祥月命日とは?月命日との違いや適したお供え物についてご紹介
祥月命日は、故人を偲ぶ大切な日です。しかし、祥月命日にどのような供養をすれば良いか分からないという方もいるでしょう。祥月命日は、月命日との違いはあるのでしょうか。また、祥月命日に適したお供え物やマナーについて知りたい方もいるでしょう。
この記事では、祥月命日について、月命日との違いや適切なお供え物について解説します。
目次
祥月命日(しょうつきめいにち)とは
祥月命日とは、故人の一周忌以降1年に1回訪れる、故人の没年月日と同じ月日のことを指します。祥月命日以外に「忌日(きにち・きじつ)」や「正忌日(しょうきじつ)」という呼び方もあります。例えば、2020年11月20日に逝去された場合、2021年以降、毎年11月20日が祥月命日となります。祥月命日は故人を弔い、供養するための大切な日で、法要やお墓参りに行くなどして供養をします。
「祥月命日」という言葉の由来は、もともと故人が亡くなった月を「正忌月」「正月」と呼んでいたところ、年明けの「正月」と混同を避けるために「祥」月としたことといわれています。中国では忌明けはめでたいことという考えがあるため、幸いをあらわす「祥」を使って忌明けの月を祥月と表しています。
命日・月命日との違い
命日とは、故人が亡くなった日(没年月日)のことです。「祥月命日」は毎年訪れる命日と同じ月日のことを指しますが、一般的には「祥月命日」のことを「命日」と呼んでいます。
月命日とは、故人が亡くなった日にちと同じ日のことです。故人が5月10日に亡くなった場合、毎月10日が月命日となります。月命日に祥月命日は含まれないため、月命日は1年に11回あるということになります。
祥月命日に行う供養
祥月命日にはどのように故人を供養するのでしょうか。祥月命日に行う供養は、宗派や地域、家庭によって異なりますが、ここでは一般的な供養方法について解説します。
年忌法要を行う
年忌法要は毎年行わず、故人が亡くなった1年後や6年後など節目となる祥月命日に行うのが一般的です。故人が亡くなってから1年後の祥月命日には一周忌法要を行い、2年後には三回忌法要を行います。その後、七回忌、十三回忌と三と七がつく節目に法要を行うのが一般的となっています。
特に、一周忌法要や三回忌法要は大切な節目とされているため、親族や故人と深いかかわりがあった人などを招いて行います。命日が平日の場合は、参列する方が来られるよう土日に調整することもあります。
法要を執り行う場合は、僧侶へ読経を依頼し、お布施を準備しておきましょう。日時や会場が決まったら、参列してほしい方に早めに連絡をとることが大切です。
年忌法要のお布施について
祥月命日に年忌法要を行う際は、僧侶へお布施を渡します。お布施の金額は、気持ちとして包むものであるため決まりはありませんが、一周忌の場合は3~5万円、三回忌から五十回忌は1~5万円を包むのが相場となっています。また、僧侶に法要会場まで来ていただく場合や、会食に参加されない場合はお布施の他に「お車代」「御膳料」が必要になります。それぞれ5,000円~1万円程を包んでお渡しするのが一般的です。
お布施を包む際は、紙幣の表側を上にして半紙に包み、奉書紙で紙幣を包みます。奉書紙がない場合は、市販の無地の白封筒に入れても良いでしょう。表書きは、奉書紙や白封筒の中央上部に「お布施」「御布施」と記入するのが一般的です。
年忌法要を行わない場合の祥月命日の供養
お墓参り
年忌法要を行わない場合の祥月命日には、お墓参りをされる方が多いでしょう。お墓参りでは、故人を偲ぶだけでなく、お墓周りの掃除、お供えも行います。お墓の掃除は柔らかいスポンジで墓石を水洗いします。固いたわしや石材用以外の洗剤を使用すると、墓石が傷ついてしまう場合があるため注意しましょう。
また、お供え物はお墓に置いたままにすると墓石の劣化やカラスなどに荒らされる原因となるため、持ち帰るのがマナーです。
卒塔婆を立てる
祥月命日に卒塔婆を立てることも供養のひとつです。卒塔婆とは、お墓の後ろに立てる細長い木の板のことで、卒塔婆を立てた日付や施主の名前が梵字で記されています。卒塔婆は故人への手紙ともいわれており、故人への感謝を表すとともに、残された方がこの世で善行を積む「追善供養」の形でもあります。
卒塔婆供養の相場は、1本3,000円から1万円程度で、宗派やお寺によって値段は異なります。卒塔婆を立てる際は、あらかじめ菩提寺に連絡を入れておきましょう。浄土真宗では卒塔婆は立てないため、注意が必要です。
また、卒塔婆は翌年に新しく立てる場合もあれば、しばらく立てたままにしておくこともあります。
自宅の仏壇に手を合わせる
自宅にある仏壇に手を合わせることも、祥月命日にできる供養のひとつです。仏壇の前に座って手を合わせ、日頃の報告や感謝を伝えると良いでしょう。
祥月命日には、手を合わせるだけでなく仏壇の掃除やお供えも行いましょう。掃除をはじめる前に手を合わせ、仏壇の中や仏具を柔らかい布で拭きます。掃除が終わったら仏具を戻し、手を合わせて掃除が完了した旨を報告しましょう。
祥月命日に適したお供え物
祥月命日の法要では、お供え物をするのが一般的です。ご遺族にお供え物をお渡しする際は、故人だけでなく、お供え物を受け取られる遺族の手間と都合を考えて選ぶ必要があります。
お菓子
お供え物としてはお菓子が適しています。和菓子であればおせんべいやまんじゅう、洋菓子であれば、マドレーヌやフィナンシェ、クッキー、カステラといった焼き菓子、ゼリーなど、日持ちするものや個包装になっているもの、常温保存できるお菓子が良いでしょう。故人が好きだったお菓子をお供えするのもおすすめです。
なお、偶数で割り切れる個数は故人とのつながりが切れると連想されるため避けましょう。遺族の家族構成などにも配慮して選ぶことも大切です。
季節の果物
お供えするものに迷ったら、季節の果物がおすすめです。特に丸い果物は縁起が良いとされており、りんごやメロン、スイカなどが選ばれます。常温で保存ができ、傷みづらい果物をお供えしましょう。
お供え物として贈る場合は、故人と縁が切れるという意味にならないよう、奇数個になるように包みましょう。また、果物をカットする場合も同様に、奇数個に分けるよう気をつけましょう。
お線香
消耗品であるお線香もお供え物としておすすめです。香りがついているものや煙が少ないものなど種類も豊富です。故人の好きな香りを選んだり、好みが分からない場合は、香りが控えめで煙が少ないお線香を選ぶと良いでしょう。
お花
故人やご先祖へ感謝の気持ちを表すため、お花をお供えするのもおすすめです。法要を行う祥月命日には、普段仏壇やお墓に飾るお花よりも華やかなお花を飾ることが多く、白を中心に淡く落ち着いた色の種類のお花が選ばれています。代表的な仏花としてはユリや菊、胡蝶蘭があげられます。また、長く日持ちするお花はかすみ草やカーネーション、トルコキキョウなどです。
知っておきたいお供え物のマナー
祥月命日のお供え物として、避けた方が良いとされる品物や選ぶ際に気をつけておきたいマナーがあります。お供え物として相応しくないものを選ばないように、お供え物のマナーを確認しておくことが大切です。
重さと大きさに注意する
お供え物の重さと大きさに注意しましょう。重くて大きいものはご遺族が持ち帰りにくいためできるだけ避けましょう。ご自宅に持参した場合でも、仏前にお供えするスペースをとることになり、ご遺族の迷惑になってしまいます。
お供え物には、重くないもの、かさばらないものを選ぶことが大切です。
肉・魚など殺生を連想させるものは避ける
肉・魚は殺生を連想させてしまうため避けましょう。加えて、単純に生ものは傷みやすいため、お供え物に適していません。また、ビールや日本酒などもご遺族がお酒を飲まない可能性もあるため、お供え物としては避けた方が無難です。故人や遺族がお酒を好きな場合は問題ありませんが、重くてかさばる場合は迷惑になるため避けましょう。
棘や毒のある花、造花は避ける
棘や毒のある花は仏花として不適切なため避けます。故人が好きだった花でも、お供えするのは避けましょう。近年は生花ではなく造花を使用する祭壇などもありますが、仏教では、お供え物は後に残らないものを選ぶとよいとされており、一般的に造花は葬送の場では控えるべきとされています。
日持ちするものを選ぶ
お供え物をすぐに消費するとは限らないため、なるべく日持ちするものを選びましょう。参列者に分けることも考え、小分けになっているものを選ぶとより良いです。
また、数日間お供えされるので、冷蔵保存が必要なものであると傷んでしまう可能性があります。そのため、お供え物には常温保存できるお菓子や果物が適しています。
お供え物は包装する
お供え物は必ず包装するのがマナーです。表書きは「御供」「粗供養」などが一般的で、水引は黒白または双銀の結び切りのものを使いましょう。
祥月命日のお供え物の相場はどれくらい?
祥月命日に適したお供え物やマナーについて解説しましたが、お供え物の相場はどのくらいなのでしょうか。ここからは、祥月命日のお供え物の相場について解説します。
お供え物の相場金額
お供え物の相場金額は、故人や遺族との関係性によって変わります。故人・遺族の友人や知人の場合は3,000円~5,000円程で、故人が身内にあたる場合は1万円~3万円程が相場となっています。
お供え物の金額は安すぎると配慮にかけてしまい、高すぎると遺族に気を遣わせてしまうので注意が必要です。また、お供え物は物ではなく現金を「お供物料」として包むのも近年は一般的になってきています。お供え物とお供物料どちらも渡す地域もあるため、事前に詳しい方や親戚などに相談しておくと安心です。故人や遺族との関係性が深い場合は、両方を準備しても良いでしょう。
お供え物ののしの書き方
お供え物にはのしをつけるのがマナーとなっています。のし紙は、黒白または双銀で、結び切りの水引がついたものを選びましょう。関西地方では、黄色の水引を使う地域もあるため事前に確認しておくことが大切です。のし紙には黒の墨で表書きを書き、上段に「御供」「粗供養」、下段に贈り主の氏名を書きましょう。
現金を包む場合は、表書きは「御供物料」または「御仏前」とします。
祥月命日の法要参列に関するマナー
祥月命日の法要に参列する際、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。祥月命日の参列に関するマナーについて解説します。
服装や装身具に気をつける
祥月命日の法要に参列する際は、服装や装身具に気をつけましょう。年忌法要の際の服装は、遺族は準礼装、参列者は略礼装にするのが一般的で、年忌法要のない場合(お墓参りのみなど)は、落ち着いた色の平服や普段着で問題ありません。年忌法要の際、遺族の意向により平服で良いとされた場合は、遺族の意向に従うのが良いでしょう。香りの強い香水はつけず、派手な色味の服装や露出の多い服装は避けます。
アクセサリーなどの装身具は、パールの一連ネックレスや結婚指輪などに留めておきます。平服の場合も、煌びやかなアクセサリーはつけないようにしましょう。
案内状の返事は早めに出す
祥月命日の年忌法要の案内状は、参加者の都合を考えて期日までに余裕をもって送りましょう。法要までに1ヵ月程度の余裕があると理想的です。
案内状を受け取った場合は、期日まで待たず速やかに返事を出すことが望ましいです。法要を執り行う側、参列する側どちらも日程に余裕をもつことで、法要の準備をスムーズに行えます。
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まとめ
祥月命日は故人の一周忌以降1年に1回訪れる、故人の亡くなった没年月日と同じ月日のことを指します。祥月命日には、法要やお墓参り、卒塔婆を立てるなどの供養を行い、お菓子や果物などをお供えします。仏壇に手を合わせるだけでも立派な供養になるので、祥月命日にはそれぞれ故人を偲び、冥福を祈ることが大切です。