ALSOK 安全安心コラム
自転車事故に多い原因は?子どもに教えたい「安全な自転車の乗り方」
2018.08.16
近所へ遊びに出かけたり、あるいは塾や習い事へ通うとき、自転車を利用する子どもは多いことでしょう。自転車乗用中の交通事故のうち、未成年者が占める割合は高齢者と並んで高い傾向にあります。子どもが自転車に乗る際、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
今回は、自転車事故に多い原因と、安全な自転車の乗り方についてご説明します。
自転車事故に多い原因
警察庁の自転車乗用中の事故は年々減少傾向にありますが、それでも依然として交通事故件数全体の約15%前後で推移しています。自転車事故の主な原因は大きく分けて2つです。
出合い頭の衝突が「約半数」
自転車事故の原因で最も多いのが、交差点などで起きる「出合い頭の衝突」。その件数は自転車事故原因全体の「約半数」を占めています。
見通しの悪い交差点や狭い道で信号機がない交差点の場合、相手の存在に気づいてからブレーキをかけても間に合わないことがあります。
右左折時の衝突
自転車事故の原因で次に多いのが「右左折時の衝突」です。
右折時は交差点での衝突に注意が必要です。
自転車が交差点を右折する場合、交通ルールでは信号のあるなしにかかわらず「二段階右折」が義務づけられています。二段階右折とは道路の左端を走ったまま一度向かい側に渡り、渡った先の道路で右側の道路へ渡る方法のことです。自動車と同じように交差点中央を通って右折する方法は危険なため、禁止されています。
一方、自転車で左折する場合、自動車による巻き込みに注意が必要です。
自動車側の不注意も事故原因の一つですが、左折しようとしている自動車の横を自転車がすり抜けて左折すると、自動車に巻き込まれる可能性が高くなります。
安全な自転車の乗り方
道路交通法上において自転車は「軽車両」に定められており、子どもであっても自転車に乗る際は交通ルールを守る必要があります。続いては、安全な自転車の乗り方についてご紹介します。
交差点では一時停止をして左右の安全を確認
交差点で起こりやすい、出合い頭の衝突。「いつも車はほとんど通らないから」と油断せず、子どもには慣れている道でも必ず交差点で一時停止をし、左右の安全を確認するよう教えてあげてください。
信号無視をしない
大人が信号無視をしているのを見て、真似をする子どももいます。ご家族が普段から信号を守る姿を分かりやすく見せると同時に、子どもに信号を守る必要があることを説明しましょう。
歩道を走行する際は歩行者に配慮
子どもが自転車に乗る際、歩行者への配慮が必要なことも教えてあげてください。
自転車は車道が原則で、車道を通行する際は左側を通ります。自転車専用道路が設けられている場合もあります。
やむを得ず歩道を走行する際、 自転車で歩行者をすり抜けるように運転するのは大変危険です。歩道で歩行者と接触すると、自転車側の過失責任が高くなる場合があります。
自転車に乗る際、注意したい行為や事故を防ぐ対策
自転車に乗る際、道路交通法などで禁止されている行為があります。子どもを自転車事故から守るには禁止されている行為を避けると同時に、自転車事故における重大なケガを防ぐための対策をとることも大切です。
ながら運転
傘をさしながらの運転、スマホを操作しながらの運転は道路交通法で禁止されています。傘さし運転などのながら運転は前がよく見えないだけでなく、片手で運転することになるため、急停止や方向転換がしにくくなります。これらの行為は危険なだけでなく、違反すると罰金が科せられることがあります。
無灯火運転
暗くなってから自転車で走る際、車や歩行者に自転車の存在を知らせるため、ライトを点ける必要があることを、子どもに教えましょう。また、夜間(日没時から日出時までの時間)に、ライトを点灯せずに乗ることも罰金対象となります。
二人乗り運転や並進走行
二人乗り運転は原則的に違法とされています。二人乗り運転を禁止しているのは各都道府県の道路交通法施行細則や道路交通規則です。
また、車道において自転車が他の自転車と横に並んだ状態で走ることは、道路交通法において「並進」にあたり、禁止されています。「並進可」の道路標識が掲示されている道路のみ、並進可能です。
ケガを回避するためにヘルメットを着用しよう
警察庁の資料によると、平成29年度の自転車事故によって、亡くなった方の約6割が頭部に致命傷を負っていました。もしもの時に備えて、自転車に乗る際、13歳未満の子どもにはヘルメットを着用させましょう。自転車に乗る前には必ずヘルメットをかぶるよう声をかけてください。
そのほかに気をつけたいこと
自転車事故を防ぐためには、定期的に自転車のメンテナンス(ブレーキ、タイヤ、ライト)を行うことをおすすめします。また、自転車事故によるケガや賠償に備えて、個人賠償責任保険への加入を検討するという選択肢もあります。
交通ルールを守って楽しく自転車に乗ろう
安全に自転車に乗るためには、ひとつひとつの交通ルールをきちんと守ることが大切です。
一見ささいに思えることであっても、交通ルールを守らないと事故を起こしてしまう可能性が常に潜んでいます。
安全で楽しく自転車に乗れるよう、ご家族で日頃から交通ルールを学び、 子どものお手本になってあげるとよいでしょう。