今日はおうちレストランごちそう猪レシピ

通年のレシピ

脂がのった秋~冬、脂が少なくあっさりとした春~初夏。猪肉をどの季節でもおいしく食べられる、定番にしたいレシピをご紹介します。

Recipe 1

猪の串揚げ

材料[4人分]

  • 串カツ

    猪ロース肉・・・100g
    塩水
     塩・・・3g
     水・・・300ml
    玉ねぎ・・・1/2個

    特製タルタルソース

    ゆで玉子・・・1個
    新生姜の甘酢漬け・・・10g
    きゅうり・・・1/4本
    マヨネーズ・・・適量
    塩・・・適量
    こしょう・・・適量

  • きんぴら巻き、チーズ巻き、アスパラガス巻き

    猪モモ肉スライス・・・100g
    きんぴら
     ごぼう・・・50g
     にんじん・・・30g
    サラダ油・・・5ml
    合わせ調味料
     酒・・・10ml
     砂糖・・・5g
     濃口醤油・・・15ml
    さけるチーズ・・・2本
    アスバラガス・・・4本

  • れんこんの肉詰め

    れんこん・・・100g
    肉詰めの生地
     猪ミンチ肉・・・50g
     玉ねぎ・・・10g
     カレー粉・・・小さじ1
     塩・・・少々
    衣(バッター液)
     牛乳・・・300ml
     小麦粉・・・200g
     卵・・・1個
    パン粉(細かめ)・・・適量

  • その他材料

    キャベツ・・・1/4個
    レモン・・・1/2個
    ミニトマト・・・4個
    大根・・・1/4本
    ポン酢・・・適量
    万能ねぎ・・・適量
    ソース・・・適量
    油、竹串

作り方

STEP1(下ごしらえ)

串カツ
  1. 猪ロース肉をひと口大に切る。筋があれば断ち切るように数か所包丁を入れる。塩水に約1時間つけ、揚げたときに水分が抜けて硬くならないようにしておく。

猪肉の下処理の方法についてはこちら

  1. 塩水から猪ロース肉を取り出し、水分を拭き取る。
  2. 玉ねぎは猪ロース肉の大きさに合わせて切る。
  1. 竹串で玉ねぎ、猪ロース肉、玉ねぎ、猪ロース肉の順番に打つ。
きんぴら巻き
  1. ごぼうとにんじんを細切りにする。
  2. 熱したフライパンにサラダ油をひき、ごぼうとにんじんを入れて中火でさっと炒める。
  3. 合わせ調味料を加え、からませる。
  1. ごぼうとにんじんがしんなりしたらバットにあけ、冷めたら猪モモ肉スライスで巻き、竹串で打つ(写真のような、先端が分かれている竹串でなくてもよい)。
チーズ巻き
  1. さけるチーズを3cmの長さに切る。
  2. 猪モモ肉スライスでさけるチーズを包み、竹串を打つ。このとき横ではなく縦に打つことで串が安定する。また、ふつうのチーズではなくさけるチーズの方が串が打ちやすい上、食べたときにチーズがのびるのを楽しめる。
アスパラガス巻き
  1. アスパラガスは表面の筋を剥き取る。
  2. 猪モモ肉スライスでアスパラガスを包む。アスパラガスは茎の部分を持って食べられるため、串は打たなくてよい。
れんこんの肉詰め
  1. れんこんは皮をむき、穴が見えるように端を切り落とす。水でさっと洗い、水分をふき取る。
  2. 猪ミンチ肉をボウルに入れ、塩とカレー粉を加えてよく混ぜ合わせる。
  3. 玉ねぎのみじん切りを加え、さらに混ぜる。
  4. れんこんの穴の開いた表面に肉詰めの生地を押し付けるようにして入れていく。れんこんが小さければ、肉詰めの生地にれんこんを何度も押し付けると、穴に肉が入っていく。穴に肉が詰まったら1.5cmの厚さに切り、竹串を打つ。
付け合わせ

キャベツはせん切りに、レモンはくし切りにする。大根は皮を剥き、おろし金ですりおろし、ポン酢と混ぜる。万能ねぎは細かく刻む。

STEP2(特製タルタルソース)

ボウルでゆで玉子を潰し、刻んだ新生姜の甘酢漬け、刻んで塩もみしたきゅうり、マヨネーズと混ぜ合わせる。塩とこしょうで味を調える。

STEP3(揚げ)

  1. ボウルに、バッター液用の牛乳と溶いた卵を混ぜ、小麦粉を加えてダマがなくなるまでしっかり混ぜ合わせる。
  2. 串を打った材料をバッター液に通し、バッター液がボタボタと垂れなくなるまでバット網の上に置いておく。
  3. パン粉をまんべんなくつける。
  4. 170℃に熱した揚げ油に入れて、じっくり揚げる。全体にきれいな揚げ色がつき、火が通れば引き上げる。

STEP4

器に竹串を拭いた串揚げを盛りつけ、キャベツ、レモン、ミニトマトを添える。

料理のポイント

玉ねぎを間に挟んだロース肉の串カツは、弾力が残りながらも歯切れのよい食感です。スライス肉は、きんぴら、チーズ、アスパラガスといろんな食材を巻くことで、味はもちろん、見た目にも変化を出せるので、ぜひお好きな食材を巻いてみてください。新生姜ときゅうりを加えた特製タルタルソースは、爽やかな味わいで猪肉にピッタリです。バッター液を使うことで、パン粉が全体に均一につき、揚げたあとも衣と身が剥がれにくくなりますよ。

Recipe2

猪のBBQリブ

材料[2人分]

猪バラ肉・・・400g
玉ねぎ・・・1個
にんじん・・・1本
セロリ・・・1本
にんにく・・・2片
塩・・・4g
水・・・適量

(バーベキューソース)

キャラメルソース
 グラニュー糖・・・60g
 水・・・60ml
トマトケチャップ・・・200ml
リンゴ酢・・・200ml
はちみつ・・・大さじ2
塩・・・大さじ1
にんにく(すりおろし)・・・1片分
玉ねぎ(すりおろし)・・・50g
タバスコ・・・大さじ1/2

(つけ合わせ)

フレンチフライドポテト
 じゃがいも・・・400g
 塩・・・適量
 油・・・適量
ハーブ入りサラダ

作り方

STEP1

  1. 猪バラ肉を長さ5cm、幅3cmくらいに切る。玉ねぎはくし形に、にんじんとセロリは5cmくらいの長さに切る。にんにくは皮つきのまま叩きつぶす。

猪肉の下処理の方法についてはこちら

  1. 鍋に(1)を入れて、ひたひたより少し多めの水を注ぐ。
  2. 強火にかけて、沸騰したらアクを取り除く。
  3. 塩を加え、軽く沸騰する火加減を保ちながら、猪バラ肉が柔らかくなるまで約20分ゆでる。途中、肉が液体から出てきたら、お湯を加える。

STEP2(バーベキューソース)

  1. キャラメルソースを作る。別鍋にグラニュー糖を入れて強火で熱し、カラメル状になったら火を消して、水を加える。
  1. (1)のキャラメルソースと、その他のバーベキューソース用の材料をすべて鍋に入れ、強火にかける。材料がすべて混ざってなじんだら、弱火にしてアクを取り除く。軽く濃度がつくまで3分ほど煮詰める。

STEP3(フレンチフライドポテト)

じゃがいもを幅2cmくらいに切り、表面のでんぷんをサッと洗い流す。
160~170℃に熱した揚げ油に入れて、下揚げする。
じゃがいもが浮き上がってきたら、竹串を刺して火通りを確認する。揚げ油の温度を180℃まで加熱し、おいしそうな揚げ色を付け、バットに取り出す。余分な油をきって、塩をふる。

STEP4

STEP1から肉だけを取り出し、オーブンの天板に載せる。バーベキューソースをかけて、しっかりからませる。予熱した200℃のオーブンに入れて15~20分焼く。ときどき肉の表裏をひっくり返し、バーベキューソースをからませる。
全体につやよく焼ければ、器に盛りつけて、ハーブ入りサラダを添える。

料理のポイント

じっくり焼かれたバラ肉にバーベキューソースがしっかり染み込み、噛むほどにジューシーな味わいを楽しめます。骨付き肉を使用して、手づかみでかぶりつくのもおすすめ。バーベキューソースはキャラメルソースを入れることで味に深みが出ます。キャラメルソースの代わりに砂糖や黒糖を入れてもOKです。お好みでミックススパイスやこしょうを入れたり、辛いのがお好きな方は、タバスコを多めに入れたり、チリパウダーを加えてみても。つけ合わせは、ガーリックライスやパン、ピクルスなどのさっぱりしたものも合いますよ。

Recipe3

猪の赤ワイン煮 味噌風味

(秋のレシピ『猪の味噌煮』をアレンジしたもの)

材料[4人分]

猪肉の味噌煮・・・4人分
赤ワイン(煮込み用)・・・200ml
水・・・160ml
ローリエ・・・1枚
タイム・・・2枝
にんにく・・・1片
コーンスターチ・・・適量
赤ワイン(仕上げ用)・・・160ml
塩、こしょう・・・適量

(つけ合わせ)

じゃがいものピューレ
 じゃがいも・・・200g
 牛乳・・・50ml
 バター(無塩)・・・10g
塩、こしょう・・・適量
イタリアン・パセリ・・・2枝

作り方

STEP1

仕上げ用の赤ワインを鍋に入れ、極弱火で煮詰める。鍋に焦げがつきそうになったら、水を付けた刷毛で剥がす(水で濡らしたクッキングペーパーでも可)。表面に鏡のようなつやが出たら火を止める。

STEP2

鍋に猪の味噌煮、赤ワイン(煮込み用)、水、ローリエ、タイム、にんにく(皮を剥いて半分に切る)を入れ、火にかける。
沸騰したらアクを取り除き、弱火で約15分煮込む。
STEP1を鍋に加え、コーンスターチを入れて、ひと煮立ちさせる。塩、こしょうで味を調える。

『猪の味噌風煮』のレシピはこちら

STEP3(じゃがいものピューレ)

じゃがいもは皮を剥き、別鍋に入れて、塩を加えてゆでる。竹串がスッと刺さる程度に柔らかくなったら、熱いうちに裏ごしする。
鍋に裏ごししたじゃがいもを入れ、牛乳とバターを加えて、極弱火で、練らないように気をつけながら混ぜる。混ざったら火を止めて、塩、こしょうで味を調える。

STEP4

じゃがいものピューレと大根を盛りつけ、猪の赤ワイン煮を盛る。ソースを流し、イタリアン・パセリを飾る。

料理のポイント

煮込み用とは別に、赤ワインを煮詰めて加えるのがポイント。赤ワインを鏡のように煮詰めたものを「ミロワール」(フランス語で「鏡」の意味)といいます。凝縮された赤ワインの風味が味噌の風味に浸透し、奥深い味になります。「鏡のようなつや」の見極めが少し難しいかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。じゃがいものピューレはひと手間ですが、これだけで一品料理にもなります。

Recipe4

じゃがいものニョッキ 猪のラグー和え

(上記のレシピ『猪の赤ワイン煮 味噌風味』をアレンジしたもの)

材料[4人分]

(じゃがいものニョッキ)

じゃがいも・・・250g
強力粉・・・75g
卵・・・1/2個
塩・・・少量
打ち粉(強力粉)・・・適量

(猪のラグー)

猪肉の赤ワイン煮 味噌風味・・・2人分
カットトマト(缶詰)・・・100g
水・・・50ml
バター(無塩)・・・10g

イタリアン・パセリ・・・2枝
パルメザンチーズ・・・10g

作り方

STEP1(じゃがいものニョッキ)

  1. じゃがいもの皮を剥き、2~3mmの薄切りにする。耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ600Wで8~10分加熱して、じゃがいもにしっかり火を通す。
  1. (1)をボウルに入れて、フォークでつぶすようにピューレ状にする。強力粉と溶き卵を加えてフォークで混ぜる。塩を加えて、手でひとまとめにして軽く練る。
  1. (2)を棒状にのばし、打ち粉をして、約2cm幅に切る。
  1. (3)をフォークの上に置き、親指で軽く押し付けて縞模様をつけながら丸める。

STEP2(猪のラグー)

フライパンに「猪の赤ワイン煮 味噌風味」を肉を崩しながら入れ、カットトマトと水を加える。弱火にかけて、トマトがなじむまで3分ほど煮込む。バターを加えて溶かし込む。

『猪の赤ワイン煮 味噌風味』のレシピはこちら

※写真は2人分の分量です。

STEP3

  1. 鍋に湯を沸かし、塩(湯の量の1%)を加える。沸騰した状態を保ちながら、じゃがいものニョッキをゆでる。ニョッキが浮き上がってくればゆで上がり。
  2. ゆで上がってきたものから「猪の赤ワイン煮 味噌風味」が入った鍋に入れて、しっかりとからめる。
※写真は2人分の分量です。
  1. 仕上げたニョッキを器に盛り、みじん切りにしたイタリアン・パセリとパルメザンチーズを振る。

料理のポイント

ニョッキは柔らかくもちもちとした食感で、猪肉ともよく絡み合います。練りを少なめにすれば軽やかな食感で、練れば練るほどプリッとした食感になるので、お好みの食感を見つけてください。ゆでたあと、油で絡めて冷凍保存もできます。ぜひ「猪の味噌煮」をたくさん作って、「猪の赤ワイン煮 味噌風味」や「じゃがいものニョッキ 猪のラグー和え」にアレンジしてみてください。

レシピ監修者

辻󠄀調理師専門学校 西洋料理教員

秋元 真一郎 氏

千葉県出身。1992年エコール 辻󠄀 東京(辻󠄀調グループ)卒業。
テレビ「料理天国」「どっちの料理ショー」、映画・ドラマの監修などメディア協力多数。
2017年より日本ジビエ振興協会との共催で、全国各地で国産ジビエ料理セミナーを行なうなどジビエの利活用促進に尽力。
農林水産省ジビエ利用拡大専門家チーム構成員。

辻󠄀調理師専門学校 日本料理教員

野中 覚 氏

東京都出身。2004年エコール 辻󠄀 東京(辻󠄀調グループ)卒業。
テレビ「二人の食卓」、ドラマ「高校生レストラン」などに協力。日本ジビエ振興協会との共催で、全国各地で国産ジビエ料理セミナーを行なうなどジビエの利活用促進に尽力。