菩提寺とは?檀家との違いやメリット・デメリット、探し方を解説
葬儀や法要、お墓などについて調べていると菩提寺という言葉を聞くこともあるでしょう。菩提寺の意味や役割について知らない、自分の家の菩提寺がどこなのかわからないという方は多いかもしれません。菩提寺に似た言葉として「檀那寺」「檀家」がありますが、菩提寺とは何が異なるのでしょうか。
この記事では、菩提寺について檀家との違いやメリット・デメリット、菩提寺の探し方について解説します。
目次
菩提寺とは?
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓があるお寺のことです。菩提寺には、葬儀や法要を依頼することができ、家族が亡くなった後は菩提寺にある先祖代々のお墓に納骨することが一般的です。菩提寺を持つことは必須ではありませんが、寺院墓地を購入する際、そのお寺を菩提寺とすることが条件となる場合もあります。また、菩提寺を持っている方は、菩提寺の宗派を信仰しているということになります。
菩提寺と檀那寺の違い
檀那寺(だんなでら)は、お布施をお渡しして経済的な支援をしているお寺のことを指します。必ずしも檀那寺に先祖のお墓があるわけではありません。一方、菩提寺は、経済的な支援の有無は関係なく、葬儀や法要をお願いするお寺のことです。つまり、菩提寺と檀那寺の違いは、経済的な支援の有無と葬儀や法要での供養を依頼できるかどうかです。
菩提寺と檀家の違い
檀家とは、特定の寺院に属して会費やお布施などを支払い、経済的に支援している家庭のことです。檀家は個人単位ではなく、「家」単位でなるのが一般的です。檀家になることで、お寺にお墓の管理を任せられる、供養や法要の対応が手厚くなるなどのメリットがあります。
しかし、檀家になるには入檀料やお布施などの費用がかかり、寄付を求められる場合もあるので注意が必要です。以下のコラムでは、檀家になる方法、やめる方法を解説しています。
菩提寺の必要性
必ずしも菩提寺を持つ必要はなく、菩提寺がない場合でも葬儀会社を通して寺院や霊園を紹介してもらい、葬儀や供養を行うことは可能です。全日本仏教会・大和証券株式会社による「仏教に関する実態把握調査」では、住んでいる地域と同じ地域に菩提寺を持っている方の割合は41.1%となっています。宗教への信仰心が薄れてきていることや、お墓の継承が難しいなどの理由から菩提寺を持つ家庭が少なくなっているのが現状です。
出典:「仏教に関する実態把握調査(2022年度)」(公益財団法人全日本仏教会・大和証券株式会社)
菩提寺を持つメリット
その家の跡継ぎがいないことや宗教的価値観の多様化により、菩提寺を持つ方は減ってきています。ここでは、現代において菩提寺を持つことのメリットについて解説します。
葬儀や法要を依頼するお寺を探す必要がない
菩提寺を持っていると、突然家族が亡くなった場合でも葬儀を速やかに手配できます。葬儀会場を探したり、読経してもらう僧侶を手配したりといった手間を省略でき、手続きや準備の負担が減るため、故人との別れの時間をしっかりと確保できます。葬儀会社からお寺を紹介してもらうことも可能ですが、菩提寺を持っていると葬儀や法要、納骨までスムーズに行うことができます。
普段から仏事に関する相談にのってもらえる
菩提寺では、仏事に関してわからないことがあれば普段から気軽に相談できます。葬儀や法要におけるマナーや地域によって異なるしきたりなども教えてくれるので、安心して仏事を行えるでしょう。
家族が亡くなり葬儀やお墓についてわからないことがある場合も菩提寺が相談にのってくれるため、遺族にとって心強い存在といえます。
お墓の心配がいらない
菩提寺を持っており、先祖代々のお墓を継承している場合、亡くなった後はそのお墓に入ることになるため、お墓の購入にかかる費用負担や手続きがありません。新しくお墓を購入するとなると、費用がかかるのはもちろん、お墓を建てる場所を探すなど準備に時間や労力がかかります。
菩提寺を持つデメリット
では、菩提寺を持つデメリットはどのようなものがあげられるでしょうか。
お墓の維持管理は自分たちで行う必要がある
菩提寺を持ったからといって、お墓の維持管理をすべて任せられるわけではありません。菩提寺が行うのは墓地全体の管理で、個々のお墓の維持管理は自分たちで行う必要があります。お墓自体の掃除や周囲の草刈りなどは、所有者が行わなければなりません。
また、永代供養付きのお墓でない限り、お墓を継承していかなければなりません。菩提寺が住まいから遠い、仕事が忙しいなどの理由でお墓の維持管理が難しい場合は、「墓じまい」をして、永代供養墓へ改葬する方法もあります。
管理費用が発生する
菩提寺を持っている場合は、管理費などの名目で建物や設備の費用、お墓の維持管理にかかる費用を支払う必要があります。管理費は、お墓がその菩提寺にある限り継続的に支払わなければならない費用です。そのため、管理費の支払いがお墓を継承する際の負担になることも多くなっています。寺院によって管理費が異なるため、お墓を購入する際に確認しておくと良いでしょう。
菩提寺の宗旨宗派にあわせた葬儀を選択する必要がある
菩提寺を持っている場合でも、ほかの寺院で葬儀を行うことは可能ですが、他の宗派で葬儀を行った場合、菩提寺に納骨できない可能性があります。例えば、他の宗派の戒名が付いていると納骨ができず、菩提寺が属する宗派の戒名への付け替えをしなければならない場合もあります。
菩提寺に納骨ができないと、その後の法要に影響してしまうため、菩提寺以外で葬儀や法要を行う場合は、事前に菩提寺に相談すると良いでしょう。
菩提寺の探し方
菩提寺を持っているかわからない場合は、親族・親戚に確認するのがもっとも判別しやすい方法です。一家族だけでなく、親戚も同じ寺院を菩提寺としていることが多いため、有効な方法といえます。
菩提寺を持っていなかった場合は、どのような方法で菩提寺を新たに探せば良いのでしょうか。
親戚や親しい人に紹介してもらう
実家の宗派がわかる場合は、できる限り同じ宗派の親戚や親しい人に相談すると良いでしょう。同じ仏教でも宗派が変わると供養の仕方や読経の仕方などが異なるため、同じ宗派のお寺を紹介してもらうことをおすすめします。
ご家族が存命なうちに話し合っておくことも大切です。
葬儀会社に紹介してもらう
葬儀を行う際に、葬儀会社が手配したお寺を菩提寺にする方法もあります。葬儀で読経を依頼したからといって、必ずしも手配されたお寺を菩提寺とする必要はありませんが、紹介してもらったお寺の僧侶が信頼できると感じたのであれば、その寺院を菩提寺としても良いでしょう。
手配してもらう際、宗派を指定したい場合は葬儀会社に伝えましょう。
菩提寺を変更・離檀する際の注意点
菩提寺が遠い、お墓の維持管理が困難、改宗などの理由により、菩提寺を変更する、または関係を解消(離檀)することは可能です。改葬や墓じまいには手続きが必要となるため、できるだけ早めに菩提寺に相談しましょう。
菩提寺を変更・離檀する場合は、マナーとして菩提寺に離檀料をお渡しするのが一般的です。離檀料とは、これまでお世話になった菩提寺への感謝の気持ちを示すお布施のことです。トラブルにならないよう、親族・親戚の了承を得た上で、菩提寺としっかりと話し合い同意を得ることが大切です。
高齢の親や家族の見守りにはALSOKの「みまもりサポート」がおすすめ
ご高齢の親と離れて暮らしている場合、火災や熱中症、急な体調不良など、もしもの時が心配だと感じている方は多いでしょう。ALSOKのみまもりサポートがあれば、体調不良などの緊急時に駆けつけ対応ができるので安心です。また、看護師資格を持つスタッフにいつでも健康相談をすることも可能で、熱中症注意喚起や緊急メールの受信もできます。その他、安否確認や位置履歴情報の確認などのオプションサービスも充実しています。
コントローラーは高齢の方でも操作しやすいデザインで、据え置き設置も可能なため身近な場所に置いて使うことができます。離れて暮らすご高齢の家族のサポートや見守りを考えている方は、ALSOKのみまもりサポートの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、葬儀や法要で供養を依頼できるお寺のことをいいます。必ずしも菩提寺を持つ必要はありませんが、葬儀や法要の際に依頼するお寺を探す手間がかからず、先祖代々のお墓があれば納骨の準備などの負担を軽減できます。
菩提寺を新たに探す際は、親族・親戚や葬儀会社に相談して信頼できるお寺を菩提寺にすると良いでしょう。