強盗対策に有効?セーフルームとは
警察庁が発表している令和3年の刑法犯に関する統計資料によると、「住宅への侵入犯罪」は約3万7,000件以上発生しております。
中には「もし在宅中に強盗が来たらどうしよう…」と、心配に思いセーフルームの設置を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、セーフルームの概要や用途、すぐにできるおすすめの強盗対策をご紹介します。
セーフルームとは
セーフルームとは、主に一般住宅に設置された「避難部屋」のことです。シェルターの1種で、犯罪や災害から身を守る目的で作られます。
シェルターは日本ではあまりなじみがありませんが、世界的には多く設置されています。一例として、スイスでは国家が核シェルターの設置を義務付けており、人口あたりの核シェルターの普及率は100%です。
日本における核シェルターの普及率は0.02%となっており、セーフルームやシェルターという存在そのものに対して関心が薄いのが現状です。
不法侵入や窃盗などが発生した際の一時避難場所
セーフルームは「セイフティールーム」「シェルター」「パニックルーム」など、さまざまな呼び方があるのですが、基本的な機能は同じです。
在宅時に不法侵入した不審者と遭遇した際の一時避難場所として設置され、内側からカギがかかる構造になっていることが多いです。住宅への侵入犯罪から守るためには、有効といえます。
地震などの災害時
強盗から身を守る密室タイプ以外に、地震や災害対策に特化したセーフルームも販売されています。
災害時を想定し非常灯や食糧庫などが設置できる製品もあるので、いざというときも慌てずに行動できます。
さまざまなタイプの商品が販売されている
セーフルームにはさまざまなタイプがありますが、大きく分けると「地上」または「地下」のいずれかに設置できます。
地下タイプのセーフルームは、家を建てる際に一緒に設置しなければなりません。そのため地下のセーフルームは、注文住宅の一戸建てであれば設置可能ですが、マンションや集合住宅の場合は難しいでしょう。そもそもマンションや集合住宅は建物の部屋を借りるもしくは購入する物件です。建物自体は大家や管理会社が所有しています。そのため、集合住宅を借用している住民が、居住する集合住宅およびマンションの地下にセーフルームを作ることは不可能です。共有スペースとして地下にセーフルームが設置されている物件であれば使用することができます。地上タイプのセーフルームであれば、既存の住宅を改築・増築して作れるものもあります。
中にはベッドやソファが設置されていたり、オプションでトイレを付けられたりするセーフルーム(シェルター)も存在します。
セーフルームを使用するケースとは
セーフルームは、どのようなときに使用するのでしょうか。
強盗など不法侵入者が発生した際
セーフルームを利用するかもしれないケースとして「強盗や不審者の侵入」があります。
以下は、警察に報告された住宅への侵入件数です。
侵入窃盗の認知・検挙の認知件数(住宅対象)
区分 | 令和元年(2019年) | 令和2年(2020年) | 令和3年(2021年) | |
---|---|---|---|---|
空き巣 | 認知件数 | 19,584件 | 13,906件 | 11,166件 |
検挙件数 | 10,670件 | 10,329件 | 7,949件 | |
検挙人数 | 1,698人 | 1,555人 | 1,333人 | |
忍込み | 認知件数 | 5,508件 | 4,024件 | 4,491件 |
検挙件数 | 7,916件 | 5,937件 | 5,135件 | |
検挙人数 | 418人 | 405人 | 360人 | |
居空き | 認知件数 | 1,436件 | 1,187件 | 982件 |
検挙件数 | 845件 | 698件 | 715件 | |
検挙人数 | 204人 | 224人 | 201人 |
- 忍込み:夜間など、就寝している際に住宅の屋内に侵入する手口のこと
- 居空き:日中など、人がいるときにすきを見計らって侵入する手口のこと
特に怖いのは強盗と鉢合わせする可能性がある「居空き」で、毎年700件近く発生しています。空き巣だけではなく、在宅中であっても強盗が侵入してくる可能性があります。
もし強盗の侵入に気づいた際、自宅にセーフルームがあればそこに逃げ込めるので、身の安全を守れます。逃げられない状況の際には、室内のセーフルームが活躍するでしょう。セーフルームを入れることが難しい場合、既存の部屋の内扉を頑丈にしたうえで、鍵を複数設置することで、強盗が侵入したときに逃げ込める部屋を作ることもできます。
地震や津波など災害が発生した際
セーフルームは、犯罪から守るだけではなく、地震や津波、大雨などの災害が発生した際にも役立ちます。
2022年に日本で震度5弱以上を観測した地震は14回。今後も日本では大きな地震が発生する可能性があります。また、地震に伴う津波が発生や、台風・大雨による水害も考えられるでしょう。
日本ではさまざまな災害に遭う可能性が高いことから、災害にも対応したセーフルームがあります。
例えば、水害に対応したセーフルームは、水に浮く設計になっていて、セーフルーム内で救助を待つ仕組みになっています。耐震のセーフルームは、庭に設置できるものもあれば、家の一部に鉄骨構造を取り入れ、耐震を強化する方法もあります。
強盗への対策
自宅にセーフルームがあれば安心ですが、実際にすぐに設置するのは難しいでしょう。ここでは、すぐにできる強盗への対策をご紹介します。
まずは強盗が侵入しにくい状態にする
強盗が侵入しにくい部屋にするためには「ワンドアツーロック」を徹底しましょう。住まいの防犯対策の基本は、1つのドアに2つの錠を取り付ける「ワンドアツーロック」で、通常の錠に加えて補助錠を設置することが重要です。
警察庁「住まいる防犯110番」の調べによると、泥棒の17.1%が「2分以内」、51.4%が「2分を越え5分以内」に侵入をあきらめることがわかっています。
2カ所をロックすることで錠が破られるまでの時間を稼ぎ、泥棒の侵入をあきらめさせることができるのです。
逃げ道が確保されている状態であれば逃げる
在宅中に強盗が入った場合、セーフルームの有無に関係なく、逃げ道が確保できる場合は早急に不審者から遠い場所に逃げましょう。
もしセーフルームがあった場合でも、あくまで一時的な避難であって、根本的な解決にはなりません。強盗が侵入した場合はできるだけ早く警察に通報し、に逃げることが重要です。
また、セーフルーム内にはあらかじめ非常用の通報システムや携帯用充電器を準備しておき、外部と連絡がとれるようにしておきましょう。とっさにスマホを持っていなかったり、スマホの充電が切れて使い物にならなかったりというのを避けるために、災害同様に緊急時の備えをしておくことも必要です。
いざという時のために駆けつけてくれるホームセキュリティを契約する
もっとも有効な強盗対策の1つとして「ホームセキュリティ」の利用が挙げられます。ホームセキュリティを契約しておけば、異常事態が発生した際に非常ボタンを押せば専門のガードマンが駆けつけてくれます。
またピッキングやガラス破りなどによる窓やドアからの侵入を感知した場合も、すぐにシステムが作動するため、被害を最小限に防げます。
状況によって瞬時に警察とも連携し対応してくれるので、さまざまな危険を回避できるでしょう。セーフルームの設置は金銭的にもハードルが高いですが、ALSOKのホームセキュリティなら月額4,070円(税込)から利用できるため導入しやすい点もメリットです。在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。
強盗への防犯対策にはホームセキュリティがおすすめ
セーフルームの設置は強盗対策に有効な施策の1つではありますが、一般家庭に取り入れるのは現実的には難しいことが多いでしょう。セーフルーム以外で強盗への対策を考えている方には、ホームセキュリティサービスの導入がおすすめです。
また、ホームセキュリティへの加入を外部に知らせることで、強盗やその他の犯罪を未然に防ぐ効果も期待できます。家族や住居を守りたいとお考えの方は、ホームセキュリティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。