介護認定調査とは?当日の流れから調査後の対応まで徹底解説!

高齢者・介護 2024.03.28
介護認定調査とは?当日の流れから調査後の対応まで徹底解説!

介護保険サービスを利用するためには、まず介護認定を受ける必要があります。市区町村の窓口への申請後、最初に行なわれるのが「介護認定調査」です。支援の内容は、この調査結果によって変わります。調査の目的や当日の流れ、事前準備のコツをご紹介します。

目次

介護認定調査とは?

介護認定調査は、市区町村窓口や地域包括支援センターで要介護認定の申請をしたあとに行われる、調査員による対象者の心身の状況調査です。利用できる支援の内容は要介護度によって変わってきます。

対象者の要介護度を判定するための調査

要介護認定の申請後、対象者の自宅に認定調査員が派遣されます。訪問調査当日は、対象者本人とその家族に聞き取りを行ったり、実際にさまざまな動作を行ってもらったりして、日常生活にどの程度のサポートが必要なのかを確認していきます。この調査結果は、介護認定審査会が要介護を判定する際の基準の1つとして使用されます。

要介護認定までの流れ

  1. 市区町村の窓口に要介護認定の申請をする。
  2. 認定調査員が訪問し、認定調査が行われる。
  3. 市区町村からの依頼により、主治医が心身の状況について意見書を作成する。
  4. 認定調査の結果と主治医意見書を元に、介護認定審査会による判定が行われる。
  5. 要介護度が決まり、判定結果が通知される。

そもそも「要介護度」って?

介護保険制度では、寝たきりや認知症などで常時介護を必要とする状態を「要介護」状態、日常生活に支援が必要であり、介護予防サービスが効果的な状態を「要支援」状態としています。この状態と程度を判定するのが要介護(要支援)認定です。介護保険で利用できるサービスの種類や量は、要介護(要支援)度によって変化するため、介護保険を利用する際にはまず要介護度を調査してもらい、認定を受ける必要があるのです。
要介護度は、要支援1〜2、要介護1〜5の7段階に区分されています。要支援1〜2の場合には介護予防サービス、要介護1〜5の場合には介護保険サービスを利用することができます。

要介護度の目安

要支援1 日常生活に必要な基本動作は行えるが、一部見守りや手助けが必要。
要支援2 歩行や立ち上がりなどの基本動作が不安定で、介護が必要になるおそれがある。
要介護1 歩行や立ち上がりなど、基本動作の一部に手助けが必要。やや認知機能の低下が見られる。
要介護2 風呂や排泄など、日常生活の一部に介助が必要で、認知機能の低下がみられる。
要介護3 日常生活全体に介助が必要で、立ち上がりや歩行などの基本動作に杖や歩行器、車いすなどを使用する。認知機能が低下し、見守りが必要。
要介護4 生活上のあらゆる場面で介助が必要。思考力や理解力に著しい低下がみられる。
要介護5 日常生活全般で介助を必要とし、意思疎通が困難。

訪問するのは「認定調査員」

認定調査員は市区町村の職員か、市町村から委託を受けた介護支援事業者・介護支援専門員が担当します。認定調査員には介護の実務経験や専門知識が求められるため、訪問時には調査員証や介護支援専門員証などの身分証を携行し、必ず提示をすることになっています。

要介護度の判定の基本となる要素

要介護度認定では、最初に2つの要素を使用したコンピュータ判定を行います。認定調査員が調査の結果を書き込んだ「認定調査票」主治医による「主治医意見書」が、要介護度判定の基本となります。
認定調査票は、「概況調査」「基本調査」「特記事項」の3つから構成されています。「概況調査」は現在受けているサービスの内容や頻度を確認し、家族の状況などを聞き取りします。「基本調査」は身体や生活機能など、あらかじめ決められた74項目の調査項目を評価します。「特記事項」は、調査の際に特別に配慮すべき点が見つかった場合に記載されます。
「主治医意見書」は、主治医が医学的な観点から介護の必要性を記述した書類です。主治医がいない場合は、自治体から紹介された医師の診断を受けて「主治医意見書」を出してもらう必要があります。
これらの情報からコンピュータが判定した結果をもとに、介護認定審査会による二次判定が行われ、最終的な要介護度が判定されます。認定調査によって作成される「認定調査票」は、要介護度を判定する際のベースの1つとなる、とても重要な文書です。

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介護認定調査の当日の流れ

調査時間は約1時間

原則として、対象者1人につき、1人の認定調査員が訪問調査を行います。調査時間は30分~1時間ほど。流れを把握してシミュレーションしておくことで、スムーズに対応し、正確な情報を調査員に伝えることができます。

家族や本人への「聞き取り」と「動作確認」が中心

認定調査では、基本調査の74項目について、家族や本人から聞き取りと動作確認を行います。
74項目を大別すると、「身体機能・起居動作」「生活機能」「認知機能」「精神・行動障害」「社会生活への適応」に関するものがほとんどです。具体的には、「麻痺や関節の動き」「寝返り・起き上がり・歩行」「入浴・排泄・食事」「衣類の着脱」「金銭管理」「視力・聴力」「物忘れ・徘徊などの行動」などです。加えて、「14日以内に受けた医療」「日常生活自立度」を記載する項目があります。
それぞれの回答はチェック形式で記載されていきますが、心配ごとや困りごとなどを伝えると、特記事項として記載されることがあります。この特記事項も、要介護度を判定する際の判断材料になります。何か気になることや、不安に思っていること、困りごとなどがあれば、遠慮なく認定調査員に伝えましょう。

家族の立ち会いは必須?

介護認定調査において、調査員から「あなたは、~することができますか?」と聞かれれば、「できる」と言いたくなるのが人情です。実際、調査員の質問に対して、普段できていないことを対象者本人が「できる」と言ってしまったり、普段以上にがんばってやって見せたりしてしまうケースは、珍しくありません。しかし、そのために要介護度が実態に合ったものではなくなってしまうと、家族の負担が過大なものになるおそれがあるので注意が必要です。
日ごろの状態を適切に判定してもらうために、認定調査の際は、介護をしている家族が必ず立ち会い、正確な情報を伝えましょう。介護をしている側の手間や負担なども、とても重要な情報です。ささいなことでも、介護に関することはありのままに調査員に伝えて、現状をわかってもらうことが大切です。

事前に準備しておくべきことは?

質問事項は全国共通

認定調査での質問事項はあらかじめ決められており、全国共通です。事前に確認して回答を考えておくと、あわてずに対応することができます。ただし当日の調査では、調査員が適切な回答を得るために、質問する順番を前後させることもあります。
認定調査票の内容は以下のページで公開されているため、参考にしてください。

伝えたいことをメモしておく

病歴や、介護が必要となった経緯、日ごろの困りごとや心配ごと、普段の様子などを事前にメモしておきましょう。当日の伝え忘れを防ぐことができて、調査員もより正しい状況を詳細に把握しやすくなります。A4用紙1枚程度のメモを用意しておき、参考資料として調査員に渡すのもおすすめです。

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調査結果が出たら・・・

要介護・要支援度が決定します

認定調査票と主治医意見書を基に、コンピュータによる一次判定と介護認定審査会による二次判定が行われ、要介護認定がなされます。決定すると、住民票の住所に認定結果通知書と介護保険被保険者証が届きます。被保険者証には認定区分や認定の有効期間などが記載されているので、必ずチェックしておきましょう。
結果通知までにかかる期間は、通常、申請から約30日です。地域によっては、判定までにかかる時間が前後することもあります。

ケアプランを作成しよう

介護保険サービスを利用するには、ケアプランを作成する必要があります。要介護認定を取得しただけでは利用できないので、要注意です。まずはケアプラン作成事業者(居宅介護支援事業者)に連絡しましょう。そこに所属するケアマネジャーが利用者と面談し、ケアプランを作成していきます。
認定区分が要支援1〜2の場合には、地域包括支援センターで介護予防ケアプランを作成します。

審査結果が実情と食い違う場合は「区分変更」

審査結果に不服がある場合は、再調査も可能です。審査取り消しには時間がかかるため、「区分変更」を申請しましょう。不服申し立ては、都道府県に設けられた介護保険審査会に対して行います。結果通知を受け取った日の翌日から90日以内に行う必要があるため、注意が必要です。
ただし、再調査の結果が希望通りの区分になる保証はありません。主治医やケアマネジャーなど、周囲のプロに相談して準備をした上で、再調査に臨むことをおすすめします。

不安を抱え込まないことが大切

認定調査でもっとも大切なことは、対象者と家族の困りごとや不安を、調査員にしっかりと伝えることです。介護においては、家族の負担が大きくなりがちです。その負担を家庭内で抱え込んでしまうと、介護する側にとっても、される側にとっても、苦しい状況になってしまいます。困りごとや心配事は、認定調査員や主治医、地域包括支援センターやケアマネジャーなどに伝えて、介護のプロたちを頼りましょう。
たとえば、家族が同居できない、日中は家に一人にしてしまう・・・など、家族だけではどうしても対応できない心配事もあるでしょう。その場合は「みまもりサポート」などのサービスを利用するのも一つの手です。介護する側もされる側も安心して気持ちよく日々を過ごせるように、不安を一つずつ解消していきましょう。

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