長崎県治安ランキング2023 市区町村別の治安が良い地域と悪い地域は？

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長崎県長崎市 大浦天主堂

長崎県は、九州の西北端に位置していて、多くの離島や半島を有しているエリアです。県の総面積の約4割は島で、海岸線の長さは全国で2位となっています。鎖国していた江戸時代に唯一海外との交易の窓口となっていたため、西洋や中国などの影響を受けた独自の文化や歴史を感じられる観光スポットも多くあります。
長崎県は、寒暖差が少なく年中快適に過ごせる点や、地震が少ないことから移住先としても近年人気がでてきています。そこで長崎県への引っ越しを考えている場合、治安が気になる方は多いのではないでしょうか。
本コラムでは、長崎県の治安の傾向やエリア別の治安ランキングを解説します。防犯対策も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

長崎県の犯罪の傾向

※刑法の一部が改正（令和5年7月13日施行）され、「強制性交等」は「不同意性交等」に、「強制わいせつ」は「不同意わいせつ」に変更されました（2024年4月現在）。

出典：警察庁や各都道府県警発表資料等を元に2022年における犯罪情勢を綜合警備保障株式会社が整理したもの

長崎県の刑法犯罪遭遇率は、全国45位で407人に1件という結果になっています。全国の中でも刑法犯罪遭遇率が低いことから、犯罪に遭いにくいエリアだといえます。
犯罪種別に見ていくと、強制わいせつの犯罪遭遇率は前年度に比べて大きく増加していて、全国26位となっています。（前年41位）
また特殊詐欺の犯罪遭遇率は全国28位で4,531人に1件発生しています。認知件数は、2年間で3倍に増加している状態です。
一方で、住宅侵入盗や事業所等への侵入盗の犯罪遭遇率は低く、全国最下位という結果になっています。

長崎県の治安ベストランキング

※刑法犯遭遇率ランキングの順位に基づき色分けしています。
1位～4位を「水色」（治安が良い）
5位～8位「淡い緑」
9位～13位「黄色」
14位～17位「オレンジ」
18位～21位「赤」（治安が悪い）

刑法犯遭遇率：該当エリアの住民何人あたり1件の刑法犯罪が発生しているか
刑法犯認知件数：警察が犯罪の発生を認知した件数
刑法犯検挙率：刑法犯認知件数における検挙件数の割合

刑法犯遭遇率ランキング（低い順）
順位	エリア名称	刑法犯遭遇率
1	平戸市	887.23人に1件
2	新上五島町（南松浦郡）	848.68人に1件
3	南島原市	771.96人に1件
4	東彼杵町（東彼杵郡）	569.77人に1件
5	川棚町（東彼杵郡）	556.43人に1件
6	長与町（西彼杵郡）	523.95人に1件
7	島原市	493.52人に1件
8	雲仙市	439.80人に1件
9	小値賀町（北松浦郡）	423.80人に1件
10	壱岐市	407.60人に1件

刑法犯認知件数ランキング（少ない順）
順位	エリア名称	刑法犯認知件数
1	小値賀町（北松浦郡）	5件
2	東彼杵町（東彼杵郡）	13件
3	新上五島町（南松浦郡）	19件
4	川棚町（東彼杵郡）	23件
5	平戸市	31件
6	波佐見町（東彼杵郡）	37件
7	松浦市	51件
7	南島原市	51件
9	壱岐市	57件
10	佐々町（北松浦郡）	69件

出典：長崎県 毎月の推計人口 - 異動人口集計表 - 令和6年1月1日現在
長崎県警察 「犯罪統計（令和5年 確定値）」
※刑法犯検挙率に関してはデータがないため記載なし

長崎県の刑法犯認知件数を見てみると、もっとも少ないのは小値賀町（北松浦郡）で5件となっています。
一方で、刑法犯認知件数がもっとも多いのは長崎市で1,209件です。小値賀町と比較すると約242倍で、同じ長崎県でもエリアによって差があることが分かります。長崎市は、長崎県の県庁所在地であり、県内でもっとも人口が多いエリアです。国際観光都市に指定されていることから、年間を通じて多くの方が訪れます。

次に長崎県の治安の良い地区、悪い地区について詳しく見ていきましょう。

治安の良いエリアTOP3

順位	刑法犯遭遇率（低い順）
1	平戸市 （887.23人に1件）
2	新上五島町（南松浦郡） （848.68人に1件）
3	南島原市 （771.96人に1件）

長崎県で、もっとも刑法犯遭遇率が低いのは「平戸市」でした。平戸市は、長崎県の北西部に位置している田平町と平戸大橋を結ぶ平戸島を中心に、生月町や度島、的山大島といった島々から構成されています。地域の飼い犬で結成された平戸わんわんパトロール隊を実施するなどして防犯対策に努めています。

次に、刑法犯遭遇率が低いのが「新上五島町（南松浦郡）」です。新上五島町は、九州の最西端に位置する五島列島の北部に位置しています。令和5年の刑法犯認知件数も19件と少なく、刑法犯遭遇率も長崎県の市区町村の中で低い結果となっています。新上五島警察署ではX（旧Twitter）アカウントを開設し、防犯に役立つ情報を発信しています。

新上五島警察署 公式X
https://x.com/shinkamikun

3番目に、刑法犯遭遇率が低いのが「南島原市」です。南島原市は島原半島の南東に位置しており、手つかずの美しい自然や野生のイルカが泳ぐ海の絶景を楽しむことができます。南島原市では、防犯灯設置費用の助成や、自動車に青色回転灯を装備する青色防犯パトロールなどの防犯対策を実施しています。

治安の悪いエリアTOP3

順位	刑法犯遭遇率（高い順）
1	佐々町（北松浦郡） （200.65人に1件）
2	佐世保市 （266.55人に1件）
3	時津町（西彼杵郡） （297.65人に1件）

刑法犯遭遇率がもっとも高い場所は「佐々町（北松浦郡）」で、200.65人に1件でした。佐々町（北松浦郡）は、長崎県の北部に位置している、自然に囲まれているエリアです。西九州自動車道佐々インターの開通により、佐世保市中心部までアクセスしやすくなっています。商業施設も充実していることから、県北地域の人たちが多く行き交います。

次に刑法犯遭遇率が高いのは「佐世保市」でした。佐世保市は長崎県北部に位置していて、県内で2番目に人口が多いエリアです。九十九島、商店街など人が賑わう場所が多くあることから、刑法犯遭遇率が高くなっていると考えられます。

3番目に高いのが「時津町（西彼杵郡）」です。時津町は、長崎市の北部に隣接している町です。長崎市までのアクセスが良いことから、長崎市まで通勤や通学をする方も多くいます。大型ショッピングセンターもあり、近隣市町からも多くの人が集まるエリアです。

長崎県で犯罪被害に遭わないために

長崎県の犯罪遭遇率は、全国45位と、全国的にみても非常に治安の良いエリアです。しかし、刑法犯認知件数が増えている犯罪種別もあり、犯罪被害に遭わないための対策は必須といえるでしょう。

強制わいせつ（不同意わいせつ）被害に遭わないために

長崎県内での強制わいせつ（不同意わいせつ）の刑法犯認知件数は、令和5年で37件、令和4年では38件、令和3年は23件確認されています。令和5年・令和4年と、令和3年の認知件数を比較すると約1.6倍も増えていることが分かります。

宅時など1人で歩いている際は注意が必要です。夜に帰宅する場合は、明るい道や人通りの多い道を選ぶようにし、できるだけ1人で歩いて帰宅することは避けてください。
また、注意散漫になると狙われる傾向にあります。イヤホンなどで音楽を聞いたり、スマートフォンを操作しながら歩いたりするのはやめましょう。

出典：長崎県警察「刑法犯の状況 （令和5年 確定値）」
長崎県警察「刑法犯の推移（令和元年～令和5年）」
長崎県警察「痴漢被害防止」

住宅侵入盗被害に遭わないために

冒頭のランキング表によると、長崎県の住宅侵入盗の犯罪遭遇率は47位で比較的犯罪に遭いにくい県といえます。しかし令和元年の住宅侵入盗の刑法犯認知件数は80件確認されていたところ、令和4年は105件、令和5年は103件確認されており増加傾向にあるといえます。そのため、空き巣や居空きなどの住宅侵入盗に対する防犯意識を高めておくと安心です。

住宅侵入盗への対策は、戸締まりが基本です。ゴミ捨てなどちょっとした時間でも留守にする場合は忘れずに施錠しましょう。さらに玄関ドアをツーロックにすることで、空き巣に狙われにくくなります。

また、敷地の周りに隠れられそうな場所があると狙われやすいため、庭木の手入れや不用品の処分を行い、死角をつくらないようにしましょう。
センサー付きのライトなどの威嚇効果のある防犯機器を取り付けるのもおすすめです。

出典：長崎県警察「刑法犯の状況 （令和5年 確定値）」
長崎県警察「刑法犯の推移（令和元年～令和5年）」
長崎警察「空き巣狙い防止」

ニセ電話詐欺被害に遭わないために

長崎県警察では、特殊詐欺をニセ電話詐欺と呼んでいます。長崎県内では、ニセ電話詐欺の被害が年々増加しており、令和2年の認知件数は38件でしたが、令和5年は144件確認されています。
ニセ電話詐欺はさまざまな手口がありますが、長崎県内では、「架空料金請求詐欺」による被害がもっとも多くなっています（令和5年時点）。架空料金請求詐欺とは、「未払い料金があります。○日までに支払わないと、裁判になります」などと架空の事実を口実として脅し、金銭をだまし取る手口です。コンビニで電子マネーカードを購入し、カード番号を教えてほしいなどと指示された場合は詐欺の可能性が高いため、相手にしないようにしましょう。

また、オレオレ詐欺や還付金詐欺による被害もあります。オレオレ詐欺や還付金詐欺は、電話で案内されることが多いです。電話口で金銭やキャッシュカードの話が出たら、一旦電話を切り家族や知人などに相談するようにしましょう。知らない番号からの電話には出ないようにしたり、迷惑電話防止機器を利用したりするのもおすすめです。高齢のご両親や祖父母がいる場合は、普段からコミュニケーションを取るようにし、身内しか知らない合言葉を決めておくのも良いでしょう。

＜合言葉の質問の例＞

• あなたの得意料理はなんだっけ？
• 昔一緒に行った旅行だけど、どこに行ったっけ？
• 昔飼っていたペットの名前は何だっけ？

※回答は身内の間で決めておきましょう。

出典：長崎県警察「ニセ電話詐欺（特殊詐欺）とは」
警察庁SOS47　特殊詐欺対策ページ　特殊詐欺の手口

住んでいるエリアの犯罪情報の確認方法

住んでいるエリアや引っ越し先などの犯罪情報を確認して、防犯に努めるのも有効です。
長崎県の治安状態をチェックしておきましょう。

長崎県警察「安心メール・キャッチくん」を活用する

長崎県警察では、「安心メール・キャッチくん」というサービスを提供しています。子どもや女性を狙った犯罪やニセ電話詐欺の発生・被害防止に関する情報などがメールで配信されます。お住まいのエリアの犯罪状況を確認したい場合は、登録をおすすめします。

長崎県警察「安心メール・キャッチくん」
https://www.police.pref.nagasaki.jp/police/kurashi/mail/
登録方法
https://www.police.pref.nagasaki.jp/police/kurashi/mail/toroku-hoho/

長崎県警察「もってこいネットワーク通信」を確認する

います。ニセ電話詐欺に関する情報や、声掛け事案などの情報など、さまざまな犯罪に対する情報を長崎県警察のサイトから確認できます。防犯対策に役立つ情報をチェックしましょう。

長崎県警察「もってこいネットワーク通信」
https://www.police.pref.nagasaki.jp/police/kurashi/hanzai/mottekoi-2/

長崎県警察のSNSを活用する

長崎県警察では、公式SNSの各アカウントにて県内で発生した犯罪情報や、被害防止のための注意喚起となる情報などを発信しています。長崎県の犯罪情報や防犯対策について確認することができます。

長崎県警察 公式SNS
https://www.police.pref.nagasaki.jp/police/intro/kouhou/sns/

防犯対策はALSOKのホームセキュリティ

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