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AEDの使い方・使用方法と手順
〜救急トレーニング体験レポート〜
スポーツの秋にそなえてALSOKの救急トレーニングを受けてみた!
2018年8月28日時点の情報です
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AEDとは?
そもそも「AED(自動体外式除細動器)」とは、突然倒れた人を救うための医療機器です。
突然倒れる原因の多くは、「心室細動」とよばれる不整脈の一種です。
仕組み
「心室細動」を起こすと、心臓が細かくけいれんし、全身に血液を送ることができなくなります。
そこで、心臓に電気ショックを与え、ふたたび正常なリズムを取り戻すように働きかけるのがAEDなのです。
使い方・使用方法と手順
- 多くの人に助けを求める
- 119番通報とAEDの手配を要請
- 「呼吸の確認」をする
- 呼吸がない場合は「胸骨圧迫」を行う
- 訓練実施者がいる場合は「人工呼吸」を行う
- AEDが到着
- ケースを開けて電源を入れる
- 電極パッドを直接胸部に貼る
- 自動で心電図解析が始まります
- AEDの指示の通りにショックボタンを押す
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秋のマラソン大会を控えたぼっちゃんは、お父さんと一緒に「救急トレーニング」を受けてみることに! はたして2人は、AEDを使えるようになるのでしょうか?
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よろしくお願いします。 今日はこちらのマネキン(プレスタンCPRマネキンAL(※))を使ってレクチャーを行います。
じゃあまずは、AEDについて軽くおさらいしておきましょう!
そもそも「AED(自動体外式除細動器)」とは、突然倒れた人を救うための医療機器。突然倒れる原因の多くは、「心室細動」とよばれる不整脈の一種です。
「心室細動」を起こすと、心臓が細かくけいれんし、全身に血液を送ることができなくなります。そこで、心臓に電気ショックを与え、ふたたび正常なリズムを取り戻すように働きかけるのがAEDなのです。
総務省消防庁の統計によると、2016年中に心原性(心臓に原因があるもの)の心肺機能停止症例数は約7万5,000人で、1日に約205人が突然の心肺停止を発症している計算になります。そのうち一般市民に目撃されていた人は約2万6,000人でしたが、心肺蘇生が行われたのは約半数で、1ヵ月後の生存率は13%と低いのが現状です。
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では、さっそく実技講習に移りましょう! まず、目の前で人が倒れたとします。発見したら、近づいても危険がないか、周囲を確認。
続いて、肩を叩いて徐々に声を大きくしながら呼びかけますが、反応(意識)がありません!
こんな時、どうしたらよいと思いますか?
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いいえ、それはダメなパターンです。1人で救助を行うのではなく、必ず多くの人に助けを求めてください。というのも、心肺蘇生は時間との勝負だからです!
心肺停止の場合、蘇生の可能性は停止時から1分ごとに7~10%ずつ減るといわれ、たった5分経過しただけでも50%まで低下してしまうのです。だから心肺蘇生をなるべく早く、しかも継続して行うことが重要です。一方で、救急車が現場に到着するまでに時間がかかりますから、一刻も早く救急車を呼ばなくてはなりません。
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集まってくれた人たちに、「あなたは、119番通報をお願いします。あなたは、AEDを取って来てください!」という具合に役割を分担。救急要請やAED調達が行われている時にも、心肺蘇生を続けられる体制作りをスピーディに進めるのがベストです。
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指示を出したら、すぐに「呼吸の確認」を始めてください。AEDが到着するまでの応急処置は以下の通りです。
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(1)胸と腹部の動きを観察し、10秒以内で呼吸の有無を確認します。
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(2)普段通りの呼吸がない場合は、「胸骨圧迫」を行ってください。判断に迷ったらすぐ胸骨圧迫をしましょう。
(胸の中心に両手を置き、胸が5~6cm沈みこむくらいの力で、1分間あたり100~120回のテンポで圧迫します)
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(3)「人工呼吸」の訓練を受けたことがあり、実施が可能な場合は、「胸骨圧迫」と「人工呼吸」を30:2の比で行ってください。
(「人工呼吸」は、顎を持ちあげ、鼻をつまみ、約1秒かけて胸が浮き上がる程度に息を吹き込みます)
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「胸骨圧迫」を行う際は、5~6cmの深さで、一定のリズムで押してください。速さの目安は、およそ1分に100~120回です。
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「押す場所は、両脇の下を線(乳頭線)でむすんだとき、中央にくる『胸骨』と呼ばれる部分です」
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「手のひらの真ん中ではなく、手首の付け根の部分に力をかけるようにします」
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「ヒジを伸ばし、手はこんな風に重ねて、力を入れやすくしてくださいね」
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体重を乗せて胸を押しながら、目線は倒れた人の顔に。呼吸が戻ったことや発汗、表情の変化を見逃さないようにします。
では実際に、胸骨圧迫を練習してみましょう! このALSOK特別仕様のマネキンは、きちんとしたテンポで5cm以上沈み込むと、青いランプがつきます。お父さん、ためしに10回程度やってみてください。
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きちんと青ランプがついたのは5回程度でしたね。思ったより重労働でしょう? 大人の男性でも力を込めて押し続けられるのは1分程度。一方、救急車が出動要請を受けてから現場に到着するまでの所要時間は、平均8~9分程度と言われています。それまでの間を1人でやり続けるのは難しいので、交代しながら圧迫を継続するためにも、多くの人と協力する必要があるのです。
あばらは、折れることもあります。が、やめてしまえば心肺停止した人は亡くなります。ボキリと音がした、変な感触があったと思っても、できる限り続けてください。
ちなみに、「人工呼吸」は現在、ガイドライン上では「訓練を受けた人以外はしなくてよい」ということになっていますから、無理に行う必要はありません。
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ALSOKで扱っているAEDは、Philips社製の「ハートスタート」です。このAEDはとにかく賢くて、とっても優秀なんですよ! ――と、その前に、AEDを使った応急処置の方法をまとめておきましょう。
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(1)ケースを開けて、AEDの電源を入れます。
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(2)普傷病者の胸元をはだけ、電極パッドを直接胸部に貼ります。(貼る位置は、パッド表面のイラストに記載されています)
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(3)「貼り終えると同時に、自動で心電図解析が始まります。(電気ショックが必要かどうかは、AEDが判断します)
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(4)AEDの指示の通りに、ショックボタンを押してください。
(AEDが電気ショックの必要はないと判断すれば、ショックボタンを押しても電気は流れません)
その後の流れは、音声ガイドに従ってください。
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では、実際にAEDを触ってみましょう!
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いいところに気が付きましたね!
胸毛が濃くて、皮膚から浮いてしまう場合は、付属のテープで脱毛してください! カミソリで剃ってもいいのですが、皮膚を傷つけて出血してしまうと、やはり電極パッドがしっかり貼れません。脱毛がもっとも効率的だと思います。
そのほか、体が水に濡れていると、電気が体内を通らずに水のある表面を流れてしまって効果が発揮されません。貼る部分と電極の間を布などできちんとぬぐってください。ほかの部分は、濡れていても大丈夫ですよ。
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「解析ヲ中断シマシタ。身体(患者)ニ触レナイデクダサイ。」というガイダンスが流れ、もう一度解析をやり直します。が、時間のロスは極力なくしたいところ。必ずAEDのガイダンスに従ってください。心臓が拍動していて心室細動が確認できない場合は、「必要アリマセン」というアナウンスがあります。
ちなみに、この心電図解析システムは、救急隊に記録した心電図を渡すことも可能です。
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AEDが電気ショックの必要性を判断したら、電気ショックを与えるボタンが光ります。ガイダンスに従って、人が離れたのを確認して、ボタンを押してください。
電気が流れると、「ショックガ完了シマシタ。119番二電話シテ、救急車を呼ンダ所ヲ確認シテクダサイ。体二触レテモ大丈夫デス」とガイダンスが流れます。
「心肺蘇生法ノ手順ガ知リタケレバ、点滅シテイル青イボタン“i(アイ)ボタン”ヲ押シテクダサイ」という声のとおり、電源下にあるiボタンを押せば、胸骨圧迫や人工呼吸の方法を教えてくれます。
これで一通りの手順のレクチャーは終了です!
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とはいえ、救助はこれで終わりではありません。電気ショックが行われても、容体に変化がない場合は、救急隊が到着するまで、電極パッドを貼ったまま、ふたたび「胸骨圧迫」を行ってください。
2分経つと、AEDが自動的に心電図の解析をスタートします。心臓の拍動が戻って「必要アリマセン」といわれるか、「ショックガ必要デス!」というガイダンスが流れるまで、胸骨圧迫からの一連の流れを繰り返します。
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6歳以上なら問題はありませんが、未就学児の場合は、この付属のキーを差してください。
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こうすることで、与える電気ショックを子ども用に調整します。AEDによっては、スイッチなどで切り替えるものもありますよ。
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AEDは現在、病院、交番などはもちろん、空港、駅、学校、コンビニへの設置も進んでいます。富士山の山小屋にもあるんですよ。設置されているところを調べるには、投稿型の「日本全国AEDマップ」や、日本救急医療財団の「AED設置場所検索」が便利。ぜひ自宅や学校、会社周辺のAEDの場所を確認してみてください。
もちろん、ALSOKでもAEDを取り扱っています。プランは、「レンタル」「お買い上げ」「リース」の3種類。日夜を問わない24時間対応のサポートがあって、導入後の救命講習も受け付け中です。
その場にあるだけで、大切な人の命を救える可能性が高まるAED。法人のみなさまは、一度導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
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※「プレスタンCPRマネキンAL」は、ALSOKが独自にカスタマイズしたトレーニング用マネキンです。ALSOKの防犯・防災グッズ通販ショップ(http://guardman-shop.com/)でも購入できます。
★商品紹介
■AED (自動体外式除細動器)
■心肺蘇生訓練用マネキン (プレスタンCPRマネキンAL モニタ付)
★参考リンク
■ALSOKは社会貢献活動の一環として小学生やご高齢者の皆様にAEDや心肺蘇生法について知っていただくための出前授業や訪問講座を行っています。
・あんしん教室「人の命を助けるって何だろう」
・「高齢者をハードとソフトの両面から守ります
「HOME ALSOKみまもりサポート」の発売および高齢者向け講座の開始について」(ニュースリリース)
■ALSOK Official YouTubeチャンネルにて、「心肺蘇生法とAEDの使い方」の動画を公開しています。
・「心肺蘇生法とAEDの使い方(JRC蘇生ガイドライン2015版)」