山口県の治安ランキング2023 市区町村別の治安が良い地域と悪い地域は？

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山口県岩国市 錦帯橋

山口県は中国地方の西側、本州の西端に位置する県です。北は日本海、西は響灘（ひびきなだ）、南は瀬戸内海・周防灘（すおうなだ）と三方を海に囲まれており、大きく瀬戸内海沿岸地域、内陸山間地域、日本海沿岸地域の3エリアに分かれています。その地形から、マリンスポーツなどを各地で楽しめ、新鮮な海の幸も堪能できます。県内の大部分は気候が温暖で、全体的に住み良い県といわれており、近年は都内からの移住地としても人気です。山口県への移住を考える際、確認しておきたいのが治安の状況です。
本コラムでは、山口県の治安の傾向や山口県市区町村別の治安ランキングを解説します。防犯対策も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

山口県の犯罪の傾向

※刑法の一部が改正（令和5年7月13日施行）され、「強制性交等」は「不同意性交等」に、「強制わいせつ」は「不同意わいせつ」に変更されました（2024年4月現在）。

出典：警察庁や各都道府県警発表資料等を元に2022年における犯罪情勢を綜合警備保障株式会社が整理したもの

山口県の刑法犯の犯罪遭遇率は、全国39位で349人に1件という結果になっています。全般的に全国平均よりも犯罪に遭う可能性が低く、検挙率も高い傾向にあるエリアです。しかし犯罪種別ごとの犯罪遭遇率はひったくりが全国12位となっており、268千人に1件発生している状況です。
また強盗の犯罪遭遇率は全国20位で、前年度に比べ倍増しています（前年39位）。
一方で、事業所等への侵入盗や放火の犯罪遭遇率をみると、他都道府県よりもリスクが低くなっていることが分かります。

山口県の治安ベストランキング

※刑法犯遭遇率ランキングの順位に基づき色分けしています。
1位～3位　水色（治安が良い）
4位～7位　薄い緑色
8位～12位　黄色
13位～16位　オレンジ
17位～19位　赤（治安が悪い）

刑法犯遭遇率：該当エリアの住民何人あたり1件の刑法犯罪が発生しているか
刑法犯認知件数：警察が犯罪の発生を認知した件数
刑法犯検挙率：刑法犯認知件数における検挙件数の割合

刑法犯遭遇率ランキング（低い順）
順位	エリア名称	刑法犯遭遇率
1	周防大島町（大島郡）	782.53人に1件
2	和木町（玖珂郡）	710.13人に1件
3	上関町（熊毛郡）	664.67人に1件
4	田布施町（熊毛郡）	598.78人に1件
5	美祢市	573.76人に1件
6	長門市	520.67人に1件
7	光市	485.17人に1件
8	阿武町（阿武郡）	481.50人に1件
9	平生町（熊毛郡）	447.20人に1件
10	周南市	343.66人に1件

刑法犯認知件数ランキング（少ない順）
順位	エリア名称	刑法犯認知件数
1	上関町（熊毛郡）	3件
2	阿武町（阿武郡）	6件
3	和木町（玖珂郡）	8件
4	周防大島町（大島郡）	17件
5	田布施町（熊毛郡）	23件
6	平生町（熊毛郡）	25件
7	美祢市	37件
8	長門市	58件
9	柳井市	96件
10	光市	99件

刑法犯検挙率ランキング（高い順）
順位	エリア名称	刑法犯検挙率
1	周防大島町（大島郡）	88.20%
2	阿武町（阿武郡）	83.30%
3	平生町（熊毛郡）	80.00%
4	田布施町（熊毛郡）	78.30%
5	長門市	69.00%
6	柳井市	66.70%
7	下松市	64.00%
8	山陽小野田市	60.70%
9	美祢市	59.50%
10	光市	54.50%

出典：山口県人口移動統計調査について「人口動態及び推計人口（月次，市町・県計，男女別）（令和6年1月）
山口県警察　山口県の犯罪情勢　市町別　刑法犯　認知・検挙状況「令和5年中　市町別　刑法犯」

山口県の刑法犯認知件数を見てみると、もっとも少ないのは上関町（熊毛郡）で認知件数は3件となっています。一方で刑法犯認知件数がもっとも多いのは下関市で816件です。下関市は山口県内でもっとも人口が多い市で、交通の利便性がよく観光スポットも多いことから県内外から人が訪れるエリアです。

次に山口県の治安の良い地区、悪い地区について詳しくみていきましょう。

治安の良いエリアTOP3

順位	刑法犯遭遇率（低い順）
1	周防大島町（大島郡） （782.53人に1件）
2	和木町（玖珂郡） （710.13人に1件）
3	上関町（熊毛郡） （664.67人に1件）

山口県でもっとも刑法犯遭遇率が低いのは、「周防大島町（大島郡）」で782.53人に1件でした。周防大島町は、山口県東部の瀬戸内海に浮かぶ本島の周防大島（屋代島）と、その周囲に浮かぶ5つの有人島、25の無人島からなる諸島です。周辺都市部へのアクセスも良好なため、住み良い島として注目されており、移住支援も積極的に行っています。周防大島町家房地区では、昼間・夜間にパトロールを行い単身高齢者世帯等への声がけを実施しています。

次に、刑法犯遭遇率が低いのが「和木町（玖珂郡）」です。和木町は町民が安心して暮らせるまちづくりのために、町内の交差点や道路沿いに防犯カメラを設置し、犯罪発生の抑止を図っています。
3番目に、刑法犯遭遇率が低いのが「上関町（熊毛郡）」で、刑法犯遭遇率は664.67人に1件でした。上関町は温暖で過ごしやすいエリアですが、山地や急斜面が多いため、町民が安心して暮らせるよう、防災・安全対策を行っています。

治安の悪いエリアTOP3

順位	刑法犯遭遇率（高い順）
1	宇部市 （249.05人に1件）
2	山陽小野田市 （274.62人に1件）
3	岩国市 （282.25人に1件）

刑法犯遭遇率がもっとも高い場所は「宇部市」で、249.05人に1件でした。宇部市は、山陽自動車道が市の中央部を走っており、山口宇部空港も市街地に近いなど交通環境が整っています。福岡市や広島市へのアクセスも良好なことから人の出入りが多く、刑法犯罪遭遇率が高くなっていると考えられます。
次に刑法犯遭遇率が高いのが「山陽小野田市」で、3番目に高いのが「岩国市」です。
山陽小野田市は、山陽自動車道やJR山陽新幹線などの交通網が整っておりアクセスしやすいエリアです。公園やキャンプ場などのレクリエーション施設が充実していて、多くの人が訪れます。岩国市は、山陽自動車道、JR山陽新幹線に加えて岩国錦帯橋空港もあり、東京へのアクセスも良く便利なエリアです。観光スポットとして有名な錦帯橋があり、人の出入りが多いことから刑法犯遭遇率が高いと考えられます。

山口県で犯罪被害に遭わないために

山口県は刑法犯罪遭遇率の順位は全国的に低いですが、ひったくりの犯罪遭遇率は全国12位と高い傾向にあります。その他犯罪遭遇率が全国的に高い犯罪もあるため、犯罪被害に遭わないよう防犯対策をとる必要があります。

すり・ひったくり被害に遭わないために

山口県ではすり・ひったくりの犯罪遭遇率が比較的高い傾向にあります。すり・ひったくりは、犯人が自転車やオートバイなどに乗って犯行に及ぶ場合もあります。路側帯などを歩く場合は特に注意しましょう。
すり・ひったくり被害に遭わないためには、バックは道路側の反対側に持つようにします。「ながらスマホ」や、イヤホンで音楽を聴きながら歩く行為は注意力が落ちてしまうため、控えましょう。その他にも、自転車のカゴにひったくり防止カバーやネットを装着する、夜間はできるだけ明るく人通りの多い道を選ぶなど、すり・ひったくり被害に遭わないように対策をすることが大切です。

出典：岩国市 犯罪被害を防ぐために防犯意識を高めましょう

強盗や住宅侵入盗被害に遭わないために

山口県では、強盗の犯罪遭遇率も高い傾向にあります。強盗は、暴力や脅迫を用いて他人の財産を奪う犯罪で、住宅侵入盗の犯人と対面してしまい、強盗被害に発展するケースもあります。
強盗や住宅侵入盗被害に遭わないために、不在時だけでなく在宅時も鍵をかけ、ごみ捨てなどのちょっとした外出時にも忘れずに戸締りをしましょう。防犯カメラやセンサー付きライトなどの防犯グッズの設置も有効です。
また、多額の現金を自宅に置いておくと、実際に侵入された際に被害が大きくなる可能性も高くなります。タンス預金は避け、必要以上の現金を自宅に保管しないようにしましょう。

出典：山口県 犯罪のないまちづくり/犯罪のない安全で安心なまちづくりの推進・防犯対策
山口県警察 侵入盗被害防止対策

うそ電話詐欺に遭わないために

山口県では、オレオレ詐欺や架空請求詐欺といった特殊詐欺を「うそ電話詐欺」と呼んでおり、近年うそ電話詐欺の被害が多く発生しています。令和5年中のうそ電話詐欺認知件数は84件で、前年よりは減少しているものの、1億7千万円以上の被害が報告されています。

うそ電話詐欺は、ターゲットとする人物に電話をかけるなどして信頼させ、指定した預貯金口座へ現金を振り込ませる、もしくはその他の方法により現金などを騙し取る犯罪を指します。山口県では特に、架空料金請求詐欺が多発しています。架空料金請求詐欺とは、未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭等をだまし取る（脅し取る）手口です。

電話で金銭やキャッシュカードの話が出たら、一旦電話を切り家族や知人などに相談するようにしましょう。また、「コンビニで電子マネーカードを買って」と言われたら詐欺だと覚えておきましょう。
知らない番号からの電話には出ないようにしたり、迷惑電話防止機器を利用したりするのもおすすめです。高齢のご両親や祖父母がいる場合は、普段からコミュニケーションを取るようにし、身内しか知らない合言葉を決めておくのも良いでしょう。

＜合言葉の質問の例＞

• あなたの得意料理はなんだっけ？
• 昔一緒に行った旅行だけど、どこに行ったっけ？
• 昔飼ってたペットの名前は何だっけ？

※回答は身内の間で決めておきましょう。

出典：警察庁SOS47　特殊詐欺対策ページ
山口県警察 うそ電話詐欺

住んでいるエリアの犯罪情報の確認方法

犯罪被害に遭わないために、住んでいるエリアや引っ越し先などの犯罪情報を確認して、防犯に努めるのも有効です。
山口県の治安状態をチェックしておきましょう。

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山口県内の各警察署から配信された犯罪や交通事故などの情報や、警察本部から配信されるうそ電話詐欺や子ども・女性安全情報をメールで確認できます。メールマガジンに登録して、日頃の防犯対策に役立てましょう。

山口県警察メールマガジン
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/site/police/10113.html

山口県警察「事件・事故ファイル」で犯罪情報を確認する

山口県警察のホームページから、犯罪情報を確認する方法もあります。ホームページにある「事件・事故ファイル」で、事件事故や犯罪情勢、重要事件などの犯罪情報を確認することができます。どなたでも確認することができるので、気になる情報がある際は活用してみてください。

山口県警察 事件・事故ファイル
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/site/police/list4-30.html

山口県警察公式SNSを確認する

山口県警察では、さまざまなSNSで情報を発信しています。山口県警察FacebookやYouTube山口県警察公式チャンネル、山口県警察X（旧Twitter）などで、防犯に関する情報などを画像や動画でわかりやすく発信しています。

山口県警察公式SNS運用一覧
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/site/police/10112.html

防犯対策はALSOKのホームセキュリティ

山口県の犯罪遭遇率は、全国39位と全国の中では低い傾向にありますが、犯罪遭遇率が高いものもあります。また、地域によって刑法犯認知件数にも差があるので、住んでいるエリアや引っ越し先の犯罪情報を確認することが大切です。