住宅用消火器の使用期限はどれぐらい?古くなった消火器の処分方法
もしものときのために、住宅用の消火器を設置しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。その際、古くなった住宅消火器はどうしていますか。
古くなった住宅用消火器をどう処分すれば良いかわからず、放置している方も多いでしょう。
そこで今回は、消火器の使用期限や古くなった消火器の処分方法について解説します。
そもそも住宅に消火器の設置義務はある?
一般的な住宅には、消火器の設置義務はありません。ただし、マンションやアパートなどの共同住宅で延面積150m²以上の建物の場合、消防法により設置が義務付けられています。
そして、消火器には「業務用」と「住宅用」の2つがあります。業務用消火器は、設置が義務付けられている場所に利用します。
住宅用消火器は、一般住宅に任意で設置する消火器です。住宅火災に適した消火器で誰でも使いやすいようコンパクトなのが特徴です。一般住宅の場合、もしものときのために住宅用消火器を設置しておくと安心です。
ただし、住宅用消火器は設置や点検、交換などの義務がないため、長期間放置されていることもあります。使用期限が過ぎた消火器は、破裂しケガをする恐れがあるため、住宅用消火器は放置せず、使用期限が近づいたら必ず処分または交換を行うようにしましょう。
消火器の使用期限
では、消火器の使用期限はどのくらいなのでしょうか。ここでは業務用と住宅用のものそれぞれをご紹介します。
業務用消火器の使用期限は、およそ10年です。住宅用消火器の場合は、およそ5年です。
使用期限は消火器の本体ラベルまたは本体の裏面に記載されていますので、チェックしておきましょう。
消火器の処分方法
古くなった消火器は、廃棄物処理法に基づくリサイクルの対象です。一般の家庭ごみとして処分することはできないので、以下でご説明する専用の窓口で引き取ってもらいます。
なお、処分対象の消火器となるのは、「使用期限が過ぎている」「変形している」「ヘコみや傷、サビがある」「本体が腐食している」といったものです。
また、エアゾール式(スプレー)消火具は消火器ではありません。エアゾール式の消火具を処分する場合は、自治体のルールに従い、スプレー缶として処分する必要があります。
では、消火器の処分方法を詳しく見ていきましょう。
販売代理店の特定窓口に回収を依頼する
消火器の販売代理店や防災・防犯業者が受け持っている「特定窓口」に、回収を依頼する方法です。特定窓口は、全国に約5,000カ所あり、依頼することで引き取りにきてくれます。
直接、特定窓口に消火器を持ち込んでも回収してくれます。なお、自宅に回収しにきてもらう場合は、運搬料や手数料などの料金が発生します。
指定引取場所に持ち込む
指定取引場所は、消火器メーカーの営業所や廃棄物処理業者が担っていて、全国に約200カ所あります。自分で消火器を持ち込む必要があるため、運搬料や手数料が発生しません。
特定窓口または指定取引場所で消火器を回収してもらう場合、リサイクルシール(※)の貼付が必要です。リサイクルシールを持っていない場合は、購入しなければなりません。
なお、2010年1月以降に製造された消火器はリサイクルシールと一緒に販売されていますので、ご確認ください。
ゆうパックで指定の消火器回収メーカーに郵送する
郵便局の宅配サービス「ゆうパック」では、回収を実施するメーカーと提携し、住宅用消火器の回収を行っています。
回収を希望する場合は、リサイクルを実施するメーカーに回収を申し込むと代引にて専用の梱包材を送ってきてくれます。廃棄したい消火器を梱包したあとは、ゆうパック(集荷)で送るだけで、処分できます。ゆうパックは自宅まで集荷に来てもらうか、直接郵便局に持ち込んで発送してもらうことが可能です。なお、ゆうパックでの引き取りは回収費用が発生します。
ゆうパックを利用して処分する場合、業務用消火器は処分できませんので、ご注意ください。
消火器を保管する際の注意点
消火器が破裂するとケガをする恐れがあります。消火器は必ず適切な場所で保管するようにしましょう。
湿気の多い場所や水がかかる場所に置かない
湿気の多い場所に置いたり、水がかかる場所に置いたりすると、サビが発生します。消火器が腐食につながり、破裂の恐れがあります。雨が当たるような屋外に設置する場合は、専用の格納箱にしまっておくと安心です。
腐食や傷、変形などがある場合はすぐに交換する
使用期限内であっても、定期的に点検を行いましょう。消火器が腐食している場合や、傷・変形がある場合は、すぐに交換するようにしてください。破裂の危険性があるため、放置しないようにしましょう。
目につきやすく風通しがよい場所に置く
消火器を使用する際、わかりにくい場所にあると、消火が遅れてしまいます。いざというときにすぐに使えるように、目につきやすい場所に設置しましょう。
また、風通しが良いと湿気がこもらず劣化しにくくなります。
すぐにできる防火対策も取り入れよう
消火器を用意しておくことは当然ですが、火災を起こさないよう普段から気をつけることも必要です。ここでは、すぐにできる防火対策をご紹介します。
- 放火の的となるため、家のまわりに燃えやすいものを置かない
- 寝タバコやタバコを投げ捨てることはしない
- 調理で油を使う際はその場から離れない
- 風が強い日は焚き火をしない
- 子どもの火遊びに注意する
- ストーブの近くに燃えやすいものを置かない
消火器と一緒に住宅用火災警報器を設置
消火器は、火災の初期消火を行うための器具です。しかし、火災が発生した際、就寝中の場合や仕切られた部屋にいた場合、気づくのが遅れてしまいます。火が大きくなればなるほど、消火器での消火は難しくなり避難が遅れてしまいます。火災発生にいち早く気づくには、住宅用火災警報器の設置が重要です。
住宅用火災警報機は、寝室・階段に取り付けが義務付けられています。義務付けられている場所以外に、台所やすべての居室に取り付けるのがおすすめです。
ALSOKでは、ホームセキュリティだけではなく住宅用火災警報器もご用意。火災による煙を感知すると、警報音と音声で火災発生を知らせます。
万が一のときに消防へ通報してくれるホームセキュリティ
住宅用火災警報器だけではなく、万一の時に駆け付けてくれるホームセキュリティの導入もおすすめ。ALSOKのホームセキュリティは、不審者の住宅への侵入を感知するだけではなく、火災感知機能もあります。火災による温度変化や煙の発生を感知。緊急時にはガードマンが現場に急行し、状況によっては、消防に通報します。不在時でも、タバコの不始末や、放火などにより火災が起こることが考えられます。家に誰もいないときも安心です。
消火器の買い替えと同時に自宅とご家族の安全を守るホームセキュリティの導入もご検討ください。
まとめ
今回は、住宅用消火器の使用期限や、古くなった消火器の処分方法についてご紹介しました。
住宅用消火器の使用期限は5年です。一般住宅の場合、消火器の設置や点検、交換義務が設けられていないため、放置してしまっている場合もあるかもしれません。
放置してしまうと、いざ消火器を使おうとした際に破裂してしまう恐れも。いずれにせよ使用期限の切れた消火器を放置してしまうことは危険です。古くなった消火器は適切な方法で処分し、新しいものに交換するようにしましょう。
※リサイクルシールは、既販品用リサイクルシール、新品用リサイクルシール、社会実験用シールの3種類あります。2010年以降に製造された消火器には、新品用シールが添付されています。リサイクルシールが貼られていない消火器は、既販品用リサイクルシールを購入の上、貼付が必要です。
参照:消火器リサイクル推進センター「シールの種別」