災害用伝言ダイヤル「171」の使い方とは?録音と再生方法
近年、地震や台風、豪雨、噴火などが各地で頻発していて、災害に対して不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
大規模な災害が発生した際、まず気になるのは家族や友人の安否ですよね。災害時の連絡手段には電話やメール、SNSといったものがありますが、災害時は被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になることがあります。そんな時に役立つのが、災害用伝言ダイヤル「171」です。
そこで今回では、災害用伝言ダイヤル「171」の使い方について解説します。
目次
災害用伝言ダイヤル「171」とは
災害用伝言ダイヤル「171」は、大規模な災害が発生した時に、NTT東日本・NTT西日本が無料で提供する、電話を利用した声の伝言板サービスです。災害時に、固定電話、携帯電話等の電話番号宛に伝言を音声で登録し、全国から音声を再生することができます。
まず災害用伝言ダイヤルが必要な理由について説明します。
災害用伝言ダイヤルが必要な理由
地震、噴火といった大規模な災害が起きると、安否確認などの目的で被災地への通話が急増し、電話がつながりにくい状況になります。災害用伝言ダイヤル「171」は、このような通話の混雑を緩和するために、災害時のみ提供されるサービス(※)です。
災害用伝言ダイヤル「171」は、被災地の方の電話番号をキーにして、安否等の情報を音声で登録・確認することができます。NTT東日本・西日本の加入電話、INSネット、公衆電話、ひかり電話、特設公衆電話、および、NTTドコモの携帯電話から利用できます。
電話回線が混雑している時でも「171」を介して録音と再生ができるのが特徴です。
※提供の開始、登録できる電話番号、伝言録音時間や伝言保存期間など運用方法・提供条件については、状況に応じてテレビ・ラジオ・NTT東日本公式ホームページ等を通じてお知らせされます。
また、災害用伝言ダイヤル(171)を含む災害用伝言サービスは、災害発生時に電気通信事業者によって自主的に運用されるものですが、以下の体験利用日にも運用されています。
- 毎月1日、15日
- 正月三が日(1月1日~3日)
- 防災とボランティア週間(1月15日~21日)
- 防災週間(8月30日~9月5日)
なお電気通信事業者によっては、これ以外にも体験利用日を設けている場合あります。
各地域で開催される「防災訓練」の際にも体験利用ができる場合もあります。(各電気通信事業者により異なる場合がありますので、詳細はお使いの固定電話または携帯電話事業者へお問い合わせください。)
災害用伝言ダイヤル「171」の使い方
災害用伝言ダイヤル「171」では、伝言メッセージの録音と再生ができます。ここでは、具体的にどのような手順で録音・再生をするのか、171の使い方について解説します。
災害伝言ダイヤル(171)伝言の録音方法
携帯電話やスマートフォンといったプッシュ式電話機で行う、災害用伝言ダイヤル「171」の基本的な録音方法は以下の通りです。
- 171に電話をかけ、利用ガイダンスに従って「1」を押します。
- 利用ガイダンスに従って、被災地の方はご自宅の電話番号もしくは携帯電話番号をダイヤルします。
- ダイヤルした電話番号の伝言を録音するとガイダンスが流れます。ここで携帯電話やスマートフォンといったプッシュ式電話機を利用している場合「1」を押します。
- 「1」を押すと「伝言をお預かりします。ピッという音の後に30秒以内でお話ください。お話が終わりましたら数字の9を押してください。」というガイダンスが流れます。
- ピッ!という録音開始合図音がなったら伝言の録音が開始されるため、30秒以内に伝言を録音します。
(伝言例)
花子です。おじいちゃん、おばあちゃんを含めて家族みんな無事で、中央公民館に避難しました。状況が変わったらまたメッセージを入れます。
- 伝言を録音したら「9」を押します。「伝言を繰り返します。訂正される時は数字の「8」を押してください」とガイダンスが流れます。ここで「8」を押すと再度ガイダンスが流れ、録音し直すことができます。
- ここで、「8」を押さない場合、録音分を再生します。「9」を押した場合、再生をスキップします。
- 再生が終わると、「伝言をお預かりしました。」というガイダンスが流れます。
なお、操作方法はダイヤル回線(※)とプッシュ回線(※)で少し異なりますので、ガイダンスに従って進めてください。
※ダイヤル回線とは、黒電話などのダイヤル式電話機のことです。
残すべきメッセージ
録音できるメッセージは30秒と短いので、自分の名前、被災状況、避難場所などを端的に話すのがポイントです。
例えば、以下のようなメッセージです。
花子です。おじいちゃん、おばあちゃんを含めて家族みんな無事で、中央公民館に避難しました。状況が変わったらまたメッセージを入れます。
録音の再生方法
災害用伝言ダイヤル「171」の録音の基本的な再生方法は、以下の通りです。
- 171に電話をかけ、利用ガイダンスに従って「2」を押します。
- 利用ガイダンスに従って、被災地の方はご自宅の電話番号もしくは携帯電話番号をダイヤルします。
- 「ダイヤルした電話番号の伝言をお伝えします。」とガイダンスが流れます。ここで携帯電話やスマートフォンといったプッシュ式電話機を利用している場合「1」を押します。
- 「1」を押すと「新しい伝言からお伝えします。伝言を繰り返すときは数字の「8」を、次の伝言に移るときは数字の「9」を押してください。」というガイダンスが流れます。
- 録音されている伝言が再生されます。
花子です。おじいちゃん、おばあちゃんを含めて家族みんな無事で、中央公民館に避難しました。状況が変わったらまたメッセージを入れます。
- ここで「8」を押すと再度ガイダンスが流れ、今のガイダンスを繰り返します。
- ここで「9」を押した場合、「お伝えする伝言は以上です。」とガイダンスが流れます。押さない場合は次の伝言へ移行します。(複数伝言があった場合)
- 伝言再生後は、「伝言を追加して録音されるときは数字「3」を押してください」とガイダンスが流れるため、ピッと音がしたら録音がある場合は録音します。
- 「3」を押さない場合は、次へ移行し、「電話をお切りください」とガイダンスが流れて終了です。
なお、操作方法はダイヤル回線とプッシュ回線で少し異なりますので、ガイダンスに従って進めてください。
災害用伝言ダイヤルの注意点
災害用伝言ダイヤル「171」を利用する際に、注意したいポイントが3つあります。
音声を登録できるのは被災地の電話番号のみ
171に音声を登録できる電話番号は、災害によって電話がつながりにくくなっている地域の電話番号のみです。それ以外の地域の電話番号は音声を登録できません。電話番号は市外局番から入力する必要があります。
災害時に慌てないよう体験しておく
災害時に急に利用しようとすると、焦ってうまく使えない可能性があります。毎月1日・15日など体験利用提供日が設けられていますので、いざという時に備えて家族や友人間であらかじめ体験しておくことをおすすめします。
その他の災害用伝言サービス
災害時は災害用伝言ダイヤル「171」以外にも、さまざまな災害用伝言サービスが提供されます。ここでは、代表的な災害用伝言サービスである「災害用伝言板」と「災害用伝言板(web171)」について紹介します。
災害用伝言板
災害用伝言板は、震度6以上の地震など大規模な災害が発生した時に、インターネット上で自分の安否を登録したり、家族の安否を確認したりできる文字の伝言板サービスです。提供するのはNTTドコモ、au、ソフトバンクなど携帯電話各社で、無料で利用することができます。
<伝言を登録する場合>
- 携帯電話各社の「災害用伝言板」にアクセスする
- 「登録」を選ぶ
- 被災状況を「無事です」「被害があります」「避難所にいます」などの選択肢から選ぶ
- コメント(全角100文字以内)を入力し、「登録」を押す
<伝言を確認する場合>
- 携帯電話各社の「災害用伝言板」にアクセスする
- 「確認(見る)」を選ぶ
- 安否を確認したい人の携帯電話番号を入力し、伝言を確認する
なお、操作方法は携帯電話会社によって少し異なりますので、詳しくは各社のホームページなどで確認してください。
NTT docomo 災害用伝言板サービス
https://www.docomo.ne.jp/info/disaster/disaster_board/index.html
au 災害用伝言板サービス
https://www.au.com/mobile/anti-disaster/saigai-dengon/
SoftBank 災害用伝言板
https://www.softbank.jp/mobile/service/dengon/boards/
Y!mobile
https://www.ymobile.jp/service/dengon/
災害用伝言板(web171)
災害用伝言板(web171)は、上記同様に大規模な災害が発生した時に、インターネット上で自分の安否を登録したり、家族の安否を確認したりできる文字の伝言板サービスです。提供するのはNTT西日本、NTT東日本で、無料で利用することができます。
<伝言を登録する場合>
- 災害用伝言板(web171)のサイトにアクセスする
- 自分(被災地)の電話番号を入力し、「登録」を押す
- 名前(ひらがな)、安否、伝言(1伝言当たり全角100文字まで)を入力し、「登録」を押す
<伝言を確認する場合>
- 災害用伝言板(web171)のサイトにアクセスする
- 伝言を確認したい人の電話番号を入力し、「確認」を押す
- 伝言を確認する
災害用伝言板(web171)サイト
https://www.web171.jp/web171app/topRedirect/
災害に備えて防災グッズも用意しておこう
災害は家族全員が自宅にいる時に起こるとは限りません。職場や学校、出張先、旅行先など、家族が別々の場所にいる時に被災することも十分に想定されます。そのような時のために、家族間で災害時の連絡方法を確認しておくことが重要です。災害用伝言ダイヤル「171」をはじめとした災害用伝言サービスは、その手段の一つです。日頃から家族で話し合い、災害時にどのような方法で連絡を取り合うのかを決めておきましょう。
さらに、災害対策として準備しておきたいのが、防災グッズ。必要な防災グッズが入った非常持出袋があれば、いざという時もすぐに避難することができます。災害時に必要な防災グッズとしては、非常用食料・飲料水、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用具、携帯トイレなどが挙げられます。
ALSOKでは、非常用食料をはじめ災害時に活用できる防災グッズを提供しています。自分自身や家族のニーズに合わせて防災グッズを用意して、災害に備えましょう。