ALSOKあんしん通信

ママ、気をつけて!!〜犯罪に遭遇する育児シーン

★一般的に女性は犯罪者に狙われやすいといわれていますが、もちろん「ママ」も例外ではありません。そこで、日々の育児や在宅ワークの際に、ママたちに気を付けてほしい犯罪事例とその対策について紹介します。

○どの育児シーンでも子どもの安全が第一優先

ママの生活には、お子さまの食事やお風呂などの世話、子連れでの外出、保育園や幼稚園などの託児施設への送迎など、さまざまな育児シーンが存在します。そんな育児シーンで犯罪者に遭遇してしまったら、あなたはどうしますか? 子どもの身の安全が最優先される状況では、犯罪者に抵抗したり、犯罪を抑止したりすることは困難な場合が多いでしょう。ましてや、犯人を追いかけるなどということは到底出来ません。

【たとえばこんな事件です】

  • 赤ちゃんを抱いて歩いていた女性が、突然背後から「振り向くな、財布を出せ」と男から脅された。男は女性からカバンをひったくるように奪って逃走した。女性は銀行に行く途中であった。

被害があるにせよないにせよ、犯罪に遭遇すること自体がとても怖いことです。ましてや、子どもがいるママなら、なおさらその気持ちは強いことでしょう。犯罪に巻き込まれないためには、まずは犯罪者に狙われないように心がけることが非常に大切です。

○子どもに集中している状況を犯罪者は狙っています!

子どもを連れて外出しているときは、常に子どもの動向に注意しなければいけないため、自身の身の回りへの警戒心が希薄になってしまうことがあります。また、おむつや哺乳瓶、着替えなどたくさんの荷物を持っていることが多いため、落とし物や忘れ物に気づきにくいこともあるでしょう。
そのような状況では、犯罪者に狙われやすい可能性があります。子どもに集中しているスキを狙った窃盗や、落とし物・忘れ物の置き引きなどに注意が必要です。

【たとえばこんな事例です】

  • ベビーカーのハンドルにバッグを提げて商品を見ていたところ、バッグ内の財布が盗まれていた。
  • 保育園や幼稚園に子どもを迎えに来た母親が車を離れたわずかの時間に、助手席の窓が割られ、中から現金の入ったバッグなどが盗まれた。

また、自宅や保育園の敷地内などからベビーカーが盗まれる事例も発生しています。

【普段から以下の点に気をつけましょう】

  • 防犯ブザー・ホイッスルを携帯し、すぐに使用できる状態にしておきましょう
    子どもと一緒にいるときは、素早く動けないため、逃げることが非常に難しい状況です。防犯ブザーを鳴らして周りに助けを求めたり、大声で「助けて」と叫び、周囲に危険を知らせたりすることが有効です。
  • 貴重品は、常に身につけましょう
    財布などの貴重品は、必ず身につけて離さないようにしましょう。ひったくり被害に遭わないよう、斜めがけできる小型バッグやウエストポーチなどを常用するのがおすすめです。
  • 治安の情報収集をしましょう
    最近は警察が犯罪・不審者情報などを地図入りで公開しています。それらを参考にする他、明るく人通りの多い道を歩くなど、犯罪者が犯行におよびにくい場所を通ることが重要です。

○思わぬ危険が潜む在宅ワーク

在宅ワークについては、詐欺などのトラブルに巻き込まれる危険があります。
例えば、在宅ワーク希望者を狙った求人詐欺です。Web広告から求人サイトへ誘導し、好条件な在宅ワークを斡旋できるとして消費者を勧誘します。主な手口は、求人応募者に研修を通じて免許証などの個人情報を送信させたり、マニュアル料金などと称して金銭を支払わせたりするなどです。「空き時間で1日◎万円!」「日給◎◎万円!」と好条件なPR文で誘ってくるため、在宅ワークの仕事を探している方は注意する必要があるでしょう。

また在宅ワークの中でもインターネットを利用した「アフィリエイト」は、誰でも気軽に始められることから、副業として取り入れる方も多いようです。「アフィリエイト」は、自分のホームページやブログなどにバナー広告を掲載し、広告経由で商品が売れた場合に報酬を受け取ることができる仕組みです。また、自分のWebサイトなどで商品販売を代行し、商品が売れた場合に報酬を受け取る「ドロップシッピング」もあります。近年これらの商法に関する相談は増加傾向にあり、独立行政法人 国民生活センターの「アフィリエイト・ドロップシッピング内職(各種相談の件数や傾向)」によると、2021年度には2,670件もの相談が国民生活センターに寄せられました。前年の2020年度の件数と比較すると、約1.5倍も相談件数が増えていることがわかります。

「アフィリエイト」「ドロップシッピング」に関する相談件数の推移

出典:独立行政法人 国民生活センター「アフィリエイト・ドロップシッピング内職(各種相談の件数や傾向)」より作成

【たとえばこんな事例です】

  • Webサイトから『「手軽に在宅・副業!誰でもすぐに収入UP!』のような記載がある好条件な在宅ワーク求人に応募。本採用前の研修で免許証などの個人情報を送信、本採用後はホームページ作成の初期費用として高額な費用を請求された。
  • 「副業」とネット検索した際の広告から「副業のランキングサイト」にアクセス。サイト内のLINE友だち登録バナーをクリックし、友だち登録をすると稼げる副業を紹介されるが、「専用のマニュアルが必要」だと伝えられる。マニュアルを購入してみたものの、記載されていた情報は紹介された副業とは異なる内容だった。
  • 高額なアフィリエイト収入を引き合いに、初期投資として50万円を請求された。
  • 広告を見てサプリメント販売の情報商材を購入したが、広告の説明にあった金額よりも高い契約になっていた。

その他、一度消費者トラブルにあった方に対して、「以前の契約が継続中です」と言って勧誘するなどの二次被害も発生しています。また、在宅ワークのサイトやメーリングリストに登録したことで、詐欺まがいの会社から次々と勧誘を受けるケースもあります。

【普段から以下の点に気をつけましょう】

  • 新しく仕事を探す場合は確かな情報筋を利用しましょう
    ハローワークやマザーズハロワーク、公共の内職斡旋所、公的に認定された民間の斡旋センターは安心して利用できます。最寄りの自治体に問い合わせてみましょう。まずは、自分の目で確かめてみることが大切です。
    また、会社に雇用されて働く在宅勤務ではなく、自宅でパソコンなどの情報通信機器を活用しクラウドソーシングや仲介事業者などを通して仕事を行う自営型テレワーカー(個人事業主)を始める方もいるでしょう。自営型テレワークに取り組む際も仕事を探す際は情報収集をきちんと行い、悪徳業者に騙されないよう注意が必要です。
  • 「子育ての合間に、楽チン・短期で高額報酬」は要注意です
    特殊な資格や能力を伴わない「楽チン・短期で高額報酬」な仕事はまずありません。そのような募集は「詐欺」であると考えて間違いありません。
  • 内職・在宅ワークの募集被害にあった場合は、最寄りの消費生活センターに相談しましょう。
    内職や在宅ワーク詐欺の手口は多様なため、解決策も一様ではありません。巧妙な会社もあるため、信頼できるかどうかを納得いくまで問い合わせをし、怪しい場合はきっぱり断ることも大切です。また、自分だけで判断せず、「内職詐欺かどうか確認したい」「騙された」と思ったら、すぐに相談しましょう。
    >全国の消費生活センターについて詳しくはこちら
  • 最後に
    子育て中のママを狙った事例や、内職・在宅ワークのトラブルなど、ママの周りには危険やリスクが潜んでいます。お子さまはもちろん、自身が犯罪やトラブルに巻き込まれないためにも、当記事で紹介した普段からできる対策を行うようにしましょう。また、育児の不安や悩みを抱えているのであれば、自分だけで背負い込まず、家族や友人にまずは相談してみてください。

以上