止水板(防水板)とは?住宅の浸水対策を万全にしよう

防災 2024.11.29更新(2021.12.29公開)
止水板(防水板)とは?住宅の浸水対策を万全にしよう

ALSOKの組み合わせ式簡易止水板

昨今、豪雨や台風による浸水被害のニュースを目にする機会も増え、水害への不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。水害はどこで起きても不思議ではありません。そのため、日頃から住宅を守るための浸水対策を講じておくことが重要です。

水害が起こった場合に住宅を守ることができる対策グッズの一つに、止水板(防水板)があります。
この記事では、止水板(防水板)とは何か、どのような役割があるのかを説明し、住宅の浸水対策についてご紹介します。

目次

止水板(防水板)とは?

止水板(防水板)とは、豪雨や災害時に建物の中、地下などへ水が流れ込むのを防ぐ板のことをいいます。 止水板には「防災用品」と「土木建築材料」の2種類があります。

防災用品としての止水板(防水板)

防災用品として利用される止水板は、建物の中へ水が浸入するのを防ぐ役割をします。家の玄関やマンションのエントランス、地下鉄の入り口などに設置して地下に水が流れ込むのを防ぎます。

止水板の役割

土木建築材料としての止水板

土木建築材料としての止水板は、コンクリート構造物の継ぎ目部分に入れる建材で、地下建造物の建築工事やダム、トンネル、高架橋、防潮堤の土木工事などで用いられます。
コンクリート構造物の打ち継ぎ止水材として、漏水の防止や水の流れを防ぐために利用されています。

浸水対策はなぜ重要なのか

日本では大雨による河川の氾濫や津波などによる浸水被害が毎年のように発生しています。
2019年に記録的な大雨をもたらした台風19号による浸水被害の影響は、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。100カ所以上の堤防が決壊して河川の氾濫が起こり、その影響で広範囲の住宅が浸水被害に遭いました。

こうした被害が発生する原因の一つとして、森林伐採が挙げられます。日本は昔と比べると、農地などへの土地転換や違法伐採によって都市化が進みました。畑や森林が減少し、雨水の流れ先となる場所に建物が多く建ったことが被害拡大のリスクを高めていると考えられます。

また、もう一つの原因として地球温暖化の影響による気候変動が挙げられます。気象庁によると、大雨の発生回数は増加傾向にあり、例えば1時間降水量50mm以上の豪雨の場合、2014~2023年の平均年間発生回数は約330回、2022年の発生回数は382回です。1時間降水量50mm以上の雨は、滝のように降り、ゴーゴーと降り続く非常に強い雨です。傘を差していても濡れてしまいます。こうした豪雨や大雨などの異常気象は、地球温暖化による気候変動が関係しているといわれています。

出典:気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」

世界でも多雨地域とされる日本は、いつ水害が起きても不思議ではありません。浸水被害は特に梅雨の時期や台風シーズンに多く、近年は整備された都市部でも発生しています。万が一水害が起こった際、家族や住宅を守るための対策や備えを行っておく必要があります。

家庭用の止水板を購入する際のポイント

家庭用の止水板を購入する際に、確認しておきたいポイントをご紹介します。

ハザードマップで水害危険度を確認する

まずは、住宅周辺の自然災害のリスクをハザードマップで確認しましょう。ハザードマップは、過去の災害や降水データを元に作成された河川の氾濫や内水氾濫、津波などによる浸水予想状況が掲載されています。止水板を購入する際は、住宅周辺の予想されている水害危険度を知ることが大切です。

家の敷地で浸水対策が必要な場所を把握する

ハザードマップを確認し、どのくらいの浸水被害のおそれがあるのか確認をしたら、止水板などの対策が必要な地域を把握します。浸水被害のおそれがある地域の場合、前面の道路から低い位置にある玄関や、ガレージ、地下などは浸水する可能性が高いと言えます。

止水板の性能をチェックする

止水板は「JIS A 4716規格」により、漏水量によってWs-1からWs-6の等級が決められています。止水板の性能表記はメーカーにより異なることもあるため、「JIS A 4716規格」にて比較するのがおすすめです。
この「JIS A 4716規格」はシャッター型とドア型の止水板のみに採用されています。脱着式の止水板は、規格にあてはまらないことから、性能を表す表記として「Ws-◯相当」と記載されていることがあります。

なお、漏水量は、単位時間(1時間)に他に水圧面積(1m³)あたりに漏れる身体の体積(㎥)で表示されています。漏水量による等級及び使用場所の目安は、次のとおりです。

【漏水量による等級及び使用場所の目安】

等級 漏水量[m³ /(h・m²)] 等級に応じた使用場所の目安(JISの解説より)
Ws-1 0.05を超え 0.2以下 比較的簡易な浸水防止用設備。一般的な土のうよりは浸水防止性能は高い。多少の浸水を許容できる場所又は排水設備が設置されている場所。(倉庫、駐車場など)
Ws-2 0.02を超え 0.05以下
Ws-3 0.01を超え 0.02以下 最も一般的に用いられる浸水防止性能。浸水に対して比較的重要度の高い場所。(機械室、一般家屋など)
Ws-4 0.004を超え 0.01以下
Ws-5 0.001を超え 0.004以下
Ws-6 0.001以下 最も浸水防止性能が高い。重要度が高く、できる限り浸水を防止したい場所に用いる。(電気室、ポンプ室など)

出典:一般社団法人 日本シヤッター・ドア協会「浸水防止用設備建具型のJIS制定について」

漏水量が50L(h・m³)を越え、200L(h・m³)以下を示す「Ws-1」がもっとも低いランクです。漏水量が1L(h・m³)以下に抑えられるものは、最高の等級となる「Ws-6」となります。
性能が高くなると、導入コストが高くなったり設置工事が大掛かりになったりします。一般家屋であれば、「Ws-3」が良いでしょう。
立地などによって最適な等級が異なるケースがありますので、専門の方に相談することをおすすめします。

止水板以外の住宅の浸水対策は?

止水板以外の住宅の浸水対策は?

大雨警報や洪水警報が発令されるなど浸水被害が予想されるときは、家の中に水が入ってこないような対策が必要です。ここでは、止水板以外の住宅の浸水対策をご紹介します。

土のうを設置する

土のうとは、土を袋に入れたものです。土のうを家屋の入口に設置し、住宅内への雨水の浸入を抑えることができます。土が水に濡れて固まることから、水の浸入を防ぐことができるとされています。ホームセンターなどで購入することができるので、前もって準備しておくと安心です。

水のうを設置する

もし土のうがない場合、家にあるもので簡易的な水のうを作ることができます。水のうは、土を水で代用した浸水対策です。
水のうの作り方は、40L程度の容量のごみ袋を2枚重ね、半分くらい水を入れて口を閉めます。段ボール箱に詰め、ブルーシートなどで包んで出入り口に隙間のないように並べたら完了です。
また、テーブルやボードなど長い板状のものを出入り口に設置すると、簡易型止水板となって浸水を防ぎます。設置した止水板は水のうなどでしっかりと固定しましょう。
ビニール袋以外にも、プラスチック製のタンクやプランターとレジャーシートを組み合わせることで簡易的な水のうとして使えます。

簡易型止水板の作り方

止水シートを用意しておく

浸水対策として止水シートも効果的です。止水シートは、名前のとおりシート状になった止水板です。シートを玄関など、水が入ってくるのを防ぎたい場所に貼るだけで簡単に設置ができます。シートなので軽量で持ち運びしやすく、折り畳めることから保管する際も邪魔になることがありません。

雨水ますの詰まりを取り除いておく

雨水ますとは、地面に降った雨水を集めて排水管へ流すための設備です。通常、住宅や道路などの水はけを良くするために設置されています。注意点として、雨水ますにビニール袋や落ち葉などのゴミが溜まっていると、排水がスムーズに行われず、雨水がます内に流れにくくなってしまいます。これが原因で大雨の際に排水が追いつかず、道路冠水や住宅周辺の浸水リスクが高まることがあります。住宅周辺の浸水を防ぐため、雨水ますを設置した際は定期的に点検・清掃をしておきましょう。

ALSOKの止水板は簡単に取り付けが可能

ALSOKの止水板は簡単に取り付けが可能

ALSOKでは、浸水対策として簡単に取り付けができる「組み合わせ式簡易止水板」をご用意しています。
土のうに代わる簡易型止水板(防水板)で、地面に設置するだけで最大50cmの高さまで水の侵入を防ぐことができます。水圧で地面に固定するため、水量が多いほど安定し、豪雨で水量が多くなっても安心です。
また、1枚3.8kgと軽量なため、短時間で広範囲への展開が可能です。止水板は重ねることもできるため、省スペースで収納や管理に困りません。

その他、ALSOKではいざというときに活用できるさまざまな水害対策商品を取り揃えております。大切な家族の命を守るための浸水対策は、ぜひ一度ALSOKにご相談ください。

まとめ

今回は、止水板(防水板)の役割や住宅の浸水対策についてご紹介しました。
地球温暖化に伴う気候変動の影響により、今後さらに大雨の降水量や災害の発生回数が増加すると予測されています。災害級の大雨となると、道路が冠水し住宅も浸水被害に遭う可能性があります。大事な財産を守るためにも、災害級の大雨予報が出た場合は、止水板や土のうなどを用意して被害を抑えられるよう対策しましょう。

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