ナメクジの駆除には塩?重曹?家庭でできるナメクジの退治・予防方法を解説
梅雨の時期や湿度の高い時期に多く発生するナメクジは、野菜や草花を削りとるようにして食い荒らします。見た目が特徴的なだけでなく、体内の寄生虫が人に害を及ぼす可能性もあるため、見つけたら早急に駆除する必要があります。では、ナメクジが庭や家の中で発生してしまった場合、どのようにして駆除すればよいのでしょうか。
この記事では、ナメクジの駆除方法やナメクジを発生させないための予防方法について解説します。
目次
ナメクジとはどんな生き物なのか
ナメクジは、陸生の巻貝の一種ですが、殻をもたない軟体動物です。カタツムリとの違いは殻の有無で、ナメクジは殻が退化しています。体長は約4~6cmで、オスとメス両方の生殖器官を持つ「雌雄同体」です。草食で、庭の花や野菜などの農作物への食害を発生させます。
湿気が多く暗い場所に出没する
ナメクジは多湿を好み、昼間は鉢の下や落ち葉の下などのジメジメした場所に隠れていて、夜になると活動を始めます。年中発生していますが、梅雨の時期や9~10月の湿度の高い時期に特に発生します。体が乾くのを防ぐため、体表から粘液を出しています。
ナメクジの粘液は病気の原因になる可能性がある
ナメクジの粘液には、広東住血線虫(カントンじゅうけつせんちゅう)と呼ばれる寄生虫が潜んでいることがあります。この寄生虫が人間の体内に侵入すると、激しい頭痛や発熱などが起こり、髄膜炎を引き起こすことがあるので注意が必要です。ナメクジを触ってしまった場合は必ず洗い、生野菜を食べる際は注意しましょう。
ナメクジを発見したときの駆除方法(家の中/庭・家庭菜園)
ナメクジを家の中や庭・家庭菜園で発見した際の駆除方法と、駆除する際の注意点をご紹介します。
塩をかけると駆除できる?
ナメクジには塩をかけると良いと聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。ナメクジの体のうち約85%が水分で、塩をかけることにより体の水分が塩に移り、水分や粘液がなくなり縮みます。しかし塩でナメクジを駆除する場合は、塩をたくさんかける必要があります。また、庭の塩害などの問題も出てくるため、塩をかけて駆除するのはあまりおすすめできません。
熱湯をかける
ナメクジは熱湯をかけるとタンパク質が固まり死滅するため、効果的です。特に薬剤を使用することがないため、赤ちゃんや小さな子ども、ペットがいる場合でも駆除後は無害な状態で処理することができます。熱湯を使用する際は、自分や周囲にかからないように注意が必要です。
重曹をかける
ナメクジに重曹をかけることで駆除することも可能です。重曹を使用しても有害な物質が発生するわけではないので、比較的安全に使用できます。しかし、ナメクジが重曹で覆われるまでたくさんかけ、動かなくなるまで様子をみる必要があります。また、重曹は弱アルカリ性のため、酸性土を好む植物の周りで過度に使用すると、植物の成長を阻害する可能性があるので注意が必要です。
コーヒーを使用する
コーヒーを使用するのも効果的です。ナメクジにとってはコーヒーに含まれるカフェインが毒となり、神経系にダメージを受けるため、コーヒーを吹きかけるだけでも駆除することが可能です。濃さは人が飲むくらいか少し薄いくらいの濃さでかまいません。コーヒーは植物への影響も少ないため、安心して使用できます。
箸などでつまんで外に出す
家の中でナメクジを発見した場合や駆除することに苦手意識がある場合は、箸などでつまんで家の外に出す方法があります。なお、箸を使用する場合は使い捨ての物にして、直接触れないようにビニール手袋などを使用しましょう。
しかし、また家の中に戻ってきてしまう可能性があるため、一次的な処置方法といえます。
駆除剤を使用する
確実にナメクジを駆除するには、スプレータイプや毒餌タイプなどのナメクジ専用の駆除剤を使用しましょう。ナメクジは昆虫ではないため、通常の殺虫剤では効かない可能性があります。必ずナメクジ用の駆除剤を使用しましょう。駆除剤はナメクジに近寄らずに駆除することができ、即効性もあるためおすすめです。成分によっては、赤ちゃんや小さい子ども、ペットに影響が出ることもあるので使用する際は注意が必要です。
なお、庭など外で駆除した場合でも踏んでしまう可能性があるため、死骸はそのままにせず取り除きましょう。処理する際は、素手で触らないようにビニール手袋や箸・トングなどの道具を使用してください。
ナメクジを触った、食べた場合の対処法
ナメクジをうっかり触ってしまった場合は、石鹸でよく手を洗いましょう。ナメクジは農作物を削りとるようにして食べるため、粘液が野菜や果物などに付着している可能性があります。野菜や果物を生で食べる場合は必ず水洗いをしましょう。
誤って口にしてしまった場合は、医師に相談をしてください。また、小さな子どもがいたり犬・猫を飼っている場合は、ナメクジを触ったり、口にしてしまわないように特に注意するようにしてください。
ナメクジ発生の予防策(家の中)
ナメクジは庭や家庭菜園などで見かけることが多いと思いますが、家の中で発見することもあるでしょう。では、家の中でナメクジが発生するのを予防するには、どのような対策を行えばよいのでしょうか。
家の隙間を埋める
ナメクジは体を伸縮できるため、小さな穴や隙間から家の中に入ってきてしまいます。窓のサッシや網戸などの経年劣化によってできてしまった隙間がある場合は、補修テープなどで埋めたり、修理して穴をふさぐことが大切です。
水まわりを清潔にする
ナメクジは湿った暗い場所に発生するため、台所やお風呂の排水口などの水まわりを清潔に保ちましょう。湿った生ごみはなるべく放置せず、水まわりを不衛生にしないように、こまめに掃除することが大切です。また、排水口からの侵入を防ぐのにカバーをするのも効果的です。
湿気を溜めない
ナメクジは乾燥に弱く湿気を好むため、できるだけ湿気を溜めないことが重要です。湿気が溜まりやすいお風呂場や台所などは、清潔を保ち定期的に換気を行いましょう。室内に植物を置いている場合は、プランターに床上の湿気が溜まらないように台の上に置くなどの工夫をしましょう。ナメクジの好む環境を作らないことで、家の中にナメクジが居座るのを予防できます。
ナメクジ発生の予防策(庭・家庭菜園)
庭がある家や家庭菜園をしている場合、ナメクジの食害に遭う可能性が高くなります。ここでは、ナメクジによる被害を少なくするために、屋外にナメクジが発生しないようにする予防策を紹介します。
湿った場所をつくらない
家の中での対策と同様に、湿った暗い場所をつくらないことが重要です。ベランダの排水口を掃除したり、植木鉢に水を溜めない、プランター・植木鉢は風通しのよい場所に置くなど、ナメクジが好む環境をつくらないようにしましょう。
雑草対策をする
雑草が生えていると湿気が溜まりやすいため、定期的に刈るようにしましょう。ナメクジはジメジメした暗い場所を好むので、雑草が生えたり落ち葉が溜まっていたりすると集まってきてしまいます。雑草対策を行い、日当たりがよく風通しのよい環境をつくるようにしましょう。
銅線をまく
植物付近に銅線をまいておくこともナメクジ対策になります。ナメクジは銅線から発生されるイオンに弱く、近くに寄ってこない性質があります。植木鉢などに3~5cm程度の長さで張り付けておけば、ナメクジによる植物への影響を防ぐことができます。
忌避剤をまく
ナメクジの発生を予防するためには、ナメクジ用の忌避剤をまくのもおすすめです。植物に使用できるものや排水口向けのものなど、使用用途ごとにさまざまな種類の忌避剤があるので、適したものを使いましょう。小さな子どもや犬・猫などのペットを飼っている方は自然由来のものを使い、生物に有害な成分が入っていないか安全性を確認した上で使うようにしてください。
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まとめ
ナメクジは湿った暗い場所を好むため、水まわりを清潔に保つ、雑草を刈るなどナメクジが発生しやすい環境をつくらないことが大切です。湿気の多い時期には特に予防策をしっかりと行いましょう。ナメクジが発生した際には、熱湯や駆除剤を使用して、素手で触らずに駆除しましょう。