遺影にふさわしい写真の選び方は?飾り方や選ぶ際の注意点を解説
遺影は、お通夜や葬儀の際だけでなく、葬儀後も自宅の仏間や床の間に飾るものです。遺影を選ぶ際はどんな写真を選べば良いのか、悩む方は多いでしょう。また、近年は終活の一環として生前に自分の遺影を準備しようと考えている方も増えています。
今回は、遺影にふさわしい写真の選び方や飾り方、選ぶ際の注意点などを解説します。
目次
遺影(いえい)とは
遺影とは、お通夜・葬儀の際に祭壇へ飾る故人の写真のことをいいます。参列者が故人を想い、偲ぶために飾られ、葬儀後は仏壇の近くに飾っておくのが一般的となっています。遺影に宗教的な意味は含まれていないため、写真のかわりに肖像画を遺影として飾っても問題はありません。
遺影を準備する方法
遺影写真を準備する際は、持っている写真を葬儀社に預けて加工するか、生前に自分で加工したり、スタジオや専門店で加工してもらうなどの方法があります。
故人の顔が分かる写真であれば、普段の写真から選ぶことが可能です。また、終活の一環として生前に遺影写真をスタジオで撮る方も多くなっています。遺影の撮影時期に決まりはないため、終活しようと思い立ったタイミングで撮影すると良いでしょう。
遺影写真は故人が亡くなってからお通夜までに遺族が用意するパターンが多いですが、葬儀の前は他にも多くの手続きや準備が必要となります。事前に遺影写真を準備しておくことで、家族の負担を減らすこともでき、自分が納得いく写真を遺影にすることも可能です。
遺影のサイズ
葬儀の際、遺影写真は「祭壇用」と「焼香台用」の2種類を用意する必要があります。遺影のサイズに明確な決まりはありませんが、一般的な遺影のサイズを紹介します。
祭壇用は、葬儀の際に祭壇中央に飾るため、後方の席からでも故人の顔が見えるように、大きめのサイズにする必要があります。祭壇用の一般的なサイズは、四つ切(よつぎり)サイズかA4サイズです。
焼香台用は、お焼香用の香炉や抹香を配置する台に飾るため、小さいサイズが選ばれます。焼香台用の一般的なサイズL判や小キャビネサイズ、2Lサイズなどです。葬儀後は、ご自宅にそのまま飾ることができます。
遺影の選び方
遺影の選び方に決まりはありませんが、葬儀で使用するため選び方の基準に悩む方は多いでしょう。どのような写真を遺影として選べば良いのか、ここでは遺影を選ぶ際のポイントについて解説します。
故人らしい表情か
写真の顔つきや表情から、故人らしさが伝わるものを選びましょう。葬儀で使用したあと、自宅の仏壇やリビングなどに飾る人も多いため、故人の生前の姿が思い出すことができるよう、できるだけ故人らしさのある写真を選ぶことが大切です。必ずしもまじめな表情である必要はなく、口元が開いている笑顔の写真でも問題ありません。
また、正面を向いているカメラ目線の写真は、参列者にとっては葬儀の際にお別れが言いやすいというメリットがあります。しかし、ちょうどカメラ目線で良い写真がないという場合は、目線にこだわらず「故人らしさ」「その人らしさ」を重視して選ぶと良いでしょう。
ピントは合っているか、画素数は小さくないか
ピントがずれた写真の修正は難しいため、ピントが合っている写真を選びましょう。写真を大きく引き伸ばした際に画質が粗くなってしまうことを避けるため、画素数が小さすぎる画像は避けた方が良いです。
プリクラも遺影写真にすることは可能ですが、画素数が小さいため適しているとはいえません。また、プリクラは顔が自動で加工されることが多いため、故人の面影がなく、見た人が違和感を覚える可能性があります。できるだけ加工されていない自然な雰囲気のものを選ぶようにしましょう。
背景に人や物が写っていないか
遺影にふさわしい写真にするために、背景に人や物が写っていないか確認しましょう。他の人物との写真や集合写真などを選ぶ場合、故人だけを切り抜くと違和感が残る場合があります。故人が写っている部分を引き伸ばすには、故人が大きく写っていなければなりません。できるだけ、故人一人が写っている写真を選びましょう。
近年では、加工で背景を変えたり、写り込んだ人や物を消去したりすることも可能になっているので、困った際はプロに相談すると良いでしょう。
写真が古すぎないか
逝去時の顔と年齢が離れすぎた写真の場合は、違和感がある可能性があります。亡くなる5年以内のものを基準に選ぶと良いでしょう。
亡くなる前の入院生活が長いなどの場合は、年齢にこだわらず元気なときの故人らしい写真を選ぶことをおすすめします。
服装が故人らしいか
遺影撮影は、以前であれば喪服やスーツ、着物を着るのが一般的でしたが、近年ではカジュアルな服装を選んでいる遺影も多くなっています。釣りやギターなど、趣味に合わせた服装の写真を選んで故人らしさを表現するのも良いでしょう。
普段の写真を、葬儀にふさわしい服装に加工できる場合もあります。また、入院中の病衣やパジャマ、夏場で薄着すぎる場合は、服装の加工・修正を行った方が良いケースもあります。
遺影の飾り方や期間
一般的には、四十九日の間は遺影を後飾り祭壇に飾り、四十九日後は仏壇のそばや仏間に飾られます。
後飾り祭壇とは、火葬から四十九日の間、遺骨を祀るために自宅に設置する祭壇のことです。ご自宅に仏壇がある場合は仏壇の前へ配置し、仏壇がない場合は弔問客がお参りできるスペースに配置されます。
納骨が終わると後飾り祭壇を片付けるため、四十九日が過ぎてからは仏壇の近くや仏間に遺影を飾ることが多くなっています。その他、床の間に飾ったり、フックをつけて壁掛けにしたりしているご自宅もあります。仏間がないご自宅の場合は、リビングや和室など、家族の目に入りやすい場所に置くと良いでしょう。
遺影に宗教的な意味合いはありませんが、遺影写真の飾る期間は故人や喪家の宗教によって異なる場合があります。例として、仏式は四十九日法要まで、神道は五十日祭(逝去後50日目)までとされています。気になる場合は、故人の宗派に確認をしておくと良いでしょう。
また、遺影写真を飾る向きに決まりはありませんが、東向きまたは南向きが良いとされています。直射日光によって日焼けしないよう、考慮して配置しましょう。
遺影に関するタブーや注意点
遺影の選び方や飾り方などについて解説してきましたが、遺影に関するタブーや注意点はあるのか気になる方は多いでしょう。遺影写真の選び方については、基本的にタブーはなく上述したポイントに注意すれば問題ありません。
遺影の飾り方については、いくつか注意すべき点があります。
遺影を仏壇の上や中に飾らない
仏壇は、各家庭の信仰する宗派のご本尊を置く場所が元となっている、小さなお寺のようなものです。また仏壇は、仏様の住む世界を表す場所であるため、仏様のいる仏壇の中や上に遺影を置くのは、失礼にあたるとされているため避けましょう。
遺影が落ちないように固定する
遺影は仏間や床の間に飾られることが多いため、しっかりと固定していないと、地震などの際に落下して写真が破損する恐れがあります。フレームなどが破損してしまう可能性があるため、遺影はしっかりと固定して飾りましょう。
遺影の処分に決まりはない
遺影の処分にタブーがあるわけではないので、飾れない場合はデータにして保管や、神社やお寺で供養・お焚き上げしてもらうなどの方法があります。お盆や法事で使う場合は、保管しておきます。
遺影をデータ化してパソコンやスマートフォンに保存する方法は、いつでも故人の姿を見ることができる点や、日焼けや破損、劣化などの心配がないことがメリットです。また、遺影をリサイズして小さなサイズにし、手元に保管しておく方法もあります。
神社やお寺に供養・お焚き上げを依頼する場合は、読経や祈祷で遺影を清めたあとにお焚き上げをしてもらえるので、費用はかかりますが、罪悪感なく遺影を処分することができます。故人を想う気持ちが大切なので、自分が納得できる方法で遺影を保管・処分するのが良いでしょう。
まとめ
遺影は故人を偲ぶために大切なもので、葬儀後も後飾り祭壇に飾られ、四十九日後は仏壇の近くや仏間などに飾られます。できるだけ故人らしさがある写真を選びましょう。
飾る場所に悩む時は写真を小さいサイズにリサイズしたり、データ化して保管するのも1つの方法です。故人を想う気持ちがもっとも大切なため、それぞれのご家庭に合った飾り方や保管方法、処分の仕方などを選択すると良いでしょう。
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