ALSOKあんしん通信
えっ!?この人が!!〜意外な傷害・暴行の犯人像
★「人を殴る・傷つける」という暴力行為は、立派な暴行・傷害という犯罪です。このような事件の犯人像といえば、体が大きくて力自慢の成人男性をイメージしてしまいがちですが、このところ意外な人たちの犯行が増えているようです。そこで、最近の暴力行為の傾向と事件の事例を紹介します。
○ 人口だけじゃない、増える高齢者の犯罪
人を殴ったり、傷つけたりする行為は、暴行罪または傷害罪として罰せられます。年齢層別検挙人員の推移をみると、暴行罪では40歳代の犯罪者が一番多くなっています。また、平成10年ごろから「キレる若者」の存在がクローズアップされてきましたが、実際には20歳未満の検挙人数は年々減少しています。
また、70歳以上の年齢層でも検挙人員が増加傾向にあります。
【たとえばこんな事件です】
- 65歳男性は、息子に金遣いの荒さを注意されて口論になり、ナイフで額や左太ももを切りつけた。
- 81歳男性は、野良猫にえさを与えている近所の顔見知りの女性を注意したところ、女性が言い返してきたため、かっとして持っていた傘で殴った。
高齢者の場合、にぎやかな場所でのけんかなどのケースはあまり見られず、ご近所や親族同士など日常生活の範囲内でトラブルを起こし、犯行にいたることが少なくありません。また、杖などの道具を使用する傾向があるようです。
○子どもの暴力行為
令和元年度の調査において小中学生と高校生の暴力行為は約79,000件に上りました。令和2年度の暴力行為の件数を平成29年度と比較すると、中学生と高校生の暴力行為は減少している一方で、小学生は1.45倍に増加しています。
【暴力行為とはこんな行為です】
小中学生と高校生が起こす暴力行為は、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊の4形態に分類されています。
- 授業中の態度が悪いことを注意され、教師に暴言を吐いて、椅子を蹴飛ばした。
- 友達に自分の物を壊されたので、かっとなって胸ぐらをつかんで怪我をさせた。
- ゲームセンターでゲーム機を叩いているところを注意され、店員に体当たりなどをした。
- 友人に遊ぶ約束を断られたことに腹を立て、机を蹴り倒し、非常口のガラスを破壊した。
暴力行為増加の背景として、自分の感情を言葉にできないなど、コミュニケーション能力の不足や規範意識の低下があるようです。
【ふだんから以下の点に気をつけましょう】
暴力行為の予兆をキャッチし、トラブルを回避する方法をご紹介します。
- 危険を誰かに知らせる非常ボタンの場所をチェックしておく
身に危険が及びそうなとき、及んだときは、警備員や警察などを呼ぶことが一番です。公共の場所にある非常ボタンをチェックして、緊急時には迷わず押して助けを求められるようにしておきましょう。駅やトイレなど身近なところから探してみることをお勧めします。 - 家族のSOSサインを見逃さないく
社会で孤立し、飲酒で気を紛らわそうとした結果犯行に至る高齢者や、家庭内での不満や友達とのトラブルなど、日々のストレスから暴力を振るう子どもが少なくないようです。不平不満を言っている、落ち込んでいる、食欲がないなどの家族のSOSを見逃さないようにすることが重要です。また、サインに気づいたら、近況を聞くなど家族の気持ちを十分に受け止めてあげましょう。 - 言葉によるコミュニケーションをとる
あなたのご家族は、自分から挨拶をしていますか?単語でのみ話をしていませんか?このような傾向があったら、コミュニケーションが不足しているのかもしれません。そんなときは、積極的に家族と会話することが大切です。会話で家族の絆を深めるとともに、言葉を使って感情や意思を伝え合えるようになりましょう。
以上