【警視庁インタビュー】サイバー犯罪②フィッシング詐欺の対策とは?引っかからないために意識すべきポイント
大切な個人情報を詐取されるフィッシング詐欺。インターネット利用者であれば誰もが気をつけなくてはいけない犯罪の1つといえます。
今回は「警視庁のサイバー犯罪対策本部(敬称略)」に取材協力いただき、フィッシング詐欺の被害に遭わないための対策についてインタビューを実施しました。
フィッシング詐欺の被害に遭わないためにできる対策とは?
――フィッシングサイト(偽サイト)を見抜く方法はありますか?
警視庁担当者:
外国人が偽サイトを作成するケースが多いことから、一昔前まではサイトの日本語がおかしかったり、振込先が外国人名義だったりと偽サイトを見抜くポイントはいくつかありました。ですが、最近は実在するサイトとそっくりに作っているため、見抜くことが難しくなっています。そのため「自分は引っかからない」と過信せずに、疑いの意識を常に持っておくことが大切です。
――フィッシング詐欺被害を防ぐ対策はありますか?
警視庁担当者:
実際の生活で利用しているサービスを装う手口が横行しているので、SMSやメールなどでのお知らせは安易に信用しないことが大切です。メッセージに添付されたURLはなるべくクリックせず、万が一クリックしてしまっても個人情報やクレジットカード情報は絶対に入力しないでください(※上記リストの①)。
頻繁に利用するサイトなら、ブックマーク登録をした先からアクセスをすることで偽のホームページに誘導されることを防ぐことができます(※上記リストの②)。
――その他、具体的な対策は何かありますか?
警視庁担当者:
その他の対策としてはこまめにクレジットの決済情報に見覚えのない決済履歴がないか確認したり、フィルタリングを設定したり、ウイルス対策ソフトやアプリのバージョンを常に最新の状態にアップデートしておくことも有効です(※上記リストの③、④)。
またパスワードに関してですが、つい覚えやすい文字列にしてしまいがちなので、複雑な文字列で設定することを推奨します。フィッシング詐欺とは少し離れるのですが、近年はIoT機器(スマートスピーカー、見守りカメラ等)のようなインターネットに繋がっている機器も普及していて、このような機器のパスワードを初期設定のまま利用しているケースもあります。この初期パスワードで不正にアクセスされることもありますので、新しく購入したものはすぐにパスワード変更をしてください。
――スマートフォンに不慣れな方、ご高齢の方々が被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか?
警視庁担当者:
インターネットやスマートフォンに日常的に触れている子世代・孫世代の方が使い方や注意点を教えるといった、家族間でコミュニケーションをとっていただくのも大切です。また、各自治体や各キャリア(通信事業者)では、スマートフォン教室を開催しご高齢の方々をサポートしています。ぜひその機会を活用してスマートフォンの扱いに慣れ、インターネットの危険性を知っていただければと思います。
“心のセキュリティを強化”してフィッシング詐欺対策をしよう
――最後に警視庁から皆様にお伝えしたいことはありますか?
警視庁担当者:
一人一人がインターネット空間における防犯意識を高める心のセキュリティを強化していくことが必要です。
フィッシング詐欺をはじめサイバー犯罪は年々巧妙化しています。被害に遭わないためにも、まずはサイバー犯罪の手口を知っていただき、詐欺を疑うことが大切です。もしもおかしなメールが来たり、万が一被害に遭ってしまった場合は最寄りの警察署へすぐにご相談ください(※上記リストの⑤)。
また警視庁のホームページや警視庁サイバーセキュリティ対策本部のTwitterでは、最新の事例や対策などを紹介しているので参考にしてください。
【警視庁:情報セキュリティ広場】
サイバーセキュリティ対策に必要な情報を幅広く公開しています。
【警察庁:サイバー犯罪対策プロジェクト】
全国のサイバー犯罪の発生状況や各県警の取り組みなど公開しています。
取材日時:2022/02/01
取材協力:警視庁 サイバーセキュリティ対策本部 ご担当者様