全国治安ワーストランキング2019
住まいを選ぶときは利便性を考えることも大切ですが、安全に暮らすには治安についても注意しなければなりません。また、現在居住している地域も治安がどれくらいなのか知っておくのは重要なことです。そこで、ここでは警察庁が発表している「犯罪件数都道府県ランキング」の最新データを見ながら、地域の治安状態とともに空き巣の侵入経路や侵入手段についてもお伝えしていきます。
刑法犯全体の認知件数や検挙率、犯罪遭遇率のワーストランキング
警察庁が2019年に発表した「犯罪件数都道府県ランキング(調査は2018年)」を見ていくと、刑法犯全体の認知件数がもっとも多かったのは11万4492件の東京都です。2位が9万5558件の大阪府、3位が6万1件の埼玉県と続き、人口が密集した都市部に多いことがわかります。一方、検挙率で見るともっとも低いのは大阪府の22.5%で、2位が埼玉県の30.7%、3位は千葉県の31.3%です。犯罪認知件数で1位だった東京都の検挙率は32.8%で、ワーストランキングでは4位となっています。
しかし、治安の観点で考えた場合、重要なのは犯罪認知数より犯罪遭遇率です。犯罪認知数ではたしかに東京都が1位ですが、そもそも東京都は人口が多いうえにさまざまな企業が集中しています。人口密集地であれば、それだけ犯罪数が多くなるのは当然です。
では、総務省統計局が発表している2015年の国勢調査をもとに、都道府県の人口と照らし合わせながら犯罪遭遇率を見るとどうなるでしょう。1位は大阪府で、人口は約883万9000人と東京都より少ないですが、犯罪遭遇率は92〜93人に1人の割合です。2位は人口約1351万5000人の東京都で、118〜119人に1人の割合で何らかの犯罪に遭遇していることになります。そして、3位は人口が約726万7000人の埼玉県で、犯罪遭遇率は121〜123人に1人という計算です。
順位 | 刑法犯認知件数 | 刑法犯検挙率 | 刑法犯犯罪遭愚率 |
---|---|---|---|
1位 | 東京 | 大阪 | 大阪 |
2位 | 大阪 | 埼玉 | 東京 |
3位 | 埼玉 | 千葉 | 埼玉 |
4位 | 愛知 | 東京 | 兵庫 |
5位 | 神奈川 | 愛知 | 茨城 |
6位 | 千葉 | 京都 | 千葉 |
7位 | 兵庫 | 兵庫 | 愛知 |
8位 | 福岡 | 茨城 | 福岡 |
9位 | 北海道 | 岐阜 | 京都 |
10位 | 茨城 | 高知 | 岐阜 |
11位 | 静岡 | 静岡 | 愛媛 |
12位 | 京都 | 福岡 | 群馬 |
13位 | 広島 | 滋賀 | 三重 |
14位 | 宮城 | 福島 | 宮城 |
15位 | 岐阜 | 栃木 | 栃木 |
16位 | 群馬 | 北海道 | 奈良 |
17位 | 栃木 | 神奈川 | 滋賀 |
18位 | 三重 | 広島 | 高知 |
19位 | 新潟 | 三重 | 福島 |
20位 | 福島 | 岡山 | 静岡 |
21位 | 岡山 | 宮城 | 香川 |
22位 | 長野 | 石川 | 神奈川 |
23位 | 愛媛 | 山梨 | 広島 |
24位 | 滋賀 | 鹿児島 | 和歌山 |
25位 | 奈良 | 長野 | 岡山 |
26位 | 熊本 | 愛媛 | 山梨 |
27位 | 沖縄 | 岩手 | 新潟 |
28位 | 鹿児島 | 新潟 | 北海道 |
29位 | 山口 | 群馬 | 沖縄 |
30位 | 香川 | 香川 | 富山 |
31位 | 和歌山 | 熊本 | 佐賀 |
32位 | 富山 | 宮崎 | 長野 |
33位 | 石川 | 富山 | 石川 |
34位 | 宮崎 | 山口 | 徳島 |
35位 | 山梨 | 徳島 | 福井 |
36位 | 青森 | 福井 | 鹿児島 |
37位 | 高知 | 大分 | 山口 |
38位 | 長崎 | 沖縄 | 熊本 |
39位 | 山形 | 奈良 | 島根 |
40位 | 佐賀 | 青森 | 宮崎 |
41位 | 岩手 | 和歌山 | 鳥取 |
42位 | 大分 | 佐賀 | 山形 |
43位 | 福井 | 島根 | 青森 |
44位 | 徳島 | 長崎 | 大分 |
45位 | 島根 | 鳥取 | 岩手 |
46位 | 秋田 | 山形 | 長崎 |
47位 | 鳥取 | 秋田 | 秋田 |
こちらの図は縦軸に検挙率、横軸に犯罪遭遇率をとって各都道府県をマッピングしてみたものです。左下にいくほど治安が悪く、右上にいくほど治安がよいことを表しています。各都道府県の治安状態の目安がひとめでお分かりいただけるかと思います。
出典:警察庁「平成30年犯罪件数都道府県ランキング」をもとに自社にて作成
住宅侵入盗の認知数や検挙率、住宅侵入盗遭遇率のワーストランキング
住まいとしての治安を考えた場合、犯罪件数の中でも住宅侵入盗に絞って見ていく必要があります。犯罪全体でとらえてしまうと、詐欺や殺傷事件などさまざまな犯罪が含まれてしまい、住居としての安全性については正確に判断できません。住宅侵入盗の認知数では、ワースト1位が愛知県で2736件、2位は千葉県で2665件、そして3位は埼玉県の2595件と続きます。さらに、検挙率で見ていくと、ワースト1位は山梨県で25.1%、2位は岐阜県で32.1%、3位は徳島県で33.3%です。
しかし、住宅侵入盗の場合も、人口密集地であれば認知件数も多いのは当然のことです。重要なのは、件数よりも実際にどれくらいの割合で住宅侵入盗に遭遇しているかを知ることにあります。住宅侵入盗遭遇率のワースト1位は茨城県で、639軒に1件の割合で住宅に侵入されているという結果が出ています。2位は福島県で1073軒に1件という割合です。そして、3位は千葉県で、1087軒に1件の割合で住宅侵入盗が発生しているということです。
順位 | 住宅侵入盗認知件数 | 住宅侵入盗検挙率 | 住宅侵入盗犯罪遭遇率 |
---|---|---|---|
1位 | 愛知 | 山梨 | 茨城 |
2位 | 千葉 | 岐阜 | 福島 |
3位 | 埼玉 | 徳島 | 千葉 |
4位 | 東京 | 島根 | 宮城 |
5位 | 神奈川 | 静岡 | 愛知 |
6位 | 茨城 | 秋田 | 埼玉 |
7位 | 福岡 | 大阪 | 岐阜 |
8位 | 大阪 | 愛知 | 三重 |
9位 | 兵庫 | 石川 | 福岡 |
10位 | 北海道 | 岡山 | 群馬 |
11位 | 宮城 | 鳥取 | 山梨 |
12位 | 静岡 | 宮城 | 愛媛 |
13位 | 福島 | 北海道 | 栃木 |
14位 | 岐阜 | 茨城 | 佐賀 |
15位 | 群馬 | 栃木 | 兵庫 |
16位 | 三重 | 奈良 | 新潟 |
17位 | 新潟 | 和歌山 | 香川 |
18位 | 栃木 | 神奈川 | 静岡 |
19位 | 広島 | 愛媛 | 石川 |
20位 | 京都 | 新潟 | 神奈川 |
21位 | 愛媛 | 兵庫 | 奈良 |
22位 | 岡山 | 宮崎 | 岡山 |
23位 | 鹿児島 | 京都 | 鹿児島 |
24位 | 長野 | 千葉 | 和歌山 |
25位 | 奈良 | 富山 | 富山 |
26位 | 山梨 | 福島 | 高知 |
27位 | 熊本 | 鹿児島 | 山形 |
28位 | 石川 | 青森 | 広島 |
29位 | 香川 | 群馬 | 大阪 |
30位 | 佐賀 | 香川 | 福井 |
31位 | 和歌山 | 沖縄 | 熊本 |
32位 | 滋賀 | 熊本 | 長野 |
33位 | 山口 | 埼玉 | 京都 |
34位 | 富山 | 福井 | 東京 |
35位 | 山形 | 山口 | 北海道 |
36位 | 沖縄 | 岩手 | 滋賀 |
37位 | 岩手 | 高知 | 岩手 |
38位 | 高知 | 福岡 | 山口 |
39位 | 宮崎 | 佐賀 | 沖縄 |
40位 | 大分 | 三重 | 宮崎 |
41位 | 福井 | 長野 | 鳥取 |
42位 | 長崎 | 広島 | 徳島 |
43位 | 青森 | 山形 | 大分 |
44位 | 徳島 | 長崎 | 秋田 |
45位 | 秋田 | 東京 | 青森 |
46位 | 鳥取 | 大分 | 島根 |
47位 | 島根 | 滋賀 | 長崎 |
住宅への侵入の中でもっとも注意したいのは、在宅中に侵入されることです。空き巣のように、留守中の犯行であれば犯人と鉢合わせすることはありません。盗難被害にあうのは避けたいことですが、身体に危険が及ぶことは避けられます。しかし、在宅中に何者かが侵入する場合や侵入している最中に帰宅することがあれば、自分や家族が危険にさらされることになります。
こちらの図は各都道府県の住宅侵入盗の遭遇率と検挙率を先と同じようにマッピングしたものです。矢印は前年と大きくポジションが変わったことを表していて、たとえば秋田は右上にいたものが、右下にポジションが変わってきていることがわかります。つまり何らかの事情で大きく住宅侵入盗の検挙率が下がったことを表しています。滋賀、大分の治安状況が大きく改善されていることもわかります。
出典:警察庁「平成30年犯罪件数都道府県ランキング」をもとに自社にて作成
住居の中でももっとも多い侵入盗経路と侵入手段とは?
犯罪者に狙われない安全な暮らしを考える場合、まず知っておきたいのは侵入盗の経路になりやすい場所と侵入手段です。警察庁の発表では、一戸建住宅と3階建以下の低層マンションやアパートの場合、もっとも多い侵入口は窓ということがわかります。次いで多いのは表出入口で、一戸建住宅も低層マンションまたはアパートのいずれも同じです。侵入手段は無締りがもっとも多く、その次にガラス破りが続きます。無締りとは施錠をしない状態のことで、つまり鍵のかけ忘れによって侵入口を作ってしまっているということです。
侵入口 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 一戸建て住宅 | 共同住宅 (3階建て以下) |
共同住宅 (4階建て以上) |
|||
1位 | 窓 | 57.6% | 窓 | 53.3% | 表出入口 | 54.1% |
2位 | 表出入口 | 18.2% | 表出入口 | 34.8% | 窓 | 32.9% |
3位 | その他の出入口 | 15.8% | 不明 | 6.9% | 不明 | 9.7% |
侵入手段 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 一戸建て住宅 | 共同住宅 (3階建て以下) |
共同住宅 (4階建て以上) |
|||
1位 | 無締り | 46.5% | 無締り | 44.8% | 無締り | 48.1% |
2位 | ガラス破り | 37.7% | ガラス破り | 32.0% | ガラス破り | 17.3% |
3位 | 不明 | 4.9% | 合かぎ | 8.2% | 合かぎ | 13.4% |
出典:警察庁「住まいる防犯110番」
一方、高層マンションなど4階建以上の建物でもっとも多い侵入口は、表出入口という結果が出ています。もっとも多い侵入手段は無締りで、こちらも戸締りを怠ったことが原因にあげられます。高層マンションの場合、窓からの侵入は少ないと考えがちですが、それ以外に懸念されるのがオートロックを過信することです。たとえば、ゴミ出しのように短時間家を空ける場合に、鍵をかけないまま出てしまう人もいます。しかし、犯人はどこで見ているかはわかりません。住人のわずかな油断も見落とさず、ちょっとした隙に侵入されることが多いのです。
住まいを選ぶ場合には地域の治安を考えることも重要ですが、自分自身がまずしっかりと防犯意識を持ち、自ら侵入口を作ってしまわないよう注意しましょう。
防犯意識を高めながらホームセキュリティを導入しよう
どのように防犯対策を練ったとしても、不審者が住居に侵入する可能性をゼロにすることはできません。玄関や勝手口、窓などは侵入口になりやすい場所ですから念入りに対策を施しておく必要があります。
ホームセキュリティを導入すれば、侵入口を24時間365日センサーで見守ってくれます。侵入者が検知されればただちにガードマンが駆けつけるので、在宅中に侵入者と鉢合わせする可能性があることも考えると心強いです。
ALSOKのホームセキュリティなら月々3,850円からニーズに合わせてさまざまなプランを選択いただけます。お気軽にお問い合わせください。