昨今、子どもたちが企業での職業体験を通じて、社会のしくみを学習するキャリア教育の場が増えています。ALSOKでも2014年にFIFと共同で小学校5~6年生を対象とした職業体験を実施しました。一体どんなプログラムが行われているの? セキュリティの最前線を体験する子どもたちの一日に密着しました!
※本記事の職業体験の募集は終了しております。
――8月7日朝10時。
都内某所にある大きな建物にソロリ、ソロリと忍び寄る小さな人影が……。
センターの会議室には、小学校5~6年生たち19名がドキドキした面持ちで待機しています。
この職業体験は、企業と連携し社会貢献活動を行う「FIF」と「ALSOK」が共同で企画&運営するオリジナルプログラム。2013年に続き、2回目の開催となります。
警備業務は大きく4種類に分類されます。ホームセキュリティや大型商業施設を警備する「施設警備」、マラソンや花火大会などで人や車両などの誘導を行う「雑踏警備」、現金や有価証券などを運ぶ「輸送警備」、要人のボディガードなどを行う「身辺警備」です。
社会の安全安心を守るため、みんなの社会の裏方として頑張っているということを知ってもらえたら。ALSOKの仕事を紹介するナビゲーターたちは、そんな思いで臨んでいます。
まずはALSOKのことや警備業界がまるっとわかるクイズを開催。みんな元気に手を挙げてくれます。
子どもたちは、「おうちに住んでいる人」「おうちを見守る監視員」「かけつけるガードマン」の役にそれぞれ分かれて、いざ体験スタート!
まずは「おうちに住んでいる人」が、お出かけ前に自宅のセキュリティシステムをオン。
この警報は、「監視員」と「ガードマン」の元へと瞬時に転送されます。
一方、「おうちを見守る監視員」は、画像センサーがキャッチした不審者の画像を確認。センサー内蔵のスピーカーから、不審者を威嚇します。
「監視員」からの連絡を受けて現場へ到着したガードマンが、怪しい男を取り押さえました! が……。
そんな時も落ち着いて、「ガードマン」は「監視員」に連絡します。
ここ、「東京ガードセンター」は、オフィスや店舗、ご家庭などに設置されたセキュリティ機器からの通報を受け、現場のガードマンに指示を送る司令塔です。
「電話についている、カラフルな棒はなに?」
「あの人は何をしてるの?」
「あのランプはどうなってるの?」
――と、物珍しい光景に子どもたちも大興奮。殺到する質問に、一つひとつ答えていきます。
内容は、自動的に管轄のガードマン待機所へ。そして、ガードマンは警備先に急行し、状況を確認します。同時に、ガードセンターでは危険な現場へ向かうガードマンの安全を管理しつつ、必要に応じてお客様や警察、消防に連絡するなど臨機応変に動いています。
時計が12時を回ったところで、子どもたちはバスへ移動。赤坂にあるALSOK本社へ移動し、ALSOK社員のみなさんとテーブルを囲んでのランチタイムです。
さて、ALSOKの警備服に身を包んだ“ちびっこ隊員”たちが席に着くと、午後の体験のはじまり、はじまり。
まず披露されたのは「話者認識技術」。
話者認識とは、声の音質(周波数情報)から、「誰が話しているか」を認識する技術です。かつては大量の音声を登録しないと判別ができませんでしたが、ALSOKの話者認識は5回話しかけるだけで登録が完了します。
さっそく、玄関ドアの模型に設置された「話者認識」システムで、代表の子が“声のカギ”を作ります。
その後、「行ってきます。」と話しかけただけで、ドアのカギがロック!続いて、「ひらけごま。」と合言葉を話しかけると、見事に鍵が開きました。
試しに、声を登録していない子に「ひらけごま」と話しかけてもらいましたが、もちろん鍵は開きません。
続いて登場したのは「飛行ロボット」!
実は、ALSOKでは30年以上前から人に代わるロボット開発を続けており、セキュリティの現場にもロボットが多く配属されているのです。
「はーーーーい!!!」と本物の飛行ロボットを前に、大盛り上がりの子どもたち! さっそく操縦してみました。
お兄さんの呼び声とともにドアが開き、さっそうと現れたのは、ガードマンと連携して施設を守る警備ロボット「リボーグQ」。
このロボットは普段、建物の中を走行してパトロールする常駐警備を行っています。自分で充電スポットに行ったり、見たものを録画したりと優秀なんですよ。
ちなみに、ロボットには「特定人物を発見・通報する顔認証機能」もついています。あらかじめ、テロリスト・指名手配犯などの顔を登録しておくと、認識すると瞬時に防災センターなどへ通報することもできるのです。
登録者を追跡する機能もついているんです。どこかでもし見かけたら仲良くしてあげてくださいね。
最先端のロボット技術でひとしきり盛り上がった子どもたち。興奮も冷めやらぬまま、「いのちの授業」へと移ります。
市民の「生命」を守ることも警備会社の重要な指命のひとつ。ガードマンはイザという時のために救命の技術を身につけておかなければいけません。
ハイッ! と手をあげた少年。
「近くにいる人を呼んで、119番して、AEDを持ってきます!」
たとえば、サッカーの授業中、胸でボールをトラップした時。マラソンで長距離を走っている時。水泳の途中で溺れてしまった時。健康な人でも心臓に負担がかかることで急な心肺停止状態に陥ることがあります。
そこで、今回は誰かが倒れてしまったときの応急処置として、心肺蘇生法と、AEDの操作法について学びましょう。
まずは、ALSOKのスタッフが心肺蘇生法とAEDの操作法を一通り実演し、各グループ毎に胸骨圧迫を練習します。
さて、訓練用マネキンを倒れた人に見立てて、さっそく救急救命体験スタート。
各グループのリーダーとなった子どもが、倒れた人に駆け寄って「大丈夫ですか?」と声をかけますが、反応はありません。
「人が倒れています!誰か来てください!」
リーダーが応援を呼ぶと、わっと集まるグループの子どもたち。
リーダーの指示のもと、「119番に通報する」「AEDを持ってくる」等、それぞれが与えられた役割どおりに行動します。
その頃、現場では胸骨圧迫がはじまっていました。このマネキンは、正確な場所を適切な力で押すと、カチカチと音がなるのです。
現場にAEDが到着しました! 子どもたちはAEDの自動音声に従って、手早く作業を進めます。
本来ならここでバリバリッと電気が走ります。が、これは練習ですから電流はナシ。みんな、上手にできました!
さて、楽しかった体験プログラムもそろそろ終わり。各チームがグループになり、青山社長との質疑応答に向け、本日の学びをまとめます。
「おや、なんだか記者会見みたいだね。みなさんも記者になったつもりで、どうぞ何でも聞いてください」とニコニコする青山社長。
さっそく、子どもたちからは、「社長ってどんな仕事をしているんですか?」との質問が。
「まず7時半くらいに来て、メールをチェックします。メールに一つひとつ返事を書くんですね。これがなかなか大変なの。現場を訪れて問題はないかを聞いて回ったり、お客様と話をしてどんなニーズがあるかを聞いたりしていますよ」
続いて「なぜ外国はアジアしか出していないんですか?」という質問も。
「警備会社は、アメリカが発祥の地で、ヨーロッパも19~20世紀に続々と出てきました。欧米はもうすでにサービスが行きわたっているので、我々は日本企業が出ている東南アジアでサービスを展開しようと考えたんです。もちろん欧米に対してもいろんな貢献ができると思っていますよ」
本日の学びの成果を見せてくれる子どもたちを見て、うれしさひとしおの社長&スタッフたち。なごやかなムードで修了式へと進み、1日を締めくくる記念撮影へ。