実家が空き家になったらどうすれば良い?売却や管理の方法、固定資産税について

空き家管理 2024.11.29
空き家

実家が空き家になった場合、そのまま放置しておくと建物の劣化や一部が破損するなど、さまざまなリスクが発生します。実家を空き家のまま放置しないためには、将来実家をどうするか両親と相談したり、空き家になる前に売却や貸し出しなど空き家を活用する方法を調べておくことが大切です。
この記事では、実家が空き家になった場合どうすれば良いか、売却や管理の方法、固定資産税について解説します。

目次

実家が空き家になったら売却する?他の方法はある?

空き家の売却

実家が空き家になった場合や今後空き家になると想定される場合、どのような選択ができるのでしょうか。売却する方法や、その他の選択肢について解説します。

売却する

実家が空き家になった場合、将来活用する予定がなければまず売却を検討するのが良いでしょう。売却する際は、建物が残ったまま売却するのか、更地にするかの判断が必要です。
主な売却方法として、

  • 不動産会社に売買の仲介をしてもらう
  • 不動産会社に直接買い取ってもらう
  • 空き家バンクなどのサービスを利用する

などがあります。不動産会社に売買の仲介を依頼する場合、相場か相場以上の価格で売却できるといわれています。一方で、不動産会社に直接買い取ってもらう方法は、手直し・リフォーム後の再販を目的としているため、相場より2~3割程度安い価格となるのが一般的です。売却価格は低くなりますが時間はかからないため、不動産会社による買い取りはできるだけ早く売却したい方におすすめの方法です。

また、空き家バンクなどの自治体が情報発信を行うサービスは、不動産会社があまり取り扱わない郊外の空き家なども登録が可能なため、郊外に空き家がある方は検討すると良いでしょう。

賃貸として貸し出す

空き家を賃貸として貸し出す方法もあります。賃貸として活用することで空き家の老朽化を防ぐことができ、家賃収入を見込めます。
また、不動産資産として保有するため将来的に家族が住むといった選択肢も持つことができます。そのまま貸し出すことが難しい場合は、リフォームや修繕の費用負担が発生することがあるので注意しましょう。
空き家を活用して収益を上げたいと考えている方におすすめの方法です。

民泊として貸し出す

空き家を民泊として貸し出すことも可能です。近年は外国人旅行者が増えており、住宅を利用した民泊は各地で需要が高まっています。民泊とは、民家や集合住宅の一部または全部を他の人へ有償で貸すことを指します。不動産業者が空き家を活用して民泊専用施設とするケースもありますが、個人が空き家となった実家を民泊として貸し出すことも可能です。民泊を運営する際は、許可申請・認定取得のための届け出が必要になるため、あらかじめ申請方法を調べておくことが大切です。

別荘にする

別荘として定期的に利用するのもひとつの方法です。他人に貸し出すわけではないため、修繕や建て替えなどの初期費用は不要です。しかし、利用していない期間も固定資産税等がかかる他、土地や建物の管理をするための手間や費用もかかるため注意が必要です。

介護施設として活用する

空き家を介護施設として活用することも可能です。高齢化が進む日本においてデイサービスなどの介護施設の需要は高く、収入も見込むことができます。また、老人福祉施設事業を営む場合は、固定資産税が非課税になるメリットもあります。
空き家を介護施設として活用する場合はリフォームの内容や立地について確認事項が多くあるため、市町村との事前協議を入念に行う必要があります。

相続放棄する

実家の相続を放棄する方法もあります。実家の相続放棄をする場合、固定資産税の支払い義務がなくなる、実家の処分や管理方法について悩まずに済むといったメリットがあります。しかし、その場合は実家の土地や建物だけではなく、すべての相続財産を放棄することになります。預貯金や有価証券なども含まれるため、相続するすべての財産を放棄しても良いと思えるかが重要です。
実家の相続放棄をするには、家庭裁判所への申述書などを提出する必要がありますが、相続開始を知った日から3カ月以内と期間が決まっています。多くの書類を集める必要があるので、専門家に相談すると良いでしょう。
また、兄弟など他の相続人がいる場合は、トラブルを防ぐため事前に相談することをおすすめします。

実家を空き家のまま放置するリスク

固定資産税のイメージ

実家が空き家になってしまった場合、空き家のまま放置しても良いのでしょうか。ここでは、実家を空き家のまま放置した場合のリスクについて解説します。

固定資産税がかかる

空き家を資産として持ち続けていると、毎年固定資産税の支払い義務が生じます。固定資産税の基準日は1月1日で、その時点で不動産を所有している人に課せられる税金です。 空き家でも建物が建っていれば住宅用地とみなされ、固定資産税の減免が適用されます。しかし、空き家のまま放置を続けて「管理不全空き家」「特定空き家」に指定された場合、固定資産税が上がる可能性もあるため注意が必要です。

資産価値が下がる

空き家を放置しておくと、老朽化が急速に進んでしまいます。家は空間が密閉された状態が長く続くと、換気不足による劣化・ひび割れが起きやすくなります。また、ハチやシロアリなどの害虫が発生し被害を受ける可能性も高くなります。これらの原因により、建物が劣化してしまうと、資産価値が下がってしまうのです。資産価値が下がると高値で売却ができず、更地にする費用や修繕費用が必要になる可能性もあります。

建物の一部が損壊する、または倒壊のおそれがある

空き家を長期間放置すると、建物が劣化して一部が壊れたり、倒壊するリスクが高くなります。台風や地震などの自然災害発生時に屋根や外壁材が飛散する可能性もあるでしょう。
空き家の損壊や倒壊によって、近隣住民や通りかかった人が事故に遭ったり怪我をしてしまった場合、空き家の所有者が責任を負わなければなりません。

犯罪の温床になる

空き家は人の気配がないため、不審者の侵入や放火、不法投棄などの犯罪の温床になる危険性があります。建物の戸締りをしていても、ガラスやドア、鍵を壊して侵入し、家の中を荒らされたりすることがあるのです。
また、犯罪拠点として利用されるなど大きなトラブルに発展する可能性もあり、注意が必要です。

空き家となった実家の固定資産税は減免できない?

不動産の区分 特例措置の適用 固定資産税 都市計画税
住宅用地 小規模宅地
(200m²以下の部分)
あり 課税標準額 × 1/6 × 1.4% 課税標準額 × 1/3 × 0.3%
一般宅地
(200m²超の部分)
あり 課税標準額 × 1/3 × 1.4% 課税標準額 × 2/3 × 0.3%
更地 なし 課税標準額×1.4% 課税標準額×0.3%
管理不全空き家 なし 課税標準額×1.4% 課税標準額×0.3%
特定空き家 なし 課税標準額×1.4% 課税標準額×0.3%

空き家を所有していると固定資産税と地域によっては都市計画税がかかります。

住宅用地には固定資産税、都市計画税の特例措置が設けられているため、適用された場合は最大で1/6まで減税されます。この特例措置は空き家であっても適用されますが、管理不全空き家・特定空き家に指定された場合は特例措置の適用対象外となり減税されず、固定資産税は6倍、都市計画税は3倍になります。

このようなリスクを避けるために「空き家の解体」を選んだ場合も、「住宅用地」とはみなされず更地となるため、特例の対象外となり土地の固定資産税が上がります。結果的に空き家解体前よりも税金が上がってしまう可能性があるため、更地にする場合は早期売却の是非や解体のタイミングなどを検討することをおすすめします。

特定空き家、管理不全空き家となったら

では、実家の空き家が特定空き家、管理不全空き家に指定された場合、どうすれば良いのでしょうか。
特定空き家とは、以下の定義に該当する空き家を指します。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空き家に指定された場合、市区町村から指導された結果改善されず勧告を受けると、住宅用地特例の対象除外となってしまいます。

管理不全空き家は、以下に当てはまる空き家を指します。

  • 適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認められる空家等

管理不全空き家は、市区町村から指導・勧告を受け、勧告に従わない場合は住宅用地特例の対象除外となります。
特定空き家、管理不全空き家となった場合は、「指導」を受けた時点で空き家の状態を改善できるよう、早急に対策をしましょう。

さらに、命令に従わない場合は罰金が科せられ、行政代執行となった場合には解体費用を負担しなければなりません。特定空き家や管理不全空き家にならないよう、空き家を放置せずに適切に管理し、活用方法を検討する必要があります。

引用:管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)

空き家を管理する方法

空き家の活用用途がすぐに決まらなかったり、売却を決めたものの売れるまで時間がかかったりするケースもあるでしょう。その場合は、空き家をそのまま放置せず適切に管理する必要があります。ここでは、空き家を管理する方法について解説します。

空き家を自分で管理する

空き家を自分で管理する場合は、空き家へ定期的に出向き、状態の把握と維持管理の実施が必要です。
空き家から突然物音がすると不審に思われる可能性があるため、作業前に空き家の近隣住宅へ挨拶をすることが大切です。トラブルを防止するためにも、ご迷惑をおかけしていることがないか挨拶を兼ねて確認しましょう。次に室内の換気を行い、換気している間に敷地内の掃除や庭木の確認、空き家の周りの確認を行います。外壁などにひび割れや破損部分がないかしっかりと確認しましょう。その後、室内の掃除を行い、天井や床のひび割れや雨漏りなど、異常がないか確認します。

空き家管理サービスを活用する

住んでいる場所が実家から距離がある場合や自分で管理することができない、管理の時間を割けない場合などは、空き家管理サービスの利用がおすすめです。
空き家管理サービスを活用すると、空き家を定期的に巡回してくれるため、状態の変化に対して早急な対応が可能です。また、適切な管理を委託することで放置されている空き家だと判断されないため、放火や不法投棄、不法侵入などの犯罪リスクを軽減できます。

空き家管理には「HOME ALSOKるすたくサービス」がおすすめ

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空き家になった実家が住んでいる地域から遠い、管理に割く時間がないなど、自分で管理するのは難しいと感じる方は多いでしょう。空き家の防犯、管理を考えている方には、ALSOKの「HOME ALSOKるすたくサービス」がおすすめです。
「HOME ALSOKるすたくサービス」は、お客様に代わって敷地内の気になる箇所の確認や、郵便受けの整頓をおこない、犯罪が起こりやすい空き家をしっかり管理します。
さらに防犯面を強化したい方は不審者の侵入時にガードマンが駆けつける「るすたくセキュリティ」もご加入いただけます。
また一部離島や山間部を除き、全国にある空き家に対応。
実家の空き家管理にお困りの方は、ぜひALSOKにご相談ください。

まとめ

空き家をそのまま放置してしまうと、建物の劣化や倒壊のリスクが高まってしまうため、適切な管理・維持することが必要です。また、空き家は売却だけでなく賃貸、民泊として活用するなどの方法もあるので、立地やご自身の条件に合った方法で空き家を管理・活用しましょう。

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