親が亡くなったらすべき手続きは?優先順位や期限も解説

高齢者・介護 2024.07.19
親が亡くなったら

親が亡くなったとき、どのような手続きをすれば良いのか分からないという方は多くいるでしょう。大切な家族を亡くした後の精神が不安定な状態のなかでも、必要な手続きは進めなければなりません。事前に何をすべきか把握しておくことで、いざというときにも粛々と進められるでしょう。

この記事では、親が亡くなったらすべき手続きや、優先順位、期限などについて解説します。

目次

親が亡くなったら何をすれば良い?やるべきこと・手続きリスト

死亡した後のやるべきこと・手続きリスト
手続き期限 やること 手続き場所 チェック
すみやかに 死亡診断書・死体検案書の受け取り 医師
※事故の場合は警察
葬儀社へ連絡、打ち合わせ 葬儀社
訃報の連絡 -
5日以内 健康保険の資格喪失届提出 故人の勤務先または年金事務所
7日以内 死亡届の提出 市区町村役場
火葬許可証発行 市区町村役場
葬儀の手続きと実施 葬儀社
10日以内 厚生年金の受給停止の手続き 年金事務所
14日以内 国民健康保険・後期高齢者医療制度の資格喪失届提出 市区町村役場
介護保険の資格喪失届提出 市区町村役場
国民年金の受給停止の手続き 市区町村役場
5年以内 未支給年金の請求手続き 市区町村役場または年金事務所
遺族年金の請求手続き 遺族基礎年金の場合:市区町村役場
遺族厚生年金の場合:年金事務所
勤務先または共済組合に確認 共済組合の健康保険の資格喪失届提出 故人の勤務先または共済組合

親が亡くなったら葬儀までに行うべき手続き(7日以内)

まずは葬儀までに行うべき手続きを、5つのステップに分けて見ていきましょう。

死亡診断書・死体検案書の受け取り(すみやかに)

親が亡くなった直後には、まず死亡診断書(死体検案書)という書類を受け取ります。死亡診断書(死体検案書)は、公式に死亡を証明するための重要な書類です。故人の基本情報や死亡原因などが記載されており、後々の手続きを進めるために必須のためすみやかに受け取るようにしてください。

病気などが原因で亡くなった場合は、病院の医師による死亡確認後に死亡診断書が作成されますが、事故などが原因の場合は警察によって検死が実施され、死体検案書が作成されます。

死亡届の提出と火葬許可証の受け取り

死亡届

①死亡届の提出:死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に作成し、以下のいずれかに提出する必要があります。

  • 死亡地の市区町村役場
  • 故人の本籍地の市区町村役場
  • 届出人の現住所地の市区町村役場

死亡届は亡くなった病院でもらうことができますが、ない場合は故人の本籍地や所在地の市区町村役場で入手できます。
死亡届を提出する際には、死亡診断書(死体検案書)の添付が必要です。

  • 死亡地の市区町村役場
  • 故人の本籍地の市区町村役場
  • 届出人の現住所地の市区町村役場

死亡届は亡くなった病院でもらうことができますが、ない場合は故人の本籍地や所在地の市区町村役場で入手できます。
死亡届を提出する際には、死亡診断書(死体検案書)の添付が必要です。

②火葬許可証発行:市区町村役場に死亡届を提出する際、火葬許可証申請書も同時に提出してください。この手続きを行うことで、火葬許可証が交付されます。火葬許可証申請書は、市区町村役場の窓口で受け取ることができます。自治体によっては、事前に申請書用紙をダウンロードすることも可能です。
火葬許可証申請書には、故人の本籍地や、現住所、火葬場などの情報を記入します。火葬許可証がないと、火葬を行うことができないため、必ず取得しましょう。

なお、原則として死亡後24時間は火葬を行えないので、その間は許可証の取得もできません。

訃報の連絡(すみやかに)

親しい親族や友人、職場の関係者などにすみやかに訃報の連絡をしましょう。訃報の連絡は迅速かつ確実に伝える必要があるため、電話で行うことが一般的です。悲しみのなかでの手続きとなりますが、冷静に必要な情報を的確に伝えることが重要です。具体的に伝える内容としては、死亡日時や葬儀の日時・場所などが含まれます。

葬儀社へ連絡、打ち合わせ(すみやかに)

葬儀社に連絡し、葬儀の打ち合わせを行います。具体的には、故人の希望や遺族の意向を反映した葬儀の内容を決定します。葬儀社は、葬儀の全体的な計画や進行をサポートしてくれます。死亡届や火葬許可証に関する手続きを代行してくれる場合が多いので、不安な方は相談すると良いでしょう。

なお、どこの葬儀社にするかは、可能であれば事前に決めておくとスムーズです。急に亡くなった場合や、葬儀社までは準備できていなかった場合は病院から紹介してもらうこともできます。

葬儀の手続きと実施

火葬許可証を葬儀社に渡し、葬儀の手続きを進めます。葬儀を実施するには、さまざまな手続きや準備を行う必要がありますが、葬儀社が一連の流れを取り仕切ってくれます。遺族は落ち着いて、故人を見送る心の準備をしましょう。

親が亡くなったら行う健康保険・介護保険の手続き

親が亡くなった後には、健康保険や介護保険関連の手続きも行う必要があります。書類の提出先や期限についても確認しておきましょう。

健康保険の資格喪失届(5日もしくは14日以内)

健康保険の資格喪失届は、健康保険の種類によって提出期限が異なります。

健康保険の場合:5日以内に年金事務所へ提出

親が勤務先で健康保険に加入していた場合は、健康保険の資格喪失届を故人の勤務先が発行し、死亡後5日以内に年金事務所に提出します。保険証と死亡診断書のコピーを添えて電子申請か郵送、窓口に持参して提出しましょう。
健康保険の資格喪失届は事業主が提出する必要があるため、親の勤務先が退職手続きと併せて行ってくれることが多いですが、確認しておくことが大切です。

参考:日本年金機構 従業員が退職・死亡したとき(健康保険・厚生年金保険の資格喪失)の手続き

国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合:14日以内に市区町村役場へ提出

親が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、死亡後14日以内に市区町村役場に健康保険の資格喪失届・保険証・死亡診断書のコピーを提出してください。この手続きを行うと保険資格が喪失するため、保険証の返却が必要です。届出用紙は市区町村役場で受け取れます。尚、自治体によっては死亡届を提出することで健康保険の資格喪失手続きが完了する場合もあるため、手続きの際に確認しましょう。

参考:東京都保険医療局 国民健康保険の加入・喪失手続き

共済組合の健康保険の場合:勤務先か共済組合に連絡

親が公務員や学校教員などで、共済組合に加入していた場合は、共済組合に資格喪失届を提出します。手続き書類は共済組合に連絡することで送付してもらえます。勤務先を通じて手続きを進めることが一般的のため、まずは勤務先に連絡するようにしましょう。提出期限や細かい内容は共済組合によって異なることもあるので、勤務先か共済組合に問い合わせてみてください。

参考:公立学校共済組合 亡くなられたとき

介護保険資格喪失届(14日以内)

親が介護保険を利用していた場合は、介護保険資格喪失届を14日以内に住民票のある市区町村役場に提出して、介護保険被保険者証を返却します。ます。この手続きにより介護保険の資格が喪失します。負担割合証や負担限度額認定証などがある場合は持参しましょう。
市区町村によっては、死亡届の提出だけで良い場合や、介護保険資格喪失届の提出は不要で介護保険被保険者証の返却が必要な場合があるなど対応が異なるため、お住まいの市区町村で必要な対応を確認しましょう。

参考:品川区 引っ越しをしたとき、死亡したとき(介護保険)
練馬区 介護保険 資格取得・喪失届

各種保険に加入している際は、資格喪失届を提出しないと、死亡後も保険料の支払いが継続してしまう可能性があります。不要なトラブルを防ぐためにも、各種保険の提出先や期限を確認し、迅速に手続きを進めましょう。

親が亡くなったら行う年金に関する手続き

年金の手続き

親が亡くなった後には、年金の手続きについてもすみやかに行う必要があります。提出先や期限等について見ていきましょう。

年金受給停止の手続き(10日または14日以内)

亡くなった親が年金を受給していた場合、年金受給停止の手続きを行う必要があります。受給停止の手続きを行わなければ、不正に年金を受給してしまうことになるため注意しましょう。期限は、受給していた年金の種類によって異なります。

国民年金を受給していた場合

親が国民年金を受給していた場合は、死亡後14日以内に「受給権者死亡届(報告書)」を届出人の居住地域の市区町村役場の年金窓口に提出します。受給権者死亡届(報告書)は、日本年金機構のサイトからダウンロードできます。

厚生年金を受給していた場合

親が厚生年金を受給していた場合は、死亡後10日以内に「受給権者死亡届(報告書)」を届出人の居住地域の年金事務所に提出します。管轄の年金事務所については日本年金機構のホームページから探すことが可能です。

参考:日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき

未支給年金の請求手続き(5年以内)

亡くなった親が公的年金の受給者だった場合、死亡月までに支払われるはずだった年金が未支給となることがあります。この未支給年金を請求するためには、親が亡くなった日から5年以内に、市区町村役場または年金事務所で請求手続きを行いましょう。未支給年金を受け取ることができるのは、故人と生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫など3親等内の親族)に限られます。請求手続きには、亡くなった親の年金手帳、死亡の事実が確認できる書類、故人との続柄や生計を同じくしていたことがわかる戸籍謄本や住民票の提出が必要です。
請求が受理されると、未支給分の年金が支給されます。

参考:日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき

遺族年金の請求手続き(5年以内)

親が亡くなった場合、遺族が遺族年金を受給できる場合があります。遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金に加入していた親が亡くなった場合、故人によって生計を維持されていた遺族に支給されます。具体的には「子のある配偶者」または婚姻していない「子」が該当し、年金を受け取ることが可能です。請求は、親が亡くなった日から5年以内に市区町村役場で行ってください。

参考:日本年金機構 遺族基礎年金を受けられるとき

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた親が亡くなった場合に、故人によって生計を維持されていた遺族に支給されます。具体的には故人に生計を維持されていた「子のある配偶者」「子」「子のない配偶者」「父母」「孫」「祖父母」で、優先順位の高い方が受け取ることが可能です。また、遺族基礎年金を受給できる場合は遺族厚生年金とあわせて受給できます。こちらは、親が亡くなった日から5年以内に年金事務所で請求を行ってください。

参考:日本年金機構 遺族厚生年金を受けられるとき

親が亡くなったら行うべき銀行・相続等の手続き

親が亡くなった場合、銀行への口座凍結の連絡や、生命保険などの保険会社への連絡も必要です。

銀行は、口座名義人が亡くなった旨の連絡を受けた時点で、名義変更の手続きが完了するまで該当口座を凍結します。親の預貯金は相続財産の対象となるので、財産の具体的な分配が決まるまでは勝手に引き出されることのないよう、凍結しておく必要があるのです。

親の死亡後、銀行へ連絡をせずに親の口座から預金を引き出すと、相続の「単純承認」をしたとみなされる可能性があるため注意してください。単純承認とは、不動産や預貯金など正の財産も、借金などの負の財産もどちらも相続することを認める行為です。単純承認をすると、生前に把握していなかった借金などがある場合も相続することになってしまいます。

その他、遺言書の有無を確認し、預貯金や保険金など以外にも遺産がある場合は相続の各種手続きを行い、相続税の申告・納付が必要になります。ただし、相続に関する諸々の手続きには複雑で専門知識を求められるものや、長期間かかるものもあるため、不安を感じた場合は専門家へ早めに相談しましょう。

親や家族の暮らしを見守るには、「みまもりサポート」を活用しよう

高齢の親と離れて暮らしている場合、急な体調不良や熱中症、火災など、もしものときの心配をしている方も多いでしょう。一人暮らしの親や離れて暮らすご家族を見守るには、ALSOKの見守りサービスをおすすめします。

みまもりサポート画像

ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」は、一人暮らしの親をALSOKが24時間365日見守るサービスです。
体調不良の際、緊急ボタンを押すとALSOKのガードマンが駆けつけ、適切に対応します。看護師資格を持つスタッフが常駐しており、健康についてのご相談も相談ボタンを押すだけで可能です。また温湿度センサーによる熱中症見守りオプションや、火災やガス漏れを検知するセンサーを設置するオプションもあり、熱中症や火災による被害を防ぐこともできます。
救急車の手配やご家族への連絡もALSOKがスムーズに行うので、離れて暮らしていても安心して見守っていただけます。

まとめ

親が亡くなったとき、すべき手続きは多岐にわたります。まずは死亡診断書(死体検案書)の受け取りなど葬儀に関する手続きから行いましょう。その後、健康保険と介護保険の資格喪失届もそれぞれ期限内に提出し、年金の受給停止手続きや遺族年金等の請求手続きも迅速に行ってください。

離れて暮らす高齢のご両親がいる場合は、もしものときの心配を軽減するためにも、ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」を導入することをおすすめします。離れた場所で暮らすご家族を24時間365日見守れる各種サービスを提供し、緊急時には迅速な対応で守ります。

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