ALSOK セキュリティコラム

しっかり対策して便利に使う パソコン防犯対策

今年の夏は記録的な猛暑、毎日暑い日が続きました。しかし、秋の長雨がしとしとと降るたびに少しずつあの強烈な夏の暑さも勢力を弱め、最近は肌寒いと感じる日も多くなって参りました。

さて、今月のテーマは「パソコンの防犯対策」です。住まいの防犯対策を講じなければならないのと同じように、インターネットが普及した昨今では、パソコンを利用する際にもしっかり防犯対策しなければならなくなってきました。そうはいっても、パソコンの知識を十分に持っていないために、対策するのが億劫になっている方も相当数いらっしゃるのではないでしょうか。そのような方々にもパソコンの防犯対策の重要性をご理解いただけるよう、基本的なキーワードを挙げながらお話したいと思います。

1. 起動(操作)ロック

パソコンの起動時に暗証番号やパスワードを入力しないと、本人以外操作ができないようにする機能です。パソコンの無断使用やのぞき見を防止するのが主な目的ですが、万が一のノートパソコンの置き忘れや盗難時にも有効な対策となります。自宅の玄関に鍵をかけるように、パソコンの入口にもしっかり施錠しましょう。

2. 暗証番号(パスワード)

パソコン自体のみならず、作成した文書ファイルなどのデータを保存する際にも、暗証番号やパスワードを設定することが有効な対策とされています。特に、Eメールの添付ファイルとしてデータを送信する場合には、送り先を誤ってしまうことも考えられるため、個人情報などが含まれたデータの暗号化は必須作業といえるでしょう。

3. 迷惑・間違いEメール

見知らぬ人からEメールが届いたがそのままクリックしてしまい、結果的にウイルス感染してしまった。こんな経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。こういった場合、「どこで、自分のアドレスが漏れてしまったのだろう!?」と少々疑念を抱きながらも、内容が気になってつい・・・といった状況に陥りやすいものです。
基本的には、見覚えのないアドレスから届いたEメールは無視するのが無難です。不用意にEメールを開いてしまうと、コンピューターウイルスに感染して思わぬ損害を被る恐れが多分にあります。また、送られてきた迷惑メールに返信してしまったために、その後止め処もなく大量のEメールが送られてきてしまったケースもありますので、十分に注意しましょう。
なお、プロバイダーによっては、Eメールのウイルスチェックや駆除をするサービスがありますので、それを利用するのもお勧めです。

4. ウィルス対策ソフト

一旦コンピューターウイルスに侵入されると、パソコンに保存されている情報が外部に流出し、その情報が悪用される恐れなどがあります。そういった状況を防ぐために、ウイルス対策ソフトが数多く販売されています。こちらは、ご自分のパソコンをインターネットに繋いでいる方すべてにご利用をお勧めします。また、既にウイルス対策ソフトを利用されている方は、定期的に情報が更新されるよう、ご自分のパソコンの自動更新設定をONにしておきましょう。

5. フィルタリング

お子様がパソコンを利用する際、有害サイトはその目に触れさせたくないものです。そこで、大人向けサイトなど子どもに見せたくないサイトを、予め取り除くように設定しておく対策が「フィルタリング」です。こちらは、プロバイダーが提供している場合や、ウイルス対策ソフトに「サイト閲覧フィルタリング機能」がついている場合などがありますので、それらを利用するといいでしょう。

5. フィッシング詐欺

有名企業や実在する会員サイトなどを装った、偽のウェブサイトへのURLリンクを記載したEメールを一方的に送りつけ、本物のサイトと勘違いした人にクレジットカード番号などの個人情報を入力させて、それを不正に入手するという犯罪です。こちらは迷惑メールと同様に、見覚えのないアドレスからのEメールは開かない、Eメールに記載されているURLをクリックしない、などが有効な対策として挙げられます。

ブロードバンドの発達とともに、ご家庭のパソコンも1台ごとに単独で作動する時代は終わりを告げ、インターネットに接続することが一般化されました。これにより、外部との情報交換・共有が容易になったため、ショッピングや銀行取引までもが家にいながらにして可能となりました。また、最近ではインターネットを経由してソフトウエアや情報システムを利用することのできる「クラウド・コンピューティング」というサービスが話題となるなど、新たな広がりを見せています。いまや、パソコンは非常に便利な機器として、家庭でも日常生活を送る上で不可欠なものとなっています。その一方で、外部からの侵入や情報の流出などが大きな社会問題となっており、犯罪に至るケースも少なくありません。

これまでお話したように、パソコンをインターネットに接続する以上は、誰もがこうした被害に遭う可能性があります。特に個人が使用するパソコンは、ネット上において脆弱な環境におかれていることが多いため、他者から狙われやすいものです。従って、自分のパソコンは自ら守らなければならず、セキュリティ対策の重要性は今後ますます高まってゆくことでしょう。

皆さんもインターネットを通じた不慮の被害や犯罪に巻き込まれないよう、お手持ちのパソコンの防犯について様々な手段を検討してみてはいかがでしょうか。