ALSOKあんしん通信

夏休みの子どもの安全
〜インターネットには危険がいっぱい!・・・だから親子で確認「おいしい日」

○インターネットに触れる機会が増える夏休み

子どもたちが楽しみにしていた夏休みが始まりましたね。自由時間が増える夏休みは、自由研究などの宿題をインターネットで調べたり、インターネットゲームを楽しんだり、休み中に会えない友達とメールしたり・・・と、長時間インターネットに接する子どもも多いと思われます。
子どもたちがふだんインターネットを利用する目的について調べてみると、「動画を見る」「投稿やメッセージを交換する」「ゲームをする」「音楽を聴く」などが多くなっています。子どもにとって友だちとコミュニケーションをとったり、映像やゲームを楽しんだりするためのツールであるインターネットですが、一方で、トラブルに遭う事例も増えています。そこで今月は夏休みの安全対策として、子どもが巻き込まれやすいインターネットトラブルと、家庭で出来る対策をご紹介します。

インターネットの利用目的

出典:内閣府 令和3年度青少年のインターネット利用環境実施調査

  • トラブル①オンラインゲーム:「無料」のはずが高額請求
    「無料」と宣伝しているゲームサイトに無料ならと思い、子どものために登録。子どもは本当のお金だと思わず、ゲーム内でアイテムを多数購入して遊び、結果的に数万円単位の高額な請求をされるケースがあります。また定額制のサービスを利用していない場合に、高額な通信料を請求されてはじめて事態に気付く例もあるようです。
    消費者庁によると、未成年による被害相談の約半数が小学生の利用者であり、料金の仕組みをよく理解せずにゲームをしているものと思われます。親自身も無料と思い込んでいたりする場合もあるため、あらかじめ利用規約を確認したり、子どもが日頃どんなゲームをしているのか関心を持つことが大切です。
    参考:消費者庁「オンラインゲームトラブル」
  • トラブル②コミュニティサイト:「出会い系」じゃないから安心?
    「新しい体験や出会い」に期待したくなる夏休みですが、インターネットの世界特有の危険もあります。
    SNSやゲームサイトなどのコミュニティサイトで知り合った人から嫌がらせを受けたり、性犯罪に巻き込まれたりするケースが増えています。こうした事件は、いわゆる「出会い系」サイトを介したものと思われがちですが、実際には出会い系を主目的としていないSNSなどを介したトラブルが急増しています。
    近年こうした傾向がますます強まり、下記のグラフでは令和3年におけるSNSを通じて面識のない相手と知り合い被害にあった児童数は1,812人になります。
【SNSに起因する事犯】罪種別の被害者児童数の推移

出典:警察庁「令和3年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害状況」

被害児童の多くがフィルタリングを利用してない状況であったこともわかっており、年齢や使用状況に応じてフィルタリング設定の設定を行うことが必要です。
トラブルを避けるためには、「誘われても会わない」「個人情報は明かさない」「一人で悩まず困ったら大人に相談する」ことが重要でしょう。

○インターネットの利便性が、子どもにとっては危険性に

情報技術の進展はテンポが速いため、大人でもその変化についていくのは容易ではありません。ましてや子どもの場合、インターネットを介したサービスの詳細な仕組みや、インターネットのメディアとしての影響力の大きさを知らずに利用している恐れがありますので、特に注意が必要です。
またインターネットの利点であるアクセスの利便性も、子どもにとっては「中身がよく分からなくても、簡単にアクセスして使えてしまう」危険性に繋がっています。こうした懸念される危険が表面化したものが、先ほど取り上げたオンラインゲームのトラブルや、SNS・コミュニティサイトへの安易な個人情報の公開だといえます。

○ネット利用のルール、親子で共有できていますか?

「子どもがどんなサイトを見ているか知っているから安心」「我が家では、スマートフォンやインターネットを使うときのルールがあるから大丈夫」と思っていませんか?
子どものインターネット利用に関する大きな注意点として、利用状況の把握や利用にあたってのルールに関して、親子間で認識のズレが生じがちであることが挙げられます。

また親が「ルールがある」と思っている一方で、子どもはそれほどルールを理解していなかったり、意識していなかったりする場合があります。ルールを決めたことで安心せず、ルールが守られているか、どんな使い方をしているかなど、子どもの成長に応じて定期的に親子で確認することが、インターネット被害から子どもを守るポイントになります。そのほか、できる限りフィルタリングやペアレンタルコントロール(※)を使用するようにしましょう。

※ペアレンタルコントロール…インターネットやスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機などで子どもに悪影響を及ぼすような暴力的表現などを含むコンテンツやサービスを閲覧できないように利用制限をかけること

参照:総務省 あんしんしてインターネットをつかうために国民のための情報セキュリティサイトキッズ

○提言〜インターネットのルールを守って「おいしい日」!

子どもがインターネットを利用する際に注意すべきポイントについて、頭文字をとって「お・い・し・い・ひ」にまとめました。定期的に「おいしい日」をつくり、インターネットのルールについて親子で楽しく確認してみませんか?

★親子で確認「おいしい日」のお約束★

  • しえない 自分の名前や住所、学校、IDやパスワードなど、個人情報をインターネットでおしえない。
    インターネットで知り合った人から、自分や家族のことを聞かれてもおしえない。
  • かない インターネットで知り合った人から「会おう」と誘われても、いかない。
    いってはいけないと言われたサイトには、いかない。
    (有害サイトには、いけないようにフィルタリングを!)
  • らせる インターネットで困ったことがあったら、大人(親や先生など)にしらせる。
    (インターネットで悪口を書かれた、しつこく「会おう」と誘われる、お金を請求されたなど)
  • やなことをしない 悪口やうそなど、人を傷つけるいやなことをインターネットでしない。
    もらった人がいやがるようなメールは出さない。
    ★ここにも注意!…ちにちの利用時間をきめる」
  • らかない 知らない人からきたメールの添付ファイルなど、あやしいものはひらかない。
    ★ここにも注意!…とりでインターネットをしない(大人が見ているところでする)」

【保護者の方へ】

インターネット利用のルールは、いったん決めても、時間が経つにつれて「ルールを守る意識」が薄れていく恐れがあります。またお子さんの成長にともない、合わなくなったルールや新しく決めたいルールができることもあります。定期的に「おいしい日」をつくり、親子間でルールについて確認しましょう。

以上