墓石が壊れたら?墓石の修理にかかる費用や依頼先、修理の流れについて
墓石は先祖を供養する大切な場所ですが、経年劣化や自然災害などで壊れることがあります。文字がかすれてきている、墓石の一部が欠けているなど、墓石に修理が必要と思われるとき、修理を放置しても大丈夫なのでしょうか。
しかし墓石を修理する場合、費用はどの程度必要で、どのような流れで修理をするのかわからないという方も多いでしょう。
この記事では、墓石の修理にかかる費用や依頼先、修理の流れについて詳しく解説します。
目次
墓石の修理が必要となるケース
墓石は、使用している長い年月の間に経年劣化やカビが発生し、修理が必要となることがあります。小さな傷や損傷だからといって、修理せずに放置しておくのはおすすめできません。
はじめはあまり目立たないような損傷であっても、長年雨風にさらされたり、台風や地震などの自然災害に見舞われると損傷が大きくなってしまいます。損傷が進行すると、いずれは墓石が倒れてしまうなど大きなトラブルに発展し、修理費用が高額になる可能性もあるため早めの修理が必要です。
適切なメンテナンスを行い、墓石を長持ちさせるために、まずは墓石の修理が必要なケースにはどのようなものがあるのか把握しておきましょう。
「古いお墓のリフォーム」を検討する場合も、基本的には修理と同じ対応です。
墓石修理が必要だと判断するケースを以下にご紹介します。
墓石の文字が薄くなっている
墓石の文字に塗装を施している場合、経年劣化により文字が薄れていくことがあります。特に赤色の塗装の場合は紫外線を吸収しやすく、色落ちが起こりやすいといわれています。また、墓石を掃除する際に表面を強く擦りすぎて文字が薄れてしまうこともあるので、注意してください。
目地の割れ
よく見られる症状で、経年劣化により墓石と墓石の間のつなぎ目部分(目地)が割れている状態です。目地の割れ目から雨水が内部に浸入すると、シミやカビが発生する原因にもなります。目地は一度修理しても、10年ほど経過すると再度メンテナンスが必要になることもあるので、普段から注意して見ておきたい箇所です。
墓石のひび割れ
経年劣化などによる墓石のひび割れは、目地の割れとともによく見られます。長年の雨風などによって、墓石の表面にある細かい穴に亀裂が生じることがあるのです。ひび割れや欠けは症状が悪化する前に修理することが、修理費用を抑えるポイントです。
墓石が傾いている
経年劣化や地震、地盤沈下などの影響で目地割れや土台のズレが発生し、墓石が傾いている状態です。墓石周辺の地盤の状態や、霊園内にある木々の根が影響していることもあります。
墓石が倒れている
震度の大きな震災や土砂崩れなどが発生した場合、墓石が倒れることもあります。墓石は重量があるため通常は簡単に倒れることはありませんが、災害は想定外の被害が発生するため、倒壊の可能性があります。
墓石の修理を放置するデメリット
目地の割れや墓石のひび割れなどを修理せずに放置すると、どのようなことが起こるのでしょうか。具体的なデメリットを見ていきましょう。
お墓の建て替えが必要になる
墓石を修理せず放置しておくことの一番のデメリットは、倒壊のおそれがあることです。文字の薄れは直接倒壊には結び付きませんが、ひび割れや欠け、土台の傾きなどが悪化すると最悪の場合墓石が倒壊してしまいます。
お墓が倒壊すると部分的な修理だけでは対応できず、墓石自体の建て替えが必要となることがあります。建て替えとなると墓石をもう一度建てることになるので、高額なコストがかかってしまうこともあります
周囲の墓石への被害
墓石が倒れた際に、近くにある他の家族の墓石を傷つけてしまうおそれもあります。また、倒壊時に周辺に人がいた場合、ケガを負わせてしまうかもしれません。墓石の修理を適切に行わなかったことが原因で他人に損害を与えた場合、損害賠償責任を問われる可能性もあります。
墓石を自分で修理することは可能?
墓石修理を自分で行えばコストを抑えられるのでは?と思う方もいるかもしれません。結論からいうと、簡単なものであれば自分でも修理は可能です。例えば、軽度な目地のひび割れはコーキング修理という作業で対応できます。
しかし、墓石は非常に重く、何かあったときに大きなケガを負うリスクがあります。また、墓石用の道具をそろえる必要があるうえ、専門的な技術が求められることなどを考慮すると素人が自己判断で修理することはおすすめしません。
トラブルを避け確実に修理するためには、専門的な業者に依頼するほうが安心です。
墓石を修理する際の依頼先と流れ
墓石を修理する際にはどこに依頼すれば良いのでしょうか。墓石修理を依頼する際の具体的な流れを見ていきましょう。
依頼先はお墓を建てた石材店が一般的
墓石を修理する際は、まずお墓を建てた石材店へ依頼することが一般的です。お墓の構造や材質などの詳細を把握している石材店であれば、修理に失敗するリスクを抑えられます。
なお、お墓を建ててから何十年と経っており、石材店がなくなっている(閉店している)場合は、複数の石材店に見積もりをとって決めると良いでしょう。
墓石を修理する流れ
墓石を修理する具体的な流れは、以下の通りです。
1.石材店へ連絡する
信頼できる石材店へ連絡し、修理の旨を伝えます。現在の状況やどのような修理をしてほしいのかなどを、わかる範囲で詳細に伝えましょう。
2.見積もりをもらって依頼する
正式に依頼する前に、必ず見積もりを出してもらいます。墓石の状況を詳しく見てもらうと、自分が把握していない箇所まで修理が必要だと判断される場合もあります。その結果、思っていたよりも費用が高額になることも考えられるでしょう。
見積もりの内訳で不明な点は聞き、最終的な金額に納得してから依頼するようにしてください。
3.施工
正式に依頼をしたあと、施行日を決めて実際に墓石の修理が始まります。業者によっては、立ち合いが必要なケースもあります。また、仏式で供養しているお墓は墓石の修理を行う前に閉眼供養(御魂抜き)を、修理後に開眼供養を行うこともあるので、事前に墓地・霊園に相談しておきましょう。
墓石の修理にかかる費用の目安
修理費用は、壊れている箇所や施工の内容によって異なります。墓石の修理にかかる費用の目安を、施工内容別に見ていきましょう。
墓石の文字が薄くなっている
墓石の文字が薄くなっている場合の修理費用は、1万円~3万円程です。文字の再刻や色入れ作業を行うことで、鮮明に戻すことができます。
目地の割れ
目地の割れの修理費用の目安は、3万円~5万円程です。具体的な施工内容は、古い目地材を取り除いたあとに、コーキング剤を施していきます。
墓石のひび割れ
墓石のひび割れの修理費用は、3万円~5万円程です。修理方法には、ひび割れ部分の清掃と特殊な接着剤を用いた補修作業が含まれます。
墓石が傾いている
墓石が傾いている場合の修理費用は、程度によって異なります。軽微なズレが発生している場合は10万円~30万円程、大きく傾いている場合は100万円~200万円程が目安です。この修理には、基礎部分の再設置や補強作業が含まれるため、高額になることがあります。
墓石が倒れている
墓石が倒壊している場合は、墓石の積み直しが必要になるため30万円~100万円程の費用が必要です。新しい墓石の建て替えとなると、200万円前後と高額になります。
墓石を長くきれいに保つためのポイント
ここまでご説明したように、墓石修理の内容によっては高額な費用がかかります。思いがけない出費をしないためには、日頃からのメンテナンスが重要です。メンテンスといっても特別な作業を行う必要はなく、定期的にお墓参りに行く、掃除・お手入れをするという基本的なことを心がけましょう。
定期的にお墓参りに行く
定期的にお墓参りに行くことで、お墓の状態を直接確認できます。目地の割れや表面の傷、欠けなどをこまめに確認することで、大きな修理が必要となる前に適切な対応ができるでしょう。
掃除・お手入れをする
お墓参りの際には、できる範囲できれいに掃除するようにします。日頃から掃除や手入れをすることで、カビの発生や経年劣化をある程度防ぐことができます。
また、石材店によっては専門的なメンテナンスを受け付けているところもあるので、依頼してみても良いでしょう。耐震施行や表面のコーティングなどを行うことで、耐久性を高めることが可能です。
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まとめ
墓石は、経年劣化や自然災害などにより修理が必要となることがあります。修理が必要なケースとしては、文字の薄れ、目地の割れ、ひび割れ、土台の傾き、倒壊などがあり、それぞれ修理費用が異なります。費用は1万円~200万円と幅広く、気付いた点があれば早めに修理を行うようにしましょう。
修理依頼はお墓を建てた石材店にするのが一般的です。墓石を長持ちさせるには、日常的なメンテナンスも重要で、定期的なお墓参りや掃除・お手入れが大切です。