服に付いたボールペン汚れの落とし方は?油性と水性の違い
ボールペンのインクが服に付いてしまい、落とせなくて困った経験はありませんか。特に白い衣服に黒いインクが付くと、汚れが目立って気になります。
ボールペン汚れはなるべく早く、適切に処理することで、きれいに落とせる可能性があります。インクの種類によって効果的な落とし方は異なるので、正しい対処法を知っておきましょう。
この記事では、油性や水性など5種類のボールペンインクの特徴や、落とし方の手順を解説します。
ボールペンのインクが服についたらどうする?
ボールペンのインクで服が汚れてしまったら、まずは焦らずにインクの種類や衣服の素材を確認しましょう。慌てて濡らしたりこすったりすると、逆に汚れが広がったり衣服が傷んだりする可能性があります。状況に応じて正しい対処法を見極めることが大切です。
インクの種類を確認する
ボールペンのインクには5つの種類があり、それぞれに特性があります。インクを構成する成分の違いによって効果的な落とし方も異なるので、まずは服に付いたインクの種類を把握しましょう。
油性
溶剤に有機溶剤を使用したインクです。乾くのが早くて水にも強いため、にじみにくいのが特徴です。水には溶けにくく、アルコールに溶けやすい性質があります。
水性
水性のボールペンは、溶剤に水を使われていて、軽くてなめらかな書き心地が特徴です。水に溶けやすい反面、時間が経つと色が定着して落ちにくくなります。
ゲルインク
ゲルインクとは、水性インクにゲル化剤を加えたインクのことです。水性の特徴である軽い書き心地と、油性の特徴である耐水性・速乾性を併せ持っています。水性インクと同じように乾くと繊維に定着します。
エマルジョンインク
油性インクと水性インクを混ぜたインクで、油性と水性のメリットを兼ね備えています。落とす際は、油性と水性の両方にアプローチする必要があります。
消せるインク
消せるインクとは、熱を加えることで色が透明になる(消える)インクです。ラバーで擦った際の摩擦熱などで書いた文字を消すことができます。
服の素材を確認する
衣服の素材によっては、染み抜きに使う水やアルコール、洗剤などで生地が傷んだり変色したりする可能性があります。大切な衣服の傷みや色落ちを防ぐために、衣服の素材や洗濯表示を調べましょう。水洗いができないと家庭では落とすことができないため、特に水洗いが可能かどうかは、洗濯表示をしっかり確認してください。素材によっては、家庭での対処が難しい場合もあります。
油性インクの落とし方
油性インクの汚れには、消毒用アルコールや除光液(プロピレングリコール類含有のもの)が有効です。まず、落とし方の手順を紹介します。
素材が色落ちしないか確認する
アルコールや除光液は刺激が強く、生地を傷めてしまう可能性があります。せっかくの色合いが薄れてしまうこともあります。特にドレスなどの高級素材は、自分で試さずに、クリーニング屋さんに持っていって落としてもらいましょう。ウールやカシミヤなどのデリケートな素材には、洗濯表示タグに水洗い不可マークがついています。水洗い不可マークがついていたら必ずクリーニングに出してください。
アルコールや除光液を使う
色落ちしないか確認したら、周りを汚さないようにビニールシートや汚れても良いタオルを敷き、汚れてもいいタオルや当て布の上に衣服を重ねます。インク汚れにアルコールや除光液を付けて、歯ブラシやタオルで優しくトントンとたたきましょう。
ぬるま湯や水ですすぐ
しばらくトントンたたいて、タオルや当て布に汚れがつかなくなったらぬるま湯や水でしっかりすすぎます。仕上げに洗濯機でいつもどおり洗濯しましょう。
水性インクの落とし方
水性インクの場合は、どのように落とせば良いのでしょうか。
水と石鹸を使用する
水性インクには、水や固形石鹸、中性洗剤などが効果的です。まず汚れた部分に水と石鹸をつけてもみ洗いします。このときインクが広がらないように注意し、汚れた部分だけをつまんで洗うようにしましょう。汚れが落ちるまで繰り返したら、最後によくすすぎます。後は、洗濯機でいつも通り選択をするだけです。
他にも、中性洗剤と歯ブラシを使った染み抜き方法も効果的です。油性インクの落とし方で紹介した手順と同じように、当て布やタオルに衣服を重ね、中性洗剤を垂らして優しくたたき汚れを当て布やタオルに移して落とします。
その他のインクの落とし方
ゲルインクとエマルジョンインクは、基本的に油性インクと水性インクの対処法を応用できます。また、消えるインクは熱で透明になる性質を利用します。
ゲルインクの落とし方
ゲルインクは水性インクにゲル化剤を混ぜたものなので、基本的に水性インクと同じ方法が有効です。水や石鹸、中性洗剤を使って優しく汚れを落とします。
エマルジョンインクの落とし方
エマルジョンインクは、水性インクと油性インクを混ぜ合わせたインクのため、水性の落とし方と油性の落とし方の両方を行う必要があります。
まずは水と石鹸でもみ洗いし、よくすすいで一度乾かします。その後、アルコールや除光液を垂らして優しくたたき、当て布などに汚れを移して落とします。
自分で対処することが難しい場合はプロに相談を
上記の方法を試しても落ちない頑固な汚れや水洗い不可の素材など、自分で対処できない場合はプロのクリーニング業者に任せるのも選択肢の一つです。
水洗い不可の場合
中には、水洗いができない素材もあります。水洗いできないものは、洗濯表示タグに水洗い不可であることが記載されています。
このような素材のものを無理にこすったり洗濯を繰り返したりすると、衣服を痛める原因になります。水洗いができない素材は、家庭では染み抜きをしないほうが良いでしょう。水洗いができない素材の衣類を汚してしまった場合はプロに相談して、クリーニングしてもらうのが安心です。
革製品
革製品もアルコールや水に弱い素材のため、汚れてしまった場合は家庭で対処してしまうと、色落ちや変色、シミの原因になることもあります。革製品を汚してしまった場合も、自分で無理に落とそうとせずにプロに依頼しましょう。
ALSOKのハウスサポートが家事を手助け
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ボールペンのインクには五つの種類があり、適切な処理が必要です
ボールペンで衣服を汚してしまったときは、まずはインクの種類や衣服の素材を確認しましょう。ボールペンのインクは、構成する成分によって5つの種類があり、それぞれ効果的な落とし方が異なります。
基本的に油性インクにはアルコールや除光液、水性インクには水や石鹸、中性洗剤などが有効です。ゲルインクやエマルジョンインクも同じような方法で対処できるので、インクの種類に合わせた効果的な方法を試しましょう。
水洗い不可の衣服や革製品、頑固なインク汚れは、大切な衣服を守るためにも無理に自分で落とそうとせず、プロのクリーニング業者などに任せるのがおすすめです。