けたらすぐ湯から上げ、きれいな冷水に浸して2時間ほど置き、生け直します。水の吸い上げをよくすることで、花の元気を取り戻せるかもしれません。
深水法
水を満たした深い容器に、切り花を直立させる方法です。水圧の力で水の吸い上げをよくする効果があります。
詳しい手順は、まず最初に水切りを行ってから茎の根元を20cmくらい出した状態で花までを新聞紙で包みます。花の部分までまっすぐな状態になるよう、強めにしっかり包みましょう。
バケツに深く水を張って、新聞紙で包んだ切り花を水に深くつけます。水から出ている新聞紙は霧吹きを使って、まんべんなく湿らせてください。
花の最上部までまっすぐに立てた状態を保ちながら、半日から丸1日ほど置いておきましょう。切り花全体がしっかり水を吸って、シャキッと元気を取り戻します。
ALSOKのホームセキュリティ
お花を飾って明るい雰囲気になった室内では、存分にリラックスしたいもの。そのためには、安心して暮らせるご自宅のセキュリティも大切です。
おうちで過ごす時間が増えた昨今、ホームセキュリティの導入もぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。ALSOKのホームセキュリティは、リーズナブルな費用で24時間365日ご自宅を警備いたします。
まとめ
きれいな切り花が家にやってきたなら、1日でも長く楽しみたいもの。そのためのお手入れは、意外にそれほど難しくないことばかりです。ぜひ、楽しみながらこまめにお手入れをして、おうちでの生活をカラフルに彩ってみてください。