福岡県治安ランキング2023 市区町村別の治安が良い地域と悪い地域は？

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福岡県福岡市　福岡タワーとシーサイドエリア

福岡県は、「北九州」「福岡」「筑後(ちくご)」「筑豊(ちくほう)」と大きく4つのエリアに分けられています。とくに福岡エリアは県庁所在地である福岡市があり、九州の中枢機能が集積している地域です。交通の利便性が良く、都市機能が充実しています。一方、北九州エリアは九州最大の工業集積を誇り、筑後エリアは農業や地場産業を展開している地域です。筑豊エリアは現在産業基盤や生活環境の整備が進められ、新たな産業展開が期待されています。福岡県は九州の中枢を担う都市であり、自然豊かな魅力あふれる県です。移住先としても人気が高く、居住を考える方も多いのではないでしょうか。

住まいを探す際に重要になるのがその土地の治安状況です。移住先や引っ越し先はできるだけ治安の良いエリアを選びたいものです。
本コラムでは、福岡県の治安の傾向や福岡県の治安ランキングを解説します。防犯対策も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

福岡県の犯罪の傾向

※刑法の一部が改正（令和5年7月13日施行）され、「強制性交等」は「不同意性交等」に、「強制わいせつ」は「不同意わいせつ」に変更されました（2024年4月現在）。

出典：警察庁や各都道府県警発表資料等を元に2022年における犯罪情勢を綜合警備保障株式会社が整理したもの

福岡県の刑法犯の犯罪遭遇率は、全国5位で178人に1件という結果になっています。全国的にみても犯罪に遭う確率の高いエリアといえます。なかでも、自転車盗は犯罪遭遇率が3位となっており、706人に1件発生している状況です。
すりも、前年度に比べて認知件数が倍増し、犯罪遭遇率は4位（前年5位）に上昇しています。
一方で、住宅や事業所への侵入盗の犯罪遭遇率をみると、他都道府県よりもリスクが低くなっていることが分かります。

福岡県の治安ランキング

※刑法犯遭遇率ランキングの順位に基づき色分けしています。
1位～10位を「水色」（治安が良い）
11位～27位「淡い緑」
28位～45位「黄色」
46位～62位「オレンジ」
63位～72位「赤」（治安が悪い）

刑法犯遭遇率：該当エリアの住民何人あたり1件の刑法犯罪が発生しているか
刑法犯認知件数：警察が犯罪の発生を認知した件数
刑法犯検挙率：刑法犯認知件数における検挙件数の割合

刑法犯遭遇率ランキング（低い順）
順位	エリア名称	刑法犯遭遇率
1	東峰村（朝倉郡）	461.25人に1件
2	みやこ町（京都郡）	367.33人に1件
3	岡垣町（遠賀郡）	328.66人に1件
4	筑前町（朝倉郡）	317.40人に1件
5	広川町（八女郡）	282.57人に1件
6	宗像市	278.67人に1件
7	みやま市	276.80人に1件
8	大木町（三潴郡）	268.94人に1件
9	上毛町（築上郡）	268.56人に1件
10	柳川市	263.85人に1件

刑法犯認知件数ランキング（少ない順）
順位	エリア名称	刑法犯認知件数
1	東峰村（朝倉郡）	4件
2	赤村（田川郡）	16件
3	上毛町（築上郡）	27件
4	大任町（田川郡）	36件
4	吉富町（築上郡）	36件
6	小竹町（鞍手郡）	39件
7	添田町（田川郡）	49件
7	みやこ町（京都郡）	49件
9	大木町（三潴郡）	51件
10	芦屋町（遠賀郡）	52件

出典：福岡県警察 福岡県刑法犯市区町村別認知件数「令和5年中【確定値】」
※刑法犯検挙率に関してはデータがないため記載なし

福岡県内で刑法犯認知件数がもっとも低いのは東峰村（朝倉郡）で、刑法犯認知件数は4件となっています。
一方で、刑法犯認知件数がもっとも多いのは福岡市博多区で3,034件でした。東峰村（朝倉郡）と比較すると刑法犯認知件数は約759倍で、同じ福岡県でもエリアによって差があることがわかります。

次に刑法犯犯罪遭遇率を治安の良し悪しの指標として、福岡県の治安の良い地区、悪い地区について詳しくみていきましょう。

治安の良いエリアTOP3

順位	刑法犯遭遇率（低い順）
1	東峰村（朝倉郡） （461.25人に1件）
2	みやこ町（京都郡） （367.33人に1件）
3	岡垣町（遠賀郡） （328.66人に1件）

出典：福岡県警察 福岡県刑法犯市区町村別認知件数「令和5年中【確定値】」

ここでは「治安の良いエリアTOP3」見ていきます。刑法犯犯罪遭遇率は計算式「(刑法犯認知件数)÷(人口)」により算出しています。

福岡県の刑法犯犯罪遭遇率でもっとも割合が低いエリアは「東峰村（朝倉郡）」でした。人口約2,000人の東峰村は、豊かな自然と四季折々の美しさが広がる棚田を楽しめる小さな村です。都会で薄れつつある人々のつながりを感じられ、移住する人も多いほど治安が良いエリアといえます。
2番目に低いエリアが「みやこ町（京都郡）」、3番目に低いエリアが「岡垣町（遠賀郡）」という結果でした。

治安の悪いエリアTOP3

順位	刑法犯遭遇率（高い順）
1	福岡市中央区 （72.83人に1件）
2	福岡市博多区 （79.86人に1件）
3	北九州市小倉北区 （92.23人に1件）

出典：福岡県警察 福岡県刑法犯市区町村別認知件数「令和5年中【確定値】」

ここからは「治安の悪いエリアTOP3」を見ていきましょう。
福岡県内で刑法犯遭遇率がもっとも高いエリアは「福岡市中央区」、次いで2番目に高いエリアが「福岡市博多区」、3番目に高いエリアが「北九州市小倉北区」です。
福岡市中央区は、市役所や金融機関、企業オフィスが集まり、九州最大規模の繁華街が広がるエリアです。さらに飲み屋街もあるため多くの人で賑わうことから、わいせつ行為や痴漢、不審者による犯罪が多い傾向にあります。
「福岡市博多区」「北九州市小倉北区」もビジネス街や繁華街があり多くの人がにぎわうエリアであることから、刑法犯犯罪遭遇率が高いと考えられます。

福岡県で犯罪被害に遭わないために

福岡県は刑法犯総数の認知件数が多く、全国で8位となっており、防犯対策の重要性は極めて高いといえるでしょう。

自転車盗に遭わないために

福岡県で発生した犯罪の中でもっとも多いのが「自転車盗」で、犯罪遭遇率は全国3位です。
福岡県警察によると令和5年は8,461件も発生しています。令和4年は7,239件、令和3年は5,480件であったため、ここ3年で右肩上がりに推移しています。
自転車は道路上だけでなく、自宅の駐輪場でも盗まれるリスクがあります。たとえ敷地内であっても安全の保障はないため、鍵の施錠を忘れないようにしましょう。たとえ短時間であっても自転車を停めて離れるときは必ず施錠し、鍵は「二重ロック」がおすすめです。そのほか、盗難防止グッズを活用したり保管場所に防犯対策を施したりするのも有効です。

出典：福岡県警察「二輪車の防犯対策」
令和5年の数値は暫定値

ひったくり・すりに遭わないために

ひったくり・すりも多発しています。時間帯は18時～23時の夜間、女性が一人で歩いているときにバッグを盗まれることが多いようです。外出するときは明るい道や人通りの多い道を選んで車道から離れて歩き、車道と反対側にバッグを持ち、バッグの開閉口をしっかりと閉めるなど意識しましょう。また、イヤホンで音楽を聴きながらスマホの画面を見ながら歩く「ながら歩き」は、バイクや車の接近、つきまといなどに気付きににくくなるため、やめましょう。その他、自転車に乗っている場合はカゴの荷物をひったくられないように防犯ネットを活用するのがおすすめです。

すりや置き引きへの対策は、ズボンの後ろのポケットに財布やスマホなどの貴重品を入れることを避け、貴重品や荷物は肌身離さず持ち歩くことです。持ち歩く必要がない荷物はロッカーなどに預けることもおすすめです。

出典：福岡県警察「ひったくり対策」

住宅侵入盗に遭わないために

福岡県では住宅侵入盗の被害も多く発生していて、刑法犯犯罪遭遇率は全国でも11位となっています。また住宅侵入盗の被害は、家の財産を奪われるだけでなく、状況によっては犯人と鉢合わせになり、暴行や脅迫等を受けることがあります。さらに強盗などの命に危険が及ぶ重大事件に発展することも考えられます。

住宅侵入盗の犯行手口は「空き巣」「忍び込み」「居空き」の3つに分けられます。

家人が留守の間を狙うのが「空き巣」で、家人が在宅中に住居侵入を図るのが「居空き」や「忍び込み」です。

福岡県の住宅侵入盗の被害では約7割が空き巣によるもので、集合住宅よりも戸建て住宅の被害が多くなっています。戸建て住宅の被害状況は約6割が無締り、約2割がガラス破りです。この2つは住居侵入に使われる代表的な手口で、無締りは戸締りを忘れた窓や玄関ドアから侵入を行い、ガラス破りはドライバーやライターなど器具を用いて窓ガラスを破って侵入します。

そのため住宅侵入盗の防犯対策は、玄関や居室の窓だけでなく浴室やトイレの小窓などの鍵かけを行うだけでなく、ゴミ捨てなどのちょっとした外出時でも鍵をかけることを徹底しましょう。また、ピッキングに強い錠への交換、ガラスに防犯フィルムを貼る、ホームセキュリティの導入といった対策を検討することをおすすめします。

出典：福岡県警察「住まいの防犯対策」

住宅侵入盗の手口や防犯対策については下記コラムでも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

住んでいるエリアの犯罪情報の確認方法

住んでいるエリアや引っ越し先などの犯罪情報を確認して、防犯に努めるのも有効的です。
以下の方法を活用して、福岡県の治安状態をチェックしておきましょう。

福岡県警察防犯アプリ「みまもっち」を活用する

県警が配信する「みまもっち」は、県内で発生した事件情報を通知するスマートフォン向けの防犯アプリです。現在地周辺で起きた事件情報を自動で通知し、発生場所を地図上に表示します。また、防犯ブザーや110番通報などの機能もあり、女性や子どもを性犯罪などから守ってくれます。

福岡県警察防犯アプリ「みまもっち」
https://www.police.pref.fukuoka.jp/seian/seian/pr-app.html

ふっけい安心メールバックナンバーを活用する

福岡県では、福岡県警察によって県内で発生した事件等の地域安全情報を配信している「ふっけい安心メールバックナンバー」を運営しています。いつ・どこで・どのような犯罪が発生したかといった事件情報の紹介とあわせて、同じような犯罪と遭遇しそうな場合の対策についても記載されているので活用しましょう。

ふっけい安心メールバックナンバー
https://www.anzen-fukuoka.jp/an2net/fmail_list.php

福岡県警察公式SNSを活用する

福岡県警の公式X（旧Twitter）のアカウント「福岡県警察本部生活安全総務課」では、特殊詐欺（ニセ電話詐欺）の抑止を目的とした情報を発信しています。また、公式YouTubeでは、どのような犯罪が起こっているのか、誰が被害に遭っているのかを動画で分かりやすく紹介しています。ご家族や身近な人が犯罪に巻き込まれないよう、定期的に注意喚起すると良いでしょう。

福岡県警察公式SNS
https://www.youtube.com/channel/UCmkVSYwtU2_1hKCq8zsEF8A
https://twitter.com/fukkei_koho

防犯対策はALSOKのホームセキュリティ

福岡県は刑法犯総数の認知件数は全国8位、刑法犯罪遭遇率は2015年以来7年ぶりの全国5位です。例年と比較すると、全国的に被害に遭う確率が高い犯罪もあり、防犯対策の必要性は高いといえます。