新しい洗濯表示マークの意味は?洗濯表示マークの見方や記号の意味を解説
大切な衣類は、丁寧にお手入れをしながら長く使いたいものです。そのためには、家庭で洗濯などをする際は衣類のタグに表示されている「洗濯表示マーク」に沿ったケアが必要になります。しかし、「洗濯表示マーク」にはたくさんの種類があり、実は意味がよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、大切な衣類をきれいに保つために必ず知っておきたい洗濯表示マークの見方、記号の意味についてご紹介します。
目次
洗濯表示マークとは
洗濯表示マークとは、家庭用衣類を対象に、適切な衣類のお手入れ方法を記号で示したもので「繊維製品の取扱いに関する表示記号」とも呼ばれます。洗濯表示マークは、衣類の内側に縫い付けられたタグに印字されていることが多く、トップスであれば左の腰あたりに付いているのが一般的です。
洗濯表示マークの目的
洗濯表示マークは、一言で表現すると「衣類の取り扱い説明書」です。家庭での洗濯が可能なのか、どのようにお手入れをするとよいのかといった情報が記されています。衣類の他にも、寝具やカーテンなどの繊維製品には必ず付けられており、私たちの生活には欠かせないものといえるでしょう。
洗濯表示マークは新しくなっている
洗濯表示マークは、2016年に新しい表示に一新されました。元々は各国が独自の記号を使っていましたが、世界貿易機関(WTO)が共通した記号の使用を推奨したため、日本でも国際規格に準じた整備を進めています。2024年にも新たに2つの記号が追加され、記号デザインや意味の変更も行われました。ここからは、改正された新しい洗濯表示マークについて詳しく解説します。
洗濯表示マークの見方
洗濯表示マークは、一目でわかりやすい「基本記号」と「付加記号」、さらに記号で表現しきれない詳しい情報を記した「付記用語」の組み合わせで構成されています。ここでは、洗濯表示マークの見方について解説します。
基本記号
洗濯表示マークは5つの基本記号で構成されています。
基本記号 | 基本記号の意味 |
---|---|
家庭洗濯 | |
漂白 | |
乾燥 | |
アイロン | |
クリーニング |
出典:経済産業省・消費者庁 衣類の「取扱表示」リーフレットの洗濯表示を加工して作成。以下表も同様
付加記号
付加記号とは、どのくらいの強度や温度でお手入れできるのかを表す記号です。
強度
洗濯の強さが、線の本数で表示されています。基本記号の下に線がない場合は通常の強さ、線が一本の場合は弱い力、低温で、線が二本の場合は非常に弱い力で洗うことを推奨しています。
強度の付加記号 | 付加記号の意味 |
---|---|
線なし | 通常の強さ |
弱い | |
非常に弱い |
温度
<数字>
水洗いする場合の温度(摂氏)の上限を数字で示したものです。例えば「30」と表示されているものは、30℃以下の温度で水洗いできるという意味になっています。
【例】
<点>
タンブル乾燥やアイロン仕上げの上限温度は、点で表示されています。点が多いほど温度が高くなると覚えておきましょう。
温度の付加記号(点) | 付加記号の意味 |
---|---|
高 | |
中 | |
低 |
禁止
基本記号とバツが組み合わさって表示されています。
【例】
付記用語
付記用語は、記号で表しきれない取り扱い方法について、必要に応じて用語や文章で書き記したものです。これは各事業者が任意で表示するもので、表示についてルールは定められていません。一例として、以下のような付記用語が考えられます。
- ネットに入れて洗濯してください。
- 洗濯の際は、裏返してネットに入れてください。
- 他の衣類への色移りを防ぐため、単品で洗ってください。
- 洗濯した後は、形を整えて陰干ししてください。
- 脱水は短時間で行ってください。
- あて布を使用してください。
新しい洗濯表示マークの記号や意味
ここでは、2016年12月以前の旧表示と2024年に改正された洗濯表示マークを一覧で解説します。衣類をきれいな状態で長く使うためには、素材に合った正しいお手入れをすることが欠かせません。新しい洗濯表示マークの意味を正しく理解して、日々のお手入れに活用しましょう。
洗濯処理
家庭での洗い方を示した記号です。適正な液温(水温)と、洗い方の強さについても記されています。
旧表示 | 新表示 | |
---|---|---|
従来の記号 | 記号 | 記号の意味 |
液温は95℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる | ||
液温は70℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる | ||
液温は60℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる | ||
液温は60℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | ||
液温は50℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる | ||
液温は50℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | ||
液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる | ||
液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | ||
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | ||
液温は30℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる | ||
液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | ||
液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる | ||
液温は40℃を限度とし、手洗いができる | ||
家庭での洗濯禁止 |
消費者庁「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について ―衣類等の洗濯表示が変わります―」(令和6年)の洗濯表示を加工して作成
消費者庁「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について ―衣類等の洗濯表示(取扱い表示)が変わります―」(平成28年)の洗濯表示を加工して作成。以下表も同様
漂白処理
家庭で漂白できるかどうかを示した記号です。使用できる漂白剤の種類についても表示されています。
旧表示 | 新表示 | |
---|---|---|
従来の記号 | 記号 | 記号の意味 |
塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白処理ができる | ||
酸素系漂白剤の使用はできるが、塩素系漂白剤は使用禁止 | ||
塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
タンブル乾燥
タンブル乾燥ができるかどうか、温度は何度までが可能なのかを示す記号です。2016年の改定で新しくできた洗濯表示です。タンブル乾燥とは、ドラムで洗濯物を回転させ、温風を当てて乾燥させる方法で、家庭用のドラム式乾燥機もこれに該当します。
新表示 | |
---|---|
記号 | 記号の意味 |
タンブル乾燥処理ができる(排気温度上限80℃) | |
低い温度でのタンブル乾燥処理ができる(排気温度上限60℃) | |
タンブル乾燥禁止 |
自然乾燥
乾燥機に入れず、自然乾燥する際の方法について記した記号です。「ぬれ干し」とは、洗濯機による脱水や、手でねじって絞ることをせず、ぬれた状態のまま干すことをいいます。
旧表示 | 新表示 | |
---|---|---|
従来の記号 | 記号 | 記号の意味 |
つり干しがよい | ||
日陰のつり干しがよい | ||
ぬれつり干しがよい | ||
日陰のぬれつり干しがよい | ||
平干しがよい | ||
日陰の平干しがよい | ||
ぬれ平干しがよい | ||
日陰のぬれ平干しがよい |
アイロン仕上げ
アイロン仕上げの方法について示した記号です。適正温度を守らないと、素材によっては質感が変わったり、縮んでしまったりすることもあるため注意が必要です。
旧表示 | 新表示 | |
---|---|---|
従来の記号 | 記号 | 記号の意味 |
底面温度210℃を限度としてアイロン仕上げができる | ||
底面温度160℃を限度としてアイロン仕上げができる | ||
底面温度120℃を限度としてアイロン仕上げができる | ||
底面温度120℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる | ||
アイロン仕上げ禁止 |
クリーニング
クリーニング店が商業用クリーニングをする際の取り扱い方法を示す記号です。ドライクリーニング、ウエットクリーニングでそれぞれの記号に分かれています。なお、ウエットクリーニングは、2016年の改正でできた新しい記号です。
ドライクリーニング
旧表示 | 新表示 | |
---|---|---|
従来の記号 | 記号 | 記号の意味 |
パークロロエチレン又はジブトキシメタン若しくは石油系溶剤又はデカメチルペンタシクロシロキサンによるドライクリーニングができる | ||
パークロロエチレン又はジブトキシメタン若しくは石油系溶剤又はデカメチルペンタシクロシロキサンによる弱いドライクリーニングができる | ||
石油系溶剤又はデカメチルペンタシクロシロキサンによるドライクリーニングができる | ||
石油系溶剤又はデカメチルペンタシクロシロキサンによる弱いドライクリーニングができる | ||
ドライクリーニング禁止 |
ウエットクリーニング
新表示 | |
---|---|
記号 | 記号の意味 |
ウエットクリーニングができる | |
弱い操作によるウエットクリーニングができる | |
非常に弱い操作によるウエットクリーニングができる | |
ウエットクリーニング禁止 |
洗濯表示マークの変更で廃止された記号
洗濯表示マークは度々変更されており、2016年の改正では一部の記号が廃止されました。2016年以前に販売された商品には前の記号が採用されているため、古い記号についても知っておくといざというときに便利です。古い記号と共に、現在はどのような表示で対応しているかということも、併せて知っておきましょう。
絞り方
絞り方に関する記号は、2016年の改定で廃止されました。変更後は記号を使わず、付記用語として文字で表示されています。
記号 | 記号の意味 | 変更後 |
---|---|---|
手絞りの場合は弱く、遠心脱水の場合は、短時間で絞るのがよい | 新しい洗濯表示の記号はなく、「弱く絞る」などの付記用語で表示されている | |
絞ってはいけない | 「自然乾燥」の記号における「ぬれ干し」の記号にその意味を含んでいる |
わが家の安全を守るならホームセキュリティ
洗濯物をベランダやテラスで外干しするという方は多いでしょう。洗濯など家事のタイミングにも気を付けたいのが「居空き」です。居空きとは、家人が在宅中の隙をついたタイミングに侵入して家財を狙う犯罪のことで、ベランダで洗濯物を干しているときに居空き被害に遭うケースもあります。また、外に干した洗濯物から女性が一人暮らしをしていると推測され、侵入被害に遭う可能性もあります。不審者の侵入を防ぐためには、普段から施錠を徹底するなど防犯意識を高く持つことが大切です。
ご自宅の防犯対策をさらに強化するには、ホームセキュリティの導入がおすすめです。ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」は、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。セルフセキュリティは、お手軽な価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはガードマンの依頼駆けつけが可能です。
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侵入窃盗への防犯対策として、ホームセキュリティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
洗濯表示マークには、衣類のお手入れに必要な情報がしっかりと記載されています。大切な衣類を正しく取り扱うためには、洗濯表示マークを正しく理解しておくことが不可欠です。家庭での洗濯によってうっかり衣類を傷めてしまうことがないように、素材に応じた取り扱い方法をきちんと確認する習慣をつけましょう。