旅行中に猫を留守番させる場合の注意点は?何日・何時間まで?
猫と暮らしている方の中には、猫に長時間留守番をさせないようにしている方も多いと思います。しかし、旅行や出張、急な用事などで留守番をさせたい場合もあるでしょう。猫に留守番をさせる際は、何時間までなら問題ないのでしょうか。
この記事では、猫が留守番できるのは何時間、何日までなのか、また旅行中に留守番させる場合の注意点について解説します。
目次
猫の留守番は何時間、何日まで?
猫は長時間の留守番ができるといわれていますが、実際には何時間、何日まで留守番できるのでしょうか。また、留守番させる際はどのようなことに注意したら良いのでしょうか。
猫は一泊二日程度なら留守番ができる
猫は単独行動を好む動物で、1日の16時間前後を寝て過ごすため、環境を整えれば一泊二日程度なら留守番が可能と考えられています。しかし、飼いはじめて慣れていない猫や留守番をしたことがない猫の場合は、1~3時間など短時間の留守番から慣らしていく必要があります。
一泊二日以上の宿泊が伴う外出の際は、猫をペットホテルに預ける、ペットシッターを頼むなどを検討してください。
子猫や持病がある猫の場合は短時間の留守番にしよう
子猫や持病がある猫の場合は、短時間の留守番にしましょう。
離乳期の子猫の場合にはこまめなお世話が必要なため、留守番をさせるのはなるべく避けた方が安心です。短時間の留守番の場合でも、生後3カ月以降にしましょう。
持病がある猫の場合も、なるべく長時間の留守番を避けましょう。留守番中に容体が急変してしまい、対応できないことで最悪のケースにつながる可能性もあります。
子猫や持病がある猫を留守番させる場合は、見守りカメラやペットシッターの手配をするなど工夫をしましょう。
留守番中の猫は寂しい?
猫は単独行動を好む動物ですが、環境の変化に敏感なため猫の性格によっては留守番中寂しいと感じることもあります。日頃から飼い主に可愛がられていたり、家族とのにぎやかな生活に慣れている猫の場合、飼い主と離れて留守番することを不安に感じる可能性があります。
猫の分離不安症
猫の分離不安症とは、猫が飼い主などの愛着を感じている人と離れてしまうことで生じるストレス反応で、行動や体調に異変をきたす状態のことをいいます。分離不安症の原因としては、留守番時に大きな音がしたなどのトラウマになるような出来事や、引っ越しや飼い主の生活の変化から猫にとっての生活ルーティンが崩れることなどがあげられます。
猫が分離不安症になると、過剰に鳴き続ける、後追いをする、過剰なグルーミングによる脱毛や皮膚の炎症、嘔吐の回数が増える、不適切な排泄が増えるなど、身体的な変化や行動の変化が見られます。
これらは、他の病気でも起こりえる症状なため、分離不安症なのかその他の病気なのか確認が必要です。
分離不安症が疑われる猫の場合、短時間の留守番から慣らしていく方が良いでしょう。
猫が今後分離不安症にならないために、留守番時の環境をしっかりと整え、飼い主の不在時と在宅時の差を作らないことが大切です。
猫の留守番中に大切なのは環境づくり
猫を留守番させる際に大切なのは、猫が快適に過ごせるための環境づくりです。
留守番中の食事や水
猫に長時間の留守番をさせる場合に適した食事はドライフードです。ウェットフードはすぐに劣化してしまうため、留守番中の食事にはドライフードがおすすめです。肥満を気にしていない猫でフードを少量ずつ食べるタイプであれば、たくさんフードを置いておくことで長時間の留守番も可能です。
多めに入れておくと食べ過ぎてしまう猫の場合は、決まった時間に適量のフードが出てくるように設定できる自動給餌器の使用が便利です。
水は新鮮なものに入れ替え、器をひっくり返してしまわないように、しっかりとした容器にいれましょう。直射日光が当たらない場所に水飲み場を設置し、こぼしてしまっても飲めるように、何か所かに分けて水を設置しておきます。自動給水器であれば容量が大きいため、留守番中に水が空になってしまう状態を防ぐことができます。
熱中症対策
夏場の留守番は熱中症のリスクが高まるので注意が必要です。猫が熱中症にならないために、エアコンをうまく利用して快適な温度を保つようにしましょう。直射日光が入らないようにカーテンをすることも熱中症対策になります。
水分不足も熱中症の原因となるので、たっぷりの水を用意しておきましょう。エアコンの冷気が苦手な猫もいるため、寒い時に潜り込めるベッドやハウスなどを用意してあげると、猫が自由に居場所を選択することができます。また、エアコンのリモコンは猫がいたずらしないように、猫の手の届かないところに置いておきましょう。
トイレの準備
猫はきれい好きで清潔なトイレを好むため、トイレが汚れていると排泄を我慢して膀胱炎になってしまうこともあります。出かける前には必ずトイレを掃除してください。また、留守番中排泄でトイレが汚れても掃除ができないので、トイレを複数用意してあげましょう。トイレの数は猫の頭数+1個以上が理想ですが、長時間留守番させる際はさらに予備のトイレを用意しておくと安心です。
部屋を行き来できるようにする
いくつかの部屋を行き来できるようにしておくことも大切です。万が一留守番中に、地震などの災害が起きた時、少しでも自由に避難できるようにするためです。また、遊びや運動できるスペースがあることで、ストレス発散にもつながります。
猫の留守番時はケージに入れる?
猫を留守番させる時は、ケージに入れた方が良いのでしょうか。
子猫の場合は、ケージに入れて留守番させることをおすすめします。成猫に比べて子猫は落ち着きがなく、けがや誤飲などの事故のリスクが高まるためです。
成猫の場合は、それぞれの猫の個性によって使い分けるのが良いでしょう。ゴミ漁りや異物の誤食、物の破損、窓からの外出などの危険がある場合はケージでの留守番が安心です。
ケージに入れる場合も、一部屋に閉じ込めておく場合も、長時間の場合はストレスになるため注意が必要です。
また、普段はケージの中で過ごしていない場合、留守番の際にパニックになってしまう可能性があります。留守番時にケージを使用するのであれば、普段からケージに慣れておく必要があります。
【ケージに入れて留守番させる場合の環境づくりのポイント】
猫をケージに入れて留守番させる場合は、2段以上の大きめなケージを使用し、トイレ、水、食事など猫が気持ちよく過ごせる環境を作りましょう。
水飲み場は2カ所設置し、深めのお皿に新鮮な水を入れます。ケージ内にじゅうぶんなスペースがない場合は、受け皿付きのボトル型給水機の使用もおすすめです。
トイレは、猫の食事スペースや寝床となる空間とできる限り離れた場所に置くよう、工夫が必要です。2段、3段と高さのあるケージであれば、トイレを一番下にして2段目にフードを置くなど対応できます。
高さのあるケージにすると、上下運動ができるためストレス発散にもなります。
旅行中に猫を留守番させるときのトラブル対策
猫が留守番中に、トラブルを起こさないためにしっかりと環境を整え、対策を行うことが重要です。
誤飲・誤食、いたずら対策
留守番中に誤飲や誤食、いたずらをしないように、部屋をキレイに片づけておきましょう。ティッシュや紐のあるクッションなどは猫の届かない場所に置いておきます。キャットタワーなど、留守番中も安全に遊べる工夫をしておくことが大切です。おもちゃを出しておく場合は、猫の口には入らないサイズのもので、丈夫なものを選びましょう。
また、冷蔵庫やタンスの扉など猫が簡単に開けてしまうような扉は、チャイルドロックなどのいたずら防止グッズを活用すると良いでしょう。
リモコン誤操作を防ぐ
猫が留守番中に、テレビやエアコンのリモコンを踏んでスイッチのオンオフをしてしまう可能性があります。エアコンは熱中症対策に欠かせないため、リモコンの誤操作には特に注意が必要です。出かける際は、リモコンは猫がいたずらできない場所に片付けておきましょう。
逃走対策
猫が脱走してしまう事故を防ぐために、窓やドアをしっかりと施錠し、わずかな隙間もつくらないようにしましょう。雷や工事などの大きな音にびっくりして逃走してしまうこともあるので、施錠の徹底はもちろんですが、二重扉や簡単に開けられない鍵など猫が外に出ないための対策が必要です。
留守中のペットの様子を見守るには、ペットカメラや室内カメラの設置がおすすめです。ALSOKの「HOME ALSOK アルボeye」は、自宅内に設置したセンサー付きカメラの映像をスマートフォンでいつでも確認することができ、もしもの際はガードマンの出動を依頼できるサービスです。外出先から留守中のペットの様子を画像と音声で確認できるので安心です。
愛猫との暮らしを守るには
猫も、大切な家族の一員です。飼い主の留守中に不審者や窃盗犯の侵入があると、飼い主が困るのはもちろんですが、猫のストレスにもつながってしまいます。不審者が侵入した隙に猫が外に逃走してしまう、環境の整っていない部屋に閉じ込められるといったケースも考えられます。
また、窃盗犯によって猫が窃盗に遭う可能性もあります。
猫との安心できる暮らしを守るためには、ホームセキュリティの導入がおすすめです。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格〔月額 990円(税込)から〕でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはガードマンの依頼駆けつけが利用可能です。オンラインセキュリティでは、不審者や空き巣の侵入、火災発生などを自動で検知し、ガードマンが駆けつけて対処します。スマートフォンを持っているだけで簡単に警備の開始や解除ができる機能もあるため、便利に活用できます。
留守番中のご家族やペットの安全を守るために、ホームセキュリティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
旅行や急な用事で愛猫に留守番をさせる場合は、健康な成猫であれば一泊二日程度なら問題なく過ごせるでしょう。なるべくストレスなく留守番をさせるためには、食事や水、トイレ、熱中症対策などしっかりと環境を整えてあげるだけでなく、子猫、持病のある猫の場合や性格の違いなど、それぞれの特徴に合わせて留守番の仕方を考慮することが重要です。
監修者プロフィール
服部 幸(はっとり・ゆき)
猫専門病院 東京猫医療センター院長
獣医師。北里大学獣医学部卒業後、2年半の動物病院勤務を経て2005年にSyuSyu CAT Clinic院長。2012年東京猫医療センターを開院。2014年JSFM(ねこ医学会)理事就任。猫のスペシャリストとして19年間猫の専門医療に従事する。