自宅で焚き火は楽しめる?家の庭で安全に焚き火をするやり方・注意点を解説

防災 2024.09.27
自宅で焚き火

アウトドアやキャンプが好きな方のなかには、「家の庭で焚き火を楽しみたい」と考えている方もいるかもしれません。しかし、そもそも自宅で焚き火をすることは可能なのでしょうか。安全面や法律面で問題がないか、心配な方も多いでしょう。
この記事では、自宅で安全に焚き火を行うやり方や注意点を解説します。

目次

自宅で焚き火を行うのは違法なのか

そもそも、自宅で焚き火を行うことは違法行為なのでしょうか。

結論からいうと、自宅の屋外(庭や駐車場など)で焚き火やバーベキューを行うことは消防法では規制されておらず、違法行為ではありません。ただし、環境上の観点から各自治体の条例内で細かいルールを定めている場合が多くあります。そのため、自宅で焚き火を行う際は、まずお住まいの自治体に注意事項や禁止事項がないかを問い合わせるようにしましょう。

なお、自宅での焚き火自体は違法行為ではないものの、実際には近隣の住民への十分な配慮が必要です。焚き火で舞った火の粉が風で隣人宅へ飛ばされれば、状況によっては大きな火災につながる可能性もあります。

焚き火を行う際は、危険な状況にならないよう周囲に気を配り、何かあったときにはすぐに対処できるように準備しておいてください。

自宅で焚き火を行う際に知っておきたい法律や条例

法律

先述のとおり、自宅での焚き火行為は法律で禁止されていません。しかし、焚き火を行う際のゴミの処分方法が決まっていたり、焚き火の状況によっては違法行為になったりすることもあります。

ここからは、自宅で焚き火を行う際に知っておきたい法律や条例についてご紹介します。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(略称:廃棄物処理法)

廃棄物処理法は、環境保護を目的として、廃棄物の処理や掃除に関する適切な方法を定める法律です。

焚き火などの焼却行為に関しては、廃棄物処理法第十六条に以下のように記されています。

「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの」

引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第十六条の二

つまり、原則として焚き火で廃棄物(ゴミ)を燃やすことは違反行為です。落ち葉や木くずなどの焼却は認められていますが、自宅のゴミ処理を目的として焚き火を行おうと考えている場合は、違法行為に該当する可能性があるので注意してください。

違法とみなされると、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

焚き火を行うときは、廃棄物ではなく薪を燃やすようにしましょう。

軽犯罪法

軽犯罪法では、火の取り扱いに関して以下のような条文があります。

「第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
~中略~
九 相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者
十 相当の注意をしないで、銃砲又は火薬類、ボイラーその他の爆発する物を使用し、又はもてあそんだ者」

引用:軽犯罪法 第一条 九、十

上記によれば、燃えやすいものや引火しやすいものの近くで焚き火を行った場合、軽犯罪法違反になるおそれがあるので十分注意が必要です。なお、軽犯罪法に違反した場合は、1日以上30日未満の身柄拘束(拘留)、または1,000円以上1万円未満の金銭徴収(科料)が科せられる可能性があります。

消防法

冒頭で述べたように、消防法において焚き火を規制する文言はありません。しかし、消防法第三条では「消防署は、屋外において火災が発生するおそれがあると判断できる行為があった場合に、行為者や物件に対して必要な措置命令を下すことができる」とされています。

参考:消防法第二章 第三条

火災に十分配慮することは前提として、もし近隣住民からの通報などをきっかけに消防署から指導があれば、焚き火を即時中止して消火に努めましょう。消防署からの措置命令に従わない場合、30万円以下の罰金または拘留が科される可能性があります。

ベランダでの焚き火は法律違反?

ベランダでの焚き火(ベランピング)を直接禁止する法律や条例は現時点(2024年9月)ではありません。ただし、住宅には火災報知器の設置が義務付けられており、ベランダで焚き火をした場合は火災報知器が作動してしまうおそれがあります。

アパートやマンションの場合ベランダは共用部分にあたるため、勝手に焚き火を行うと規約違反になる可能性もあるでしょう。

また、戸建住宅であっても、ベランダなどの狭い場所での焚き火やバーベキューは危険です。ベランダは周囲の家と距離が近い場合があり、煙やニオイによって近隣に迷惑をかけることが想定されるため避けたほうが良いでしょう。

地方自治体が制定する条例

ここで、自治体ごとに定められた焚き火や火の取り扱いに関する条例の例を簡単にご紹介します。

東京都

東京都には、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」があります。この条例によると、廃棄物の焼却行為となるような焚き火(野焼き)は原則として禁止です。ただし、落ち葉を燃やす小規模な焚き火などは例外として認められるケースもあるので、詳しくはお住まいの自治体に確認してみてください。

参考:都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)・施行規則(第百二十六条)

横浜市

横浜市では、条例によって以下のような制限があります。

「排煙又は悪臭を発生するおそれがある合成樹脂、ゴム、木材その他の物で規則で定めるものを、屋外において燃焼させてはならない」

引用:横浜市 横浜市生活環境の保全等に関する条例 第47条

横浜市の条例において、野焼き(屋外で合成樹脂、ゴム、木材、布、油脂類、紙などを燃やす行為)は禁止されています。自宅での小規模の焚き火やバーベキューなどは例外として認められていますが、煙や安全への十分な配慮が必要です。

参考:横浜市 「野焼き(屋外燃焼行為)は禁止されています」

自宅で焚き火を行う際の注意点

焚き火を楽しむ親子

自宅で焚き火を行う際は、次の点に注意してください。

近所の迷惑にならないように配慮する

焚き火を行うと、どうしても煙や火の粉、ススなどが発生します。近隣住民の家と距離が近い場合に、窓が開いていたり洗濯物を外干ししているとトラブルになるかもしれません。焚き火を行う際は、事前に近所の方へ挨拶や連絡を済ませておいたほうが安心です。

煙が広がらないようにする

煙ができるだけ周囲に広がらないよう、工夫も必要です。風向きや天候に合わせて実施する、二次燃焼ができる焚き火台を利用するなど考えられる策はいくつかあります(詳しくは後述します)。

安全を優先する

自宅で行う小規模な焚き火とはいえ、何かに燃え移れば火災につながる可能性も十分あります。風の強い日には焚き火をしない、周辺に引火性のあるものを置かない、火を大きくしすぎない、消火器具を用意しておくなど、安全面を最優先に考えましょう。

なお、消防白書によると令和4年度における火災の出火原因としては、たばこに次いで焚き火が多く、実際に焚き火から火災が起こった事例数は3,000件以上です。焚き火が火災原因となる背景には、焚き火から目を離したり、消火の準備をせずに焚き火を行うなどの注意不足があります。「自宅でのちょっとした焚き火なら火事にならないだろう」などとは思わずに、安全に十分配慮して行ってください。

参考:令和5年版 消防白書

自宅の庭で焚き火を行う際の煙対策

煙が広がると近所の迷惑になるだけでなく、火災だと勘違いされて通報されるおそれもあります。周囲に迷惑をかけず、スムーズに焚き火を行うためにも煙の発生を抑える対策方法を知っておきましょう。

乾燥した薪を用いる

水分を多く含んだ薪を使用すると、煙が多く発生します。十分に乾燥している薪を購入する、事前に天日干しをしてより乾燥させるなど工夫しましょう。

広葉樹の薪を主に使用する

針葉樹は燃えやすいですが、煙が比較的多い性質があります。それに対して広葉樹は、火が点きにくい一方で、火持ちが良く煙も少ないことが特徴です。焚き火の最初は針葉樹を使い、しっかりと火が点いたら広葉樹の薪を主に使用するなど、状況に応じて木の種類を使い分けると良いでしょう。

薪の燃やし方や組み方を工夫する

薪を組む際は、傘のように薪同士を立てかける、井の字型に組むなどの工夫をすると煙を抑えられます。最初は、薪の間に空気の通り道を確保し、安定したら太めの薪を足していくようにしましょう。

二次燃焼を起こせる焚き火台を使用する

ものが燃える際には、一次燃焼・二次燃焼・三次燃焼などの燃え方の段階があります。そのなかでも、二次燃焼は煙が少ないとされています。焚き火台には二次燃焼を起こせる仕組みのものがあり、うまく活用することで短時間での火起こしが可能です。さらに燃えカスも出にくいので後片付けも楽になります。

まとめ

消防白書のデータからもわかるように、自宅敷地内での焚き火が原因の火災は決して少なくありません。自宅での焚き火自体を規制する法律はありませんが、焚き火を行う際は火災対策が非常に重要となります。

スマホゲート写真

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