相次ぐ緊縛強盗とは?緊縛強盗の被害事例や対策方法を解説
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昨今、「緊縛強盗」と呼ばれる強盗事件が相次いで発生しています。手荒な手口で犯行が行われており、ニュースなどでも頻繁に報道されているため、同居している家族や離れて暮らしている親などに被害が及ばないか、不安に感じている方は多いのではないでしょうか。また、自宅付近で実際に強盗事件が発生したという方もいるでしょう。
この記事では、緊縛強盗事件の被害事例や特徴、被害に遭わないための対策方法などについて解説します。
目次
急増する「緊縛強盗」とは
緊縛強盗とは、強盗犯が住宅に押し入り、住人の手足を粘着テープなどで縛り身体の自由を奪ったうえで、暴行をはたらき金品を奪う犯罪です。空き巣のように住人が留守の間を狙うのではなく、住人が在宅していて就寝中の深夜~早朝の時間帯に多く発生しています。
被害に遭った方は縛られるだけでなく、殴る蹴る・刃物での切り付けや連れ去りなどさまざまな暴行を受けており、命の危険もあります。
昨今の強盗被害の増加数
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強盗被害は、近年増加傾向にあります。警察庁の資料によると、平成26年から令和4年まで侵入強盗の認知件数は年々減少していたものの、令和5年には増加に転じています。住宅への強盗は、令和4年から認知件数が増加しており、令和5年は131件となっています。
また、令和6年の8月以降は「緊縛強盗」「闇バイト強盗」などと呼ばれる手荒な手口の強盗事件が相次いで発生している状況です。
緊縛強盗事件の事例
令和6年に発生した緊縛強盗事件の事例をいくつかご紹介します。
事例1 令和6年9月東京都国分寺市で発生した強盗致傷事件
東京都国分寺市で一人暮らしをしている60代女性の住宅に複数の男が侵入し、緊縛・暴行のうえで現金約550万円を奪った事件です。
女性は粘着テープで緊縛され、犯人が持参したハンマーで殴られて腕を骨折し、体中にあざをつくるなどの大ケガをしました。犯人グループは住宅の裏口から窓ガラスを割って侵入しており、早朝4時ごろの人気のない時間帯に犯行に及んでいます。
事例2 令和6年10月埼玉県所沢市で発生した強盗致傷事件
埼玉県所沢市に住む80代夫婦の住宅に、午前2時ごろ4人の男が侵入し、夫婦を緊縛し暴行を加えました。住人の男性は左腕を刃物で切り付けられケガをしています。犯人グループは、現金約8万円を奪い逃走しました。
この事件は、国分寺市の事件と同じ実行役、リクルーター役(実行役を勧誘する役割)が逮捕されています。
事例3 令和6年10月千葉県白井市、市川市で発生した強盗致傷事件
千葉県白井市の住宅で、70代の母親と40代の娘が縛られ、目隠しをされて全身を強く殴られるなどの暴行を受けた事件です。犯人グループは午前3時半ごろ窓ガラスを割って住宅に侵入しました。バッグや金庫から現金約20万円を奪ったうえ、軽乗用車を奪い逃走しています。
千葉県白井市で緊縛強盗事件が発生した翌日には、千葉県市川市の住宅でも就寝中だった50代女性が緊縛され、暴行を受けたうえで監禁される事件が発生しました。女性は埼玉県内に連れ去られましたが、当日に無事保護されています。同居していた70代の母親は、事件当日は夜勤のため不在でした。
緊縛強盗の特徴
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令和6年に連続して発生している緊縛強盗はいくつかの特徴があります。
SNSで闇バイトの実行役を募っている
昨今発生が相次いでいる緊縛強盗は「闇バイト強盗」とも呼ばれています。犯人グループは簡単に高額報酬を受け取れるとしてSNS上で「闇バイト」を募集し、犯罪の実行役を募っています。実行役は使い捨て要員とされ、指示役は匿名性の高いアプリで犯行の指示をするのみで顔をあわせません。
実行役となった人は安易な気持ちで闇バイトに応募しているケースや、戸惑いがあっても自分や家族へ被害が及ぶと脅迫されている場合があります。そのため指示役から「縛れ」「殴れ」などの指示を受け、手荒な手口を躊躇なく行ってしまう傾向があるのです。
闇リストを作成してターゲットを絞っている可能性がある
強盗や特殊詐欺の犯罪グループは、闇リスト・闇名簿と呼ばれる不正に作成された個人情報のリストを持っています。闇リストは「アポ電」や業者を装った訪問、下見、SNS投稿などによって情報をアップデートし、犯罪のターゲットをリストアップしています。
闇リストに載らないためには、他人に個人情報を漏らさない、安易に他人を家に入れないことが重要です。
在宅時に不審者に侵入された場合の対応
万が一、在宅時に不審者に侵入された場合は、身の安全を最優先に行動することが重要です。以下に具体的な対応策をまとめました。
命を守る行動をとる
在宅時に不審者が侵入してきた際には、まず自分の命を守ることを第一に考えましょう。危険な状況を避けるために、以下の点に注意してください。
- むやみに様子を確認しない
- 逃げても追いかけない
- 早く外に出る、もしくは鍵のかかる部屋に避難する
- 鉢合わせた場合は怒鳴らない
- 刺激をしない
不審者に侵入されたときは、刺激せずに逃げることが最優先です。強盗犯は凶器を持っている可能性もあるため、様子を確認したり反撃しようとしたりなど、相手を刺激する行為は避けましょう。
安全なところから110番通報する
安全な場所に避難したら、落ち着いて110番通報をしましょう。現在の状況や自宅の住所、犯人の特徴などを伝え、警察が到着するのを待ちます。このとき、物音がしなくなったからといって様子を確認しないように注意しましょう。犯人と鉢合わせをしてしまい、危害を加えられる可能性があります。
緊縛強盗の被害を防ぐための対策
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緊縛強盗は手足を縛られて自宅を荒らされ、金品を奪われるだけでなく、暴行により心身が傷つけられ、死に至る可能性もある危険な犯罪です。緊縛強盗の場合は住宅に人がいても構わず侵入してくるため、複数の防犯対策を組み合わせることが重要です。被害に遭わないための対策例をご紹介します。
他人に個人情報を話さない、家の中に入れない
強盗犯は入りやすい家を下見し、家族構成や在宅時間、侵入のしやすさ、逃げやすさなどを事前にチェックしている場合があります。また、上述したように個人情報の記載された闇リストから資産状況や家族構成、現金の有無などの情報をアップデートしています。役所や税務署、警察署など行政機関の職員になりすまして電話をかけたり、リフォーム業者を装って訪問したりするケースがあります。安易に他人に個人情報を話したり、家の中に入れたりしないようにしましょう。
高齢のご家族とは、不審な来客や電話があった際の対応について話し合っておくと良いでしょう。電話対応に不安がある場合は、固定電話に迷惑電話防止機器を取り付ける方法も有効です。
在宅中であっても施錠を忘れない
在宅中であっても、玄関や勝手口のドアは必ず施錠しましょう。強盗は住人が在宅中に侵入してくることから、外出時だけでなく在宅中も施錠が必要です。就寝中も必ず施錠するようにし、在宅時でもなるべく施錠状態を保つことが大切です。
玄関や窓は補助錠などで二重ロックにする
玄関ドアや窓には、補助錠を取り付けることで防犯対策を行うのがおすすめです。補助錠を設置することで、メインの鍵を壊されたりピッキングされたりした場合でも、侵入までの時間を稼ぎやすくなります。
窓に防犯フィルムを設置する
窓には防犯フィルムを貼っておくと安心です。防犯フィルムを窓ガラスに貼るだけで割れにくくなるため、犯行を諦めるきっかけになり、侵入を遅らせることができます。
窓、玄関などの侵入口にCP部品を取り入れる
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強盗犯は、ドア本体をバールでこじ開ける、窓ガラスをハンマーで割るなど、手荒な手口で侵入してくるため、CP部品の導入によって侵入口を物理的に強化する対策が重要です。
CP部品とは、実証実験において泥棒の侵入攻撃に5分間以上耐えられるとみなされた防犯性能の高い建物部品のことで、簡単には切り破られない強固なつくりになっています。
CP部品は認定の証明として「CPマーク」が貼られているため、建物部品を購入する際はCPマークのある製品を選びましょう。
CP部品にはさまざまな種類があり、ご自宅の状況に応じて組み合わせて活用できます。
【CP部品による窓の防犯対策】
- 防犯ガラス
- 防犯フィルム
- 補助錠
- 雨戸・シャッター
- 面格子
【CP部品による玄関、勝手口の防犯対策】
- ドア
- ドア錠
センサーライトや防犯砂利、防犯カメラを取り入れる
センサーライトや防犯カメラを玄関や外から見える場所に設置することで、強盗犯が入りにくい家であることをアピールできます。また、裏口や塀の内側の窓付近など、死角になりやすい場所に防犯砂利を敷く方法もあります。
なお、昨今は防犯カメラが設置されていても構わず侵入する強盗犯もいるため、物理的な防犯対策と組み合わせる必要があります。
訪問者に対してはチェーンやドアガードをかけたまま対応する
心当たりのない訪問者に対応してしまった場合は、チェーンやドアガードをかけたまま対応するようにしましょう。不用意にドアを開けてしまうと、押し入られる危険性があります。
宅配は直接受け取らず、玄関前に置いてもらう
宅配業者から荷物を受け取る際は、対面での受け取りは避け、宅配ボックスを利用するか、玄関前に置いてもらうように依頼しましょう。これにより、不審者が配達員を装って侵入するリスクを減らすことができます。
万が一に備え、玄関に防犯ブザーを置いておく
不審者が侵入してきた場合に備えて、玄関付近に防犯ブザーを設置しておくのも有効な対策です。侵入を感知したら、すぐにブザーを鳴らし、周囲に異常を知らせることができます。防犯ブザーは、大音量で鳴るものが効果的です。また、電池切れにならないよう定期的に点検を行いましょう。
帰宅時、鍵を取り出す前に不審者がいないか確認する
帰宅時には、バッグやポケットから鍵を取り出す前に、周囲に不審者がいないか必ず確認するようにしましょう。不審者は、住人が鍵を開けて自宅に入るタイミングを狙って侵入を試みるケースもあります。もし不審な人物がいる場合は、一旦その場を離れ、警察に通報するなど、安全な行動をとりましょう。
あらかじめ逃げるルートを用意し、普段から確認しておく
不審者に侵入された場合に備えて、逃げるルートを事前に用意しておきましょう。玄関だけでなく、窓や勝手口など、複数の逃げ道を把握しておくことが大切です。また、実際に逃げる練習をすることで、いざという時も慌てずに対応できます。避難経路に障害物がないか、スムーズに逃げられるかなどを確認しておきましょう。
逃げられなかった時に備え、施錠して一時避難できる場所を確認しておく
避難経路の用意に加え、逃げられなかった時に備えて、自宅内で施錠できる安全な場所を確保することも大切です。寝室や書斎など鍵のかかる部屋で、一時的に避難できる場所を事前に決めておきましょう。避難場所に身を隠し、安全を確保することで、警察への通報など次の行動に移るための時間を稼ぐことができます。
ホームセキュリティを導入する
強盗対策に効果的なのが、ホームセキュリティの導入です。ホームセキュリティはご自宅に各種センサーを設置し、侵入や火災などへの警戒を行い、センサーが不審者の侵入などの異常を検知した際、自動で警備会社へ通報し警備員が駆けつけるサービスです。
ホームセキュリティは外出時だけではなく在宅中も使用できるので、安心して過ごすことができます。
また、ホームセキュリティを契約した警備会社のステッカーをご自宅に貼れるため、犯行の抑止効果も期待できます。
強盗対策にはALSOKのホームセキュリティ
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ご自宅やご家族を強盗の脅威から守るには、ALSOKのホームセキュリティの導入がおすすめです。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはALSOKの依頼駆けつけが利用できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に、自動でALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる機能があり、ホームセキュリティを日常生活にスマートに取り入れることができます。
在宅警備モードの活用
強盗対策には、在宅警備モードの活用をおすすめします。在宅警備を設定している場合、侵入された際に警報メッセージが流れるため犯人への威嚇となり、犯行を諦める効果が期待できます。また、住人の方が異変に気付くことで安全確保に努めることができ、ALSOKや警察の到着まで犯人に襲われるリスクを回避できる利点があります。
非常押ボタン
ALSOKのホームセキュリティではオプションで遠隔の非常押ボタンを追加できます。就寝時には非常押ボタンを枕元に置いておき、万が一の際に押すことでALSOKが駆けつけます。
ALSOKステッカー
ALSOKのホームセキュリティにご加入いただいた際、ALSOKとのご契約の証としてALSOKステッカーをご自宅に貼り付けさせていただきます。ALSOKステッカーは有効な防犯対策の一つとなります。
ALSOKのホームセキュリティは、戸建て住宅はもちろんのこと、アパート・マンションなどの集合住宅でも導入可能です。
ご自宅や、離れて暮らすご家族の強盗対策に、ALSOKのホームセキュリティを導入してみてはいかがでしょうか。
まとめ
緊縛強盗は令和6年になり急激に増加しています。なりふり構わず危険な手口で犯行に及んでいるケースが多いため、強盗対策は効果的なものをいくつか組み合わせて被害を防止する必要があります。ご自宅の状況にあった防犯対策を行い、ホームセキュリティを導入することで在宅時の安心につなげましょう。