エアコン(冷房・暖房)の適切な設定温度は?体感温度や節電しながら快適に過ごす方法をご紹介
真夏や真冬の時期には、室内で快適に過ごすのに欠かせないエアコン。特に夏場は、熱中症予防として積極的に活用したいものです。ただ、近年の電気代高騰に伴って節電を意識している方や、なるべく使用を控えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、夏冬にエアコンを使用する方に向けて、エアコン(冷房・暖房)の適切や設定温度や節電しながら快適に過ごす方法をご紹介します。
目次
エアコンの適切な設定温度は?
環境省で推奨されている室内温度は、夏は28℃、冬は20℃です。ただしこれは、快適に過ごすための室内温度の目安であり、エアコンの設定温度の目安のことではありません。そのときの外気温や日当たり、体感温度、湿度などによってその人が快適に過ごせる室温は異なります。適切な温度に設定しないと熱中症や低体温症になる恐れがあるため、快適だと感じる温度に設定する必要があります。
家庭内で設定されている冷暖房の平均設定温度は次の通りです。
エアコンの冷房時の設定温度
同調査によると冷房時のエアコン(1台目)の平均設定温度は26.6℃となっており、27度に設定している世帯が最も多いようです。また、27℃以上に設定している世帯は約6割を占めている結果となっています。
環境省で推奨されている夏の室内温度よりも低く冷房温度が設定されていることがわかります。
エアコンの暖房時の設定温度
令和3年度に環境省が調査した「家庭部門の CO2排出実態統計調査 結果の概要(確報値)」で、最もよく使用する暖房機器がエアコン(電気)の世帯の暖房時の平均設定温度は23.1℃となっており、半数以上の世帯が23℃前後に設定しているという結果でした。環境省で推奨されている冬の室内温度よりも高く暖房温度が設定されていることがわかります。
体感温度は年齢や性別、湿度によって異なる
体感温度とは、人がその環境下で感じる温度の感覚を表したものです。これは性別や年齢によって異なり、女性は男性よりも寒さを感じやすく、子どもやペットは大人よりも暑さを感じやすいものといわれています。
また、人が快適さを感じるには「温度」だけでなく「湿度」も関係するため、これらを考慮してエアコンを設定する必要があります。
体感温度は湿度が高くなるほど上がる
同じ温度であっても、湿度が高くなるほど体感温度は上がり、湿度が低くなるほど体感温度は下がります。
例えば、室温が28度、湿度40%の場合の体感温度は28度ですが、湿度が80%になるとジメジメした蒸し暑さを感じるようになり、体感温度は32度まで上がります。
そのため、快適な室温で過ごすためには、温度だけではなく湿度も調整することがポイントです。
快適に過ごせる湿度と温度
室内で快適に過ごすためには、夏は温度を25~28℃・室内の湿度40~60%、冬は温度を18~22℃・湿度55~65%にすることです。そのため、夏28℃、冬20℃にこだわらず、自身の健康を第一に考え、エアコンの設定温度を柔軟に設定することが望ましいです。
外気温や湿度、日が当たるなどの立地や空調施設の種類などの建物の状況、体感温度など、室内にいる人の体調等を考慮しながら室内の温度管理を行いましょう。
多くの家庭は冷房時に26℃、暖房時に22℃の設定を行っているため、まずはエアコンの設定温度を夏は26℃、冬は22℃を目安に設定し、室内環境や体感温度、湿度に合わせてエアコンの設定温度を変更するのもおすすめです。室温が暑いもしくは寒いと感じたらエアコンの温度を上げ下げするようにしてください。
特に夏は外気温が30℃から35℃になる日が多いため、外気温と室内の気温差が開きすぎると体に負担がかかります。体にかかる負担も考えて温度を設定すると良いでしょう。
エアコンの設定温度と電気代
環境省によると、エアコンの設定温度を1度緩和したときの消費電力量は冷房時で約13%、暖房時で約10%削減される見込みであるとされています。このことから、エアコンの電気代は設定温度によって変わります。
エアコンの設定温度の変更が電気代節約につながる
エアコンの設定温度による電気代は「消費電力(kW)×31(円/kWh)※」で算出することができます。エアコンの冷房・暖房それぞれの電気代について見てみましょう。
【通常の冷房の電気代】
消費電力(410w÷1,000kW)×31円=約13円
【1度上げたときの冷房の電気代】
消費電力(362w÷1,000kW)×31円=約11円
【通常の暖房の電気代】
消費電力(460w÷1,000kW)×31円=約14円
【1度下げたときの暖房の電気代】
消費電力(414w÷1,000kW)×31円=約13円
上記のようにエアコンの設定温度を1度変えるだけで、約10~13%の消費電力を削減することができます。その結果、1日6時間使用すると考えて2カ月継続した場合、360円~720円の節電につなげることが可能です。設定温度を意識するだけで年間の電気代をかなり節約することができます。
節電したいと思っている方は、一度設定温度を見直してみると良いでしょう。
※電気代は電力料金と使用時間で算定され(電力料金単価×使用時間=電気代)、電力料金は地域によって異なる場合があります。
全国家庭電気製品公正取引協議会では、全国の電力料金を踏まえ、現在の目安単価を31円/kWh(税込)としています。この目安単価は電力会社の電力料金の改定を受け、令和4年7月22日に改定されたものです。
出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問「カタログなどに載っている電気代はどのように算出するのですか?」の回答より抜粋
エアコンの冷暖房を節電しながら快適に過ごす方法
人の体感温度には個人差があり、快適な温度設定は人それぞれです。節電の方法を誤ると電気代がかかるだけでなく、体調不良を起こしてしまう恐れがあります。
特に小さな子どもや高齢者、ペットがいる家庭では、適した節電方法を見つけることが大切です。ここでは、エアコンの冷暖房を節電しながら快適に過ごす方法を7つご紹介します。
自動運転モードの活用
自動運転モードは、エアコンが自動で運転モードを切り替えてくれる機能です。室内の環境に応じて風量・温度を自動調整するため、手動で操作するよりも確実に節電しながら効率良く快適な室温にしてくれます。
風向きを変更
通常、暖かい空気は天井の方にたまりやすく冷たい空気は下にたまりやすいです。これでは室内全体で温度のムラができてしまいます。冷暖房効率を上げるためには、エアコンの風向きを夏は水平に、冬は下向きにするのがおすすめです。
扇風機やサーキュレーターの併用
風向きを変更するだけでは室内全体に行き渡らない場合、扇風機やサーキュレーターを併用するのが有効です。
冷房を使用する夏はエアコンを背にして扇風機やサーキュレーターを置くのがおすすめです。床にたまった冷気を部屋全体に届けることができます。
一方、暖房を使用する冬は暖かい空気が天井にたまらないように扇風機やサーキュレーターをエアコンの送風口に向けて(上向き)にして置くとよいでしょう。
室内の湿度管理を行う
人が快適さを感じて過ごすには、温度と湿度を同時に管理することが重要です。同じ温度であっても、湿度を上げると体感温度も上がり、湿度を下げると体感温度も下がります。そのため、夏はエアコンの除湿機能を活用したり、冬は加湿器を使ったりすると良いでしょう。
こまめにエアコンのフィルターを掃除する
エアコンのフィルターに埃やゴミが溜まると冷暖房効率が悪くなり、無駄な消費電力がかかってしまいます。フィルターを月に1~2回掃除した場合と掃除していない場合では、年間で約990円の節電が期待できます。フィルターは2週間に1回を目安に、こまめに掃除するのがおすすめです。
室外機周辺の手入れ(日よけや掃除)
エアコンのフィルターだけでなく、室外機にも埃やゴミが溜まっていると運転の働きが悪くなり、電気代がかかったり故障の原因となったりします。室外機を掃除することはエアコンの効率を上げることにつながるため、定期的にメンテナンスを行いましょう。また、日よけなどを設置し、室外機に直射日光が当たらないようにするのも大事です。
窓の断熱
窓に断熱対策を行うことで外気温の影響を受けず、室内の暖気や冷気が外へ逃げないようにする効果が期待できます。冷暖房効率を向上させて、夏は涼しく冬は暖かい状態を保ち、電気代を節約することが可能です。
住宅の安全安心にALSOKのホームセキュリティ
家計のことを考え、エアコンを多く使う季節でも節電したいと悩んでいるご家庭は多いのではないでしょうか。しかし、大切な家族の健康を守るためにも、夏や冬の室温管理にエアコンは必要不可欠なものです。今回ご紹介した設定温度と電気代の関係や節電方法を参考に、電気代を抑えながら快適に過ごせる理想の住まいを実現しましょう。
そこでおすすめなのがALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」です。お住まいの住宅を24時間365日体制で見守り、非常時にはガードマンがすぐにご自宅へ駆けつけます。
また、夏の時期はエアコンを付けずに窓を開けっぱなしにして過ごされる方もいらっしゃるかもしれません。ALSOKのホームセキュリティは家人が在宅中でも警備オンの状態にすることが可能です。
さまざまなプランからご家庭に合ったホームセキュリティサービスをご提供し、住宅の安全安心を守ります。ぜひご活用ください。